セルゲイ・コロリョフ 単語


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セルゲイコロリョフ

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セルゲイ・コロリョフとは、本名セルゲイ・パブロヴィッチ・コロリョフ。ソビエト連邦の宇宙計画の中心人物である。ソ連のフォン・ブラウンとも言われる。

概要

第二次世界大戦終結後、アメリカとソ連はこぞってV2ロケットの復元/研究を開始した。この時、ソ連では、ドイツから連行してきたドイツ人V2ロケット復元チームと、コロリョフを頭としたソ連チームで競争させていた。このドイツチーム側のV2ロケット復元に対抗する形でRシリーズを開発。見事ドイツチームを抜く成果を見せた。

ドイツチームに勝ったことで、設計局を任されることになり、バイコヌール宇宙基地に移転。R-7ロケットを開発。スプートニク号による人工衛星、ボストーク号による有人宇宙船、ルナ1号による人工惑星、ルナ2号による月面到達を、人類で初めて達成した。

ツィオルコフスキーの信奉者。同時代の多数と同様ツィオルコフスキーの理論に強い影響を受けたが、扱い易さからケロシンを愛用した。そのため、エンジン開発主任のグルシュコ(ヒドラジンの使用を推進)と対立することがしばしばあった。

1966年、ポリープの手術中に死亡。アメリカのアポロ計画に対抗する「ソユーズL1/L3計画」N-1ロケットの開発は、これにより難航することとなる。

宇宙開発競争当時は暗殺を恐れたソ連当局により一切の個人情報は伏せられ、「同志設計主任」「同志チーフデザイナー」と呼ばれた。彼が死ぬまで本名は公表されず、ライバルであるフォン・ブラウンも彼の本名を知らなかった。積極的にフォン・ブラウンの名を発表したアメリカとは対照的である。

R-7

コロリョフが開発した2段ロケット(初期型では1段+ブースター)。ケロシン、液体酸素を主燃料とする。1段目の周囲には、ストラップオンブースターを4機備える。これによって特徴的な円錐型のシルエットを持つ。

主エンジンであるRD-107,RD-108は4個の燃焼室を持つクラスタエンジンであるが、燃料ポンプは1個しかないため、厳密にはクラスタではないという見解もある。燃焼室が小さい分安定した燃焼が得られるが、出力に対してエンジン重量が大きくなる、という欠点を持つ。このため、R-7は他のロケットと比べ、打ち上げ能力対重量の比率が良くない。

過去から現在において、改良更新を受けながら、4桁近く製造される。かつては、宇宙ステーション「サリュート」「ミール」との連絡/補給任務にあたり、現在では国際宇宙ステーションの主要連絡/補給手段である。

ソユーズ宇宙船との組み合わせは、現時点で最も安全でコストパフォーマンスの高い、有人宇宙船打ち上げロケットである。ただし、現行の有人宇宙船は2種類(ソユーズ、神舟)しかない。

ソビエト連邦製人工衛星の名称/ナンバリング

初期のもの、特にスプートニク(Sputnik)

Sputnikの日本語訳は「旅の道連れ」と言われているが、当時「衛星」という用語がなかったため「衛星」を意味する単語を作ったもの。そのため、「スプートニク衛星」と呼んでしまうと「衛星衛星」となってしまう。

また、スプートニクは初期の人工衛星であるため、1機1機がほぼ新規に作られているおり、個々の機体が全く異なる。

コスモス号(Cosmos)の名称

ソ連が打ち上げた衛星のうち、最も多いのはコスモス号である。しかし、コスモス号は単一の機体ではない。打ち上げに成功した衛星のうち、特に実験機、名称がないもの、軍事機密的に公開できないものについて、コスモスの名前とナンバリングが与えられるようである。

ナンバリング

ソ連の場合、打ち上げの成功を以て、ナンバリングが与えられる。そのため、打ち上げ前のもの、打ち上げ失敗したものについては、ナンバリングが与えられない。このため、製造順序とナンバーが一致せず、ややこしい。

また、それぞれの1号機については、ナンバーが付かない。このため、「スプートニク1号」は厳密には「スプートニク号」と呼ぶのが正しいらしい。ただ、これらのナンバリング法則は厳密に適用されたかどうかは怪しい。また、1号からナンバリングした方が理解しやすいので、1号からナンバリングすることが多い。後述の西側ソースと合わせ理解を複雑にしている。

アメリカの場合は、打ち上げシーケンスに入った時点でナンバリングが与えられるようである。このため、訓練中に爆発した「アポロ1号」について、ナンバリングの議論が起きた。この「1号」は遺族からの要望によって付いたものである。

ソースは西側

ソ連はそれなりに情報を隠す、ほのめかすことをしばしば行っていた。現在の残る情報のほとんどは、西側の発表、観測結果を元にしていることがほとんどである。噂話も混ざっている

このため、いくつかの点で適切でないことがある

  • スプートニク4号はコラブル・スプートニク1号である。ヒートシールドを持たないボストーク型の試験機。大気圏突入テストの際、逆噴射に失敗し軌道上に残されたため、アメリカに発見された。
  • 同様にスプートニク5号以降は、コラブル・スプートニクシリーズを指す。なので機体としてはボストークである。
  • ボストークの打ち上げ前に、打ち上げられた人間がいるという噂話。これはコラブル・スプートニクシリーズに精巧な人形を乗せて打ち上げたことに尾ひれが付いたもの。人形は良く出来ていたため、着陸時に驚いた農民がウォッカを飲ませようとしたという逸話が残っている。
  • 多くの写真でボストーク宇宙船には3段目ロケットがくっついたまま、ボストーク宇宙船として紹介されている。これは、ソ連が公表した際、機体を大きく見せるため3段目ロケットを付けたまま、マスコミに見せたため。

現在

セルゲイ・コロリョフはソビエトロシアの英雄となった。ソ連が崩壊し、コロリョフの名は世界に公表できるようになった。

  • 宇宙機製造メーカー・エネルギア社の正式名称は、「S.P.コロリョフ ロケット&スペース コーポレーション エネルギア」 である
  • エネルギア社の工場内部壁面には、コロリョフの半身が描かれている

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関連項目

  • グルシュコ
  • ウェルナー・フォン・ブラウン
  • コンスタンチン・ツィオルコフスキー
  • 宇宙
  • 天文学
  • 打ち上げロケット・宇宙機の一覧

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