伊藤果

伊藤果（いとうはたす）とは、男性将棋棋士である。旧名は喜和。

概要

1981年、京都府生まれ。七段。棋士番号118。高柳敏夫名誉九段門下。娘の伊藤明日香は元女流プロ棋士で、史上初の父娘棋士であったが、娘は先に引退し、後に本人もフリークラス規定により、2011年に引退。

戦績より、後述する二つの事項によって、よく知られた人である。

棋風

風車（かざぐるま。ただし、ふうしゃと呼ぶ棋士もいる）という独特の戦法を引っさげ、若い頃は勝利を積み重ねた。この戦法は、飛車を最下段中央に配置し、戦況に応じて飛車を右に左に転回させることから、風向に委ねられる風車に準えたものである。

指し回しが難しく、他の棋士には広まらなかったことから、彼しか指さないマイナー戦法であった。

詰将棋

風車と並び、伊藤果の代名詞である。棋界きっての詰将棋の名手として知られ、塚田賞受賞回数は棋士史上最多。プロ棋士引退時には「やっと好きな詰将棋に打ち込める」と発言するほどで、今も本人のTwitterには沢山自作詰将棋が置かれている。

また、詰将棋関係の棋書も非常に多いが、終盤力を鍛えたい人にはお薦めしない。なぜなら…彼の作風は、実戦的な代物とは遠く懸け離れたパズル的なもので、

• 金が３枚利いている所に、更に持駒の金を打つ
• 短手数７手詰めの問題なのに、２手大駒不成の手（しかも別駒）がある
• 限定の合駒にわざわざ、一番強い飛車を中合で打たせる。

など、「手筋？何それ美味しいの？」と言わんとばかりに感覚が尋常でないため、詰将棋ファンの間から敬意を込めて「変態」と呼ばれている。

また、この詰将棋が縁で、「新・必殺仕置人」に伊藤宗看役として、煙詰（元ネタは伊藤看寿「将棋図巧」99番）を本人出演で披露したこともある。

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