もしかして?→ワラキアの夜
ワルプルギスの夜(独:Walpurgisnacht / 英:Walpurgis Night)とは、
この項では 1. にも触れつつ、 2. について重点的に記述する。
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この項目は、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の、第11話、第12話を含むネタバレ成分を多く含んでいます。 続きを読みたい方はスクロールをしてください。 |
単独の魔法少女では対処しきれない超大型の魔女(公式サイトの用語解説より)。
アニメでは第11話と第12話に登場した他、過去には第1話と第10話にも姿を現している。
本作のラスボス的な位置づけとなっていて、この魔女を如何にして対処するか、この魔女の現れる日をどのように乗り切るかが、本作の大きな課題となっている。
他の魔女とは違い結界内に身をひそめる必要がなく(第11話)、現実世界にも多大なる被害をもたらす。
雑誌記事の紹介に寄れば、「現実世界に及ぶその膨大な破壊の影響故に、魔力のない人間には自然災害として認識される」という。実際に、第11話でワルプルギスの夜が出現する際に発生した被害級の異常現象を、一般人は「スーパーセル」と認識していたようだ。
その存在は、魔法少女の間では広く知れ渡っているようで、第6話で「2週間後にやってくる」と予言した暁美ほむらは当然だが、佐倉杏子や別時間軸の巴マミもこの魔女の存在と名前を知っていた。更に佐倉杏子の「二人がかりなら倒せるかも」という発言から、魔女の強さに関してもある程度のことは把握している魔法少女もいるようだ。これらのことから以前より至る所に出現しては悪さをしていたものと考えられる。
青と白のツートンカラーのドレスを身にまとった細身の女性のような姿をしている。スカートからはゆっくりと回転する巨大な歯車が顔を覗かせ、常にそちら側を上にして逆さまに宙に浮いている。下半身と呼べるものは確認できず、歯車から伸びる細長い車軸が胴体に直結している。
魔女の背後には七色に輝く「輪後光」のようなものが映し出されている。「ブロッケン現象(ドイツにおいて『ワルプルギスの夜』に魔女たちが集まるとされる『ブロッケン山』で起こりやすい光学現象)」を表しているのかもしれない。
戦闘では、暗くどんよりとした雲が空を覆い、破壊された建造物の残骸が宙に浮いている。
第11話においては、予兆としてスーパーセルが現実世界で観測された後、サーカス的に飾られた無数の象のパレードと共に出現、ワルプルギスの夜のピエロのような顔が、笑い声と共に映しだされた。
第1話および第10話における部分的描写からファンが予測していたのを遙かに上回る強大さを見せつけており、持てる火力の全てをフルに投入し、ワンマンアーミーとでも呼ぶべき三面六臂の活躍を見せる暁美ほむらとのその戦いは、本作を代表する名戦闘シーンであると言って問題ないであろう。
人名が与えられているものの作中ではその名で登場人物達に呼ばれることのない他の魔女とは異なり、この魔女だけが固有の名称を与えられ、作中の魔法少女たち、及びキュゥべえからその名で呼ばれている。
その名前が「ワルプルギスの夜」という人名とは思えないもので、しかも本編でそれがどのようなものか説明がされなかったので、初めて名前の出た第6話の時点ではそれが魔女なのか現象なのかすら不明瞭であった。のちに、第8話の暁美ほむらの室内にあるワルプルギスの夜の資料に第1話のアバンタイトルに登場した魔女に似た絵が描かれていたことで、ようやく第1話のアバンタイトルとワルプルギスの夜が関連していることが明確になった。
また、同話のワルプルギスの夜の資料には、ラテン文字で“Walpurgisnacht(ドイツ語で『ワルプルギスの夜』)”と表記されている。
見逃しがちだが、第11話の戦闘直前のカウントをよく見ると、 ![]()
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(Walpurgisnacht)と表記されているのが確認できる。初めて他の魔女のように特殊文字で表記された。
