バトルファンタジアとは、「GUILTY GEAR」シリーズなどで知られるアークシステムワークスが2007年に発売した、剣と魔法の対戦格闘ゲームである。
概要
画面は3DCGで構成されているが、ゲームシステムはシンプルな2D対戦格闘のそれである。
「GUILTY GEAR」シリーズのような長いコンボを必要とする、いわゆるコンボゲーが流行する中、珍しく登場した「立ち回り重視」の格闘ゲームであり、後述の「ガチバトルシステム」を始め、『ストリートファイターIII 3rd Strike』をリスペクトして開発されたと思われる特徴がシステムの随所に見られる。
「剣と魔法の対戦格闘」の名の通り、画面上にキャラクターのHPが数値で表示されていたり、
「MPゲージ」と呼ばれるゲージがあったりと、RPGを強く意識した演出や設定が多い。
Taito Type X2基盤を普及させる役割を担ったタイトルだったが、基盤の価格が高価だったためか市場に出回らず、知名度の低いマイナータイトルになってしまった可哀想なゲームである。
しかしながら、シンプルな操作系で手軽に深い読み合いが楽しめるゲーム性、HD筐体による美麗な映像、壮大なBGM、作りこまれた世界観など見るべき点は多く、知る人ぞ知るマイナーな存在のまま終わらせるには余りにも惜しい作品と言える。
本記事がこの作品の知名度を少しでも上げる一助となることを願ってやまない。
2008年にはXbox360とPS3で、ストーリーモード、プラクティスモード、オンライン対戦モードなどが追加された家庭用移植版が発売され、アーケード版の不振を考えればまさかの移植にファンは狂喜乱舞した。
ストーリーモードは、アーケード版では語りつくせなかった世界観を追加グラフィックとフルボイスで表現するという異様に気合の入った作り。
オンライン対戦モードはラグが少なく、このゲームの醍醐味である読み合い・差し合いを十分に楽しめるものとなっている。
2010年4月現在、家庭用はXbox360・PS3ともに非常に安価で売られているので、興味の沸いた方はこの機に購入してみてはいかがだろうか。
XBox360版では有志によるオンライン対戦会が定期的に開催されている。
そして2011年6月、NESiCAxLiveにて再登場。基板の導入コストはNESiCAにより解決され、永久コンボなどの理不尽な要素を修正した家庭用準拠のバージョンがアーケードでプレイ可能になる。これによって再びバトファン界が盛り上がることが大いに期待されている。
操作方法
1レバー+5ボタンで操作する。相手を攻撃するボタンの他に、相手の攻撃を受け流すのに使う「ガチボタン」があるのが大きな特徴。
【ボタン配置】
A C G
B D
A:弱パンチボタン
B:弱キックボタン
C:強パンチボタン
D:強キックボタン
G:ガチボタン
システム
ガチマッチ
通称ガチ。(レバーが前要素以外の状態で)ガチボタンを押すとキャラが相手の攻撃を受け流すモーションを取る。
この時に相手の攻撃を受け止めることに成功すると、相手の攻撃判定を無効化することができる。
また、成功するとゲージが一定量溜まる。
上段と下段があり、相手の技によって使い分ける必要がある。
早い話が3rdのブロッキングをボタンでできるようにしてみました!というシステム。
しかし、ブロッキングとは下記のような違いがある。
・ボタンを押すだけなので入力が簡単
・失敗するとキャラが失敗モーションを取るのでスキが生まれる
・多段技でもボタンを連打すれば大体取ってくれる
初心者でも手軽に、相手の攻撃を捌く楽しさを味わえるシステムになっている。
ガチドライブ
通称ガチドラ。レバーを前要素に入れながらガチボタンを押すことで発生。
相手の攻撃を受け止めるまではガチマッチと同じだが、こちらは成功すると自動的にカウンター攻撃が発動し、それが相手にヒットすると大きく吹き飛ばしてコンボを決めるチャンスを得ることができる。
カウンター攻撃には無敵などはないため、相手の小技連打や多段技に合わせても簡単に潰されてしまうが、その分決まった時のリターンが大きい。
特に飛び込み攻撃や突進技はガチドラの標的になりやすく、気軽に攻められないため緊張感のあるゲーム性を生み出している。
ヒートアップ
通称ヒート。A+CまたはB+Dの同時押しで発動。空中でも可能。
MPゲージを1消費し、一定時間パワーアップするシステム。
特定の技の性能アップ、オプションの召還、スーパーアーマー、2段ジャンプ、専用技の発動など、キャラごとに特殊な効果を得ることができる。
他のゲームで例えるなら、「ヴァンパイアセイヴァー」の「ダークフォース」がよく似ている。
