『剣と魔法と学園モノ。』とは、アクワイアより発売されている、3DダンジョンRPGシリーズである。
愛称は「ととモノ。」
開発はゼロディブ。ディレクターは原神敬幸。
概要
可愛らしいキャラクターイラストとは裏腹に、ウィザードリィの系譜を汲む超硬派3DダンジョンRPGである。
キャラクターデザインはうし(1)、病(2)。3以降は共同作業となっている。(なお、二人は実の兄弟であり、絵柄が似ているのもそのため)
プレイヤーは冒険者学園の生徒となり、迷宮を探検しながら世界の危機に立ち向かうことになる。
基本的なシステムはウィザードリィとほぼ同じだが、キャラクター作成を「入学」、職業を「学科」という等、学園モノっぽい言い換えが随所に見受けられる。
「3」以降は「寝る前の妄想が楽しいゲーム」という路線にシフトしていった。
「Final」にていったんシリーズ終了となったが、「新・剣と魔法と学園モノ。~刻の学園~」が発表された。
こちらは3Dフィールド探索型RPGになる模様。
シリーズ
- 剣と魔法と学園モノ。(PSP) 2008/6/26発売
- 剣と魔法と学園モノ。2(PSP) 2009/6/25発売
- 剣と魔法と学園モノ。2G(PS3) 2010/7/22発売
- 剣と魔法と学園モノ。3(PSP/PS3) 2010/10/7発売
- 剣と魔法と学園モノ。3D(3DS) 2011/7/7発売
- 剣と魔法と学園モノ。Final ~新入生はお姫様!~(PSP/PS3) 2011/10/13発売
キャラクター
登場する種族は10種類。CVは(1/2/3以降)と分けて表記する。3のCVはデフォルトのもの(公式サイトより引用)。
専用学科は「2」以降の登場となる。
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ヒューマン (男:細谷佳正 女:木村はるか / 男:小田久史 女:阿久津加菜 / 男:山口翔平 女:水野樹里)
- 大きな特徴を持たず、様々な学科に就くことが出来る種族。能力値は平均的で、どの学科に就いてもそつなく活躍することが出来る。デザインコンセプトは「特徴がないのが特徴」。3以降はこの人っぽいデザインもあったりする。
寿命は百年程度と他に比べて短いが、その代わり繁殖力が強いため、一番数が多い。フェアリーやクラッズと仲が良く、バハムーンとは仲が悪い。
専用学科は「ガンナー」。後衛職だがそれなりに硬く、通常攻撃に即死属性を追加できたり、一列攻撃を早いうちから使用できる。盗賊技能も持っているが解錠能力はあまり期待しない方がいいだろう。
「主人公:俺」という妄想プレイに向いている、かもしれない。また、得手不得手がないので、パーティーの戦力的なバランサーとしても運用しやすい。
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エルフ (男:岡林史泰 女:小野涼子 / 男:山口翔平 女:浅倉杏美 / 男:石井真 女:芽野愛衣)
- 妖精の血脈を受け継ぐ種族。知性に優れ、信仰に篤いため術師系の学科に向いている。
細身で見目麗しく詩的。柔らかい音や表現を好むため、血気盛んなドワーフとは犬猿の仲。ゲーム中では(「1」「2」)相性値の減少、(「3」以降)相関図システムで、エルフ・ドワーフ間の相性設定で発動するスキルという形で反映されている。……でもNPCには特に反映されてなかったりする(どころか恋仲?になっちゃうまであったりする)。
専用学科は「精霊使い」。術師系でもトップクラスの火力を持つ。見た目の可愛らしさも相まって、使いやすい種族と言えるだろう。
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ドワーフ (男:下田レイ 女:石川桃子 / 男:笹田貴之 女:沼倉愛美 / 男:松浦チエ 女:細野雅世)
- 小柄で筋肉質な身体と、獣に似たモフモフした容姿を持つ種族。脳筋のように見えて信仰心が篤く、精神が強い。
「ヒゲのおっさん→犬っぽい毛むくじゃら」というデザインコンセプト。ケモナーホイホイ。そちらの趣味を持つ人を多く取り込み、フェルパー(猫)と合わせて宣伝に起用されることが多い。
専用学科は「狂戦士」。最初から二刀流(片手装備を両手に持てる)を持ち、最終的には両手武器を二刀龍(誤字にあらず)出来るようになり、種族特有の耐久力も合わせて火力お化け・肉壁として運用出来る。
人気投票では2位に入る種族だが、「好きな人は大好き、そうでない人は見向きもしない」という特殊な立ち位置にいる、かも。
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ノーム (男:山戸恵 女:日笠陽子 / 男:市来光弘 女:原由実 / 男:市来光弘 女:谷井あすか)
