モンスターコレクション・トレーディング・カード・ゲームとは、グループSNEが開発したトレーディングカードゲーム。略称はモンコレ。1997年9月に富士見書房から発売された。2000年9月からモンスターコレクション2が展開、2009年8月からはモンスターコレクション・トレーディング・カード・ゲーム(MONSTER COLLECTION TRADING CARD GAME)と改め展開されている。
多くのTCGと同じく、プレーヤー2人が対戦する。多くのTCGとの最大の違いは、いわゆるライフポイントなどの概念が存在せず、3×4マスのフィールドに本陣とモンスター(ユニット)が進軍するための地形カードを配置し、召喚したユニットを用いて先に敵の本陣を制圧、相手領地をより多く占領したプレイヤーが勝利する、という一種の「陣取りゲーム」である点。このようなタイプのTCGは世界的に見てもあまり例がないと言える(アメリカの Guardians というTCGが数少ない類例である)。 ユニットは火、水、土、風、聖、魔の6つの属性を1つ、一部のユニットは2つ持つ。また、それぞれの属性に応じた、ユニットが使用する魔法(戦闘スペル)、ユニットに装備させることができるアイテム(装備品)、ユニットが戦闘中に使用することができるアイテム(消耗品)、様々な条件を満たすことで使用が可能になる儀式魔法(儀式スペル)、特殊な効果をユニットにおよぼす地形などがある。
また、本作をモチーフとした小説、コミック、アニメが製作されてきた。特に、小説はTCG自体の発売に先行してシリーズが開始され、同時展開された。さらに、本作を利用するボードゲームや、同じ世界を舞台としたTRPGも発売されている。
ユニットの移動というボードゲーム的な要素を持ち、日本でデザインされたTCGの中では変わったものであると言える(複雑でTCG初心者がプレイするには難しいという意見もある)。また、CLAMPやいのまたむつみなどの有名イラストレーターをカードのカラーイラストに起用している。
プレイヤーは50枚のカードを自由に組み合わせたカードの束=デックを作る(同名のカードは3枚まで)。二人のプレイヤーが互いにデックとさいころ(テキストではダイスまたはdと表記)を持ち寄り対戦する。
山札(デック)から一枚、カードを裏向きに自軍領土5の位置に置いて本陣とし、プレイヤーは山札から手札上限枚数(6枚)のカードを引き手札とする。
| 6 | 5 | 4 | |
| 3 | 2 | 1 | 敵軍領土 |
| 1 | 2 | 3 | 自軍領土 |
| 4 | 5 | 6 |
先攻プレイヤーのターンと後攻プレイヤーのターンを繰り返して進行する。
自軍ユニットが相手の本陣への進軍を成功させれば本陣陥落勝利である。山札が切れても敗北にはならないが、両プレイヤーの山札が尽きて膠着状態になった場合は判定になる。敵軍領土により多くのユニットが存在している方が判定勝ち、ユニットが同数なら引き分けである。
戦闘のおおまかな流れ
地形を支配できるモンスター(人間も含む)を表すカード。基本的にユニットカード以外はなくても遊ぶことができる。 モンスターの種族、属性、レベル、攻撃力、防御力、進軍タイプが設定されている。このほかに常備能力(アイテム枠、スペル枠、イニシアチブ補正、チャージ、ディフェンダー、耐性)、固有の特殊能力を持つものもある。
進軍タイプにより移動範囲が異なり、「飛行ユニットは歩行ユニットと比べ進軍範囲が広いので、戦闘を避けて側面から回り込む」というような戦略が用いられる。
進軍タイプは「歩行」「飛行」「長距離飛行」の3タイプ。移動範囲は「歩行」<「飛行」<「長距離飛行」。
強力な能力を持つ代わりに、場に1体しか存在できず(敵軍のものは含まない)、召喚時に山札からカードに記載された枚数のコストを支払う必要がある「英雄ユニット」も存在する。
ユニットの常備能力「アイテム:X」を消費して効果を発揮する魔法の道具を表すカード。 戦闘中にしか使用できない。プレイヤーの手札から出して使った後は破棄される。
ユニットの常備能力「アイテム:X」を消費して効果を発揮する魔法の道具を表すカード。 使い捨てではなく、破棄されない限りユニットに装備されたまま効果を発揮し続ける。戦闘に関わらない効果を持つものもある。
ユニットの常備能力「スペル:X」を消費して効果を発揮する魔法を表すカード。使用条件のスペル枠が複数ある場合、それを2体以上のユニットで分担することができる。 戦闘中にしか使用できない。プレイヤーの手札から出して使った後は破棄される。
特定の条件を満たして使う強力な魔法を表すカード。「デックに一枚制限」のものも多い。 使った後は破棄されるものと、その場に示して効果を発揮し続けるものがある。
MC2以降、場に示して効果を発揮し続けるカードは「スロット継続」の表記がされ、使ってから次ターン以降好きなときに効果を発揮できる「スロット待機」のカードも新たに追加された。 それぞれのプレイヤーのスロットは3枚。
現在公式大会で採用されているGレギュレーションには、儀式スペルカードは存在していない。
