ゼネバス・ムーロアとは (ゼネバスムーロアとは) [単語記事]

ゼネバス・ムーロアとは、トミー（現タカラトミー）より販売されていた玩具シリーズ『ZOIDS』に登場する架空の人物である。

本シリーズが開始された1980年代当時のゾイドバトルストーリーシリーズに登場するキャラクターとなっている。

概要

ゼネバス帝国初代皇帝。

中央大陸を統一してヘリック王国を樹立したヘリック・ムーロアとかつて敵対していた異民族の女性との間に生まれ、ヘリック・ムーロア2世とは異母兄弟の関係になる。

兄のヘリックに負けず劣らず勇猛果敢で戦士としても指揮官としても優れた才覚を持っていたが、その気位も異様に高く、穏健志向だったヘリックに対して「軍人に戦うなと言うのは鳥に空を飛ぶなと言うのと同じだ」と理屈抜きで言い張るほど好戦的すぎるきらいがあり、これが後にヘリックとの埋めがたい溝へと発展していく原因となる。
一方でプライベートでは割りと気さくで部下思いという面もあり、それが彼のカリスマへとつながっていたようである。

ヘリック共和国建国後は同軍の司令官に任命されるものの、上記の性格から次第に外征論を主張し始め、それが通らないと見るや勝手に軍を動かそうとしてヘリックに止められるという事件を起こし、これが元でヘリックとゼネバスと完全に対立する事になった。

その後、ゼネバスは中央大陸統一記念日に大規模なクーデターを起こして中央大陸西部の一部を制圧、これを受けて共和国議会はゼネバスの軍司令官解任と共和国からの完全追放を決定した。
（これについては異民族の血を引くゼネバスを快く思わなかった共和国議会の策略だったという説もある）

そしてゼネバスはある策略家の甘言を受けて西部地方全域を我がものとしてゼネバス帝国を建国、ヘリック共和国との国境線を巡り中央大陸戦争を引き起こす事となる。

最初は国力で勝る共和国軍に圧されがちであったが惑星Ziにやってきた地球からの冒険商人の技術提供を受けて軍備を増強して行き、技術面においてはほぼ互角以上まで上り詰めるが、共和国軍のウルトラザウルスの登場により均衡は崩れ、とうとう帝国首都まで共和国軍に落とされた結果ゼネバスは叔父であったガイロスが建国したという暗黒大陸のガイロス帝国へと亡命を余儀なくされる。

それから一年後、ガイロス帝国の援助を受けて軍備を再編した後に中央大陸へ再侵攻、帝国首都を取り戻すと同時にあのデスザウラーをロールアウトさせ、一気に形勢を逆転する事に成功。今度は帝国軍が共和国首都を落とし、後はヘリックを倒すだけとなったが、その前に共和国軍はマッドサンダーを作り上げ、デスザウラーの優位性は失われて帝国軍はまたしても帝都を奪われて追い詰められてしまった。
（この時、自ら改造デスザウラーに乗って応戦したとされるが詳細は不明となっている）

それでもゼネバスはあきらめずガイロス軍に救援を要請、中央大陸北西部のニカイドス島に立て篭もってそれを待っていたが、しかしガイロス帝国は土壇場でゼネバス帝国を裏切り、ゼネバスは娘のエレナ、そして自軍の兵士やゾイドを全て奪われてしまい、ゼネバス帝国は事実上滅亡した。

それ以降は暗黒大陸において監禁生活を強いられ、ガイロス軍が取り込んだゼネバス兵を働かせるための道具にされてしまったが、この頃には兄との和解を考えるようにもなっており、かつて兄弟で作ったHZ暗号文で密かに共和国と交信したりしていた。

しかし、大陸間戦争末期にて発生した惑星Zi大異変の最中に病気か事故か原因は不明だが死去、その波乱の生涯を静かに終える事となった。

幼少期はゾイド絡みの事故を起こして動けなくなっていたヘリックを助けたり、その時の責任を負ってあげたりと兄思いの人物であったとされ、戦中においてもその兄に子供が生まれた際には特使を派遣して素直な祝福の言葉をかつて兄からもらった家宝の腕輪と共に贈るなど複雑な兄弟関係を見せている。

後に娘のエレナは共和国軍に救出されて後に大統領ルイーズ・エレナ・キャムフォードとなり、暗黒大陸で作ったと思われるもう一人の子供ギュンターはガイロス帝国に留まって後に帝国摂政ギュンター・プロイツェンとなるのは周知の通りであり、さらにこのプロイツェンの息子にしてゼネバスの孫に当たるヴォルフ・ムーロアによってゼネバス帝国はネオゼネバス帝国として復活を遂げる事となる。

あとGBAゲーム『ZOIDS SAGA2』にもこのゼネバスの血を引くとされるキャラクターが出て来たりするが、ゼネバス自身をはじめプロイツェンやヴォルフとはどういう関係だったかのは不明。
（まぁ、立場上側室や妾が居たとしてもおかしくはないが）