- 土の精霊を祖に持つ種族。アストラルボディ(精神体みたいなもの)しか持たないため、依り代を必要とする。信仰に篤く、術師系の学科に向いている。どの種族とも仲良く出来るため、「2」までの相性システムではバランサーとして機能した。
デザインコンセプトはロボ子、無表情キャラ。何故かシステム変更の割を食うことが多い不憫属性も持っている。
専用学科は「錬金術師」。どこでも無料で錬金を利用できる……のだが、レベルによっては失敗する、成長が遅い、バグの温床、ワープ系魔法が充実してしまった、等々、使いやすいとは言いづらい性能になっている。(他の学科に就かせた方が良いとも言われる)
しかし人気投票では3位に入るなど、愛されている種族であることは間違いない。
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クラッズ (男:小林希唯 女:松嵜麗 / 男:大原桃子 女:設楽麻美 / 男:谷井あすか 女:五十嵐裕美)
- 成人してもヒューマンの子供くらいな小さな種族。いわゆる「ホビット」である(著作権の問題でこの名称が利用できないため)。素早く手先が器用なため、盗賊やレンジャーに向いている。平和で牧歌的なため、ほとんどの種族から好かれている。
帽子やバンダナを巻いたショタ・ロリ、という立ち位置。序盤は盗賊がいるに越したことはないため、特に理由がないのなら入れておくと冒険がぐっとやりやすくなる。
専用学科は「風水師」。いるだけで稼ぎが増える他、様々な状態異常を引き起こす風水魔法を使いこなせる。
3D・Finalの公式サイトでは「クラ子の絵日記」という形で宣伝係も務めた。
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フェアリー (男:大原崇 女:竹達彩奈 / 男:松尾佳 女:西野陽子 / 男:細野雅世 女:峯香織)
- 神と人間の間を取り持つことが多い妖精族。素早く賢いため、レンジャーや術師系の学科に強い。
ヒューマンと仲が良く、同族との仲が悪い。小さいサイズの種族……ということになっているが、「そういう風に見せる魔法を使っている」という説がある。というか作中や特典イラストでもとにかくサイズが安定しない。
専用学科は「賢者」。あらゆる魔法を扱いこなすことが出来、火力も高い。しかしHPが恐ろしく低いため、レベル1から賢者にすると「最大HP:1」という事態も引き起こす、晩成型の学科である。
ちなみに、何故か男子だけ(全種族で唯一)眼鏡をかけることが出来る。
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フェルパー (男:佐藤拓也 女:升望 / 男:小泉智朗 女:砂倉加奈子 / 男:木島隆一 女:吉田聖子)
- 祖先に猫の血族を持つ種族。生命力に優れ俊敏。他もそれなりに平均的なため、色んな学科に向いている。しかし他種族に対して人見知りしやすい。
デザインコンセプトは「猫耳侍」。見た目の愛らしさに加え、序盤から高いHPを持ち、学科の取り回しが効くといった性能の高さまで取りそろえている。人気投票では2位のドワーフに大差を付け、1位に輝いた。
専用学科は「ビースト」。高HP、高火力、燃費の良さ……等々、高水準にまとまっている強学科の一つ。
ドワーフ(犬)と合わせて、宣伝係を務めることが多い。
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バハムーン (男:四宮豪 女:大村歌奈 / 男:遠藤大輔 女:吉田聖子 / 男:大須賀純 女:山戸めぐみ)
- 竜の血脈を受け継ぐ種族。力が強く、生命力にも優れるといった、戦士系に特化した性能を持っている。祖先が高次元の存在であることから、他種族を見下すような態度を取ることが多い、らしい。
デザインに難航し、「水着イラストが描きやすいように」という理由で現在の形に落ち着いた……のだが、バハムーンの水着イラストが登場したのは最終作である「3D」「Final」の宣伝でようやくであり、ファンをやきもきさせた。
専用学科は「竜騎士」。HPが高く火力ソースになる他、味方のダメージを肩代わりする「かばう」や、パーティー全員の状態異常回復、蘇生魔法も扱える。ただし命中率にやや難あり。
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ディアボロス (男:松尾大亮 女:西墻由香 / 男:増田隆之 女:楠見藍子 / 男:木村拓 女:松浦チエ)
- 冥界からの血脈を受け継ぐ種族。他種族から敬遠されがちだが、ノームとは例外的に仲違いしない。
デザインコンセプトは「悪魔ッ子」。基本、血色が悪く陰気な性格が多い……はずなのだが、NPCにそういうタイプのディアボロスはあまりいない。また、天使と悪魔というテーマが分かりやすいからか、メインキャラを努めることが多い。(何故かセレスティアと実の兄弟という例もある)
