半値印証時刻とは (ハーフプライスラベリングタイムとは) [単語記事]

半値印証時刻（ハーフプライスラべリングタイム）とは、スーパーとかまぁそういう所で半額やら「**％OFF」のシールが貼られる時間の事である。

ベン・トーや　おおかみたちが　ゆめのあと

概要

この項目における解説はネタなので本気にしないでください。
己の五感のみを信じ、四肢のみを頼り、腹の虫の声に従え。

スーパー開店時などに製作された食品類は、殆どが当日に消費されることが前提である為に、営業時間内に売れなかった場合は翌日に繰り越すという事が出来無い。もちろん、売り切りが一番経営側としてはメリットがあるのだが、大抵はある程度の売れ残りを前提に予算を組んで食品商材を製作するのが常である（後述）。

大抵の店舗は、8～10時開店で19～21時閉店（都心など人口多地帯では22時）であるのだが、スーパーの客層が20～70代の主婦（女性）や高齢者層であることを鑑みれば、昼食用買い出し客のピークタイムは開店～10時、夕食用のピークタイムは15～17時（人口多地帯では14～17時、～18時まで伸びることもある）となる為、その時間まで残留した食品商材はほぼ売れ残ることとなる。当然、当日消費分は閉店後に廃棄処理（償却）される。

（一方、コンビニや一部ドラッグストアのような24時間営業店舗では、消費期限の近い食品商材は通称「売返」等（※呼称は社によってそれぞれ異なる）として随時償却を行う。）

しかし、スーパーにせよコンビニにせよ、償却では商材の原価分がまるまる損益（以降ロスと呼ぶ）となる。更に言えば廃棄処理に掛かる経費や、その商材を作り陳列し管理することに掛かった各コスト（諸人件費、スペース分の地代、冷暖房光熱諸費、時間など）も潜在的に失うことになる。もっとも、先述のとおり予算には一定割合のロスや諸経費が既に組み込まれている訳だが、それは裏返せば実際のロスが既定のロスを下回った分はそのまま利益になる、ということだ。ならば本来の利益を大きく割り込もうとも、ロスそのものを減らしてしまった方が善いに決まってる。

つまりロスは「たかがベン・トーひとつくらいで・・・」とは決して言えない、極めて切実な経営問題だということである。そこでロスを少しでも減らす為に「**％OFF」やら「半額」やら破格の値下げを断行して顧客の購買意欲を大いに刺激するのである。店舗によってはいきなり半額にするのではなく、「**％OFF」を皮切りに時限的に半額に移行する場合もある。そしてそうした値下げを顧客に提示するのが、いわゆる半値印証（ハーフプライスラベル）である。

・・・・・・以上のことから、半値印証時刻（ハーフプライスラべリングタイム）は17時以降が狙い目である。

このような処理は一旦店を閉める必要のある店舗で取られることが多い施策であり、食品商材の入れ替えが頻繁かつ深夜などの客入りの期待できる24時間店舗や、注文受けてから作る食品商材を扱う店舗に於いてはあまり行われない施策でもある。
また、地域や店舗によっては、19～20時になるだの、駅弁等の物産展のある日等の条件によって大量に半額が出た日の翌日に生産数を減らした結果、完全に売り切れ、全く出ない日も存在する。

ロスの必要性

簡単にいえば、「このスーパー(コンビニ)には、何時来てもベン・トーがねぇなぁ・・・」と客に思われない為である。

上の客の吐露である「何時来ても」というのは、「その客が来る時間帯は何時来ても」が正しい意味なのだが、全ての客が商材の豊富な時間帯に来る訳ではない。

顧客としては、「自分の生活圏内でその店が最もアクセスが良くても、品揃えの悪い店には足が遠のく」という行動経済が如実に働いており、逆に品揃えが少しでも良いのなら、少々価格が高くてもそこで全ての買い物をしてしまうという行動を起こしやすい（勿論、近いが故に品揃えが悪くとも妥協をするという行動経済を取る人もままいる）。

勿論、それぞれ顧客の欲する商品を、それぞれ価格の最も安い商店で購入すれば、支払う費用は最低に出来るのだが、その為に数店の移動を行うのは、人によっては面倒臭いので、目当ての商品がある店舗で全ての買い物を済ませるという行動は、多少支払い費用が高くても合理的な行動なのである。

ネット通販と違い、モノの置く場所に限界のある実店舗では、それぞれのお店で売りを作るだけでなく、ロスも覚悟し、顧客の確保に努めている。逆に、「オレの店、アクセスいいだろ、来いよ愚民ども！」と地の利のみで胡座をかく店舗は、いずれ淘汰される運命にある。

狼たちが集う場所は、狼以上に寛大で、賢く強くなければ生き残れないのだ。