ソード・ワールドRPGリプレイ

ソード・ワールドRPGリプレイとは、主に雑誌『月刊ドラゴンマガジン』で連載されていたTRPG「ソードワールド」のリプレイ作品である。いずれも富士見ドラゴンブックで単行本化された。

リプレイとは

TRPGにおけるリプレイとは、プレイヤーが語ったセリフをキャラクターによる発言としてト書きで書き出し、セッションにおける雑談などを極力排したうえで、読み物としての面白さを追求したものである。ライトノベル的な読みやすさがあり、TRPGのルールなども解説されているので入門書としてはもってこいである。実際リプレイからTRPGに入った、またはTRPGはやらないがリプレイは読んでいる、という人も多いはずである。

RPGリプレイの元祖といえるのは「ロードス島戦記コンパニオン」であり、そこでパーンやディードリットなどのおなじみのキャラクターも生まれている。そしてその人気を受けてスタートしたのが「ソード・ワールドRPGリプレイ」である。このリプレイシリーズの大ヒットが、和製TRPGにおけるソードワールドの地位を確固たるものにしていったのは間違いない。

シリーズ解説

第一部　スチャラカ冒険隊編

1989年から1990年まで連載された。ゲームマスターは山本弘。イラストレーターは草彅琢仁。ソードワールドおよびそのリプレイ集の人気を決定づけた記念碑的作品であり、そこで提示された世界観やプレイスタイルは全国のプレイヤーやゲームマスターに多大な影響を与えた。また、プレイヤー・キャラクター（以下PCと表記）たちはソロ短編集『スチャラカ冒険隊、南へ』とテレビゲーム『ソードワールドSFC2』にも登場している。

PCは以下の6人。（※ノンプレイヤー・キャラクターはNPCと表記する）

• ザボ＝ン - 人間の男性。戦士でパーティーの主力。
• ケッチャ - 人間の女性。魔法使いで非力な「お嬢様」。料理の腕前はピンゾロ級。
• ユズ（ユージィ・マヌエル） - 人間の女性。筋力自慢の戦士兼盗賊兼吟遊詩人。
• ディーボ・レンワン - ドワーフの男性。マイリーの神官戦士。パーティーの良識派。
• アリシアン - ハーフエルフの女性。露出の高い盗賊。
• ケイン・クレンス - エルフの男性。スネア大好き精霊使い。

リプレイ集

1 『盗賊たちの狂詩曲』	2 『モンスターたちの交響曲』	3 『終わりなき即興曲』

以上は2006年発売の新装再版版。

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第二部

1990年から1992年まで連載。ゲームマスターは山本弘。イラストレーターは幡池裕行。他のシリーズとは異なり、明確なパーティー名やシリーズ名が定められていない。シアは後に短篇集『ゲート・デーモンの仮面』の表題作に登場。

PCは以下の初期メンバー6人に、追加の2人を合わせた8人。

• ライシードル・アレリー（ライ） - 人間の男性。パーティーの主人公的存在の戦士。
• ベリナス・ブレスト - 人間の男性。戦士兼吟遊詩人。筋力の高い重戦士。
• アラシャ・クリューワ - 人間の女性。姉御肌なマイリーの神官戦士。
• フィリアン・エッダ・フローティリス - エルフの女性。精霊使いで、パーティーの影のリーダー。
• キドマン・ブリューワ - 人間の男性。お気楽な魔術師。虎に噛み殺される。
• リン・エルドリア - ハーフエルフの男性。盗賊であり、チャ・ザの神官。前半のクライマックスで死亡。

物語の前半でキドマンとリンが死亡したために、代わりに加入したのが以下の2人。

• シア - 人間の女性。前半のNPCからPCに昇格。リザードマンに育てられた野生派少女。
• ベルモット・ロウ（ベル） - ハーフエルフの男性。盗賊であり魔術師。

リプレイ集

4 『魔境の支配者』	5 『南海の勝利者』

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第三部　バブリーズ編

1992年から1995年まで連載された。ゲームマスターは清松みゆき。イラストレーターは中村博文。
最初は赤貧パーティだったが、とある事件を解決した際に手に入れたマジックアイテムを売り払ったことで一気に大金が転がり込み、以降それを元手にして傭兵を雇ったり、高額な消耗品を盛大に使い潰しながら突き進む等の金に飽かせたGM泣かせのお大尽プレイが行われ、それが功を奏してどんどん成り上がっていった事で知られており、バブリーズ若しくはバブリーアドベンチャラーズ等と呼ばれるようになった。また、彼らはソロ短篇集『バブリーズ・リターン』にも登場している。

