トルクメニスタンとは (トルクメニスタンとは) [単語記事]

トルクメニスタンとは、中央アジア南西部に位置する共和国である。首都はアシガバード。

概要

面積は488,100km²と日本の約1.3倍、人口は約495万人であり福岡県とほぼ同じ。国土の85%をカラクーム砂漠が占めているが、豊富な石油や天然ガスを埋蔵する。特に天然ガスは世界第4位の埋蔵量を誇り、国民は非常に裕福である。「永世中立国」でもある。

ニヤゾフによる独裁

サパルムラト・ニヤゾフ前大統領による独裁体制が敷かれていたことで有名で、2006年に死去するまで、豊富な資源からくる莫大な利益を元に、極端な個人崇拝に基づいた権威主義的な政治を行っていた。言論の自由もなく、インターネットの一般利用も不可であった（ベルディムハメドフ現大統領はインターネットの解放を約束している）。このため、欧米諸国からは「中央アジアの北朝鮮」「明るい北朝鮮」とまで呼ばれ、ニヤゾフ自身も「中央アジアの金正日」といわれた。

一方で資源輸出による潤沢な資金流入によって、独裁国家としては珍しく国民は非常に裕福である（「明るい北朝鮮」といわれる所以である）。ただし、相当の額が大統領周辺に消えているのではないか、という指摘もある。
経済が豊かでかつ穏やかな国民性のため、現状ではとても治安はよい。さらに、ニヤゾフ前大統領の政策方針により、日用品の物価が低く抑えられているほか、教育・医療費などが無料であり、意外と滞在しやすい。

なお、ニヤゾフ前大統領の「やりたい放題」は非常にユニークなものが多く、他の国では考えられないようなトンデモ政策・法律を打ち出していた。これらは時折テレビなどのメディアで取り上げられる。たとえば、

8月の第2日曜日は「メロンの日」として国民の祝日に制定（メロン記念日は関係ない）。理由はメロンが大好きだから。どうでもいいけど日曜日が祝日って意味ないような。
首都にはほぼ50mごとに、ニヤゾフ大統領の肖像や銅像を設置。永世中立を記念したアーチのてっぺんには金メッキ像。常に太陽の方を向くようになっている（24時間で一周する）。
若者がヒゲを生やしたり長髪にするのは見苦しいから禁止。
金歯も禁止。「文化でもなければ伝統でもない！」との見解。
口パクで歌うのは厳禁。「歌や音楽の発展に負の効果をもたらす」ため。
国内禁煙。ニヤゾフ前大統領がガン手術で禁煙していたため。
年金制度を廃止。曰く「親の面倒見るのは子供」。
首都と大学以外の図書館を廃止。「田舎の人は本なんか読まない」らしい。
ニヤゾフ大統領がカツラをかぶっていることを報道してはいけない。
テレビのニュースキャスターは化粧不可。トルクメニスタン人本来の小麦色の肌こそ美しい、というのが理由。
健康のため、閣僚に36km走を命じる。
すべての閣僚、軍人などにベンツの新車を支給。前年支給したベンツは補佐官にでも譲れば、とのこと。
ニヤゾフ大統領の著書「ルーフナーマ」は国民必読の書で、クルアーン（コーラン）と同等。教科書としても使います。