しかしダークフォースと異なり、発動・終了時ともにスキが全くなく、画面の停止する演出などもないため、
「相手がいつヒートアップを発動して向かってくるかわからない」という緊迫感を生み出すことに成功している。
またこのシステムは、立ち回り重視のこのゲームにコンボゲー的な要素を付与するために作られたもので、
コンボ中であれば持続時間が過ぎていても効果が切れず、また発動中に攻撃を食らうと持続時間が短くなるという性質がある。
ディレイ
ウルスの6Cなど特定の技は、ボタンを押しっぱなしにすることで発生を遅らせることができる。
中には、最大限に遅らせるとガード不能になるといった効果を持つ技もある。
ガチマッチ・ガチドライブに対抗するシステムである。
キャラクター
| ウルス |
クラス:勇者の息子(闘士) 武器:バシリスク |
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『どっからでもかかってきやがれ!』
- 伝説の英雄ダイナの息子。剣と銃とバイクを合体させたようなオリジナル武器「バシリスク」を手に世界を救う旅に出る。
- お約束の波動昇龍のほか、超高速の突進技「音速タックル」による奇襲が強力。ステップが素早いので軽快な立ち回りが可能。牽制、対空、めくり、中段など、一通りの技が揃っている。ゲージを使ったコンボの火力も高い。挙動がわかりやすく、プレイヤー次第で幅広い闘い方ができる。弱点は何でもできる代わりに器用貧乏なことか?
- 公式で名言されていないが、1Pのカーソルが最初に合っているのは彼なのできっとこのゲームの主人公。でも実はとある脇役キャラに代わって開発途中で急遽追加されたキャラらしい。それなんて主人公(笑)?
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| マルコ |
クラス:勇者の息子(剣士) 武器:ダイナソード |
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『冒険の旅にしゅっぱーつ!』
- ちっちゃいけど勇者きどりのウルスの弟。父親から譲り受けたぶかぶかの鎧兜を装備して、旅に出た兄の後を追う。
- 兄と同様に波動昇龍キャラだが、体が小さく攻撃を食らいにくい、ジャンプが低く動きがやや緩慢といった違いがある。簡単にめくりを狙えるJ2C、画面上に2発出せる飛び道具、遠距離から奇襲をかける中段突進技なども特徴的。しかし最大の違いはちびドラゴン「チャーシュー」を呼び出すヒートアップの存在で、使いこなせば非常に強力な連携やコンボが可能だ。
- 通常投げで女性陣のスカートをめくったりする実にけしからんお子様。いいぞもっとやれ。
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| オリヴィア |
クラス:プリンセス 武器:ハートオブエタニティ |
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『ごめんなさいお父様… すぐに戻ってきます。』
- 薔薇の小国「ローゼリア」のプリンセス。「黒き前兆」の正体を突き止め国を救うべく、お忍びで単身出かけてしまう夢見ガチなお姫サマ。
- 旗と鳩と薔薇の香り(?)によるリーチ長めの通常技を持つ牽制キャラ。しかしガチのあるこのゲームでは牽制はリスクが大きく、また火力の高いコンボが少ないためリスクがリターンを上回ってしまいやすい。弱キャラとされるが、鳩のオプションを従えるヒートアップの強さは本物で、ゲージさえあればどのキャラとも闘える性能を持っている。
- 通称「姫」。かぐわしき薔薇の香りでなぜ相手をコケさせられるのかは永遠の謎。
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| アシュレー |
クラス:元ロイヤルガード 武器:なし |
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『俺は…貴女の影となって生きる…。』
- 元・ローゼリアの王族を守るロイヤルガード。危険な旅に出掛けたオリヴィアを心配し、影ながら守護する。
- このゲーム随一のスピードキャラ。素早いジャンプに加え、そのジャンプ軌道を変化させる上に判定の強いJ2Cを持ち、対処しにくい撹乱戦法が可能。また決まれば突進技がパワーアップするコマンド投げを持ち、ゲージが溜まればヒートアップで見えない中下段2択を迫れるなど崩し能力も高い。
- 囁くような台詞や勝利演出などからわかるように、老若男女すべてに愛を捧げる男。フルネームはアシュレー・ラブレス。みんな、まだまだ愛が足りないらしいぞ!
