放課後は、異世界喫茶でコーヒーをとは (ホウカゴハイセカイキッサデコーヒーヲとは) [単語記事]

『放課後は、異世界喫茶でコーヒーを』とは、かざみろり風見鶏によるライトノベルである。

ファンタジア文庫刊、全6巻。イラストはu介が担当。略称は「イセコー」。

概要

2009年2月より小説投稿サイト「Arcadia」に掲載（作者個人サイトでも掲載。のち2016年2月よりカクヨムでも掲載）されているWEB小説「異世界に来たけど至って普通に喫茶店とかやってますが何か問題でも？」を、大幅に再構成したうえで改題・書籍化した作品。「異世界に来たけど至って普通に喫茶店とかやってますが何か問題でも？」として第1回カクヨムWeb小説コンテストで「特別賞」を受賞している。

ファンタジーな異世界に転移した主人公の少年が切り盛りする喫茶店の日常ものという、ネット小説における異世界グルメもの作品の王道にして嚆矢ともいえる古株の作品であり、コーヒーに絶大な熱意を注ぐ主人公と多彩な料理とロリ、異世界らしく年齢も性別も種族もさまざまな来店客、ロリ、綺麗なお姉さん、ロリ、ケモミミ、渋くてかっこいいおじさん、ロリ、そしてロリ、あとジジイといった内容のグルメコメディとしてArcadia時代から人気の作品であるロリ。

2019年7月発売の第6巻をもって堂々の完結。これに先立ち、月刊コンプエース2019年3月号より、蔦屋空によるコミカライズが4ヶ月にわたり短期集中連載された。

あらすじ

便利で謎な物品や食材が山ほど産出される、不思議な『迷宮』がある世界。

とある『迷宮』の入り口に栄える都市の外れには、この世界で唯一コーヒーが飲める「喫茶店」があった。落ち着いた雰囲気と独特の料理に心惹かれてやってくる、さまざまな客たちを相手する「マスター」は、現代の日本から来た少年ユウ。これは、少年店主ユウとそんな客たち――魔法学院の才媛、サボり魔の猫耳少女、迷宮の冒険者、爺、さらには竜族や裏社会の有力者まで――との、小さな喫茶店の日常のお話である。

主な登場人物

※記述は原則として書籍版にもとづく。

ユウ

主人公。喫茶店のマスターをしている現代日本出身の少年。実家も喫茶店をしていた。
おとなしく人に好かれる性格だが、気を許した相手には時に笑顔で辛辣な言を吐くことも。
異世界において薬として扱われていたコーヒー豆を見つけ、この世界で唯一の「喫茶店」の店主としてコーヒー普及のため工夫を重ねているが、黒くて苦くて見慣れない飲み物とまったく広まらないのが悩み。

リナリア

夕日のように赤い髪と紺碧の瞳をした美少女。
店の常連でアーリアル魔法学院の優等生。自習の場所をさがしてユウの喫茶店を訪れ、店の料理と雰囲気とを気に入り常連となった。コーヒーは苦手だが、甘くしたカフェ・オ・レは好き。

コルレオーネ

うさぎ。ダンディな低音を持ち堅苦しい服を着た、とっても渋い感じのうさぎ。
美食家として知られる裏社会のボスで、いつも狼顔の護衛シェモッタをつれている。迷宮で発見された新食材を調理できる者を求め、「妙な料理を出す」というユウの喫茶店を訪れる。

ノルトリ

ケモミミロリ。雨のような青い髪と尻尾と猫科の耳を持つ10歳ロリ。とにかく無気力。
店の常連でアーリアル魔法学院の生徒。しばしば授業をサボってユウの喫茶店のカウンターに突っ伏している。苦いコーヒーは苦手だがカフェ・オ・レは好み。でも猫舌なのでぬるくないと飲めない。

アイナレーラ

夏の海のような髪色の少女。威勢のいい貴族のお嬢様。
アーリアル魔法学院の生徒。クラスメイトで優等生のリナリアを尊敬しており、仲良くしたいと思いつつもなかなか近づけないでいる。リナリアがユウの喫茶店に通うようになったことで来店。コーヒーを気に入る。

アルベルさん

人間の女性。白銀色の長髪と切れ長の瞳を持つ長身の美女。
店の常連。迷宮の冒険者をしている凛とした佳人で、ユウの料理を気に入っている。
コーヒーがとても好き。ユウにカフェイン中毒疑惑をかけられるくらい。

ファルーバさん

竜族。漆黒の巨体を持つ。
コーヒーがすごく好き。ユウに中毒気味かと心配されるくらい。
夜に喫茶店にやってきてはコーヒーをマグカップで飲み、過大なくらいの代金を支払っていく。

エルフのお姉さん

エルフのお姉さん。いつも窓際のテーブルで本を読んでいる。
他の客が食べている美味しそうな料理が気になるが、お肉なので食べられない。悲しみ。

ドワーフのおじさん

ドワーフのおじさん。いつも奥のテーブルで岩石を調べたりしている。
他の客が食べているいい香りの肉料理が気になるが、柔らかい肉なので好みから外れる。悩み。

ゴル爺

真・ヒロイン。誰がなんと言ったって真ヒロイン。そういうことになった。WEB版時代からやたらと人気。
いつも騒がしいうえにエロ爺だが、どうやら相当な有力者らしい謎のジジイ。ユウのことを気に入っており、しばしば秘書さん（銀髪の美人さん）の目を盗んでユウの喫茶店へとやってくる。コーヒーは飲める。でも甘党だから山ほど砂糖を入れないとちゃんと飲めない。