タマネギ(玉葱)とは、鱗茎が食用にされる根菜である。
【分類】(APG)クサスギカズラ(アスパラガス)目ネギ科ネギ属/(クロンキスト)ユリ目ユリ科ネギ属
【学名】Allium cepa
(学名の由来)Allium→「匂い」を語源とするニンニクのラテン語古名より/cepa→頭の
英名の"onion(オニオン)"は"union"と同根で、鱗葉が集合していることから名づけられたといわれる。
食用部分は鱗茎とよばれるが、茎というよりむしろ葉が特殊に変形した鱗葉が可食部の大部分を占める。なお、ジャガイモは芽を食べてはいけないが、タマネギは芽も食用になる。
栽培の歴史は長く、中央アジアを原産とし、その後西側(つまり欧州側)に広まっていった。
そのため西洋料理において多用され、タマネギを使った代表的な料理にはカレーライス・シチュー・オニオングラタン・シャリアピンステーキ(これは日本生まれ)などの洋風料理に使われる。また極早生のタマネギは辛味成分が少ないため、薄くスライスしてサラダにとり合わせる場合もある。衣をつけて揚げたものはオニオンリングと呼ばれる。
一方で本格的に日本の食卓に入ってきたのは明治時代以後であるため、和風料理で使われるのは肉じゃが・すき焼き・牛丼・ハンバーグ・メンチカツといった獣肉食が解禁された明治時代以後の料理に多い。
また「不許葷酒入山門」に引っかかるため、一部仏教宗派(臨済宗・曹洞宗など)では食べることを禁じられている。
よく熱を通すことにより辛味成分が蒸散し、残った甘味成分がタマネギを甘くする。料理番組などではタマネギのみじん切りの加熱の目安として、「きつね色」や「あめ色」になるまで炒める、という表現が用いられることもある。
こうして甘くした玉ねぎも各種料理に使われるが、長時間炒める必要がある。
その保存性の高さから、一般用途のみならず軍隊でも利用されている。実際、軍隊食であった「肉じゃが」「ライスカレー」ともたまねぎは欠かせない食材だ。
タマネギを切った際には涙が出るが、これを防ぐためには、ゴーグルまたは水中メガネを装備したり、タマネギを凍らせたり、鋭い刃物で切ったり、レンジでチンしたり、水にさらしたり、いっそ他の上手な人に切らせればよい。気体化した化学物質が目に入るのが原因なので、窓を開けておいたり扇風機・換気扇を使って目に当たらないように風を送り込むのも効果がある。火をつけたコンロの横で切ってもよい。スライサーという文明の利器を使う方法もある。2008年には、遺伝子組換え作物の一種で「涙が出ない」タマネギが作出されている。
涙が出る理由は、タマネギ内の成分が気化し目や鼻の粘膜を刺激するためである。具体的には、タマネギの細胞を傷つけると、その中に含まれている酵素アリナーゼによってスルホキシドアミノ酸が分解され、スルフェン酸が生成するが、それが揮発性・催涙性を持つSyn-プロパンチアール-S-オキシドに変わるのである。
つまるところ、タマネギが痛くて涙を流し、それが気化して目にしみるので貰い涙を流すのである。
イヌやネコにとっては、タマネギは毒になるので決して与えないこと。タマネギに含まれる酸化剤の有機チオ硫酸化合物が赤血球を傷つけて破壊することで貧血を起こし、特に高カリウム血であった場合赤血球内部のカリウムが流出することで肝不全・心停止などを惹起する。なお、イヌやネコに限らず、ヒト以外のほとんどの動物でこれが起こる。
薄皮に多く含まれるポリフェノールの一種・ケルセチンが強い抗酸化作用を持つことが注目されている。タマネギの一番外側の薄皮が褐色なのはケルセチンによるものである。
栄養があり、多産かつ寒地でもよく育ち、常温で保存可能であり、どんな国の料理にも利用できることから、世界中で栽培されている。逆に暖かい地方(特に日光が長く当たる赤道付近)では一切育たない。
アメリカで盛んに品種改良され、かつては世界一の生産を誇ったこともあったが、現在は中国の生産量が圧倒的で、インド・米国がそれに続く。日本では主に辛味種の黄たまねぎが栽培されている。
日本では北海道(特に北見市)が最大の生産地。佐賀県(特に白石町)、兵庫県(主に淡路島)がそれに次ぐ。愛知県知多市では小玉のタマネギ「ペコロス」の生産が盛ん。
タマネギは特徴的な形をしているので、様々な創作作品に登場する同様の形状を持ったキャラクター達をタマネギと呼ぶことがある。
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最終更新:2025/12/12(金) 19:00
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