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| セドリック |
クラス:王立神学校学生 武器:ゴッド・モーニングスター |
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『さあ… 共に祈りましょう。』
- 王立僧侶学校のエリート学生。父親の時代の確執から、ウルス・マルコ兄弟をライバル視している。
- 溜めコマンドの飛び道具と対空技を持つガイルタイプ。しかし最も強力なのはDボタンをしばらく押してから離すと出る「St.ドロップキック」(通称セドロップ)。判定が強くコンボ始動技になり隙も殆どないという優秀すぎる技で、読み合いを放棄して繰り出されるそれは相手の心を折るに十分な破壊力。さらに追撃可能な通常投げや発生1Fの超必当身など他の技も高性能で、このゲームを代表する強キャラの一角である。
- 一見優等生だが、実は戦闘中にガラの悪いセリフを吐いたり倒した相手を踏みつけながら神に祈りを捧げたりする黒い性格の持ち主。果てはメガネチェンジしたりとネタに事欠かない面白キャラである。
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| ワトソン |
クラス:王位天文台長 武器:ムーンナッツの杖 |
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『星の輝きにかげりが…?もしや…』
- 魔法王国の王立天文台長にして「預言者」。見ての通りの小動物であり可愛いウサギさんだが、レベルが上がると獰猛な野獣に早代わり(性能的な意味で)。
- 小さな体で数々の魔法を操って闘うテクニカルキャラ。弾を撃つタイプと設置するタイプの飛び道具を持ち、C攻撃をヒットさせることでそれらの性能が最大Lv3まで上がる。稼動当初は防御力の低さなどから弱キャラとされてきたが、星屑を降らせるヒートアップ「トゥインクルダスト」(通称メテオ)がコンボに組み込めることが判明し一気に強キャラの一角にのし上がった。弱点を補い自分のペースで闘えれば非常に強い。
- このゲームのマスコット的なイメージと、凶悪なメテオコンボのインパクトを併せ持ち、「可愛いけどガチ」なバトファンをある意味象徴するキャラクターである。星が見たい?(・x・)いいですとも!
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| こより |
クラス:看板娘 武器:小寄亭湯のみ |
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『本気モードでやっちゃうよ~♪』
- 冒険者たちの溜まり場「小寄亭」の看板娘にして、その正体は猫。自分を拾ってくれた人間に恩返しをするため、人間に化けている。
- アシュレーと双璧をなすスピードキャラで、こちらは追加入力式の必殺技を持ち手数で勝負するタイプ。全キャラ中唯一の空中ダッシュと豊富な多段ジャンプ攻撃により、相手を上から押さえつける闘いができる。コンボの火力は高くないが、ループ性の高い起き攻めでチクチクと体力を奪っていくのが得意。一度相手を転ばせたら二度と起き上がらせないつもりで攻めろ!
- こよりに限らないが、3DCGで作られたゲームだというのに女性陣はみなミニスカート的な格好で闘うため、戦闘中は実にアレでナニな感じである。しかもこよりにはそれをネタにしたストーリーまである始末。アーク自重しろw
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| フリード |
クラス:キャプテン 武器:キャプテンフック |
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『お前の心意気… 受け取ったぜ!』
- 飛行艇「グラン・セブン」を操る片腕の空賊。自由と大空を愛する熱い漢。
- タメコマンドのダッシュパンチを主力技とするバイソンタイプのキャラ。主力となる突進技は素早く強力だが、しゃがんでいる相手には当たりにくいため意外と接近に苦労する。このゲームでは突進技のリスクが高いので、攻めが単調にならないように工夫して立ち回ろう。分身を作り出すヒートアップによる連携やコンボは見切りづらく非常に強力。ヒートアップを使いこなせるかどうかで火力がかなり変わってくる。
- 多少の困難は全て熱い拳で解決しろ!これがッ!漢だーッ!!