「ワルプルギスの夜」が魔女の本名なのか、それとも本当は他の魔女のように人名が付いていて、それを知らない登場人物の誰かが付けた仮の名前なのかは不明である。
登場人物の一人がこの名前を付けたとした場合誰が名付け親なのかも定かではないが、自分の必殺技に「ティロ・フィナーレ」などというかなり痛い名前を付けたり唐突に「円環の理」などと厨二病臭い言葉を口走ったりする某黄色い魔法少女によるものだという説が(ネタとして)存在する。
ワルプルギスの夜の正体については謎が多く、魔女になる前の魔法少女だった頃の姿らしき物は12話で確認できた物の本当にそうかはハッキリとしておらず、ついに明確な形では明らかにならなかった。
以下に、ワルプルギスの夜にの正体について考えられる(考えられた)説のうち、有力なものを挙げる。
第1話終了直後から既に、色(画像処理をすると青く塗られていることが分かる)やスカートの形状などの類似点から、第1話のアバンタイトルで暁美ほむらが戦っていた、魔女と思われる敵(この頃はまだ名前が判明していなかった)の正体が美樹さやかではないか、という説が存在した。
物語の終盤に、美樹さやかが物語のラスボスないしは中ボスに立ち回り第1話のアバンタイトルに繋がる展開が一時期予想されていたが、第8話、第9話の話の展開からこの可能性は否定された。(実際に美樹さやかは魔女になり物語中盤の重要な役回りをしたのでその点では当たっていた)
左腕に装着している盾の内部構造や自室の天井に「歯車」があることなどの共通点や、第1話や第10話の戦闘シーンでほむらの時間操作魔術が一部効いていないように見えることなどから、暁美ほむらの成れの果ての姿がワルプルギスの夜ではないか、という説が、さやか説に代わって第8話頃から第10話まではかなり支持されていた。
暁美ほむらとワルプルギスの夜が同一の時間軸上に同時に存在できるのは、暁美ほむらの時間操作の能力が魔女化しても持ち越され時間遡行している為だと考えれば、一応の説明がつく。
だが、第11話、第12話の話の展開からこの可能性もほぼ否定された。
その一方で、下記の集合体説における『ワルプルギスの夜の中核となる魔女=最後に残った歯車部分の魔女』という仮説から、再度上記の共通点に基づいて、『ワルプルギスの夜の中核=魔女となったほむら』という説が生まれた。
上記2つ以外で物語的にラスボスとしての格を満たしうる事や、現実世界での「ワルプルギスの夜」が魔女の集会とされている(下記の『1の概要』参照)ことから考えられた説。
また、11話における戦闘シーンに登場した使い魔と思われる少女達の影が、12話エピローグで描かれた『主人公達』+『コレまで倒してきた魔女達の魔法少女時代の姿』と思われる集合シルエットの一部と酷似していたことから、現状では最有力な説でもある。
なお、これらの魔女(魔法少女)の集合体の中核となる人物が、下記の「緑の子」であるという考え方も支持されている。
第12話において、鹿目まどかが自分の役目を果たすために最初に救済に行った、緑色の髪・衣装の魔法少女であるという説。上述の「魔女の集合体」の中核だとする考え方も支持されている。
魔法少女が倒れた草地の周囲に連結して掲げられていた色とりどりの旗から、第11話のワルプルギスの夜の出現時のサーカスの旗が連想できることなどから提示された。
なお、呼称は「緑の子」「緑髪」「チベットの子」「チベットっぽい子」「チベットちゃん」などとファンによってかなりぶれているが、今のところ「緑の子」という呼称が広く用いられている。
当初は中国か東南アジアのサーカスの子ではないかと周囲の風景やその衣装から推測されていた。
「チベットの子」などというように呼ばれるようになった所以は、彼女の死に際(魔女化際)に魔法少女の衣装が外れた際の私服姿が、チベット自治区、ネパール、ブータン、インド北部などのチベット文化圏で見られるチベット系の民族衣装に見えることや、周囲の旗も同地域で見られる『タルチョ(別名:ルンタ)』と呼ばれる伝統の五色幕に見える為。
