フルメタル・パニック! 単語


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フルメタルパニック

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フルメタル・パニック!とは富士見ファンタジア文庫(角川書店)発行・賀東招二作のライトノベルシリーズ作品。また、それを元にしたメディアミックス(テレビアニメ・コミック・ゲーム等)である。原作小説は1998年より「月刊ドラゴンマガジン」で連載。

概要

1990年代末期、史実と異なりソビエト連邦が崩壊しておらず、米ソによる東西冷戦が依然として続いている現実世界のパラレルワールドを舞台にしたロボット・ミリタリー・SF・アクション・学園(ラブ)コメディ。"ブラックテクノロジー"と呼ばれる異常に高度な科学技術をもたらす特殊な人間「ウィスパード」を巡る謎と戦いが描かれる。

原作小説はロボット・ミリタリー・SFのシリアスなメインストーリーが展開される「長編」、長編のサイドストーリーを描く「サイドアームズ」、打って変わって"戦争ボケ"の主人公が繰り広げる学園コメディの「短編」の三部構成で刊行されている。「長編」「短編」シリーズについては完結したが、アニメ第四期の制作に合わせて新作の刊行予定が発表されている。

原作者の賀東氏のこだわりにより、作中に登場する人型兵器・アーム・スレイブ(AS)の構造や操縦システム等は細かく作り込まれており、これらの機体やその武装の開発メーカーとしてボフォースオート・メラーララインメタルIMIなど、実在する軍需産業の名も多く登場する。『機動警察パトレイバー』のレイバーや『装甲騎兵ボトムズ』のアーマードトルーパー、『ガサラキ』のタクティカル・アーマー(TA)・フェイク等の人型兵器に通じる描写と設定が有る。

2011年には長編シリーズ完結後の十数年後を描くスピンアウトシリーズ「フルメタル・パニック!アナザー」(賀東氏は原案、執筆は謎のメキシコ人、ホセ・オークロ又はホセ・サントス大黒尚人氏)の開始(2011/8/20発売)が発表。第一巻は発売後、富士見ファンタジア文庫のレコードを塗り替える速度で重版される人気となっている。こちらは2016年に完結。

スパロボ・フィギュア・プラモデル等の展開についてはWikipediaを参照のこと。

2015年10月にはアニメ四期の制作が発表され、2017年にはオーディオドラマが公開、アニメは当初予定の2017年秋期から遅れたものの2018年4月より放映が開始される。またゲーム版も同年5月に発売予定。

あらすじ(原作一巻『戦うボーイ・ミーツ・ガール』)

いかなる国家にも属さず、世界の十年先を行く装備と凄腕の人材を揃え、武力介入による平和維持活動を遂行する極秘の軍事組織ミスリル。

ミスリルに所属する主人公の相良宗介とその同僚達はある日、上官であるカリーニン少佐から、日本在住の女子高生「千鳥かなめ」の警護任務を命じられる。少佐によれば、彼女はKGBを始めとする各国の諜報機関に拉致される可能性があるという。

宗介に課された任務とは、彼女の通う陣代高校に転入(潜入)して、日本政府や千鳥かなめ本人にも気付かれぬよう秘密裏に彼女の身辺警護を行う事であった。かなめと同年代であるという特徴を活かし、クルツやマオと共同しながら同級生として彼女の警護にあたる宗介だが、幼い頃からゲリラ・傭兵として数々の戦場を駆け抜けてきた歴戦の兵士である宗介にとって、平和な日本での普通の高校生としての日常は彼の理解の範疇を越えたものだった。数々の不審行動をさらけ出しながら悪戦苦闘の日々が始まった。

なぜミスリルが、どう考えても平凡な女子高生でしかないかなめを護衛しなければならないのか疑問に思いながらも、警護任務を続ける宗介達。かなめを狙っていると目された機関を潜水母艦トゥアハー・デ・ダナンがミサイル攻撃で撃破し、かなめ護衛の任務終了を告げられた直後、季節外れの沖縄への修学旅行で陣代高校の生徒達を乗せた旅客機が正体不明のテロリストにハイジャックされ、宗介とかなめ達は北朝鮮へと拉致されてしまう。
犯行グループの目的は、千鳥かなめ。かなめは自覚していなかったが、彼女は「ブラック・テクノロジー」と呼ばれる、現代の科学水準を遙かに超えたオーバー・テクノロジーをもたらせる特殊な能力を持つ人間「ウィスパード」だった。

