台風 単語


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タイフウ

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台風とは、太平洋の北西部に存在する熱帯低気圧のうち、最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを指す。夏~秋にかけてしばしば日本に来襲するアレである。もともとは颱風と書いた。

概要

日本列島や朝鮮半島 中国大陸や台湾、フィリピンなどの南洋諸島に、時に大きな被害を齎す熱帯性の暴風雨である。

台風と呼ばれる具体的な条件は中心が東経100度~180度の北半球に存在することとなっている。基本的にはこの範囲で発生した熱帯低気圧が台風と呼ばれるのだが、たまに東経180度以東で発生したハリケーンが西に移動して東経180度を越えて台風となることもある。この台風には越境台風という通称がある。その逆もしかりで、台風が東に移動して東経180度を越えればハリケーンになるし、西に移動して東経100度を越えればサイクロンになる(東経100度以西から越境して台風になるケースはほとんどない)。

日本では気象庁が発生した順に台風番号を付けており、通常はこの台風番号で呼ばれる(例:平成25年台風第18号)。越境台風の場合は越境したタイミングを発生した時間とみなして台風番号を付ける。また特に大きな災害を齎したものは、上陸地点などの名前を付けて呼ぶことも過去にはあったが、現在は台風番号を災害名とする傾向があり新たな命名はなされていない(例:伊勢湾台風)。

また、国際的には「アジア名」で呼称される(例:平成25年台風第18号⇒Typhoon Man-yi (2013) )(→参考リンク)。140個のアジア名があり、これを順番に命名していく。ただし、アジア名の中には日本語の言葉も含まれており、日本人にとってはシュールなものもある(→ヤギ(台風)を参照)。なお、甚大な被害を引き起こした台風のアジア名はそれ以降使用しないことと定められている。
例外的に、越境台風の場合はすでに命名済みの名称を引き継ぎ、アジア名は付けられない(例:平成30年台風17号⇒Typhoon Hector)。

台風がやってくると、補修のため屋根に登ったり用水路や田んぼの様子を見に行ったり船が流されてないか港に確認しに行ったりする人が出てくるが、死亡フラグが立つので絶対にやってはいけない。危険を顧みずカメラ片手にお外へ繰り出す勇者も現れたりするが、よい子はマネしてはいけない。

2ちゃんねるでは台風が来るとコロッケを食べるという風習があるが、発祥はニュー速である(→参考リンク)。

なお昭和54年(1979年)の台風第20号「Tip(チップ)」が870hPaという中心気圧を記録しているが、これは海面気圧における世界最低記録とされている。

呼び名

台風を含む熱帯低気圧は存在する場所によって呼び方が違っている。日本周辺の太平洋北西部や東シナ海・南シナ海に存在するものを台風。インド洋や南太平洋に存在するものをサイクロン、大西洋と太平洋北東部に存在するものをハリケーンと呼ぶ。

また、もともとは「Typhoon(タイフーン)」という外来語であり、日本では古くから野分(のわき、のわけ)と呼ばれており、『枕草子』などに見ることができる(ただし、Typhoonの語源自体は諸説ある)。風から風に変化したのは、「颱」が当用漢字と定められなかったために「台」に置き換えられたのが理由である。

尚、気象情報などで「熱帯低気圧に変わった」と出た場合は純粋に勢力が弱まった状態なので、比較的ではあるが安心はできる(ただし、前述の通り台風の定義はあくまでも風力基準のため、大雨には依然注意が必要)が、「温帯低気圧に変わった場合」は決して安心してはいけない。

温帯低気圧と熱帯低気圧(台風を含む)の違いは、寒気を含み、それによる前線を持っているかどうかだけなので、極端な話、台風がそのままの勢力を保ちながら温帯低気圧と呼ばれるものに化けることも理論上は十分あり得る。

また、台風そのものが弱っていても寒気の影響を受けて温帯低気圧として再発達し、局地的な豪雨、暴風を生み出すこともある。

熱帯低気圧に変わった場合でも、衰弱後に再発達して台風として復活することもある。

要するに、完全消滅するか、通過するまでは安心してはならないということである。

強さ・大きさ

日本の気象庁は台風の勢力を示す目安として、風速(10分間平均)をもとに台風の「強さ」と「大きさ」を表現している。

台風の強さ

強い 最大風速 33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満
非常に強い 最大風速 44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満
猛烈な 最大風速 54m/s(105ノット)以上

