俺の屍を越えてゆけは、1999年にソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたプレイステーション用ロールプレイングゲームである。2007年にはゲームアーカイブスで配信が開始されている。略称は「俺屍(おれしか)」
開発は「ガンパレードマーチ」「式神の城」を手がけたアルファ・システム。ゲームデザインは「天外魔境」「リンダキューブ」の桝田省治が担当している。
ストーリー
平安時代、京の都は朱点童子を頭目とする鬼たちによって壊滅寸前に追い込まれた。
多くの勇士たちが戦死する中、源太・お輪の夫婦がついに朱点童子の根城にたどり着く。
しかし卑劣な罠によって源太は殺され、お輪は幼子をタテに囚われてしまう。
解放された幼子は朱点童子によって二つの呪いをかけられてしまう。
1つは常人の数倍の速さで成長し、数年で死に至る「短命の呪い」。
もう1つは人と交わり子孫を残せなくなる「種絶の呪い」である。
この事態を見ていた神々は幼子に力を貸すことを決める。
神と交わることでより強い子を残し、いつか訪れる朱点童子打倒の悲願を達成するまで一族は戦い続ける。
概要
このゲームの主となる目標は「朱点童子を倒すこと」ただ1つである。
そのために行うのは
「ひたすら戦って経験点(経験値)と奉納点(神と交わる際に支払う点)を稼ぐ」
「より強い力を持つ神と交わり、より強い子孫を残す」
プレイヤーはこの2つを繰り返して、朱点童子との決戦に向けて力を蓄えることになる。
基礎知識
以下、プレイ動画を見る際に知っておくと便利な知識をいくつか記載する。
もっと詳しい情報はWikipedia等を参考にしてもよいが、実際にプレイしてみることをオススメしたい。
- ゲームモード
- 俺屍には「あっさり」から「どっぷり」まで、4つのゲームモードがある。
「あっさり」だと経験値入手が多く敵の体力が若干少ないなどの特典がある。
逆に「どっぷり」は上記の補正がない、文字通りどっぷりハマるためのモード。
また、「あっさり」だと生まれてくる子が強く、「どっぷり」だと弱い。
一部の例外はあるが、「あっさり」は簡単、「どっぷり」は難しい。そう捉えてもらって構わない。
- 健康度
- 健康度は各キャラの生命力を示す。基本値は100。
体力の少ない状態(最大値の七割が目安)で何らかの行動をすると減少する。
強力な威力をもつ奥義は健康度を消費して発動することができる。
健康度が少ないキャラは、翌月になると死んでしまう。
そのため、俺屍ではこまめな回復が非常に重要となってくる。
また、若い頃は翌月に大幅に回復するが、歳をとると回復しなくなる。
寿命が近いキャラは健康度が自然と減少するため、「お迎え」の目安にもなる。
- 走ったら死ぬ?
- マップを走ると、少しずつだが体力が減少する。
体力がある程度減っていると、今度は前述の「健康度」が減少する。
健康度が減りすぎると翌月に絶命するため、「死因:ダッシュ」という事態もある。
体力の最大値が低いゲーム開始直後では、むやみに走ると非常に危険である。
- お宝スロット
- 敵と戦う際、最初に落とすお宝を決定するスロットが表示される。
このスロットは自動で決定され、目押しはできない。
敵の大将は状況が不利になると宝を持って逃げてしまう。
貴重な武具や巻物、指南書が表示された場合には大将を即座に撃破するべきである。
- 熱狂の赤い火
- ダンジョンでは左上に時間を示す8つの火が表示され、全て消えると1月が終了する。
火は通常は青紫色だが、まれに赤色の火が混じっていることがある
この火は「熱狂の赤い火」と呼ばれ、この火の期間中はお宝スロットの出目が反転する。
つまり、出にくいお宝ほど出やすくなるため。貴重品を入手する絶好の機会となる。
- 補助術の重ねがけ
- 俺屍の戦闘では、補助術が非常に効果的である。
前半では「武人(1人の攻撃力アップ)」を攻撃役に集中させるとよい。
「陽炎(全員の回避率アップ)」を入手以降、重ねがけで多くの攻撃を無効化できる。
職業
全部で8つの職業があり。子の誕生の際、名前と同時に決定する。