孤立無援の状況下でありながらも、かなめを救出する為に単独で決死の反撃を開始する宗介。
やがて援軍が到着し、形勢は逆転したかに見えたが、そこに宗介の宿敵・ガウルンが「ラムダ・ドライバ」と呼ばれる謎の特殊兵器を搭載したアーム・スレイブを駆って現れる。
通常兵器による攻撃を全く受け付けないラムダ・ドライバの前に、ミスリルの仲間達も歯が立たない。宗介達が絶体絶命の窮地に陥ったその時、彼の前にトゥアハー・デ・ダナンから射出されたラムダ・ドライバ搭載型アーム・スレイブ、ARX-7 アーバレストが姿を現したのだった。

アニメ版

第一期『フルメタル・パニック!』(2002年1月~同年6月)
通称『無印』。GONZO制作。原作長編の『戦うボーイ・ミーツ・ガール』『疾るワン・ナイト・スタンド』『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』三作のストーリーとオリジナルエピソードの全24回で放送された。
なお、本来は2001年秋から放送の予定だったが、米国での9.11事件の発生により、作中のハイジャックシーンを考慮して放送が延期された。
第二期『フルメタル・パニック?ふもっふ』(2003年8月~同年11月)
通称『ふもっふ』。京都アニメーション制作。原作短編のみをベースに全12回(全17話)で制作された。前作と異なり、ASでの戦闘シーンやシリアス展開はほぼ存在しない完全な学園ラブコメである。
なお、当初のフジテレビの放送では長崎での幼児誘拐殺人事件を受けて一部が放送されず、全11回での放映となっている(再放送以後は全12回に復帰)。
第三期『フルメタル・パニック! The Second Raid』(2005年7月~同年10月)
通称『TSR』。前作に引き続き京都アニメーション制作。原作長編の『終わるデイ・バイ・デイ』がベースだが、原作を補完するオリジナルエピソードが追加された構成となっている。
完全なギャグ調だった前作とは180度作風が異なり、物語の主軸は「陣代高校」から「ミスリル」へと戻り、「アマルガム」との戦いが描かれるシリアス作品。一部にグロテスクなシーンや残虐な描写がある為、R-15指定となっている。全13回。
OVA『フルメタル・パニック! The Second Raid 特別版OVA』(2006年5月26日)
短編五巻『どうにもならない五里霧中?』に収録されていた「わりとヒマな戦隊長の一日」を映像化した作品。
第四期『フルメタル・パニック!  Invisible Victory』(2018年4月~)
通称『IV』。実に11年振りとなるアニメ化で、制作はXEBEC。原作長編『つづくオン・マイ・オウン』以降がアニメ化される予定で、脚本・構成は原作者賀東招二が担当し、メインキャストの殆どが三期から引き継がれる模様。これに先行して2017年には『踊るベリー・メリー・クリスマス』がオーディオドラマ化(2018年現在は公開終了)された。

作品関連用語

  • ミスリル(フルメタル・パニック!)
  • アマルガム(フルメタル・パニック!)
  • ボン太くん/ふもっふ
  • トゥアハー・デ・ダナン
  • アーム・スレイブ
  • Rk-92 サベージ
  • Zy-98 シャドウ
  • Plan1501 べヘモス
  • M9 ガーンズバック
  • M6 ブッシュネル
  • ARX-7 アーバレスト
  • ARX-8 レーバテイン

主な登場人物

相良宗介  CV:関智一 国籍:無し
主人公。ミスリル西太平洋戦隊所属(階級:軍曹 コールサイン:ウルズ7)
千鳥かなめ CV:雪野五月 国籍:日本
メインヒロイン。ウィスパード。都立陣代高校生徒会副会長。