台風の大きさ

大型 風速15m/s以上の強風域半径 500km以上~800km未満
超大型 風速15m/s以上の強風域半径 800km以上

ニュースや新聞等で『超大型台風が…』などの見出しを見かける事があるが、台風の強さや被害の程度から「超大型」という言葉を使用している場合が多く注意する必要がある。

国際的強度分類

また世界の熱帯低気圧には、以下の様な国際的強度分類も存在する。

台風 ~北半球における東経180度以西の太平洋と東シナ海・東経100度以東の南シナ海~

分類 最大風速
Tropical Depression 34ノット未満
Tropical Storm 34-48ノット未満
Severe Tropical Storm 48-64ノット未満
Typhoon 64ノット以上
Super Typhoon※1 150マイル毎時以上※2 (120ノット以上)

ハリケーン ~北半球における西経180度以東の太平洋と大西洋~ ※2

分類 最大風速
Tropical Depression 39マイル毎時未満
(34ノット未満)
Tropical Storm 39-74マイル毎時未満
(34-64ノット未満)
Hurricane (SSHS Category 1) 74-96マイル毎時未満
(64-86ノット未満)
Hurricane (SSHS Category 2) 96-111マイル毎時未満
(86-90ノット未満)
Major Hurricane (SSHS Category 3) 111-131マイル毎時未満
(90-107ノット未満)
Major Hurricane (SSHS Category 4) 131-156マイル毎時未満
(107-120ノット未満)
Major Hurricane (SSHS Category 5) 156マイル毎時以上
(120ノット以上)

インド洋北部のサイクロン ~北半球における東経100度以西のインド洋~

分類 最大風速
Depression 28ノット未満
Deep Depression 28-34ノット未満
Cyclonic Storm 34-48ノット未満
Severe Cyclonic Storm 48-64ノット未満
Very Severe Cyclonic Storm 64-120ノット未満
Super Cyclonic Storm 120ノット以上

インド洋南西部のサイクロン ~南半球における東経90度以西のインド洋~

分類 最大風速
Tropical Disturbance 28ノット未満
Tropical Depression 28-34ノット未満
Moderate Tropical Storm 34-48ノット未満
Severe Tropical Storm 48-64ノット未満
Tropical Cyclone 64-90ノット未満
Intense Tropical Cyclone 90-115ノット未満
Very Intense Tropical Cyclone 115ノット以上

オーストラリア周辺及び南太平洋のサイクロン ~南半球における東経90度以東のインド洋と太平洋~ ※3

分類 最大風速
Tropical Low(オーストラリア周辺)
Tropical Depression(南太平洋)
34ノット未満
Tropical Cyclone (Australian scale Category 1) 34-48ノット未満
Tropical Cyclone (Australian scale Category 2) 48-64ノット未満
Severe Tropical Cyclone (Australian scale Category 3) 64-86ノット未満
Severe Tropical Cyclone (Australian scale Category 4) 86-107ノット未満
Severe Tropical Cyclone (Australian scale Category 5) 107ノット以上

 ※1 「Super Typhoon」 は、米国中部太平洋ハリケーンセンターによる独自分類となります。
 ※2 アメリカのみ1分間のマイル毎時から平均風速を算出、他所は10分間のノット平均値。
 ※3 当表では「オーストラリア周辺及び南太平洋のサイクロン」としていますが、
   厳密にはオーストラリア周辺域と2つの南太平洋地域 合計3つのエリアに再分割されます。

南大西洋地域は地勢的に熱帯低気圧が発生しにくいとされているが、サイクロンと認められるものも稀に存在する。例: 2004年のサイクロン「Catarina(カタリーナ)」(→参考リンク

