ハドソン川の奇跡とは、アメリカで発生した航空機事故において起こされた奇跡である。
USエアウェイズ1549便不時着水事故のこと。
事の顛末を評価したニューヨーク州知事の言葉「miracle on the Hudson」(ハドソンの奇跡、ハドソン川の奇跡)に由来する。
2009年1月15日、発進直後にバードストライクで両エンジンが停止し、飛行不能に陥ったUSエアウェイズ1549便は、直ちに不時着を試みようとするが、不時着する為の滑走路まで飛行する事すら不可能であった。
この為、機長であるチェズレイ・サレンバーガー3世氏以下乗組員は、近くにあったハドソン川への不時着水を決断。唐突な交信内容に空港管制官がクエスチョンマークをつける中、見事に着水を成功させた。不時着時の衝撃は大きくなく、荒っぽい着陸程度であったと言う。
その後乗員は飛行機の翼の上で救助を待ち、近くに居たハドソン川の観光フェリーや、追って駆けつけた湾岸警備隊などに全員無事救助された。真冬のハドソン川は氷が張る程極寒であり、10分水の中に居たら凍死してしまう程寒かったらしく、周辺船舶によって迅速な救助が行われた事も幸運であった。
航空機事故で着水して全員無事だった、と言うのは歴史的にあるにはあるが極めて稀な話で、これを成功させたサレンバーガー氏は一躍時の人となり、アメリカの英雄と賞賛された。
ちなみにサレンバーガー機長は元は米空軍でF-4戦闘機を7年も乗り回しており、民間に転職してからもあわせれば、パイロット歴40年、飛行時間は2万時間に迫る超ベテラン飛行機野郎であり、様々な賛辞にも「訓練した事をやっただけ」と至極謙虚な回答をしている。
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最終更新:2025/12/12(金) 14:00
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