ミスリル

テレサ・テスタロッサ  CV:ゆかな 国籍:アメリカ
準メインヒロイン。ウィスパード。ミスリル西太平洋戦隊戦隊長(階級:大佐)。潜水艦トゥアハー・デ・ダナンの艦長にして設計者。愛称:テッサ。
リチャード・ヘンリー・マデューカス  CV:西村知道 国籍:イギリス
潜水艦TDD副艦長。フォークランド紛争にも出征した元英国海軍の潜水艦艦長で、ミスリル西太平洋戦隊所属(階級:中佐)。ミスリルに入る以前から世界でも屈指の実戦経験豊富な潜水艦乗りだった。帽子(キャップ)がトレードマーク。
アンドレイ・セルゲイヴィッチ・カリーニン  CV:大塚明夫 国籍:ソ連
ミスリル西太平洋戦隊・陸戦部隊作戦指揮官。元ソ連軍の特殊部隊(スペツナズ)の指揮官だったが、現在では陰謀によりソ連を追われている。西太平洋戦隊所属(階級:少佐)。宗介の育ての親。専らTDDの発令所から後方指揮官として宗介達の指揮を執っているが、実際には生身での戦闘能力もトップクラス。
メリッサ・マオ  CV:根谷美智子 国籍:アメリカ
ミスリル西太平洋戦隊・特別対応班(SRT)所属(階級:曹長 コールサイン:ウルズ2)。任務中はマオ・クルツ・宗介でチームを組み、トリオの指揮役を務める。中国系アメリカ人で少女時代はストリート・ギャングの親玉だった。かつては米海兵隊に所属していたが諸事情により不名誉除隊。普段は美人が台無しの荒っぽい言動だが、部隊内でも屈指のAS乗りであり工学の修士号も持つ才色兼備の女性。『アナザー』でも登場。
クルツ・ウェーバー  CV:三木眞一郎 国籍:ドイツ
ミスリル西太平洋戦隊・SRT所属(階級:軍曹 コールサイン:ウルズ6)。金髪碧眼の典型的白人の容貌だが中学までは日本に在住しており宗介以上に日本の事情に通じている。普段は美形が台無しの俗な言動だが、部隊内でも屈指の天才的射撃技術を持ち、ある人物からは「宗介のASよりも脅威」と評されるほど。『アナザー』でも登場。
ゲイル・マッカラン  CV:小川隆市 国籍:オーストラリア
ミスリル西太平洋戦隊・SRT所属(コールサイン:ウルズ1)。元オーストラリア陸軍特殊部隊(オーストラリアンSAS)所属。ウルズチームのリーダー。部下の裏切りに遭って戦死する。
ベルファンガン・クルーゾー  CV:小山力也 国籍:カナダ
ミスリル西太平洋戦隊・SRT所属(階級:中尉 コールサイン:ウルズ1)。マッカランの後任として地中海戦隊から西太平洋戦隊に転任して来た、ウルズチームの新リーダー。アフリカ系カナダ人のイスラム教徒で元カナダ陸軍特殊部隊(カナディアンSAS)所属。生身・AS搭乗時を問わず格闘術に秀でており、西太平洋戦隊でも屈指の実力を持つ宗介をAS戦で圧倒した。愛称:ベン。一部ファンからは「ベンゾー」、「アニヲタ」と呼ばれる。屈強な黒人男性という厳つい外見に反し、日本アニメ(特に宮崎アニメ)が大好きなのだが、本人はそれをひた隠しにしている。
ヤン・ジュンギュ  CV:佐々木望 国籍:韓国
ミスリル西太平洋戦隊・SRT所属(階級:伍長 コールサイン:ウルズ9)。所謂アッシー。影が薄い。薄幸。テレビシリーズ第1弾では出番すら奪われた。元々レーサー志望だったが、貧しさから断念。徴兵され、兵士としての意外な才能を見出され現在に至る。AS戦闘技術はないものの、車の運転にかけては右に出る者は居ない程の腕前を持つ。
レイス  CV:大原さやか 国籍:北朝鮮
ミスリル情報部所属。宗介と同時にかなめの護衛任務に就いているが、実質的には監視のみで直接的な護衛はせず、作中前半は宗介の警戒心を煽るなどむしろ足を引っ張るような行動すらしていたが、後半はレーバテインの建造などに一役買い作戦部の反転攻勢を下支えする活躍を見せる。変装を得意としており初登場時は太った中年サラリーマンの容貌だったが中身は女性である。"レイス"はコードネームであり、本名は不明であるが、レモンの推測によると「日本人にとっては爆笑必至の名前」らしい。