歴代の台風

  • 永祚の風
    歴史上、あまり台風の記録は残っていないが、この台風だけは「京では、なにもかも大風で倒れ残らなかった」と伝えられている伝説上の猛烈台風。第一室戸かそれ以上の勢力ともいわれるが、如何せん古すぎるため、研究資料は殆どない。なお、この台風のせいで永祚はすぐ改元となった。
  • 安政江戸台風
    安政江戸地震の後に起きた巨大台風。過去に、江戸を襲った台風としては最強といわれており、死者は10万とも伝えられる一方、地震ほど被害はなかったという資料もあり。だが、東京湾沿岸に伊勢湾台風レベルの高潮が襲っているので、生半可な威力ではなかったことは確かである。
  • シーボルト台風(1828年9月17日)
    日本に上陸したものとしては過去最強級だったと伝わり、学者の研究によれば上陸時に900hpaだったと伝えられている。有明海、博多湾、周防灘などで記録的な暴風、高波高潮で、また火災も発生し死者1万以上と伝わる。なお、シーボルト事件の際に台風があったからこの名前となっているが、1961年に気象学者、根本順吉が名付けたものであり、当時は子年の大風といわれた。
  • 室戸台風(第1室戸台風)(1934年9月)
    観測所設置以降、上陸時最低気圧(911hpa)を観測したといわれる歴史的に強力な台風。最大瞬間風速85mを記録した後、風速計が吹っ切れたため計測不能となった。大阪では通学中の午前に襲来したため、いくつもの木造校舎が潰れ、痛ましい被害が続出した。
  • 枕崎台風(1945年台風16号:アイダ)
    戦後日本を襲った巨大台風で、原爆で焼け野原になった広島にとどめを差したとも、はたまた蔓延していた放射性物質を薙ぎ払ったともいわれている。上陸時は915hpaで室戸台風に次いで低い。室戸、伊勢湾と並ぶ昭和の三大台風といわれており、死者不明者3700人弱のうち、3割強が広島県の犠牲者。
  • カスリーン台風(1947年台風9号:キャサリン)
    関東地方をかすったからカスリーンではなく、当時の英語読みからである。北関東~東京下町の荒川流域が大洪水となり、死者行方不明者1900人弱。五十里ダム、川俣ダムなどダムによる治水計画が持ち上がるきっかけとなった典型的な雨台風。
  • アイオン台風(1948年台風21号:アイオン)
    狩野川台風の記憶に掻き消されたが、関東地方を暴風雨に巻き込みながら、そして東北の北上川で記録的な豪雨災害をもたらした台風。死者不明者838名のうち700名が岩手県一関市周辺の死者である。
  • キティ台風(1949年台風10号:キティ)
    関東地方、そして東京湾に記録的な高潮をもたらした台風であり、死者不明者150名。
  • ジェーン台風(1950年台風28号:ジェーン)
    近畿地方に高潮や漁船の遭難を起こした台風。死者不明者500人以上。
  • ルース台風(1951年台風15号:ルース)
    935hpaで上陸した戦後史上の巨大台風の一つ。山口県の錦川水系を中心に土砂災害や河川氾濫が相次ぎ、死者不明者は950人弱。後の自衛隊となる警察予備隊が初めて首相命令のもとで災害派遣活動を行った最初の台風である。その一方で、各地で干魃が解消され、台風による水源確保の重要性が改めて見直された台風でもある。
  • 洞爺丸台風(1954年台風15号:マリー)
    洞爺丸という青函連絡船を沈没させたことで有名な台風で、名称はこの沈没した連絡船から。死者不明者1761名のうち、1139名が洞爺丸の犠牲者。北海道に最初に襲った台風としても知られ、岩内町では戦後最悪級の大火も起きているが、洞爺丸事故のせいで、全く注目もされなかったという。
  • 1956年台風3号:セルマ                                         気象庁の統計で最も上陸が早かった台風であり鹿児島県の大隅半島に上陸した。上陸は4月25日と統計では唯一の4月に上陸した。この記録は65年以上経過した2021年時点でも破られていない。
