バイオハザード 〜マルハワデザイア〜とは『バイオハザード』シリーズの正統なる外伝であり『6』の前日譚、週刊少年チャンピオンで連載された漫画である。
バイオハザードシリーズ初の公式漫画化作品。カプコンのバイオハザード制作チーム自らがストーリーを制作し、『猿ロック』や『ルシフェルの右手』で知られる芹沢が作画を担当。漫画版オリジナルストーリーではあるが、原作ゲームシリーズでお馴染みのキャラクターも一部登場する。また、同シリーズの作品世界における初の学園ストーリーでもある。時系列は『5』と『6』の間の2012年にあたるが、『6』における物語の開始が厳密には2012年12月24日~25日からであるため、時系列的には『6』とほぼ同系列であり、スペシャルエピローグにて中国で起きた事件にも触れられており、『6』へと繋がる重要なストーリーである。単行本1巻分のストーリーに達する際に連載を一時中断しているのも特徴。単行本は全五巻発刊されており最終巻には「事件から数カ月後の中国」を描いた “special epilogue” も収録されている。
シリーズ初のコミカライズ作品で「バイオハザード6」の前日談に位置付けられ、同作に登場するクリス・レッドフィールドやピアーズ・ニヴァンスもレギュラーとして登場しており、6に繋がる伏線も用意されている。 基本的に舞台である学園で起きたバイオテロやBSAAの活躍がメインであるが、校内における閉鎖的環境やスクールカースト等、学園モノならではのドロドロした人間関係も描かれている。
アジア最大の名門校・マルハワ学園で、一人の女子生徒が謎のゾンビ化を遂げる…。調査に訪れたダグ教授と、その助手である甥のリッキーは、次第に拡大するその惨劇に巻き込まれ…。
惨劇の裏で不気味に微笑む謎の人物。そしてダグの足取りを追うクリス・レッドフィールドらBSAAメンバー。偶然に絡み合った糸は必然の悪夢を紡ぎ…。バイオハザード ~マルハワデザイア~ 第1巻より
2012年、シンガポールにあるベネット大学の理工学部教授ダグ・ライトの元へ、ある日、アジア最大の名門校・マルハワ学園の理事長であるマザー・グラシアからの手紙が届く。その内容は、「学園内でバイオハザードが発生した」というものだった。甥のリッキー・トザワを助手として、ダグは直ちに現地へと向かう。そこの地下室で彼らは、グラシアから、ゾンビ化して監禁状態にされた女子生徒を見せられるのだった。2人が学園に到着した後も、何人もの学園関係者がゾンビと化し、人を襲う事件が続発。外部と連絡を取り、救援を呼ぶべきとダグは主張するが、マザーはダグの提案を拒否し、事件を隠蔽しようと図る。事態は悪化の一途を辿り、やがて外界から隔絶された学園の敷地内は地獄へと変わっていく。 惨劇の裏で不気味に微笑む黒いローブの女…。 そしてダグ教授の足取りを追うクリスらBSAAメンバー…。 偶然に絡み合った糸は必然の悪夢を紡ぎ、『バイオハザード』に新たなる血塗られた歴史を刻む。
アジア某所に存在する『クダンカン』と呼ばれる国の北部 エルナウル地方に位置するアジア最大の名門校。1902年創設。全寮制で、世界中から名家の子息、令嬢などが在籍しているが、その多くは格式の高い家の生まれである事を自負している。四方を山地に囲まれた山間部にあり、外部との交通や連絡の手段も最低限のものしか用意されていない為、学園関係者の殆どは外部の人間と接触する機会がない一方、学内にはショッピングモールなども存在しており、ある程度生活に不自由する事はない模様。また、学園全体の動力源を司っている広大な地下施設や、何故かマシンガンを搭載したヘリコプターなど、常識はずれな備品や設備なども整っている流石に自爆装置は無いが。その様な特殊な環境の影響から学園内は理事長であるマザー・グラシアを頂点とした絶対君主制に近い体制が敷かれており、生徒・教職員の全員がグラシアを心酔し、緊急事態が起きても彼女の指示ひとつで冷静さを取り戻すなど傍から見れば奇妙な光景に映る。
作中最序盤に登場するシンガポールにある大学。リッキーはこの大学の理工学部に学生として、ダグは教授としてそれぞれ在籍している。学内の食堂ではチャンポンをはじめとした日本料理などもあり、ダグによると月に一度、教職員限定の試食会なども行われている模様。
「しびれるねぇ」「これが将来世界へ羽ばたく人材の園か別世界だな!!」