専用学科は「死霊使い」。闇系魔法や即死魔法を取りそろえている他、蘇生魔法も使える。
ソロで行くなら最強という性能を持ち、その代わりパーティーを組むと相性補正にマイナスがかかる、というのが「2」までのバランスであった。
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セレスティア (男:箭内仁 女:世戸さおり/ 男:西健亮 女:三浦綾乃 / 男:細谷佳正 女:世戸さおり)
- 天使の血を受け継ぐ種族。信仰心に篤く、術師系学科に特に向いている。正義を重んじるためディアボロスとは非常に折り合いが悪い……のだが、やはりその辺りを尊重したNPCはあまりいない。
デザインコンセプトは「まんま天使」。女性に関しては「おっぱい」もあるとかなんとか。
専用学科は「堕天使」。堕ちることなく堕天使の力を引き出せるようにした学科。鎌を得意とする戦士系学科で、弱体化する能力がないが、セレスティア自身の能力と噛み合わせる必要がある。
ディアボロス同様、テーマが分かりやすいためメインキャラを努めることが多い。また、「3D」「Final」では、翼と耳(?)が黒くなる「堕天使カラー」が追加された。
剣と魔法と学園モノ。
「パルタクス学園」が主な舞台となる。
システムは後述の理由も含め、非常にウィザードリィに酷似している。
北米版も発売されているが、(海外版)Best版の発売は諸事情により見送られている。
問題点
見た目こそ「可愛らしい萌えウィザードリィ」だが、ライトユーザー向けとはとてもとても言えない作りになっている。
チュートリアルはないに等しい、説明書はスッカスカ、なおかつゲームバランスは伝統的なWizのそれ……という完全な初見殺しである。「キャラメイク」「錬金」「地図」「解錠」……等々、ウィザードリィの「お約束」を知らないと最初のダンジョンですらコケることが出来る。
ダンジョンの作りも不親切極まるもので、特に罠の配置に顕著である。
嫌がらせのように無意味に多数配置されており、さらには「ディープゾーン(浮遊していないと入れない)+アンチスペルゾーン(魔法が使えない、魔法を打ち消す)」という即死コンボも完備(後述の『エクス2』では、「『エクス1』で不評だったので、調整されて消滅した」ものである)。
さらに誤字やバグが非常に多く、それも「発言者の立ち絵と名前が一致しない」「ドワーフ♀のボイスが(入学完了のボイス以外は)ドワーフ♂のものになっている」「たまにフリーズする」等々、「本当にデバッグしたのか?」と疑いたくなるような代物がゴロゴロしている。
極めつけに、かつてPS2で発売された『ウィザードリィ エクス2』からの盗作が発覚。
作りが同じのダンジョン、ほとんど同じ発言、ソースコード転用などなど、つまりガワを変えただけの代物、という事実が詳らかになってしまった。しかも上述のバグ、「ロード時間が長い」「不親切なUI」「世界観がペラッペラ」など、何故か劣化しているという有様。
しかし『エクス2』は現在では入手困難であり、また見た目はライトで可愛らしい作りになっていることから、代用品として受け入れられてしまった節がある。
『エクス2』は根強いファンを持つ名作であるため、本作を嫌う人も少なくない。
これらの問題点に目をつぶれば遊べないこともないが……。
剣と魔法と学園モノ。2
さすがに盗作ゲーのままではいられなかったのか、今作はきちんとオリジナルのゲームになっている。
舞台を「クロスティーニ学園」に移し、ゲームバランスやシステムも一新された。
キャラクターのグラフィックが大幅に増え、種族性別だけではなく、「学科毎の専用のキャラグラフィック」が充てられることになった。その学科も「種族専用学科」を初めとして追加、改変され、「アイドル」というユニークなものまで増えた。
魔法についても回数制からMP制に変わり、クエストの完了やモンスターを倒すなどして増加する「テンションゲージ」などが追加され、ライトユーザーにも触りやすくなる……と思われた。
そしてPRに声優ユニット「スフィア」を起用。
OPテーマ『Dangerous girl』や、初回特典DVDでのアニメなど、そちら方面のファンにもアプローチがかかったわけだが……
しかし……
やっぱりというかなんというか、悉く裏目に出ている。
「学科専用のキャラグラフィック」と謳われてはいるが、すべての学科に就けるのはヒューマンのみ。
それ以外の種族は学科に縛りがあり、しかも術師系にこそ向いているノームが「魔法使い」になれないという謎の仕様が存在。(ノームがなれる術師系学科は「普通科」「アイドル」「錬金術師」のみ)
「普通」「アイドル」学科には全種族がなれるが、後者はそもそも運用に向かない死にネタ学科である。
