ルパン三世 風魔一族の陰謀とは、ルパン三世のOVA第1弾兼劇場用第4弾の作品である。
元々はOVA作品として制作され、ビデオ商品自体は1988年4月発売を予定していたが、それに先駆けて1987年12月に東京と大阪のごく一部の劇場で公開された。そのため本作はルパン三世シリーズにおいて、OVA作品と劇場用作品のどちらとしても扱われている。
この作品では珍しく監督はいないものの、1stシリーズで作画監督を担当した大塚康生が監修を努めている。そのためキャラクターデザインは1stシリーズと酷似しており、衣装の配色に関してもルパンが緑のジャケットを着ている
初めてメインキャストの総入れ替えが行われた一作であるが、ファンの大規模な抗議と後述する騒動によって、1989年から始まったTVスペシャルシリーズでは山田康雄たち旧来の声優陣に戻された。
(とはいうもの山田没後に栗田貫一がルパンを引き継ぎ、2011年のテレビスペシャルでも五エ門、不二子、銭形の配役が一斉に交代されてる)
本作を制作するにあたった東京ムービーは当時経営難に陥っており、ギャランティが高い山田康雄たち5人の声優を降ろして製作費を抑えようと図っていた。また制作陣の中には山田の演じるライトなルパンに否定的なスタッフもおり、意図的にそのイメージを覆そうとしたという情報もあることから、アニメ誌ライター(現:脚本家)の小黒祐一郎曰く、「キャストの総入れ替えが行われた要因はギャラと演技の両方にあるのでは?」と分析している。
それまで、山田たち声優陣と親交があった原作者のモンキー・パンチはキャスト総入れ替えについて当初渋っていたが、制作側から先述した事情を聞いて考え直した結果、「5人の声優さんに前もって話をしてそれから了承を得ること」を条件に許可を出した。
ところが総入れ替えの話をルパン役の山田はスタッフから聞いておらず、本作でルパンを担当した古川登志夫から初めてその話を聞き、公開から1年後の深夜に山田はモンキー・パンチの自宅に苦情の電話をかけたという。
(銭形役の納谷悟朗も同様の話をスタッフから聞いておらず、本作で銭形をアテた加藤精三からやはり初めて話を聞き、「複雑だ」と吐露していた。)
この出来事がきっかけで山田とパンチは仲違いしてしまい、その溝は山田が亡くなるまで埋まらなかった。実際、山田の訃報を新聞社から電話で聞かされたときに電話口で泣き声をあげたり、葬儀の時もキャスト総入れ替えの話に納得いく説明ができなかったことを悔やむなどしていたパンチにとっては、山田の誤解が解けていたかどうか最後までわからなかったことが一番の心残りといえよう。
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最終更新:2025/12/12(金) 21:00
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