本作の主人公。20歳。 ベネット大学理工学部2年生の青年で従来のバイオハザードシリーズの主人公と違い、特別な知識や技術を持たない一般人だが逆境には強い。陽気かつ熱くなりやすい性格で、曲がった事や筋の通らない事を嫌う正義漢。大学教授のダグ・ライトは叔父で、10年前に母親を亡くして以来世話になっており、校内でも「叔父さん」と慕っている。彼女ができたことはないが女好きで、授業もまともに聞いておらず、単位不足で留年寸前になりかけている。単位獲得を条件に、ダグの助手としてマルハワ学園へ向かうことになったのだが、そこでバイオテロに巻き込まれる羽目になる。過剰なまでにバイオテロや不祥事を隠蔽し続けるグラシアを当初は快く思っていなかったが…。
「そうだな…人手がいるかもしれん」「単位が欲しければお前も助手として付いてくるか?」
本作の準主人公。リッキーの叔父で、ベネット大学理工学部教授。44歳。細菌学を専攻しており、ウイルスや生物兵器に関して豊富な知識を持つ。マルハワ学園の理事長グラシアとは、かつての恋人同士。国連管轄の対バイオテロ組織“BSAA”のアドバイザーでもあり、民間人の立場でありながら、かつてアメリカ中西部に存在していたラクーンシティ壊滅の真相がt-ウィルスの蔓延とその滅菌作戦としてアメリカ政府により発射された核ミサイルによることも知っている。グラシアの過剰なまでに事実の隠蔽を働く姿勢にはリッキー同様に懐疑心を抱くも、一方でグラシアやタヒル達が文化祭の一件を全てビンディが元凶であると擦り付ける形で沈静化させた際には、激昂するリッキーと違い、彼らの行動をやむを得なかった事と理解を示すなど、バイオテロの専門家特有の多少冷徹な判断力を持ち合わせている。
「そう…ここはマルハワ学園」「あってはならないのですバイオハザードなど」
マルハワ学園の理事長。本名はグラシア・デレニカス32歳。 修道服が特徴の女性でかつてはダグの恋人であった。 学園の運営に関しては異常なまでに力を入れており、学園を守るためなら隠蔽や犯罪まがいの行為も辞さない。 ある意味被害者と言えなくもないが、実質全ての元凶。学園内で発生したバイオハザードを学園の体面を守るために公にすること無く、極秘裏に解決するようダグに依頼をする。その行動は、犠牲者と化した生徒たちを旧校舎ごと焼却処分させるなど徹底している。
元々は資産家にして篤志家でもあった父を慕う娘であり、彼の意向で他の兄弟と同じように外国へ留学に出される。しかしその後父は自分の前に顔を出すことはなく、この不遇な扱いから「父は自分を愛していないのではないか」と疑念を抱き、成人してからもその思いは変わらなかった。父の死後に現れた父の代理人から生前の要望としてマルハワ学園の理事長就任を要請されるが、その役目が自分に務まるかどうか不安を抱きながらも結局は父の意向に従い就任。就任当日の式典で学園の生徒や教職員全員が自らに傅く様子を見て以来、このマルハワ学園こそが「父が自分に残してくれた聖域」と思うようになった。マルハワ学園を守ることに意欲を燃やすようになり、この点についてダグは「昔と今は精神的に反対」との旨の発言をしている。
「私のピンチの時は・・・リッキーさんが守ってくれるんですよね!?」
本作のヒロイン。 学園の生徒会長で黒髪と褐色肌が特徴の女子生徒。 エリート意識が強い生徒が多い学園の中で数少ない常識人である。リッキーの行動から学園の裏で何かが起こっていることを察知し、リッキーに協力を申し出る。後に深夜のマルハワ学園の地下へ立ち入り調査する際、ボウガンを手にリッキーたちに同行する。閉鎖的な社会でもあるマルハワ学園の中では、よそ者のリッキーに俗世界の人間は品がないと見下す発言をした女子生徒二人にその無礼を窘めるなど(1巻参照)、良識や分別のある人物。またそれ故にグラシアを盲信はせず、逆に彼女が学園の体面を守るために、都合の悪いことを徹底的に隠匿する彼女のやり方を批判している。 序盤で突然姿を消した親友のアリサを心配していた。
「マザー・グラシアより案内を仰せつかってきました」
学園の副生徒会長である女子生徒。 社交的で真面目な性格であり、よそ者であるリッキーに対しても差別することなく歓迎していた。明るく軽快で社交的な印象の強いお嬢様でリッキーにカツアゲしようとしていた不良生徒たちを叱咤して追い払い、リッキーに対して友好的に接すると同時にアプローチをかけるなどし、彼からもビンディ共々好印象を持たれていたが、後にゾンビと化してリッキーの前に現れ、彼に襲いかかる。即座にグラシア達に捕えられ、最終的にはグラシアの手配により旧校舎もろとも焼却処分された。
「あの方の理想がお前などにわかるはずがない!!」
主幹教諭。 眼鏡をかけたオールバックの男性であり、サーベルの達人である。 沈着冷静な性格であるが、学園内にゾンビが現れた際にはサーベルでゾンビに立ち向かうほどの勇敢さを見せていた。 その一方では、グラシアを崇拝レベルで心酔しており、少しでも彼女を侮辱する者に対しては怒りを露わにしてサーベルを向ける一面がある。 本質的にはグラシアと同じく人格に問題がある人物と言える。 地下制御施設で立ち入り捜査をしていたところ、突然停電が起こり、その隙に襲いかかってきたゾンビに噛まれて死亡。
