埋没費用

「埋没費用」とは、事業や品物に投資したお金のうち、どうあっても取り返せないものを言う。経済用語。
サンク・コスト（sunk cost）ともいう。wikipediaによる説明はこちら。
要は「どこで見切りをつければ一番損をしなくて済むか」という話である。

概要

【具体例その1】

とあるゲーム（仮に￥6,000とする）が発売になったが、それがあまりにもつまらない場合、すぐにゲームを打ち切るか、それともゲームを続けるかが問題になる。

ゲームをすぐに打ち切った場合、最初に払ったゲーム代￥6,000は帰ってこないが、すぐに中古屋に売ることで（仮に￥4,000で売れたとすると）損を￥2,000で抑え、また「ゲームをプレイするはずだった時間」を別のことに使うことが出来る。
対して、ゲームを続ける場合、ゲーム代￥6,000に加えて、「ゲームをプレイする時間」をつまらないと思いながら浪費することになる。また、クリア後、時間が経った後にに売る場合、買い取り価格はすぐに売る場合より下がっていることが多いため（仮に￥2,000とすると）、損した額はすぐに売った場合より上がってしまう。

この場合、最初に投資したゲーム代が「埋没費用」に当たる。多くの人は「元を取らなければ」「もっとプレイすればきっと面白くなるはずだ」と考えて、面白くも無いのにグダグダとゲームを続けてしまいがちであるが、これは経済学の観点から言うと非効率的な選択肢である。

埋没費用を認め、適切な判断をしていくのは難しい。上の例で言えば「ゲームの後半はとても面白く、最後までプレイした結果満足でき、￥6,000の価値はあった」のならば埋没費用は発生しないことになるからである。大体の場合最後までクソゲーはクソゲーだが。
このように、問題を先送りすることで埋没費用を避けることが出来ることもある半面、逆に損害を増やしてしまうこともある。

【具体例その2】

とあるオンラインゲーム（￥6,000月額、￥1,000）をプレイし、それがつまらなかった時のことを考える。具体例1と同様に、最初のゲーム代は埋没費用であるが、オンラインゲームの場合はパッチやアップデートによってゲーム内容が改善することがあるため、多くのプレイヤーはアップデートが来るまで待ち、問題を先送りすることになる。

後のアップロードでゲーム内容が改善した場合、それまでに払い続けた月額は損にはならないが、もしもアップロードでゲームが改善しなかった場合、ゲームを続ければ続けるほど、埋没費用は無制限に上がっていくことになる。

余談

本来の埋没費用の定義とは多少異なるものの、一般に「信者」と呼ばれ、盲目的に好きな物に投資を続ける人は、この引き際を間違っている場合が多い。そのものが本当に好きなうちは良いけれど、ブームが去り、熱が覚めた後で見返した時、自分の投資は埋没費用だらけだったことに気づいたりもする。

逆に、「アンチ」でも埋没費用だらけなこともある。批判のために投資し、批判のために粘着する。いくら粘着しても一度した損は帰ってこないはずなのだが、にもかかわらず、批判に掛ける時間までも浪費していることも多い。

あなたも自分が無駄な埋没費用を出していないか、一度冷静になって振り返ってみるのもいいのではないだろうか。

関連項目

• 信者
• アンチ
• 盲目
• 見切り
• クソゲー
• 終わったコンテンツ
• 私はFF14を続けるよ