  • 狩野川台風(1958年台風22号:アイダ)
    東海~関東地方を襲った台風。死者不明者1269人。伊豆~南関東に記録的な豪雨をもたらし、伊豆地方の狩野川流域の被害がひどかったことからこの名前がついた。カスリーンとは逆にこっちは山の手にも深刻な洪水被害をもたらしており、住宅浸水は何十万棟に上った。伊豆や東京で治水対策が本格化したのはこの台風がきっかけである。
  • 伊勢湾台風(1959年台風15号:ヴェラ)
    伊勢湾沿岸の愛知県、三重県、岐阜県を中心に歴史史上の大災害をもたらした台風。死者不明者5000人以上。上陸時925hpaで暴風域が広く、そして猛スピードで駆け抜けていった。そのため、記録的な暴風と高潮となり、名古屋市南区や港区一帯は流失した貯木場の木材が家屋を破壊し、1500人以上の犠牲者を出した。その後大都市に高潮対策の防潮堤を築く契機となっている。詳しくは専門記事にて
    →伊勢湾台風
  • 第2室戸台風(1961年台風18号:ナンシー)
    伊勢湾台風の2年後、今度は関西地方を襲った巨大台風。ただ、室戸台風や伊勢湾台風の教訓(大阪市は伊勢湾台風被災地への救援を率先しており、同時に視察してきた)もあり、被害は死者不明者202名と最小限に食い止めており、高潮による犠牲者を出していない。とはいえ、大阪市の沿岸部は軒並み高潮による浸水被害を受けており、市の3割ほどが水没という凄まじい被害だったのは間違いない。
  • 1964年台風20号:ウィルダ
    中四国・瀬戸内海を中心に記録的な暴風や高潮をもたらした台風。宇和島市で瞬間最大風速72.3mを観測しており、これは観測史上7位の記録。兵庫県南部を中心に大規模な高潮も発生し、当時は伊勢湾台風の再来とささやかれるほどであり、五輪開催が危ぶまれたほどだった(この年は新潟地震も発生しており、世間は五輪どころじゃなかった所が多かったらしい)。死者不明者56人。
  • 1965年台風23号:シャーリー・台風24号:トリックス
    まずは23号が室戸台風と似たルートで高知県に上陸。至る所で暴風、高潮の被害を出した。死者不明者73名。室戸岬では最大瞬間風速77.1mを観測。…その復興覚めやらぬまま、台風24号が襲来し、記録的な豪雨。こっちは死者不明者107名となり、山間部を中心に土石流が相次ぎ、一層被害が拡大した。
  • 1965年台風29号:カルメン
    日本には接近もしていない。しかし、マリアナ諸島で遠洋漁業のカツオ漁船、マグロ漁船が相次いで座礁、遭難し、死者不明者209名を出す一大惨事となった(マリアナ海難)。
  • 1966年台風24号:ヘレン・台風26号:アイダ
    24号では宮崎県、26号では東海地方を中心に豪雨が相次ぎ、死者不明者317名は戦後6番目の被害。そのうち170名は山梨県の犠牲者であり、地元では足和田災害といわれている。
  • 1970年台風10号:アニータ
    高知市など土佐湾を中心に記録的な高潮をもたらした台風、通称土佐湾台風。暴風も記録的になり高知市で最大瞬間風速54.3mを観測している。死者不明者23名。
  • 1971年台風19号:オリーブ
    九州地方に上陸。九州に豪雨をもたらし、球磨川が氾濫した(2020年の豪雨による氾濫はこれい以来の出来事)。市は不明者69名。なお、この年は台風が頻発し、この時点でまだ7月である。
  • 1971年台風25号:ヴァージニア
    関東地方に接近、死者不明者84名であり、そのほとんどが千葉県である。豪雨に伴う土砂災害が住宅街を襲い、700カ所近くで家屋被害を及ぼした。
  • 1972年台風20号:ヘレン
    当時、伊勢湾台風とコースが酷似していたことから、伊勢湾台風の再来と謳われた台風。同じく伊勢湾で高潮が発生し、浸水被害146000軒、死者85名を出したものの、伊勢湾台風後の防災対策が存分に発揮されたことを証明した。一方で、八丈島で避難していた漁船が転覆し、26名の犠牲者(全体数に含む)を出している。