その後、ゾンビと化したが、最期は親友のタヒルの手で倒された。
「…見たくなかったぜ…お前のそんな姿はよ…」
特別高等警備員。 レイとは親友同士であり、自分とレイが内戦国で生まれその日生きるのにもままならぬ中グラシアの父に拾われ、彼が院長を務める孤児院で育った過去を明かす。彼と同じくグラシアを心酔している。 学園でバイオテロが起きた際には、強硬的な手段で学園を守ろうとするグラシアに懐疑心を抱いて憂いたり、自分達に協力してきたリッキー達に武器を渡して銃の使い方を指導する等、学園の中では一応の穏健派かと思われたが、実際はレイや生徒と同様に強い独善に染まっており、完全にグラシアの忠実な手下になり果てている。 その一面は行動にも現れており、目的の障害となる者は容赦なく切り捨て、中盤では事態を収める為にビンディを全ての元凶に仕立て上げる事をグラシアに提案する等、冷酷な面も窺える。 だがその行動が最悪の事態へとつながる事となる。
文字通りマルハワ学園の先代理事長で、グラシアの父親。故人。財力に恵まれた資産家ながら篤志家の面も持ち、内戦国に直接出向いてはレイやタヒルといった戦災孤児を自らが営む孤児院に入れるなど、精力的に動いていた。しかしその反面、幼い頃から自分を慕い、孤児院にも手伝いに通っていた娘のグラシアを、外国へ留学に出したきり放任したり、事前に何の相談もなくマルハワ学園の次期理事長に任命したりするという、人間的に不可解な面を有する。
ビンディのクラスメイトで、日系人。物語開始時の3ヵ月前に行方不明になっている。何ヶ月も手紙が帰って来ない事を不審に思った父親が、クリス達がマルハワ学園に行くと知り彼らに探して欲しいと依頼した。
マルハワ学園に在籍している学生達。 その多くが世界中から入学してきた名家の子息、令嬢である。いわゆるセレブ。 よそ者であるリッキーを歓迎してアプローチする女子生徒もいれば、逆にリッキーを差別してカツアゲしてくる不良もいるが、基本的には友好的で礼儀正しい感じである。
Bioterrorism Security Assessment Alliance。国家間を超えて活動する、国連管轄のバイオテロ対策組織。ただしアメリカ合衆国内では合衆国当局がBSAAの代わりを担っているため当局による検査終了後にBSAAがマルハワ学園へ介入する形になっている。
「律儀なあの教授にしては変だな・・・」
最早説明不要!毎度おなじみ我らがゴリラBSAA北米支部アルファチーム隊長。原作ゲームシリーズで多くの作品に登場している。かつて存在していたラクーンシティのラクーン市警察(R.P.D.)の特殊部隊“S.T.A.R.S.”の元メンバーで、1998年に起こった洋館事件を発端として、バイオハザードが絡む様々な事件に立ち向かってきた。本作におけるBSAAでの立場は、2013年の事件を扱った『バイオハザード6』に準じている。未だに戻らないダグ教授に妙な胸騒ぎを覚えピーアズやメラ等と共にマルハワ学園へと向かう。
BSAA北米支部アルファチーム隊員。『バイオハザード6』にも登場する狙撃手で、本作で先行的に登場。標的は絶対に外さないと言われる程の腕前で、将来的にはBSAAを背負って立つであろうと目されている逸材。
今作にて初登場したBSAA極東支部所属の女性エージェント。美味と見なした料理への興味や食欲を隠さない、食欲旺盛な人物。しかしバイオハザードの現場では真剣な姿勢で臨む。かつてのラクーン事件で同地に出張していた両親を失った過去があり、そのためバイオテロへ並々ならぬ憎悪を抱き、科学者として長じてからBSAAへ当初は科学部の人間として入る。そして数年の歳月を経てB.O.W.の効率の良い殺傷法を確立してからそれを自らの手で実践したいという考えから科学部を去り実戦職へ転向を図る。訓練が始まったばかりの頃は実戦訓練では常に負け続け、1ヵ月で脱落すると思われていたが諦めずに訓練を続けた末ピアーズとも互角に渡り合えるほどの腕前へと成長した。
事件の陰で暗躍する黒いスーツを纏った謎の女。通信キューブを所持している。作中ではフードに隠されていて顔ははっきり描写されていない。ある人物を思わせるアイテムを幾つか所持しているが…。
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最終更新:2025/12/15(月) 09:00
最終更新:2025/12/15(月) 09:00
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