山東(空母)とは (サントンクウボとは) [単語記事]

山東(さんとう / サントン)とは、中華人民共和国が建造中の航空母艦（空母）である。「Type 001」とも。
完成した場合、中国が保有する空母は遼寧に続いて二隻目となる。

報道で出た名前のため正式名称とはなっていないが、現状はこの名前で記述する。

概要

中国・人民解放軍が遼寧に続いて就役させる予定の空母。中国・遼寧省大連の造船所にて作られているのが複数のメディアによって確認されている。

名称は公式発表されていないため正式名称ではない。2017年2月2日に台湾の新聞「聯合報」が報じたことで広まった。また、遼寧の母港である山東省青島の軍港に新しい埠頭ができており、山東の母港がそこになるのではとも分析されている。^[1]

艦艇などは、基本的には建造したのちに軍隊に引き渡されて就役するため（自衛隊も同様）、現状まだ人民解放軍には所属していない扱いだが、完成後は中国海軍に所属し任務につくと見られている。

なお、さらに「Type 002」と呼ばれる次の空母も建造が始まっていると言われているが、カタパルトが搭載されているとも、遼寧や山東と同じくスキージャンプ式になるとも言われていて、今ひとつはっきりしない。

遼寧との違い

大ざっぱに言えば「遼寧のコピー艦」といえる。しかし、遼寧はもともとウクライナの空母で、人民解放軍への就役前からすでに完成体であった。中国が空母建造にとりかかるのは今回が初であるため、「初の国産空母」という大きな違いがあげられる。

また、基本的な部分での構造こそ遼寧と同じだが、遼寧の運用データを基にした改良点も多々あると思われ、能力が向上している可能性もある。

■スキージャンプ方式: 遼寧から継承されている発艦方式。ジャンプするための傾斜つきの坂が伸びている。カタパルト型の空母に比べると発進スピードに差があり、戦闘機の積載量にも難がある。; しかし、平坦な空母から発進するよりも傾斜がある方が揚力を得られて風や波の影響を受けないこと、技術・コストの問題でカタパルトを持っていない国でも容易に生産ができることなどから、ブラジルやインドなど複数の国がこの形式の空母を保有している。1990年代に起きたフォークランド紛争でもイギリスが使用していた。
■艦橋の分離と変更: 空母は戦闘機を発着させる母艦としての役割もあることから、艦隊を指揮する司令部が置かれる事が多い。; 遼寧/ワリャーグでは艦橋が一階層しかなかったため艦橋と司令室としての用途がごっちゃになっていたが、山東では航海用の艦橋、司令部用の艦橋の二階層に分離されたため、それぞれ独立して機能するようになっている。加えて航空指揮室/管制室も大型化されている。
■甲板構造物の変更: 全体として遼寧の頃よりも艦橋を小型化し、戦闘機の収容・発着スペースの確保を行っている。また、発艦時に戦闘機を捕まえるのに使用するアレスティング・ワイヤーを削減している。