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| フェイス |
クラス:復讐のガンマン 武器:コヨーテハンター(右手)、コブラM1910(左手) |
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『俺はまだ… アイツの元へ逝くつもりはない。』
- 恋人の仇を追い求める復讐のガンマン。鍛え上げられた肉体による体術と、二丁拳銃による銃撃を組み合わせた独自の戦闘スタイルで闘う。
- ガードさせて五分で3回まで追加入力できる必殺技による中下段投げの3択とそこからのヒット確認コンボ、発生が早く割り込みや空中の相手を叩き落すのに便利なテキサスニー、ヒートアップ「早撃ち」による遠距離からの2択など、高性能な技を数多く持つキャラ。徹底すれば相手にターンを与えず一方的に攻め立てるローリスクハイリターンな立ち回りができる。強キャラの一角。
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| ドンバルブ |
クラス:ドワーフ王国元王様 武器:素手 |
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『ちょっと出かけてくるかのう フンフフーン。』
- 過去の大戦の四英雄の一人にして、滅びたドワーフ帝国の元王様。その丸い身体の他、蒸気帝国バルタナらしい機械を利用した技も使う。
- 見ての通りの投げキャラだが、巨体から繰り出される技の数々は判定や威力が高く、それだけでも十分に強い。そして本命の投げ技は1回転・2回転・対空と揃っておりどれも非常に高威力。ダッシュができないので、投げキャラの宿命どおり接近には苦労を伴うが、必殺技である程度フォロー可能。防御力の高さも相まって、総じて相手より高いリターンを取りやすい。パワー命の人にお勧めのキャラ。
- ザンギエフとポチョムキンを足して2で割るのを忘れたような圧倒的な破壊力は稼動初期から猛威を振るい、多くのプレイヤーの心を折ったとか折らなかったとか。
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| デスブリンガー |
クラス:闇の眷属 武器:魔剣アビスブレイド |
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『終焉をもたらすものよ… いずこ…』
- 「黒き前兆」と噂されている闇の眷属。漆黒の鎧に身を包んだ巨大な剣士で、プレイヤーキャラ兼このゲームのラスボス。
- 巨大な剣によるリーチが非常に長く判定の強い技の数々が特徴。鈍重なパワータイプでありながら、しっかりした立ち回りで闘えるという独特で面白い性能のキャラ。相手の油断をついたガチドラからヒートアップ「最後の一撃」を決めるコンボは大迫力で威力も高く、このキャラの華である。ゲージ技「ファイナルインフェルノ」の使いどころが少ないため、ヒートアップを活用できないとゲージを持て余しがち。ぜひ練習してモノにしよう。
- ラスボスとして登場する「ジ・エンドオブデスブリンガー」は黄金色に光り輝く姿で、ヒートアップ中でないと殆どダメージを与えられないという初見殺し。クリアを目指すなら、自分のキャラのヒートアップを使いこなせるようになっておこう。
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| オディール&ドクロッド |
クラス:闇の眷属 武器:ドクロッド |
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『お父さん…』
- 隠しキャラクター。魔人形のオディールと闇の杓杖ドクロッドのコンビ。オディールは自我を持たず、ドクロッドの命令のまま動いている。
- オリヴィアのコンパチキャラだが性能は全く異なっており、消えるダッシュやドリルキックを持つトリッキーなキャラ。ジャンプキャンセル可能なためガードされてもリスクのない突進技を持ち、先手を打っていく強気な立ち回りが可能。多段ヒットの攻撃を多く持つためガチにも強い。その反面、ヒートアップを使っても火力があまり上がらないため決め手を欠きやすいのが弱点。
- 「マグナム見てからガチ余裕でした」「受け売り理論武装必死だなwww」…ドクロッド先生の煽りが聞けるのはバトルファンタジアだけ!
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設置店情報
- 東京レジャーランド秋葉原店(東京)…バトファンの聖地。2009年12月まで定期的に大会が開催されていた。激闘の模様は関連動画参照。 [アクセス]
- Hey(東京)…2011年6月にNESiCAxLive版の稼働を確認。
- 大牟田GAME・ラ(福岡)…2010年3月に大会が開催された。関連動画参照。
- プレイランド エフワンR(宮城)…運が良ければ置いてある。
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