  • 1974年台風9号:ギルダ
    通称、七夕台風(七夕豪雨)として知られている昭和戦後史上屈指の台風。三重県~神奈川県の東海地方を中心に記録的な豪雨、土砂災害をもたらし死者不明者146名に及ぶ大災害をもたらした。ちびまる子ちゃんにも採り上げられたことがあり、静岡県の被害が有名だが、香川県小豆島や兵庫県淡路島でも記録的な災害となり、小豆島で29名、淡路島で14名が犠牲になっている。また、三重県や愛知県でも河川氾濫が相次いだ。浸水家屋約148000軒。
  • 1975年台風5号:フィリス
    高知県に上陸。高知県で記録的な豪雨をもたらし、仁淀川や鏡川で洪水、死者不明者77名。局地的に記録的な被害をもたらした台風として知られている。
  • 1976年台風17号:フラン
    過去最大ともいわれる800億トンの降雨をもたらした史上最強の雨台風の一つ。国内記録である、木頭村日早の総雨量2781ミリを観測したのはこの台風である。また、輪中地帯の安八町で堤防が決壊、強靱な長良川堤防が築かれるきっかけにもなった。死者不明者161名。
  • 1979年台風20号:チップ
    世界最低気圧の870hpaを記録した巨大台風として有名。日本上陸時には965hpaとかなり弱体化していたが、それでも大雨や船の遭難を招き、死者100人以上を出した、戦後最後の台風(現時点)となっている。そのうち犠牲者67名は釧路市での漁船転覆、遭難であった。
  • 1981年台風15号:サッド
    関東地方に上陸し、東日本を混乱させた。死者不明者43名。利根川水系や千曲川水系で河川氾濫や土石流の被害が起きた。被害総額2973億は戦後3番目に大きな数値である。
  • 1982年台風10号:ベス
    史上最悪の被害総額5916億円を出した台風。死者95名で、特に人的被害がひどかったのは奈良県や三重県など近畿地方であるが、全国的に被害が広まった。そして、300名以上の犠牲者を出した長崎豪雨を筆頭とする7月の豪雨被害にとどめを刺してしまった形となった。
  • 1982年台風18号:ジュディ
    静岡県に上陸。各地で豪雨被害をもたらし、土石流、河川の氾濫などが相次いだ。特に首都圏の住宅街で氾濫が相次いで発生したために、知名度の割に被害額はワースト10位の1258億円に上っている。死者不明者38名。
  • 1985年台風6号:イルマ
    静岡県に上陸。関西で豪雨、関東で暴風の被害をもたらした台風。死者不明者46名で、東西の都市部を襲ったために被害総額は1303億円に上った。
  • 1990年台風19号:フロー
    上陸時は945hpa、最大風速45mという非常に強い勢力のまま本州紀伊半島に上陸した台風。暴風の被害より大雨の被害が深刻であり、岡山県、鹿児島県など全国で42名の死者を出した。下の通称「りんご台風」と紛れやすい。
  • 1990年台風28号:ペイジ                                          1956年台風3号が最も上陸が早かった台風ならこちらは上陸が最も遅かった台風で和歌山県に上陸。上陸はなんと11月30日14時であり統計史上最遅で唯一の11月に上陸。あと10時間遅かったら12月の上陸となっていた。記録では11月から12月に台風が上陸したという記録が1951年以前には複数存在するが1951年以前は現在の台風と定義が異なり、台風が温帯低気圧に変わってもなお台風扱いとされていたためこれらの台風は上陸時はすでに温帯低気圧に変わっていた可能性があるため現在の気象庁の公式記録ではこの台風が最遅となっている。   
  • 1991年台風19号:ミレーレ
    上陸時は940hpa、最大風速50mという戦後史上の台風で、上陸地の長崎県や広島県、そしてりんご台風の俗称の由来となった青森県で記録的な暴風となった。風台風といわれる割に犠牲者も多く死者62人だが、これは秋雨前線の影響も大きい。また、高潮による塩害も深刻となり、広島県では塩害が原因の停電が長引き、愛媛県では数多くのミカン樹木が枯死した。被害総額も5735億に上り、平成史上最強の台風の一つとして語り継がれている。
