加藤一二三とは、猫とうなぎをこよなく愛する将棋棋士である。第40期名人。棋士番号64。
四段であった頃は、『一二三四段』という愛称が付いていた。12310段だった事や1232冠王だったこともある。現在は1239段。
敬虔なクリスチャンでもあり、聖シルベストロ教皇騎士団勲章を授与されている。棋士で騎士。2000年4月29日には紫綬褒章を授与された。
1940年1月1日生まれ。福岡県嘉麻市(旧嘉穂郡稲築村)出身。近年のメディア出演増加により「なんか面白い将棋のおじいちゃん」扱いされることも多いが、打ち立てた記録の数々は「レジェンド」と呼ばれるにふさわしい大棋士である。通称は「神武以来の天才」。ちなみに本人はこの呼び名をあまり好きではないとかにゃんとか。
通算成績は2505戦・1324勝1180敗1持将棋。2017年6月20日、竜王戦6組トーナメント戦・高野智史四段戦で敗北し、62年10ヶ月に渡ったプロ生活に終止符を打った。勝ち数は大山十五世名人、羽生善治三冠に次ぐ歴代3位、対局数・通算敗北数・勤続年数は2017年現在、歴代1位。
何より特筆すべきは「1180敗」と言う最多敗北記録である。強くなければ対局数は増えず、さりとて負け続ければ早々に引退の憂き目にも遭うプロの世界で、1000回を超える敗北に63年間も立ち向かい続けた凄まじさこそ語り継がれるべきであろう。
棋界ではレジェンドオブレジェンドの実績を積み重ねた大棋士だが、その喋りや挙措は非常に個性的。「一二三伝説」と言われるエピソードには枚挙に暇がない。
ファンからの愛称は「ひふみん」。第45回東急東横店将棋まつり(渡辺竜王・上田女王・豊川七段のトークショー)にて、自身が「ひふみん」と呼ばれている事を知っている事が判明。その後に開設した、ご本人も自ら更新するtwitterで「ひふみん」と使ったりするなど、こちらの呼び名はいたく気に入っている模様。
古希を過ぎニコニコ生放送などでタイトル戦の解説を務めるようになったこともあってか、公式チャンネルや前述したtwitterも開設。「プロの側からは将棋のおもしろさや深さを人々との接触を多くして伝える事」の言葉通り、ネットメディアを通してファンとの交流を積極的に図っている。
最近では囲碁・将棋チャンネルなどの専門番組だけでなく、そのキャラクターを買われて「アウト×デラックス」の準レギュラーとしてバラエティに出演していたりもする。
解説役としても活躍しており、語り口は軽妙かつ愛嬌たっぷり。思いついたことを怒涛のごとくしゃべり倒すスタイルでもあるが、ユニークな存在感で人気も高い。
特にニコニコで有名なものとして、奇跡の逆転劇が展開された羽生・中川戦の解説における珍セリフ・名台詞の数々がある。MAD素材になったり、将棋動画のお約束コメとなった「あれれ、おかしいですよぉ?」「あれ、もしかして頓死なのかな?」「これは大逆転ですねぇ!」「(΄◉◞౪◟◉‵)ひゃあ」などは将棋ファン以外にも知られるようになった。
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将棋>>317さんのピコカキコ |
と言ってネタまみれの解説ばかりな訳ではなく、第2回電王戦・船江恒平五段vsツツカナの対局では船江優勢のムード漂う中盤の展開において「まだこれは難しい」と指摘したり、中継の合間に数々のひふみん伝説検証や初心者向けの指し手講座を即席で開いていたりする。
ひふみんと言えばうなぎ、うなぎと言えばひふみん。「出来上がりの時間をあまり気にすることなく確実に食べられて精もつく」と言うことで、対局時のお食事はうなぎをこよなく愛する。70過ぎて食べ過ぎで病院送りになった辺りでは少しうなぎを自重したらしいが、最近ではまた時々食べるようになったらしい。
