劉表

劉表とは、古代中国・三国志期に大成した人物である。

概要

劉表の出自は不明だが、非正史の書物には「前漢・景帝の第4子である魯恭王・劉余の子孫」とある。
また清流派の文官であったため、『党錮の禁』の対象者となって隠棲し、後に何進に召し抱えられたという。

そのため、劉表ははじめ何進に仕えていた。前荊州太守・王叡が諍いにより孫堅に討取られると詔勅を得、王叡の後任として荊州に入った。荊州特に荊南は古くから地味肥え豪族が割拠する州であったが、荊北の大豪族であった蔡瑁とその謀臣蒯越・蒯良と共謀し、荊州一帯を影響下に置くことに成功する。

後に反董卓連合軍が結成されるとこれに加わるが、董卓死後に袁術の食客であった孫堅が荊州に侵入する。劉表は黄祖に命じて荊州を護らせ、孫堅が横死（または黄祖部下の弓に射殺されたとも）するまでよく耐えた。
しかしこの際に袁紹と同盟を結んだため、曹操と対立することになる。

この頃放浪の身であった劉備一派を迎え入れ、対曹操の最前線であった新野に駐屯させている。
しかし劉備の人望により人が多く集まると、劉表はこれを謀反の意ではないかと疑い、その疑心は劉備が諸葛亮を迎え入れたことから強まっていった。そのため劉備・諸葛亮の言はあまり重用されなかったという。

荊州は上述のように豊かな土地であり、また劉表自身も「江夏八俊」で知られる有名な儒者であったため、後漢王朝の腐敗と董卓の暴虐から逃れた北方の名士・学者が多く荊州に移り住んだ。そのため、劉表は強力な家臣団を形成することができた。（ただし士官に文人が多かったため、乱世に覇を唱える意思はなかったと思われている。）
有名な家臣として上述蒯越・蒯良の他、荊州をよく防いだ黄忠・黄祖・文聘、文人として名高い宋忠・王粲がいる。
また仕えこそしなかったものの、司馬徽も劉表の教育政策を受けて育ったという。

袁紹が倒れ、袁尚と袁譚による後継者争いを経て曹操が袁紹を併呑すると、直ちに荊州侵攻に向けて動員を発した。しかし劉表は曹操軍を見ることなく病死する。この際の（ちょうど袁紹と構図が似た）劉琮・劉琦の後継者争いにより劉表軍は瓦解、早々に曹操に降伏した。

正史三国志の筆者・陳寿は後継者争いをして劉表は袁紹と同類であると評している。また、劉表・袁紹共に庶子（つまり正妻以外の女との間にできた子）を後継者に立てたため、庶子を後継者にすると亡国に繋がるとも評している。

三国志演義では

上述のように劉備を迎え入れていたことから、演義においてもそれなりのエピソードが挿入されている。

劉備は劉表に仕えている間に荊州に隠棲していた諸葛亮を（三顧の礼でもって）迎え入れたという。

また、劉表の死に際して諸葛亮が「荊州を曹操に取られるくらいなら劉琦を盛り立てて荊州を奪っておしまいなさい」と進言したが、董卓が劉弁を廃し劉協(献帝)を盛り立てた故事を思い出したのか、これを拒否している。

ゲーム等では

上述のように荊州一帯を有し、また仕えている武将も少なくないため、初期状態でそれなりの勢力を有していることが多いが、主要な武官が黄忠・黄祖・文聘・王威くらいしかいないため、早々に滅ぼされていることも多い。

三国志大戦ではかつて知力を下げる計略「指鹿為馬の計」で家名に恥じぬ猛威をふるっていたが、現在では単なる兵力回復計略に甘んじ、レアリティもコモンと一国の雄とはみなされておらず、使用率も低位である。

関連動画

残念なことに劉表勢力単独の動画は上げられていない。関連タグを参照のこと。

関連項目

• 三国志の登場人物の一覧