日本雛型論または雛型理論とは、日本列島が世界の縮図をなしているとする説論である。
国学者の大石凝真素美とその弟子である水谷清が最初にこの説を唱えた人物であるとされるが、それ以前に平田篤胤や本田親徳らによって外八洲・内八洲史観というこれとよく似た学説が提唱されている。日本雛型論(以下、雛型論)の主張は大きく分けて二つあり、一つは日本列島の各地の形状や地形が世界各地の大陸や半島のそれと相似形を成しているというもの、今一つは「日本で起こることは世界でも起こる」といったものである。
対応関係については諸説あるが概ね九州:アフリカ、四国:豪州、本州:ユーラシア、北海道:北米という対応関係にあるという見解で一致している。本州を更に細かく見ていくと紀伊半島:アラビア半島、伊豆半島:インド亜大陸といった形で対応しており、琵琶湖:カスピ海、富士山:エベレスト山といった具合に対応づけられている。
しかしここには「果たして一対一で対応付けられているのか?」という疑問も存在する。例えば中国地方は欧州亜大陸に準える事も、小アジアに対応していると看做す事も出来る。淡路島もその形状とアナトリアとの位置関係からキプロス島に当たると考えられているが、豪州からの位置関係で考えるとニューギニア島に相当する。このように、日本国内にある土地に対して世界各地に存在する土地の全てをいずれかに当て嵌めようとすれば重複は避けられず、一対多の関係にある事が強く予想される。
この説の真偽について問う前に、まずこのような説が広く唱えられるような地理的形状を持っているのは世界でも日本位のものであり、またこの説を現在でも提唱しているのは主に日本語圏の人々に限られているという基本的な事項を押える必要がある。
また真偽という形で問う事が大変難しい論説である事も弁えておきたい。単純に「似ている」事とそこに「対応関係がある」事は別次元と言えるほどの開きがあり、似ていると言うにしても一体どの程度の相似性でもって似ていると言えるかは人によって意見の大きく分れる所でもある。確かに相似形であり、対応関係があると認めたとしても「日本が」世界の雛型なのかどうかという大きな問いが生じる。つまり逆に世界を元に日本が形作られたという説を唱える事も可能な訳で、どちらかが片一方を元にしているという考えに立つ限りこの問いからは逃れられない。
少なくとも我々が教育で学ぶ考古学的知識では旧石器時代の日本はまだ列島全体が一塊になっており、今日あるような形の片鱗はほぼ見受けられない一方、同じ時期の世界は既に今の様な大陸が形成されて久しく、時系列的に考えると世界→日本の順で形作られたことになる。
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最終更新:2025/12/16(火) 10:00
最終更新:2025/12/16(火) 09:00
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