ユニットが存在することのできる地形を表すカード。一つの地形上に存在するユニットのレベルの合計はそれぞれのプレイヤーがその地形に設定されているリミット以下でなければならない。 地形上いるすべてのユニットが効果を受けるもの、地形を支配しているユニット、プレイヤーに特殊な効果を発揮できるもの等がある。
デックやゲームルールに影響を与えるカードで、デック枚数には含まない。デック枚数、デック構築の制限や解除、追加・変更ルール等が設定されている。
使用は任意だが、デック枚数が青地に表記されているもの以外は、召喚術師カードを用いたデック同士でのみ対戦できる。
現在公式大会で採用されているGレギュレーションには、召喚術師カードは存在していない。
左下にある出現頻度マークは入手しやすさを表しており、丸(基本またはプロモーションカード)、三角(頻繁)、ダイヤ(並)、星(稀)、クラブ(極稀)となっている。このほか、召喚術師カードの六芒星、プロモーションカードのスペード、ハート、月マークがある。
括弧内は略称。
モンスターコレクション(Aレギュレーション)
記念すべき第1弾。60枚がセットなった「スターターパック」と、16枚入りの「ブースターパック」で販売された。 比較的凶悪なカードが多い。
アイテムカードが多数追加され弓矢が登場した。このセットのみ極稀カードが存在しない。 どんなデックにもおよそ入る余地のないカードが多いことも相まって売れ残りがよく見られた。
戦闘スペル、儀式スペルが多数追加。複数のスペル枠を消費する強力な戦闘スペルが登場した。ユニットカードにもスペル枠を持つものが多い。 儀式スペルは強化されたが戦闘スペルは実戦的なものが無く事実上強化されなかった。
また、凶悪なワンキルデックが成立してしまい、後に大量のエラッタが出ることに。
プレイヤー自身を表し、追加ルールを与える召喚術師カード(左下マークが六芒星)が登場した。召喚術師は小説やフレーバーテキストの登場人物で、タロットの大アルカナをモチーフにしている。また、ユニットカードには二つの属性を持つ【種族:人間】が登場。二属性を持つため良くも悪くも様々な効果を受けやすい。設定上人間は真の名が解明されておらず召喚術で使役できないことになっているが、ルール上はほかのユニットと同じように扱われる。 一部の例外を除き、やはり汎用性が低く使いにくいカードが多く目立つ。
モンスターコレクション2(Sレギュレーション)
2つ目のブロック制度の始まり。
MC2としては初の2つの属性を持つユニットが収録されたカードセット。このセットのカードは他のカードセットに比べ能力が高いカードが多い為、オークションなどでは高値で取引され未開封BOXであれば数万円で取引されることもある。
モンスター・コレクション・トレーディング・カード・ゲーム(Gレギュレーション)
「七つの海の王子」、「花園の歌姫」をメインとした構築済みデック。
「攻撃隊長ブラックホーク」、「夢魔の王姫リリス」をメインとした構築済みデック。
「古代帝国の遺産」のプロモカード「ジャッジメント」を始めとして、ほとんどが再録カードとなっている。
再録にあたって、現レギュレーションに合わせて大幅に変更を受けたカードが多い。
「ドラマガ×pixivイラストコンテスト」のモンコレ部門大賞受賞作品が、カードイラストとして採用されている。
「神霊獣の咆哮」からのフレーバーテキストの登場キャラクターが、ユニットカードとして収録されている。
これまであまり組み合わせて構成されることのなかった属性(火と聖、土と魔など)でのデック構築の中心となるユニットカードが多数追加。
タイプ:弓、タイプ:矢の後継ともいえる、タイプ:錬金銃とタイプ:銃弾が登場。
カードセットの発売は、1年を「1ステージ」と区切って行われる。1ステージの基本は、年に二つのカードセットとなっている。
健全なゲーム環境を維持するため、発売から3ステージが経過したカードは「レギュレーションアウト」となり大会での使用ができなくなる。例外として、以降のステージで再録されたカードは継続して使用が可能になる。
相沢美良、青木邦夫、天野喜孝、雨宮慶太、いのまたむつみ、桜瀬琥姫、開田裕治、加藤龍勇(加藤洋之)&後藤啓介、金澤尚子、CLAMP、弘司、斉藤コーキ、佐々木亮、佐藤正浩、四季童子、C-SHOW、士郎正宗、末弥純、鈴木理華、田口順子、竹本泉、田中としひさ、立川虫麻呂、槻城ゆう子、中村亮、七瀬葵、七水号多、pako、ぴぃたぁそると、幻超二、村枝賢一、米田仁士、るりあ046、かんくろう、若菜等+Ki ほか
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ルール、カードセットの一部等をWikipediaより引用。
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最終更新:2025/12/14(日) 06:00
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