最初から選択できるのは剣士、薙刀士、弓使いの3つ。
残りの5つは敵から「指南書」を入手しないと選択できない。
- 剣士:重装備が可能。攻撃対象が前衛一体。燕返しを覚えればそこそこ使えるようになる
- 薙刀士:敵前列をなぎ払うことができる、雑魚散らしに便利
- 弓使い:ピンポイントで前列後列関係なく敵を狙える。奥義「連弾弓××」が強い
- 槍使い:最後まで使える職業。攻守ともに頼りになり、中盤では完全に剣士を上回る使いやすさを誇る。
- 拳法家:防御が薄いが、たまに連続攻撃を繰り出すことが出来る
- 壊し屋:攻撃力は高いがミスも多い、専用装備があれば非常に強力
- 大筒士:銃を使える。散弾式の銃なら敵全体をまとめて攻撃できる
- 踊り屋:技の能力に優れる、回避率も高い
イベント
一応、メインシナリオに関わるいくつかの部分ではアニメムービーが使用されている。
しかし、このゲームの真のイベントは誕生や死など、家族の入れ替わりにあると言えるだろう。
- 当主就任
- 最初に名前を入力した幼子は「初代当主」となる。
当主の寿命が尽きる際、次の当主を決定しなければならない。
2代目以降、当主になった者は初代当主の名前を受け継ぐことになる。
初代が女当主だった場合、女名を男が継ぐという事態も起こりえる。
- 交神の儀
- 神と交わり子を授けてもらう儀式。男児は女神と、女児は男神と儀式を執り行う。
具体的な行為については不明だが、儀式前には神々は個性的な発言を残す。
将来を決める大事な儀式でもあるためか、交神相手選択の際には特に盛り上がる。
- 誕生と命名
- 交神の儀の2ヶ月後に、天界から新しい家族を授かる。子供の顔にもさまざまなグラフィックがある。
命名はプレイヤーのセンスが試されるため見所の1つとなっている。
- 寿命と遺言
- 短命の呪いによって、子孫たちは2年弱で生涯を終えることになる。
絶命の際は必ず「遺言」を残していき、遺言にもさまざまなパターンがある。
初代当主の遺言は固定となっている。名台詞なので静聴するべし。
また、顔に似合わないカッコイイ(あるいは、お茶目な)遺言をすることもある。
登場人物
ストーリー上での主な2人を紹介する。また、各迷宮のボスには朱点童子との関わりの深い者もいる。
- イツ花
- 主人公一族の世話をするために天界から遣わされた少女、名前は「いつか」と読む。
「風邪を引かないだけがとりえ」の発言とは裏腹に、ご近所づきあいも上手なメイドである。
ゲームのシステムについていろいろと解説してくれるため、初心者は注目。
- 黄川人
- 主人公一族を手助けするためにやってきた使いっ走り(自称)、名前は「きつと」と読む。
高山みなみが声を担当しているため、「バーロー」弾幕が張られる事が多い。
イツ花同様序盤はゲームシステム解説を、後半は設定各種を教えてくれる。
俺屍の魅力とは?
守る育てるのはあなたの「家系」であり「歴史」。
一番最初の幼子(初代当主)は約1年後に死んでしまう。
どんなに頑張って育てたキャラでも、最大でも2年弱で死ぬ。
志半ばで次々と死んでゆく家族と、新しく生まれる家族。
親が苦戦したボスを、次代の子達が乗り越えていく様。
血を重ね段々と伸びてゆく家系図も人それぞれ異なる。
当時としては簡素なグラフィックも、感情移入を深める好材料と言える。
余談
- 本作のCMは、葬式帰りの親子が「お祖父ちゃん、最期に何だって?」「俺の屍を越えてゆけ」「生きろってことさ」と会話する印象的なものであった。
- パッケージの少年と取扱説明書の少女はよく舛田氏の子供と勘違いされるが、彼らは舛田氏とは特に関係のない子役俳優である。PSonebooks版にはその旨が書いてあるが、あまり誤解はとけていない。
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関連動画
PS版のCM(15秒版)、短いが印象深い内容となっている。
γ時代に投稿されたプレイ動画「六波羅の血は紅く」は人気が高い。
キャラが絶命の際に残す遺言集。少しネタバレあり。
関連項目