京極夏彦 単語


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キョウゴクナツヒコ

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京極夏彦とは、小説家、アートディレクター、妖怪研究家である。

「レンガ本」と呼ばれるほどの本の分厚さでおなじみの小説家。

北海道小樽市出身。よくウィキペディア辺りでもたまに間違って書いてしまう奴もいるが、虻田郡京極町出身ではない。

概要

小説家になるまで

元々はアートディレクターとして働いていたがバブルが崩壊、仕事の量が減少してしまう。そんな中、「仕事がすぐ終わってしまい暇だが早く帰るのは同僚に悪い」ということで終業時までの暇潰しに小説の執筆を開始。一年ほど掛けて書き上げるが身内や職場の人間に見せるまでに留まった。

が、その後ゴールデンウィークなのに外出も出来ない(する金がない)、しかも子供が産まれることを知り、急に思い立って講談社へと書きあげた小説を送ることにする。小説は2、3日後本になることが決定される。それが『姑獲鳥の夏』である。
『姑獲鳥』は元々漫画用のネタだったが、「漫画に出来ないでしょ(笑)」ということで小説にシフトチェンジしている。

推理小説の中に、怨霊や妖怪をテーマとして、人間の心理に潜む怪異として、ストーリーにうまく織り込み好評を博す。また、このことがメフィスト賞誕生のきっかけともなった。

「京極夏彦」の筆名を考えたのは当時の同僚たちである。作品に見合っていて、推測すれば本名が分かるということで本人も採用することに。

“京極夏彦”の誕生

以後、百鬼夜行シリーズを中心に執筆。2作目となる『魍魎の匣(もうりょうのはこ)』は第49回日本推理作家協会賞長編部門受賞。シリーズ最高傑作と言われることが多い。
その他の作品に、『嗤う伊右衛門(わらういえもん)』(第25回泉鏡花文学賞受賞)、『覘き小平次(のぞきこへいじ)』(第16回山本周五郎賞受賞)、『後巷説百物語(のちのこうせつひゃくものがたり)』(第130回直木賞受賞)などがある。

『嗤う伊右衛門』『姑獲鳥の夏』『魍魎の匣』は映画化、『巷説百物語』は二度のドラマ化(キャストも別。最初のドラマはかなり変わった作風で、エログロチックな感じである。対照的に二度目の方は現在放送されている必殺仕事人の様なスタイリッシュなものである。両方ともWOWOWで放送された)とアニメ化がされている。また、『魍魎の匣』はTVアニメ化もされた。

デビューの経緯から分かるように、最初から小説の執筆はデジタルである。Adobe InDesignを使用しており、このソフトの知名度を上げ、またそれまで雑誌出版などでのみ行われていたDTPを小説界に広めた人物。PCは小説用をマック、映像編集(趣味兼仕事)用をウィンドウズと使い分けている。
ちなみに執筆中はテレビを見たりDVDを見たりしており、そっちの内容もちゃんと把握しているという。

物書き以外の活動

自作のアニメ化や映像化の際に声優や俳優として出演することはあまりにも有名。自作だけでなく、師匠と崇める水木しげるのゲゲゲの鬼太郎や金田一少年の事件簿にも出演している。
これらは本人の声を聞いたことがあるなら分かるかもしれないが、制作サイドから望まれてのことがほとんどである(事実、本職の声優からも「原作者が居るだけでもプレッシャーなのに声も良いわ演技も上手いわで困る」と言われたことがある)。

また前職(といっても今もやっている)がアートディレクターであるため、美術的な面にも才能がある。どんな絵でも模写出来てしまう驚異の絵描き(その様子は新潮社から出版されている『妖怪馬鹿』にて垣間見れる)。
おまけに朗読も上手く、ハイテンションなチンピラから腹黒いショタっ子(多少の無理はある)まで演じ切る声色はレインボーヴォイスと呼ばれるほど。中禅寺と榎木津の声優は本人がやれば良い、とも(実際演じたことがある)。
更に歌まで上手い。カラオケで即興替え歌を歌える才能もある。スポーツ関係を除けば基本無敵である。

で、素はどんな人?

基本的に和装に黒革手袋(指が出ているもの。ちなみにオーダーメイド)である。その所為か中禅寺と同一視する向きもあるが、編集者や親交のある作家たちの発言から考えるに性格は全ての作品の登場人物を内包しているとしか言いようがない。時には中禅寺のように蘊蓄を語り、時には南極夏彦のようにくっだらない事を語り、時には又市のように舌先三寸で人を言い包める。
姑獲鳥のノベルスにある写真やデビュー当時のインタビューの写真を見ると洋装のことが多いが、これは「中禅寺のコスプレをしているんじゃないか」と勘違いされるのを防ぐためである。本人が和装をし始めたのは中学生の頃から。

もう10年弱前の話ではあるが、「GLAYのTERUに似ている」とよく言われていたようである(本人談)。二人とも髪も染めてるし北海道出身ではあるが特に繋がりはないらしい。

『作家』と呼ばれるのを好まない。物語を産み出すのではなくあくまで職人作業として本を執筆しているというのが本人のスタンスなので、自分は『小説家』であるというのが主張。
その職人作業として有名なのが「ページを跨ぐ文章が存在しない」というもの。これは「いつでも読み止められるように」という読者への気遣いとして姑獲鳥の頃から行っており、ノベルスから文庫などに版型が変化しても全てのページを確認・必要ならば加筆修正するという徹底ぶりである。暇な人は見比べてみると面白いよ。

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関連項目

  • メフィスト賞
  • 大沢在昌
  • 宮部みゆき
  • 大極宮

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