なおうなぎを自重していた頃のブームは冷やしトマトで、お昼には視聴者が絶句する程度の量をぺろりと平らげていた。他にも板チョコ(明治製菓)をバリバリと食べ、記録係が「みかん臭いんです助けて!」と泣きを入れるレベルのみかんを大食。アウト×デラックスの食生活密着リポートの際には3L以上はあるであろう物凄い量の飲料を摂取するなど、大食漢エピソードには事欠かない。
2015年2月12日、順位戦C級2組第8局での夕食休憩にてチキンカツ定食とカキフライ定食を注文。高齢であるひふみんや注文を取る将棋連盟職員のうっかりかと思いきや、両方を頼んだ。しかも、どちらかのおかずだけを食べるのではなく両方同時に食べてたとのこと。食にまつわるエピソードにまた一つ伝説が加わった瞬間である。
無類の猫好きとしても知られ、近隣の野良猫に餌をやったり不妊手術を自腹で受けさせたりと、猫との関係は深い。それが高じ過ぎてか2008年12月には野良猫への餌やりを止めるようにと近隣住人から提訴されたことも。
ブロマガのタイトルも「ニャンとも言えない一二三伝説」だったり、twitter上で猫の引き取り手を探すツイートを積極的にリツイートしたり、同じく愛猫家のジャパネット浦野真彦八段と猫の話で交流したり、「ハロー、将棋が好きかい?」と猫に話しかけたり。ねこだいすきです。
将棋ファンにはおなじみ、ひふみんの数多の奇行数々の珍行動・エピソード群は「一二三伝説」としてひふみんの強烈なキャラクターを彩っている。正直存在してるだけで伝説とか言わない。前述の食べ物・猫関係の逸話の他、
エトセトラエトセトラ。書ききれないほどあります。いずれも強烈な印象を残すものばかりだが、将棋を愛する純粋な魂はまぎれもない…と言うことで、ファンや棋士たちにも「伝説」としておおむね好意的に受け止められている。
加藤はとにかく棒銀を多用する棋風で有名であり、プロ棋士の中でも棒銀の使用率は群を抜いている。
将棋を始めて以来、居飛車・棒銀一筋の姿勢を貫き、その姿は一部では偏愛とさえ表現されている。もちろん、棒銀戦法の扱い方においては日本で比肩する者無しとさえ言われる程の使い手である。自身が対局に負けた際、「棒銀が弱いんじゃない、自分が弱いんです。」と発言した事がある。
加藤の棋風について羽生善治は、「あそこまで同じ戦法を貫かれると不気味ですらある。普通、研究され対策される事を考えると、一つの戦法を採用し続ける事は、一つの生き方ではあれ、現実に実行する人は殆ど居ない。しかし、加藤先生に限っては、全くそれを恐れていない様だ。」と発言している。
解説においても棒銀好きは相変わらずであり、解説中、対局している棋士が別の戦法を取ると、「何で棒銀にしないんでしょうか。」「いや、ここは棒銀ですよ。」「あれれ、棒銀にすればいいのに。」と発言する等、ひたすら棒銀をプッシュする事がある。しかし、理由無くプッシュしている様に見えても、実際に加藤がこう発言する時は、大抵棒銀が有効なケースである。
また、長考している場合よりも、秒読みでの思考が鋭いと評されている。飯塚祐紀七段は「加藤先生は秒読みになると本当にすごい。一切間違えない」と評し、中原誠十六世名人は「長考よりもむしろ秒読みの時の方が読みが鋭い」、「加藤さんと秒読みで指す場合は、95点以上の手を常に指し続けないと勝てない。他の棋士は80点程度の手でもいいんだけど、加藤さんは一分の中で常に正しい手を指し続けてくる。」と話している。
10歳のとき新聞の観戦記に触れ将棋の本質を悟ったわたくしが、天職である将棋に、最善の環境の中、生涯を懸け全身全霊を傾け打ち込むことができましたのは、御支援賜りましたスポンサー、将棋ファンすべての皆様おひとりおひとりのおかげに他なりません。幸せな棋士人生をありがとうございました。
動画には何故か「動物」タグが付けられる事が多い。
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最終更新:2025/12/11(木) 04:00
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