ヒーロー戦記とは、バンプレストからスーパーファミコンで発売されたゲームである。開発はウィンキーソフト。
正式名称は『ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポス』。
概要
バンプレストお得意のヒーロー大集合、いわゆる『コンパチヒーロー』ゲーム。その歴史の中でも初期に作られた純粋なRPG。
ガンダム、仮面ライダー、ウルトラマンの3本柱が中心となって物語が展開される。基本的にはアムロ・レイ、南光太郎、モロボシ・ダンの3人が中心となって話が進むが、ゲスト参戦・ストーリーに関わる人物として登場するキャラクターも多い。ゲーム中ではそれぞれの作品にあわせた地名や敵が使われている。
また小ネタがあちこちに仕込まれており、スタッフのこだわりが随所に見られるのも特徴である。
登場キャラクター
メインメンバー
一次離脱を除いて最終面まで使用することになるキャラクター。【】は特殊コマンド
- アムロ・レイ(ガンダム→νガンダム)【ねらう→ファンネル】
本作の実質的な主人公。外見は一年戦争時のアムロだが、性格的にはCCA版よりであり、子供向けにナイーブな面は排除された常識人扱いになっている。能力は平均的だが、MSタイプなので耐久に優れ、クリティカルを安定して出す。必殺技も全体攻撃に長ける。
- 南光太郎(仮面ライダーBLACK→仮面ライダーBLACK RX)【チャージ→チェンジ】
本作の熱血バカ枠。原作とは似ても似つかない少年漫画的なキャラになっている。ゲームとしてはアタッカーにあたり、攻撃力や素早さ、技の火力などはピカイチである。しかし全体攻撃が少なく、技の消費ポイントTPの上限が少ないのでガス欠に陥りやすい。RXになるとロボライダー・バイオライダーと使い分けができ、臨機応変さがあがる。
- モロボシ・ダン(ウルトラマンセブン / ウインダム)【ねんりき / しんだふり】
本作の常識人枠。光太郎の相方。女性に弱かったりウルトラアイを盗まれたり、何かと原作再現があるキャラ。低い攻撃力、紙装甲、鈍足と弱点は多いが、技が高火力で、全体回復技も持っている。唯一三人の中ではパワーアップをせず、それどころか能力が激低なカプセル怪獣ウインダムの使用を強いられるなどゲーム的にはやや難が多い。
サブメンバー
主にスポット参戦となるキャラクター。
- ギリアム・イェーガー(ゲシュペンスト)【リカバー】
オリジナル枠。いわゆるスパロボ補正によく似たオリジナルキャラのテコ入れが行われており、簡単にいえばアムロの上位互換といえるほど鬼のような強さを誇る。基本的には序盤のスポット参戦が主であり、初期メンバーでありながら最終面では使用出来ないのが惜しい。
- 本郷猛(仮面ライダー1号)【ためる】
南光太郎の先輩。ブランクがあるという設定で、能力的には総合的に見ると光太郎のやや下位互換くらいの強さ。ただし技の1号という名は伊達ではなく、TPが高いのでガス欠の心配は薄いので技を消費しまくれるのが魅力。
- カミーユ・ビダン(Ζガンダム)【ねらう】
アムロとは違い、こちらはどちらかというと原作寄り。せっかくのプレイアブルキャラなのだが、普通に進めてしまうと一回も戦闘しないで離脱してしまうという非常に扱いの悪いキャラ。しかも二度と加入しない。能力的にはガンダム以上νガンダム以下だが、そもそも戦闘で使うことが恐らくないので気にする必要がない。レベル上げには何とか重宝するが、はっきりいってΖに手伝ってもらう必要性は薄い。
- ハヤタ(ウルトラマン)【テレポート】
スポット参戦。エピソード的にはあまり語るところがないが、とある名言を放つことで有名。能力的にはセブンとほぼ同じで、全体回復を二発撃てるようになるのが嬉しい。弱い敵を一層する特殊能力「テレポート」を持つ。
- 早川健風見志郎(仮面ライダーV3)【ホッパー】
スポット参戦。どっからどう見ても日本一の男なのだが、変身するのはV3。加入時のレベルが高いこともあって破格的な強さを誇り、今作の「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」枠を担う(実際はそこまで出来るほど甘いゲームではないが)。登場時の弾き語りシーンはある意味必見である。
- マサキ・アンドー(サイバスター)【ファミリア】
スパロボの設定をほぼそのまま持ってきたキャラ。ギリアムとは違って魔装機神からのゲスト出演。加入期間はわずかだが、条件次第では最終面でも使用出来る。オリキャラ補正もあって高い能力を誇り、何事もそつなくこなす。