  • 1993年台風13号:ヤンシー
    薩摩半島に上陸。上陸時925hpaは戦後3番目に低い記録。鹿児島県の川内川を中心に土石流被害が発生し、死者不明者48人。ただし、この年の鹿児島県は何度も土石流災害を食らっており(竜ヶ水の土石流など)、後に砂防対策を強化する契機となっている。
  • 1998年台風7号:ヴィッキー
    紀伊半島を猛スピードで駆け抜けていった台風。近畿地方に暴風が吹き荒れ、文化財をことごとく破損させていった。死者不明者19名。
  • 1999年台風18号:バート
    熊本県に上陸、不知火海沿岸に高潮被害をもたらした台風として知られている。死者31人のうち12人が不知火町の高潮現場である。また、山口宇部空港が浸水し、一時使用不能となった。
  • 2004年台風16号:チャバ
    鹿児島県に上陸、上陸時950hpa。暴風もさながら高潮被害が深刻だった台風として知られ、岡山県、香川県を中心に顕著な高潮被害を出した。死者不明者17名。
  • 2004年台風18号:ソングダ
    長崎県に上陸、上陸時945hpa。広島市で最大瞬間風速60mを記録し、1991年台風19号の記録を塗り替え、厳島神社拝殿をまた破壊した。また、その後北海道に上陸し、札幌で最大瞬間風速50.9mなど記録的な暴風となり、北海道大のポプラ並木を薙ぎ倒したことで知られる。死者不明者45名。
  • 2004年台風22号:マーゴン
    戦後最大級の勢力で関東地方に接近した台風として知られ、伊豆半島で深刻な被害を出したが、台風自体が小さかったので関東襲来時にはそこまで被害は広がらなかった。死者不明者9名。
  • 2004年台風23号:トカゲ
    日本命名の台風で初めて上陸した超大型台風で、名の由来はとかげ座から。記録的な暴風と大雨をもたらし、豊岡市で大洪水、そして京都府舞鶴市の由良川氾濫で観光バスが沈没し、夜通し凌いだ出来事が知られる。また、台風としては珍しく、中心から北側や西側で暴風が吹き荒れた。死者不明者98人は平成以後最悪級である。
  • 2005年台風14号:ナービー
    鹿児島県に上陸。宮崎県を中心に深刻な豪雨被害をもたらし、高千穂鉄道廃線の元凶となった台風として知られる。また深刻な水不足による早明浦ダム貯水率が0%から一夜にして100%にした伝説も持つ。また、大雨意外にも高潮被害も出た。
  • 2011年台風12号:タラス
    四国に上陸。暴風こそ大したことなかったものの、大型で動きがゆっくりだったために紀伊半島で記録的な豪雨となり、紀伊半島大水害、紀伊半島豪雨といわれる大災害をもたらした。死者不明者98名は、2004年23号と並ぶ平成期の台風で最悪の数値である。河川の氾濫、土砂災害が相次ぎ、その後に出来た土砂ダムなどもあり、また東日本大震災が起きた年であったため、国民の防災に対する関心が高まり、珍しく世間の耳目を引いた。
  • 2013年台風18号:マンニィ
    豊橋市に上陸。死者不明者は7名だが、至る所に大雨被害をもたらし、特に京都の桂川流域が氾濫した台風として皆の記憶に残っている。また、初めて大雨特別警報が運用された台風である。
  • 2013年台風26号:ウィパー
    伊豆大島で土石流災害をもたらした台風として知られる。死者行方不明者43名は関東地方を襲った台風としては平成最悪であり、そのうち39名が伊豆大島での土石流犠牲者である。
  • 2014年台風8号:ノグリー
    初めて、沖縄県において台風による特別警報発令となった台風。日本列島にでも大雨による災害が多発した。死者7名。
  • 2015年台風18号:アータウ
    愛知県に上陸。台風より台風が招いた大雨によって、鬼怒川で決壊、茨城県常総市で深刻な被害をもたらしたことで知られる。
  • 2016年台風10号:ライオンロック
