多剤耐性結核

多剤耐性結核（スーパー結核）とは、一部の抗生物質に対して耐性を持った結核菌による感染症である。

概要

結核患者が抗生物質（抗結核薬）を自己判断で勝手に中断してしまったり、不規則な飲み方（飲み忘れなど）が原因となり、生き残った結核菌がイソニアジドやリファンピシンなどの抗菌薬に対して耐性を持ってしまうことで起こるとされている。

また、多剤耐性結核菌の中でも特に以下のようなものは超多剤耐性結核菌と呼ばれる。

• フルオロキノロン（ニューキノロン）に対して耐性を持っている。
• 注射系の第2次選択薬（ストレプトマイシン、カプレオマイシン、アミカシン、カナマイシンなど）のうち、少なくとも1つ以上に対して耐性がある。

超多剤耐性結核菌による結核は使える医薬品がほとんど無いため、治療がきわめて難しくなり致死率が高い。

法律上の扱い

• 日本の感染症法では二類感染症となっており、結核病棟での入院治療が必要となる。（これは通常の結核も同じ）
• 多剤耐性結核菌は危険度が高い三種病原体等に指定されており、所持する場合は厚生労働省への届出が必要となる。（ちなみに通常型の結核菌は四種病原体等である）

関連項目

• 医学記事一覧
• 感染症
• 細菌
• 薬剤耐性菌
• メチシリン耐性黄色ブドウ球菌（MRSA）
• バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌（VRSA）
• 生物学
• 医学、薬学