- 東光太郎(ウルトラマンタロウ)【ヘルプ】
南光太郎と同じ名前であることを案の定ネタにされる。戦闘力は他のウルトラマンと比べるとやや見劣りするが、弱くはない。「ヘルプ」という特殊コマンドを持ち、ランダムでウルトラの父(全体攻撃)かウルトラの母(全体回復)を呼び出す。効果はそこそこだが、たまに息子を突き放してそのまま帰ってしまい、1ターン無駄になることも。
- ハマーン・カーン(キュベレイ)【ファンネル】
何故か仲間になる人。性格は大分マイルドになっており、それどころかミネバ様に対する過保護っぷりを見せる。参戦期間が短いため、覚える技は4つしかないが、能力は軒並み高い。
- シャア・アズナブル(サザビー)【ファンネル】
序盤にガルマとともに現れる。史上最もアムロと仲が良い部類に入るだろうシャア。最初はシャアザクに乗ってアムロ達に襲いかかってくるが、なんと「誤解だった」という理由で戦闘が中断される。その後も何かと現れてはアムロに協力する。サザビー時もキャラは一年戦争時のまま。能力はキュベレイ同様高いが、参戦期間はあまりに短い。
- エルピー・プル(キュベレイMk-Ⅱ)【ファンネル】
ジュドーを差し置いて参戦するΖΖのヒロイン。極めて短いスポット参戦。キュベレイと能力はほとんど同等。ちなみにジュドーもちゃんと登場するが、ΖΖが壊れて使用できないという扱いで仲間にもならず、戦闘にも参加しない。残念。
- シュウ・シラカワ(グランゾン)【フルパワー】
一時的に仲間になり、かつラストメンバー候補の一人。HPが高く、ラストダンジョンで楽に戦いたいなら彼を選ぶと安定するだろう。マ・クベを催眠術で廃人にしてしまうなど、トラウマめいたイベントシーンがあることが特徴。胡散臭さは変わらず。フルパワーは強力な全体攻撃を放つが、1ターン行動不能となる。
- シーブック・アノー(ガンダムF91)【ぶんしん】
普通に進めた場合、最後に仲間になるキャラクター。後半の加入なのにも関わらずレベル6で初登場する。ただし再加入時には30になって帰ってくるので安心。通常ルートのキャラだけあってサイバスターやグランゾンに比べると見劣りする。最終技であるダブルヴェスバーの火力はかなり安定しているのは魅力。
スーパーロボット大戦との関係
この当時ウィンキーソフトがスパロボを開発していたこともあり、スパロボに登場するバンプレストオリジナルキャラの、マサキ・アンドー、シュウ・シラカワの二人が登場した。
また、今作の主要人物であり重要人物でもあるオリジナルキャラの「ギリアム・イェーガー」は今作がデビュー作であり、今ではすっかりお馴染みとなったバンプレストオリジナルロボット「ゲシュペンスト」(今作ではパワードスーツという設定だが)もギリアムの乗機として今作が初出である。ギリアムはスパロボでも黒いゲシュペンストを愛機としている。
また、作中にスパロボを伺わせる場面があり、またスパロボ内にもヒーロー戦記を匂わせる会話がある。
このためかギリアムはスパロボに登場する度に「ヒーロー戦記もよろしく!」と中断メッセージで言っている。
特にスパロボOG2かOGs又はジ・インスペクター(アニメ)は、ほぼ今作の続編及び後日談と言ってもいい内容となっているので、今作をプレイした人は一度やってみたり視聴してみるといいかもしれない。(現在ではOGsかアニメをオススメする。)
その他
ふたば☆ちゃんねるにヒーロー戦記の開発スタッフ(ドット絵担当)が降臨して軽い祭りになったことがある。
『開発期間は実質4ヶ月』、『物語を進め易くするために登場人物の性格をわざと崩した』等、いろいろと開発時の裏話を暴露した。
なおスタッフ曰く『あと、あちこちで「リファインきぼんぬ」という書き込みを見かけて元スタッフ冥利に尽きる訳ですが、私個人から言わせて貰うと本当に出して今の消費者が納得できるかという不安があります。幸か不幸かヒーロー戦記が出来のいい作品だったのでその壁を越えれるかどうかは、元スタッフをかき集めても実現できるかどうか怪しいからです。SFCのハードだったからこそ許されていた部分もあったわけで・・・ 』 (原文掲載)
とリメイクについては乗り気でないようだ。
関連動画
関連項目
- スーパーロボット大戦
- ギリアム・イェーガー
- スーパーヒーロー作戦
- ロストヒーローズ(2012年発売予定)もよろしく!