利尻(列車)

利尻とは国鉄・JR北海道で運行していた列車名である。

概要

戦後初の稚内駅発着優等列車として札幌～稚内間に設定されて以来、一時期を除き廃止まで同区間のみを運行する夜行列車であった。また、稚内駅を発着する四種類の急行列車（宗谷・天北・礼文・利尻）の内、利尻のみが夜行列車であった。

基本的には利尻は一往復であったが、1970年までは旭川駅を発着する昼行列車も設定されていた事もある。これは急行礼文を吸収した為であったが、僅か2年で礼文に再分離されている。

運行区間としては夜行急行利尻は札幌～稚内間で変化はなかったが、変わったところでは1996年夏に下り列車が滝川→旭川間を根室本線・富良野線経由で運転されていた事がある。これは函館本線の神居トンネルを夜間工事で経由できなかったからである。ちなみに滝川駅と旭川駅の間の途中停車駅は富良野駅のみであった。

2000年には使用車両をキハ40系・キハ48系の改造型のキハ400形・キハ480形から特急型のキハ183系に変更された事から急行利尻は特急利尻に格上げされるが、JRの夜行列車利用客が全体的に減っていたり、札幌市と稚内市を結ぶ夜行バスの存在などから2006年のダイヤ改正で臨時化されてしまう。

臨時利尻は2006年夏の北海道デスティネーションキャンペーンのメインテーマ「ひとりひとりが、花のおもてなし。はなたび北海道」からはなたび利尻として運転されていたが、列車名以外は定期の利尻と大差は無かった。デスティネーションキャンペーンが終了してもはなたび利尻として運転されていたが、臨時化されてから僅か2年（運行期間としては1年半）で廃止が発表されてしまい、稚内駅を発着する夜行列車は消滅している。

定期利尻廃止直前の運行形態

• 種別：（夜行）特急
• 運行区間：札幌～稚内間
• 使用車両：キハ183系3両と14系客車1両の合計4両
• 2006年3月18日に臨時化

停車駅

駅名	札 幌 駅	江 別 駅	岩 見 沢 駅	美 唄 駅	砂 川 駅	滝 川 駅	深 川 駅	旭 川 駅	和 寒 駅	士 別 駅	名 寄 駅	美 深 駅	音 威 子 府 駅	天 塩 中 川 駅	幌 延 駅	豊 富 駅	南 稚 内 駅	稚 内 駅
利尻	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●	●

列車名の由来

稚内市西方にある利尻島から。

年表

利尻の変遷

1958年10月　札幌～稚内間に夜行準急利尻が設定される。

1966年3月　準急利尻は急行利尻に格上げされる。

1968年10月　旭川～稚内間の昼行礼文を吸収して利尻は昼行・夜行の1往復ずつとなる。

1970年10月　昼行急行利尻を再度急行礼文に分離。

2000年3月　急行利尻は特急利尻に格上げされる。

2006年3月　特急利尻は廃止されはなたび利尻として運行されるようになる。

2007年9月　30日の稚内駅発を以てはなたび利尻は運転されなくなる。

2008年4月　JR北海道が廃止を発表し利尻は廃止される。

宗谷本線定期優等列車の変遷

凡例：背景色の緑は準急・橙は急行・赤は特急

稚内駅発/年月	5810-	6007-	6110-	6603-	6810-	7010-	8905-	9207-	0003-	0603-
朝		宗谷	宗谷	宗谷	宗谷	宗谷	宗谷	宗谷	S宗谷	S宗谷
昼			天北	天北	天北	天北	宗谷	サロ	サロ	サロ
夕			礼文	礼文	利尻	礼文	礼文	礼文	S宗谷	S宗谷
夜	利尻	利尻	利尻	利尻	利尻	利尻	利尻	利尻	利尻

• S宗谷（スーパー宗谷）とサロ（サロベツ）は札幌駅発着
• 天北は天北線経由で札幌駅発着
• 礼文は旭川駅発着
• 夜行利尻は札幌駅発着・昼行利尻は旭川駅発着
• 宗谷は
  • 1960年7月から1961年10月は札幌駅発着
  • 1961年10月から1981年10月は函館駅発着
  • 1981年10月以降は札幌駅発着

関連動画

関連項目

• 鉄道列車名一覧
• 函館本線・宗谷本線
• キハ40系・14系客車・キハ183系
• 日本国有鉄道・JR北海道

稚内駅を発着した定期優等列車名（左から登場順・下線付きは現在未使用）

利尻 - 宗谷 - 天北 - 礼文 - サロベツ - スーパー宗谷