不謹慎厨

不謹慎厨（ふきんしんちゅう）とは、以下の事を言う。

定義

1. 不謹慎な言動、行動をする人。（実際に不謹慎な人。故意にそうした言動を繰り返すのでなければこれにはあたらない）
2. 不謹慎な言動、行動をする人をしつこく批判する人。（１に対してその不謹慎を指摘する人だが、何事にも限度はある）
3. 不謹慎な言動、行動をしていない人にまで非難をぶつける人。
4. 東日本大震災後にモノやサービスの消費が落ち込み危機感を抱いた悪徳企業が国民の購買意欲を煽るために「食べて（買って）復興支援」という日本史上最大のステマを展開してカネを巻き上げる作戦に出た際、消費行動を鈍らせている人たちに対して「復興支援しない、冷酷な非国民」という印象操作をしようと使われたレッテル。

（※上記四つはすべて意味が異なるので注意）

概要

過剰な配慮と自粛に対する批判としての「不謹慎厨」

不謹慎厨とは、もともとは「定義」の項の3.を指していた。

2011年（平成23年）3月11日の東日本大震災で多く発生し、またその他自然災害や事故、重大事件にかかわって現れることが多く、「現場の苦しみに共感しない人への怒り」あるいは「被害者への感情の配慮」という義憤が、行き過ぎ、あるいは方向を誤った批判者に対して使われていた。

また、愉快犯が上記の「不謹慎厨」を装って便乗する場合もある。

ニコニコ動画では実際に起こった悲劇と題材が似ている動画などに一斉に押し寄せ、批判的なコメントを流す。 批判は罵倒や過失の晒しあげなど、一貫性のない暴力的な形になることが多く、行動からは荒らし・クレーマーの一種とも言える。

これはひどいと思った場合は、通常通りの対処と同じようにコメント削除依頼板で通報することをお勧めする。そもそも、その批判を向けられたその行動は本当に「不謹慎」に当たるのか。仮に「不謹慎」だとしても、それがいけないとされるのは何故なのか。相手に非難や怒りをぶつける前に一呼吸置いて、自分の価値基準について一度考え直してみることが肝要なのではないかといち編集者は考える。

復興支援という善意を悪用したステマの手段に変質する「不謹慎厨」

しかし、東日本大震災からしばらく経過した後、「定義」の項の4.の用途で語られる事が急速に増え、今では多くのケースでこの意味づけがなされている。

前節で述べられた東日本大震災以降の「配慮と自粛」により国民の消費行動・購買意欲が鈍化していき、

• 震災自体による景気悪化に追い討ちをかける懸念
• 被災地・被災者の経済的自立の支援の必要性

などが叫ばれ、「被災地の産物の購入」の動きが出てきた。それは、国内外の人たちの被災地・被災者に対する善意や使命感などがきっかけになって生まれたものである。

しかし、モノやサービスの消費が落ち込んで業績が悪化した事に危機感を抱いた被災地以外の悪徳企業がこれに便乗して利益を得ようと、「食べて（買って）復興支援」をキャッチフレーズに復興支援者の購買意欲を煽るという日本史上最大のステマを展開。短絡的な支援者がこれに共鳴し、twitter、Facebook、mixi、2chなど各種ネット媒体を通じてこのステマを拡散させていった。

その過程で、被災地の産物の購入・利用をしない人たちに対して「復興支援しない、冷酷な非国民」という心ない誹謗中傷をする事で「支援しなきゃ！買わなくちゃ！」という心理にさせる動きも彼らによって顕在化。その際に使われた言葉が、もともと過剰な配慮や自粛を批判する為に使われた言葉が「不謹慎厨」であった。

自粛圧力を批判する為に使われた「不謹慎厨」という言葉が、被災地の産物の購入圧力として使われるようになった事は皮肉である。

しかも、復興を間接的に支援してるつもりだったのが、実際は被災地・被災者をダシにした悪徳企業の業績アップに貢献しただけで、生産者たる被災者に殆ど還元されてなかった現実に、嘆きや怒りを口にした人も。

被災地の産物は福島第一原子力発電所爆発事故による放射性物質汚染の被害のためにタダ同然で買い叩かれ、そこに「復興支援」というブランドをつけて、他の地域の産物と同等以上の価格で売買されていたのだから。それを告発した被災者のブログも大きな話題となった。

それでもなお、悪徳企業はその真実を強引にねじ伏せようと「食べて（買って）復興支援」ステマを続け、それに乗った短絡的な支援者たちと組んで「不謹慎厨」バッシングする事で購買圧力を高めていく。

こうして、「食べて（買って）復興支援」ステマは、日本で最大の成功をおさめたステマとなった。

そもそも、真に「復興支援したい」のならば、少しずつでも継続的に被災地・被災者へ金品を送るなり、自ら人的資源となって被災地に赴いてボランティアに励むものだ。

各界の著名人の寄付の多寡や被災地入りを上から目線で批評しつつ自身では特に何もしない人たちの「自分の身を切った支援は嫌だし、日常の生活を崩したくないけど、何もしてないと言われたくない。だから日常の生活や消費行動を変えずに復興支援したつもりになれる手段として、被災地・被災者の作ったものを買う事で安心したい」という心理に、このステマや「不謹慎厨」バッシングは見事にマッチした。これが負のシナジー効果をも生み出して、「不謹慎厨」バッシングや「食べて（買って）復興支援」ステマが拡大していき、「不謹慎厨」の意味も本格的に変質していった。

今では、被災地の産物を購入・消費しない者に「不謹慎厨」のみならず「危険厨」「放射脳」のレッテルまで追加し、被災地の復興に貢献していると勘違いしている、歪んだ正義感の持ち主まで現れる始末である。

はたして、そんな事を被災者たちは望んでいるのだろうか。

不謹慎厨の被害者一覧

• 被災者
• 普通にしている非被災者
• 不謹慎厨の家族
• ポリゴン（ポケモン）
• スペル星人（ウルトラセブン）
• お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!
• メルト、炉心融解、お空のニュークリアフュージョン道場などの核・地震をモチーフにした作品・キャラクター
• 災害後にうｐされた普通の動画
• 株式会社アイレム(絶体絶命都市4および絶体絶命都市シリーズ)・・・これは不謹慎厨による被害を防ぐために自ら発売中止にしたとみられる。また、これらの実況動画も不謹慎厨の被害にあったとみられる。
• LOUDNESSの二井原実と爆風スランプのファンキー末吉（共にX.Y.Z→A）
  ※震災後に二井原のバースデーライブを行ったところ、不謹慎厨を自称するアンチから二井原のブログと末吉のTwitterが「不謹慎だ！」「自粛しろ！」などと荒らされた。
• 株式会社テレビ東京　災害後、子供達を安心させるために、いち早くアニメ番組を流して通常運転に戻った事に対して不謹慎厨共から「アニメ番組を流すのは不適切」等抗議の電話が殺到したがために、必要の無い謝罪までする羽目になった。
• 腸管出血性大腸菌による食中毒事件の前に上げられたユッケに関する動画。もしくは焼き肉関連動画。（例：究極焼肉レストラン!お燐の地獄亭!など）

関連動画

「不謹慎」の尺度について考えてみよう。

関連項目

• 厨房の一覧
• 不謹慎
• 便乗厨
• ネットイナゴ
• 荒らし
• スラックティビズム
• レッテル貼り
• 害厨
• ステマ
• 危険厨
• 放射脳

最後に

もしかして

あなたは「不謹慎狩り」を旗印にした

ウサ晴らしをしようとしていませんか？