PCは以下の6人。年齢は初登場時のもの。

• アーチボルト・アーウィン・ウィムジー（アーチー）(32) - 人間の男性。学者肌の戦士。武器は魔剣アーチブレイド。
• フィリス(24) - 人間の女性。魔術師ギルドの導師を父に持つ魔術師でありながら、メンバー一の怪力を持つ。
• グイズノー(29) - 人間の男性。太目の体型をしたラーダの神官。とある一件より8000ガメルの男と呼ばれる。
• レジィナ(18) - 人間の女性。戦士であり、主戦力。パーティーの（唯一の）良心、なのだが・・・。
• スイフリー(140) - エルフの男性。精霊使い。付け耳エルフ、白粉塗ったダークエルフとまで呼ばれる灰色の脳細胞の持ち主。
• パラサ・ピルペ・パン(43) -グラスランナーの男性。もちろん盗賊であり、「にゅう」が口癖。

リプレイ集

6 『2万ガメルを取り返せ! 』	7 『混沌魔術師の挑戦』	8 『亡者の村に潜む闇』	9 『バブリーズ・フォーエバー』

以上は2002～'03年発売の新装再版版。

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第四部　風雲ミラルゴ編

1995年から1996年まで連載。ゲームマスターは清松みゆき。イラストレーターはぴぃたぁそると。

PCは以下の6人。

• ラーン - 人間の女性。魔術師の家系に生まれた戦士。パーティーの主戦力。
• ミンクス(35) - ドワーフの女性。猪突猛進の戦士。「罠ははまって踏み潰す」等で知られるミンクス理論の提唱者。
• マイス - エルフの男性。影の薄いイエスマンで、パーティーのリーダー。通称「うなずきエルフ」
• グレゴリー・ウータン - 人間の男性。ラーンに恋するチャ・ザの神官。
• ステラ・ベルローズ - 人間の女性。商家の隠居した女将で老婆という変り種。ラーンの妹弟子。
• チップ・タップ・ボン - グラスランナーの男性。ベルローズ商会に借金があるため。ステラの小間使いに。

ラーン、ミンクス、マイスの3人は次の第五部にも続いて登場する。

リプレイ集

1　『アサシンをやりこめろ!』	2　『アドベンチャラーに任せとけ!』

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第五部　アンマント財宝編

1996年から1997年まで連載。ゲームマスターは清松みゆき。イラストレーターは伊藤勢。

PCは第四部から続いて登場のラーン、ミンクス、マイスに新キャラ3人を加えた6人。また前作からの3人は、第四部のラストにおいて莫大な借金を背負っているという設定であり、「トリオ・ザ・住専」と呼ばれている。

• カシス - 人間の男性。盗賊としての技量を持った少年。祖父から託された財宝の地図を持っている。
• イーノ - 人間の男性。盗賊の神ガネードの神官で、カシスの後見人。
• ルーイ - 人間の男性。借金の監視役である魔術師。借金を返せないときは彼がそれを被るために必死。

リプレイ集

1 『宝の地図に勇者が集う』	2 『大迷宮に勇者が挑む』

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新ソード・ワールドRPGリプレイ　へっぽこーず編

2001年から2004年まで連載された。ゲームマスターは秋田みやび。イラストレーターは浜田よしかづ。旧版リプレイ集では続篇のぺらぺらーず共々最長となった人気作で、リプレイ集以外にもドラマCDが発売されていたり（下記キャラクターの声はそのドラマCDのもの）、4冊の長篇小説、2冊のソロ短篇集『集え!へっぽこ冒険者たち』『踊れ!へっぽこ大祭典』と短篇集『狙われたヘッポコーズ』『へっぽこ冒険者とイオドの宝』『へっぽこ冒険者と緑の蔭』の表題作に登場している他、短篇集『許されし偽り』の表題作にはイリーナの兄クリストファーが登場している。またリプレイ集ガイドブック『明かせ!へっぽこ大冒険』にはリプレイ「瀬戸際の花嫁」が収録されている。

PCは5人パーティー。

• イリーナ・フォウリー（声：堀江由衣） - 人間の女性。ファリスの神官戦士。人間の限界を超えた筋力を持つ。
• ヒースクリフ・セイバーヘーゲン（ヒース）（声：子安武人） - 人間の男性。イリーナとは幼馴染の魔術師。
• マウナ・ガジュマ（声：折笠富美子） - ハーフエルフの女性。酒場でウェイトレスをする精霊使い。
• ガルガド（声：石井康嗣） - ドワーフの男性。マイリーの神官戦士。若者だが、パーティーでは頼られる存在。
• ノリス・ウェストイック（声：皆川純子） - 人間の男性。精霊魔法も使う盗賊の少年。女装する機会が多い。

途中でガルガドとノリスの2人が離脱、代わってエキューとバスの2人が加わっている。

• エキュー（声：成瀬誠） - 人間の男性。元傭兵であり、精霊魔法も使える。過去の経験から題のエルフ好き。
• バス（声：大川透） - ドワーフの男性。盗賊であり、盗賊神ヴェーナーの神官。ガルガドの紹介でパーティーに。