奥に『チョルテン』と呼ばれるチベット圏に見られる仏塔らしき物(サーカスのテントとも考えられる)も在ることやソウルジェムと反対の手に持っているのが数珠にも見える事から、チベット仏教の宗教施設ではないかと推測されている。
ワルプルギスの夜自体は、物語においては「暁美ほむらが運命を超えられない象徴」と取れることから。
ここまで強大な魔女になってしまったのは、キュゥべえの言うように魔法少女時代は一国の女王や救世主のような強力な立場の人物だった為と考えられる。
また、鹿目まどかと同様に、暁美ほむらが時間遡行を繰り返した影響で過去の因果の糸が集中してしまった為だという説も存在する。(第10話の1周目の時点で既に十分強い敵として描かれているが、ループを重ねるごとに更に強くなっているようにも見える)
結局は、どうしようもないくらいに強くて、その強さから魔法少女に名前まで付けられてしまった魔女の一人として考えれば、正体はそこまで重要ではないのかもしれない。
アニメ本編では「ワルプルギスの夜」とフルで呼ばれることが通例だが、ファンの間では単に「ワルプルギス」、もっと略して「ワルプル」もしくは「ワル夜」と呼ばれることが多い。稀に、「ワル夜」から転じて「悪夜」という意図的な誤変換表記にされたり、魔女愛好家からは「ワルプルさん」と敬称付きで呼ばれることも。
その強大さやラスボス的位置づけから、歴代魔女総出演の二次創作ネタではリーダー役や総まとめ役を受け持ったり、全魔女の代表格とされることが多い。(学園ネタでは学園長など)
第10話放映以降は、最強の座をKriemhild Gretchenに奪われ、ややその扱いも地盤沈下気味であった。
しかし第11話の戦闘シーンでの圧倒的な強さや威圧感、恐怖を煽る笑い声、演出の過激さから、ラスボスとしての風格を取り戻したようだ。
本編の時間軸でのワルプルギスの夜の登場の1つ前の回である第10話がMBSで放映された日に東日本大震災が発生したが、それが原因でアニメの放映が延期となったことから、一部のスタッフがTwitterで「ワルプルギスが来るのが早すぎる」などと呟いていた。
この地震は最低でも3つの地震が連動したものと見られているが、奇しくも第10話で暁美ほむらが参加した対ワルプルギスの夜戦も2.3.4周目の3回という偶然の一致がある。
なお、同第10話は逆行前の世界でではあるが「第1話のアバンタイトル」以外でワルプルギスの夜が初めて登場した回でもあった。
それ以外でも以下のような符合が確認されている。
1月7日(実質上のまどか☆マギカ第一話放映日)
21日(MBS及びTBSでの完結編放映日)
25日(CBC及びニコニコ生放送での完結編放映日)
とことん現実世界に影響のある魔女である。
最後に、TV版放映時にはワルプルギスの夜襲来時の避難所関連でいくつかカットされたシーンが有り、ニコニコ動画での公開版でそれらは復活している。
4月30日から5月1日にかけての夜に、スカンジナビア半島から中欧にかけての地域を中心にヨーロッパの広い範囲で行われている祭り。
古くは春を迎えるための神聖な儀式の一つであったが、ヨーロッパにキリスト教が広まってからはこれらを異教の風習であるとして次第に魔女による儀式として変容していった。ドイツでは、4月30日の夜に魔女たちがブロッケン山に集い催される酒宴として言い伝えられている。
「魔法少女まどか☆マギカ」のモチーフの一つと思われているゲーテの戯曲「ファウスト」にもワルプルギスの夜が魔女の集会として登場する。魔法などの異教や異文化を取り扱った作品には、ワルプルギスの夜の風習を取り入れたり影響を受けたものが多い。
現代では、夜通しでお酒を飲んだりバカ騒ぎしたりパレードをしたり最早ただの魔女の仮装パーティと化していたりする。特に北欧では国を挙げた大規模な祝宴としていることが多く、この様子は観光としても人気。
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最終更新:2025/12/24(水) 06:00
最終更新:2025/12/24(水) 06:00
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