アマルガム

ガウルン  CV:田中正彦 国籍:九個
アマルガム所属(コードネーム:ミスタ・Fe)。宗介の宿敵。九つの国籍を持つと言われる極めて凶悪なテロリストであり、世界各国の要人を30人以上暗殺し、航空機の爆破も最低二度は実行しているが、NATO諸国の対テロ機関には殆どその存在を知られていない。生身でもAS搭乗時でも人間離れした戦闘能力としぶとさを持つ。「愛してるぜ。カシム」
レナード・テスタロッサ  CV:浪川大輔 国籍:アメリカ
アマルガム所属(コードネーム:ミスタ・Ag)テッサの双子の兄で、彼女を上回る能力を持つウィスパードだが、宗介とは敵対関係にある。アマルガム側の主力兵器は多くが彼の手で設計されている。頭脳だけでなく、生身での戦闘能力もかなりのもので、元北朝鮮工作員のレイスを素手で軽々と取り押さえたり、宗介と銃撃戦で互角に渡り合う程の実力を持つ。AS戦の技量も高い。

コミック版

原作小説版をベースにした長編「揺れるイントゥ・ザ・ブルー」(以後「ITB」)までを描くコミカライズと、一部設定を変更しITB以降を描くコミカライズ、原作にはないオリジナルのギャグコミックとその同作者によるオリジナルのシリアスストーリーが刊行されている。

『フルメタル・パニック!』 館尾冽
通称「館尾冽(たておれつ)」版。月刊コミックドラゴンで2003年5月から、途中でドラゴンエイジに掲載誌を移して2003年5月 - 2005年4月まで連載。原作小説のストーリー序盤からITBまでのエピソードを描く。全9巻。
『いきなり! フルメタル・パニック!』 永井朋裕
通称「永井朋裕」版。テイストとしては短篇集や「ふもっふ」に近いと言えるが、よりギャグ方面に特化したオリジナルストーリー。よりキャラの壊れ具合が特化されている。宗介は基本、無表情(汗はかく)。
『フルメタル・パニック! SURPLUS』 永井朋裕
いきなり~が完全にギャグ寄りだった中、シリアスなオリジナルストーリーを描く作品。オリジナル設定のAS用OS(オペレーションシステム)やAS、キャラクターが少し登場する他、本編とは世界情勢周りの設定(主に地域での支配勢力・国家等)が若干異なる。全編ドシリアスかとおもいきや、いきなり~のノリは健在。全一巻。
『フルメタル・パニック! Σ』 上田宏
通称「上田宏」版。角川コミックスドラゴンJr.レーベルからドラゴンコミックスエイジレーベルにに移し、月刊ドラゴンエイジにて連載された。ITB以降のストーリーが描かれた。2013年10月号で連載完結。
途中に短編のエピソードをはさみつつ、原作小説版からの一部設定変更(ガウルンの部下の双子など)の他は、ほぼ忠実にストーリーを追っていく。コミカルな描写もあるが、真骨頂は原作に即したシリアスストーリー。
『フルメタル・パニック!0』 カサハラテツロー
月刊ドラゴンエイジで連載が開始された、ストーリーを初めから追いつつも、”鬼才”と称されるカサハラテツロー氏の独特なタッチと視点により描かれる新たなフルメタル・パニック。カサハラ版、またはゼロとも言われる。

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外部リンク

関連項目

  • 賀東招二
  • 四季童子(原作挿絵、キャラクター原案)
  • 海老川兼武(メカデザイン)
  • 渭原敏明(メカデザイン)
  • 下川みくに(アニメ版OP/EDテーマ曲を一期から手掛ける)
  • ホセ・オークロorホセ・サントス大黒尚人(後継作「フルメタル・パニック!アナザー」著)
  • ライトノベル
  • 小説作品一覧
  • アニメ作品一覧
  • スーパーロボット大戦シリーズ登場作品の一覧
  • フルメタル・パニック?ふもっふ
  • フルメタル・パニック! The Second Raid
  • フルメタル・パニック!アナザー
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