大冒険セントエルモスの奇跡とは、有限会社パイから発売されたセガサターン用ゲームソフトである。
1996年4月19日発売。ジャンルはシミュレーションRPG。 「これはひどい」の元ネタとなった事で有名。
概要
デスクリムゾンと並び、セガサターンを代表する伝説のクソゲーの一つであり、このゲームを購入する行為自体が大冒険だと称されるほど評価が低いゲームである。通称「超魔海王」。
ゲーム内容
世界各地の港を船で回り、モンスターに占拠された港を解放するのが大まかな流れである。
解放した港では補給及び特産品の取引が出来るようになり、各地で異なる取引レートの差を利用して貿易することにより資金を稼ぐ事ができる。それを元に傭兵の雇用、武具の購入、船の装備のグレードアップを行い、自分の艦隊を強化していく。モンスターとの戦闘はRPG風だが、他にも海賊船などの艦隊との海戦モードも存在する。
ストーリー
時は大航海時代。バルセロナに住む主人公リオンは、女王様に突然「あなたの家系には魔物を倒す力がある」と言われ、断る間もなく魔物退治に駆り出されるのであった。(そのついでに行方不明の父も探すことに)
作品の特徴
短所
- 「里見の謎」を髣髴とさせるSFCレベルのチープなグラフィック
(なお、CGのみ外注なので、その格差が非常に激しい)
- グラフィック以上にチープなBGM(ほとんどのBGMは4小節で終わる)
- 街はチップどころかマップ自体も使い回し(容量削減か手抜き)
- モンスターのひどいグラフィックセンス
- 色違いのモンスターグラフィックを数回使い回しする
- 上陸して敵を屠るだけという単調な流れで作業ゲー感が否めない
- しかも港は60以上ある。つまり60回以上それを繰り返すことに
- 主人公の親友は絶対に最高レベル(Lv50)にならない
- 主なイベントはOP・ED含めて5つほどしかない
- 悪名高い夢オチエンディング
- 街の人の会話は物語と全く関係がないものがほとんど
- 必殺技の名前が手抜き(「必殺技1」「必殺技2」など)
- どの必殺技が出るかは全くのランダム
- どの港に強い敵がいるか分からないため、いきなりボコボコにされる事もしばしば
- まともな精神状態ではとても思いつかないようなモンスターのセリフ(後述)
- モンスターの異常なネーミングセンス(「コーナメンタ」「クリビルピル」「ベンチバブ」など)
- モンスターから得られるお金が異様に少ない(ボスでも30Gとか)
- 貿易と言っても港ごとに価格が設定されているだけ。つまりアイテムを売り買いして差額を稼ぐだけの内容
- 異常な物価高
- 誤字脱字の多さ(例:いらしゃいませ!)。モンスターの台詞にも誤字が認められるが、元の文章が電波過ぎるので故意かどうかは不明。
- 名前入力時の漢字が異様に少ない(SFCのRPGツクール以下)
長所
常軌を逸したモンスター達のセリフ
この作品の最大の見せ場は何と言ってもモンスター達のセリフであろう。どのセリフもトチ狂った電波的なセリフが多く、とてもじゃないがまともな精神状態では思いつかないようなものが多い。
街を作りすぎてネタが無くなりモニターの前で頭を抱えて悩むシナリオライターの苦悩が思い浮かぶようである。
以下に例を記す。
- 「体の中から何かが ぶえええ ぐええええええ」
- 「この世は いいよな 欲しい物は すべて 手に入るもんなぁ なんでも・・・・・ 愛が・・・愛が ほしいんだよぉぉ―」
- 「ぴるぴるぴる 弱いものをいじめる こんな快感って他にないよな ぴるぴるぴるぴる」
- 「ぷちぷちって あり殺すのやめろよなぁ かわいそうだろぉぉぉ- たーいせつな命だからなぁー」
- 「最近 幼虫うまいんだ あまーいんだ とってもね けど あげないよ ぼく 甘党だからね」
- 「うげっ うげっ 気分悪いぞ うげげげげっ」
- 「ぶて ぶってみろよ 痛いの快感!ぶて おい ぶてよ おいいい」
- 「ぐひぐひぐひ・・・ぐひぐひ言うなよ ぐひぐひ・・・おい しつこいぞ ぐひぐひぐひ・・・しつこいよぉぉぉー!」
- 「あの草 食べて・・・あの赤黒いあの草 食べて・・・たべて・・・」
- 「ねっ かじらせて?ヘ減るもんじゃないだろう ねぇ かじ かじ かじらせて?」
- 「お前、どこから生まれたんだ 俺たちってわくんだよ わかる?」
- 「かわーいーい坊や おいで なでなでしてあげるからね よしよし でも いないの 子供が いないのよぉぉぉーー」
- 「動物って好き?いいよな どこが? 皮がなぁぁぁぁ!!」
なお、町の人の台詞も少し変である。
- 「君は 自分の前世の事を考えたことがあるか?考えたことないだろう?もう少し自分について考えたほうがいいぞ」
「これはひどい」
物語開始と同時にいきなり登場する名台詞「これはひどい」。これは主人公の父の船が大破した状態で流れ着いた様子を見た村人が発したセリフであるが、このゲームを見たプレイヤー、視聴者の気持ちを見事に代弁した一言であったため、たちまちセントエルモスの代名詞的存在になった。当然ながらインターネットでよく使われる「これはひどい」の元ネタとなったのは言うまでもない。
プレイステーション版
1997年にプレイステーションでリメイクされている。グラフィック、CGの書き換えにシナリオ追加、修正などサターン版から大きく改善されている。・・・がしかし、インパクト面ではサターン版よりも劣る?ため、クソゲーマニアからの評価は逆に下がってしまった。そして肝心のゲームの完成度もよいわけではない。
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関連項目
- これはひどい
- セガサターン
- クソゲー
- 伝説のクソゲー
- デスクリムゾン