    統計史上初めて東北太平洋側に上陸し、そして岩手県と北海道に記録的な豪雨をもたらした台風。死者不明者29名で、そのうち24名は岩手県での犠牲者である。また、ジャガイモ産地が甚大な被害を受けたことで、ポテトチップスの生産が止まる事態が起きた。なお、北海道はこの年8号と11号の被害も受けている。
  • 2017年台風18号:タリム
    鹿児島県に上陸。大分県を中心に河川氾濫の被害をもたらした。死者は5名、床上浸水1553棟。
  • 2017年台風21号:ラン
    静岡県に上陸。上陸時に超大型であり、950hpa。暴風より記録的な大雨を招き、関西では大和川や貴志川、由良川などが氾濫。静岡県では高潮も記録している。死者10名。
  • 2018年台風21号:チェービー
    徳島県に非常に強い勢力のまま上陸、本州上陸時945hpa。台風自体のスピードもあったため記録的な暴風が吹き荒れ、関空で58.1m、和歌山市で57.4mなどの最大瞬間風速を記録している。また高潮被害が深刻であり、関空や神戸の人工島、芦屋市沿岸が水没するなど生々しい被害が次々に報告され、広範囲で停電になった。だが、安治川水門の整備など過去の台風の教訓が生き、室戸台風の再来ともいわれる規模の中、被害は最小限に食い止めている。死者14名で床上浸水330棟だが、これはほとんど高潮によるもので大雨の被害はあまりない。暴風被害は福井県や北海道などにも及び、その後に起きた胆振東部地震はこの台風が引き金とも指摘されている。
  • 2018年台風24号:チャーミー
    紀伊半島に上陸。台風としては大型であったため、上陸時には大阪などでは肩透かしを食らったため、見かけ倒しと揶揄られた。…が、鹿児島や沖縄で既に深刻な被害を受けていた上に、上陸してから台風の東側になった静岡や関東地方で暴風が吹き荒れた(首都圏でJR全線計画運休を行った初のケース)。死者不明者7名。
  • 2019年台風15号:ファクサイ
    三浦半島に上陸。台風としては小型だったが暴風が吹き荒れ、台風に無防備だった千葉県を中心に著しい暴風被害をもたらした。後に気象庁が令和元年房総半島台風と名付けるが、単に風害、治山、治水が甘かったエリアを襲ったために被害が広がっただけで、被害としても明らかに前年の台風21号やそれ以前の台風の方が被害が深刻であったため、気象庁命名に疑問視している学者、専門家らも多い
  • 2019年台風19号:ハギビス
    気象庁が令和元年東日本台風と命名。こっちは床上浸水7000棟以上という深刻な被害が認められるので仕方ないところではある(当初はこっちだけが命名予定だった)。死者不明者94名(そのうち福島県で35名、宮城県で21名など阿武隈川流域が一番深刻だった)。静岡県に上陸。信濃川、阿武隈川といった大河川を相次いで氾濫、決壊させ、ほかに多摩川や秋山川、那珂川、荒川支流など大小支流合わせ120河川以上を氾濫させた雨台風として記録に残った。また、群馬県の八ッ場ダムがぶっつけ本番で湛水実験をしており、効果の有無はともかく群馬県の河川は氾濫ゼロであった。

関連動画

伊勢湾台風

昭和34年台風第15号 国際名Vera(ヴェラ)
最低気圧894hPa 最大風速75m/s

上陸時929.2hPa (潮岬)
最大瞬間風速55.3m/s (伊良湖)

死者4,697名 行方不明者401名
全壊家屋40,838棟  半壊家屋113,052棟
床上浸水157,858棟 床下浸水205,753棟

気象衛星ひまわり 撮影画像

国際宇宙ステーション 撮影映像

 

再現してみた

VOCALOID

関連項目

  • 気象庁
  • 気象衛星ひまわり
  • 天気予報
  • 台風中継
  • 日本で起きた災害の一覧
  • 伊勢湾台風
  • ヤギ(台風)
  • マットゥモ
  • 平成26年台風第8号
  • 令和元年台風第19号
  • 台風コロッケ
  • ちょっと川の様子見てくる・・・
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