リプレイ集

1 『進め!未来の大英雄』	2 『つかめ!明日の大勝利』	3 『目指せ!奇跡の大団円』	4 『狙え!魅惑の大出世』
5 『決めろ!最後の大逆転』	6 『賭けろ!世紀の大勝負』	7 『走れ!神秘の大森林』	8 『救え!かつての大親友』
9 『挑め!捨身の大決戦』	10 『名乗れ! 今こそ大英雄』	「瀬戸際の花嫁」収録

※また上記以外に長篇小説、短篇集、マンガ、ドラマCDが発売されている。詳細は項目「へっぽこーず」参照。

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新ソード・ワールドRPGリプレイNEXT　ぺらぺらーず編

2004年から2007年まで刊行された。ゲームマスターは藤澤さなえ。イラストレーターはかわく。これも番外篇『ギャンブル・ランブル』を含めれば前作へっぽこーずに続く最長作となる人気で、2冊のソロ短篇集『ぺらぺらーず漫遊記』『ぺらぺらーず漫遊記 乙女の巻』が出ている他、短篇「ボックス・ポックス」（『へっぽこ冒険者とイオドの宝』所収）、ベルカナは短篇「レイニー・メモリー」（『へっぽこ冒険者と緑の蔭』所収）にも登場している。

PCは以下の5人。全員が盗賊ギルドに籍を置いている。

• クレスポ(15) - 人間の男性。盗賊の技能を持った少年。生命力がすこぶる低い。
• ベルカナ・ライザナーザ(17) - 人間の女性。魔法使い。ちょいと腹黒なところがある。
• マロウ - ハーフエルフの男性。マーファの神官戦士。かなりの美形だが、訛りが酷い。
• シャイアラ(240) - エルフの女性。マロウのことがお気に入りの精霊使い。
• ブック(30) - グラスランナーの男性。一般のグラスランナーと違い学者肌の賢者。

リプレイ集

1 『ロマール・ノワール』	2 『ダンジョン・パッション』	3 『コロシアム・プレミアム』	4 『ファンドリア・ファンクション』
5 『トライアル・トラブル』	6 『マリン・マーベル』	7 『レイド・レボルト』	8 『スカイ・ステージ』
※本書は盗賊ギルドが 買い占めました。
9 『クリティカル・クライマックス』	0 『ギャンブル・ランブル』

また上記以外に短編集と漫画が発売されている。詳細は項目「ぺらぺらーず」参照。

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新ソード・ワールドRPGリプレイWaltz

2006年から2008年まで刊行された。ゲームマスターは篠谷志乃。イラストレーターは桐原いづみ。

PCは以下の5人。全員が同じ孤児院の出自であり、ナジカはそこの先生。

• キーナ(15) - 人間の女性。ファイターとして主戦力の少女。後に匠の神ガネードの神官となる。
• ブランシュ(15) - 人間の女性。キーナの親友で同い歳。精霊魔法を使う。
• ナジカ・ラッツェル・クフィアン・マリー - エルフの女性。古代語魔法を使う、パーティーのまとめ役。。
• アイル・フォードラ - 人間の男性。チャ・ザの神官戦士。パーティー内の弟的存在。
• ディケイ(17) - 人間の男性。世話役としてパーティーに参加した兄貴分で、盗賊としての腕もある。

リプレイ集

1 『旅立ち・お祭り・子供たち』	2 『競争・怪盗・大湿原』	3 『駆け込み・災厄・学者サマ』	4　『誘拐・ヤキモチ・すれ違い』
5　『誓い・隠謀・巣立ちの日』

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ソード・ワールドRPGリプレイxS　猫の手冒険隊

2005年から2008年まで雑誌『Role&Roll』に連載された。ゲームマスターは清松みゆき。イラストレーターは牛木義隆。

PCは以下の5人。ただしジョージがパーティーメンバーとして活動もしている。

• ウィンド - 人間の男性。魔術師技能を持つ戦士。ちょっとした電波キャラ。
• ユーリリア- ハーフエルフの女性。神官の家が出自の魔法使い。見た目は若いが、それなりに高齢と推測される。
• ズン - ドワーフの男性。ラーダの神官。「ふぃぎゅあ」作りに情熱を注ぐ。
• モニカ・レット - 人間の女性。家を飛び出した盗賊娘。常に大荷物を背負っている。
• トリム・レット - 人間の男性。モニカの従弟で、家出に付き合わされる。気弱な精霊使い。

リプレイ集

1 『猫の手冒険隊、集結!』	2 『猫の手勇者くん、突撃!』	3 『猫の手お気楽娘、幻惑?』	4 『猫の手超人王、激闘!』

関連動画

このシリーズをもって「ソード・ワールド」によるリプレイシリーズは終了となり、
「ソード・ワールド2.0」のリプレイへと移行している。

二次キャラによるセッション動画

関連項目

• ソード・ワールドTRPG
• リプレイ
• 富士見書房
• スチャラカ冒険隊
• バブリーズ
• へっぽこーず
• ぺらぺらーず
• 猫の手冒険隊