イラストが間に合わなかった、というのが通説だが、そもそも
(9学科×10種族+種族専用10学科)×男女2パターン=200パターン を「一人で」
という仕様自体が無茶振りである(2の原画は病氏一人であり、さらにここにNPC50名ほども加わる)。
だったら最初からなれる種族を決めておいた方が……
加えて「学科によって見た目が変わる」ということは、「転科すれば見た目が変わってしまう」ということでもあり、今まで冒険してきた仲間が「お前誰だ」となってしまい、愛着という観点でも問題があったりする。
NPCにもやや疑問が残り、特に図書委員「オリーブ」への批難が多い。
一例を挙げると
- 入学初日「あの先生ムカつくからみんなで袋だたきにしようぜ(意訳)」と持ちかけてくる
- ライバル「ジェラート」との個人的な喧嘩をプレイヤーに丸投げしてくる
- 敵視していたはずの先生にいつの間にか惚れたとか宣う
- そして本人の同意もなしに「先生の過去を覗く道具を取ってこい」とか言ってくる。そして躊躇なく実行する
- プレイヤーが頑張ったのに何故かNPC組の手柄のように……
などなど。
「『2G』でNPCが仲間に出来る」という情報が出た際、
「で、オリーブ様はロスト(キャラ消失)できるのか?」
という文句が飛び出たあたり、お察しください、というものである。
バグも当然ゴロゴロしており、特に印象的なのが、
「通路だと思って踏み込んだらいしのなかにいた」
普通にマップ埋めをしていたと思ったら全滅していた。何を言ってるかわからねーと思うが俺にもわからない。(ちなみに攻略本では「トラップ」とされている)
その他の問題点や詳しいことについてはこちら(クソゲーまとめwiki)を参照。
しかしなんといってもグラフィックの愛らしさは本作の魅力であり、キャラ愛だけでこれらの問題点に目をつぶることができるファンも存在する。
そこまでクソゲーかどうかと言われると決してそんな事は無いのではと思える(思い込める)ゲームであると筆者は思う。加筆者もなんだかんだそう思う。調教されてる。
剣と魔法と学園モノ。2G
2010年7月15日に、2のアップグレード版である『剣と魔法と学園モノ。2G』が発売された。プラットホームはPS3。
NPCがフルボイス化され、特に主要メンバーを声優グループ『スフィア』が担当することとなった[1]
配役は以下の通り(特典DVDと同じ)
- ジェラート - 声:戸松遥
- ティラミス - 声:寿美菜子
- ユーノ - 声:高垣彩陽
- オリーブ - 声:豊崎愛生
2での不満点をある程度改善しており、
- 別の学科のグラフィックを使用可能
- 致命的なバグの修正
- 一部の技や学科のバランス調整
- クラスメイトのNPC6人を仲間として(クリア後)使用可能
しかし何故か別のところで細かいバグが増えていたりする辺りは……。
剣と魔法と学園モノ。3
2010年10月7日発売。プラットホームはPS3とPSP。
PS3版は一部NPCにCVがあてがわれている程度の違いであり、好みで選ぶと良い。
「寝る前の妄想が楽しいゲーム」という路線に変更し、
相変わらず「戦闘場面で○ボタンで早送りなのにアニメーションスキップは○連打」「ダンジョンで錬金するとフリーズするバグ」などの報告などがあったりするが2よりも酷くは無く、むしろ2chスレでは好評、発売一週間ぐらいは盛り上がっているはず。
難易度も序盤はキツイ仕様となっており、三つの学校の難易度はドラッケンがハード、プリシアナがベリーハード、タカチホがマニアLVなどと比喩されているがそのほうが緊張感があって結構面白いとの声もある。
二つ目のダンジョンで詰んだとか言ってワゴンに投げた軟弱ゆとり野郎も存在するらしいが・・・FFとかDQとかポケモンとかとは違うんですよ!これこういうゲームだから!装備買ったりLVあげて再挑戦しとけ!
剣と魔法と学園モノ。3D
2011年7月7日に発売予定。
3DS機能の一つ「すれ違い通信」を使ってすれ違うと、他のプレイヤーパーティーがダンジョン内にいることも。
関連動画
関連商品
![ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。]()
Best版ではいくらかバグが改善されているとかフリーズバグが起こりやすくなっているとかいった報告あり。
購入の際は各自調べてから購入すること。
![ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。]()
関連項目
- RPG
- アクワイア
- ゼロディブ
- ウィザードリィ
- 世界樹の迷宮
- PSP
- PS3
- ニンテンドー3DS
脚注
- *「『剣と魔法と学園モノ。2G』に人気声優グループのスフィアが登場!」、インサイド、2010年5月28日。