王座戦(将棋) 単語

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王座戦(将棋)とは、将棋の八大タイトル戦の一つ。1953年に優勝棋戦として創設されたのち、30年後の1983年にタイトル戦となった。ちなみに囲碁の王座戦も同じ日本経済新聞社主催で1953年の創設である。タイトルとしての序列は第5位。

現在(第67期)の保持者は永瀬拓矢。

概要

一次二次予選と挑戦者決定トーナメント、そして王座戦五番勝負で構成され、挑戦者決定までの対局形式は全てトーナメント戦。

一次予選では女流棋士枠が四つ設けられている。これまでの女流棋士の最高到達地点は里見香奈と渡辺愛の一次予選準決勝進出。

王座戦の発案者は加藤治郎で、名付け親は花村元司らしい。

名誉王座

王座位を連続五期または通算十期獲得した棋士には『名誉王座』の資格を得る。八大タイトル戦で唯一『永世』ではないので注意。
永世称号としては珍しく引退前でも60歳になれば名乗ることができる。

現在のところ名誉王座は中原誠のみ。中原はタイトル戦となってからの王座戦では四期と二期の通算六期であるが、その前の棋戦としての王座戦での優勝十回という素晴らしい成績を加えての名誉王座授与である。
名誉王座資格を有する現役棋士は羽生善治のみ。

羽生

現在唯一の現役名誉王座資格者である羽生善治は、1992年の第40期において福崎文吾から王座位を奪取した後、なんと2011年の第59期まで、連続19期の防衛に成功するというとんでもない記録を打ち立てている。連続20期が掛かったこの年に渡辺明によって奪取されるものの、翌年に再び登場して渡辺を破り復活。2017年に中村太地に奪取されるまで再度5連覇を達成した。
羽生の「連続在位19期」「通算在位24期」「連続登場26期」「連続ストレート防衛6期(2005年・対佐藤康光~2010年・対藤井猛)」は全てのタイトル戦で見ても最長・最多記録である。

福崎

上述したように1992年に王座位を羽生に奪われた福崎文吾であるが、その後19年に亘って羽生が王座位を維持し、また福崎自身も他のタイトルを獲得できなかったため、ジョークとして「名誉前王座」という称号で呼ばれることがあった。本人も笑い話としてこの称号を使っていたとか。
現在はもう「前王座」ではなくなったが、永世称号ということもあってか(?)今でもたまにネタとして言う人がいるそうな。

なお、実際に「前王座」を称号として名乗ることはできない模様。「前竜王」「前名人」は称号として名乗ることができた[1]が、これも本人のタイトル獲得や新竜王・新名人の翌年以降の防衛に関わらず、失冠後1年間だけしか名乗ることができない。

歴代タイトル保持者

タイトル戦となった第31期以降のみ記載

  • 第31期(1983年)中原誠(vs内藤國雄)
  • 第32期(1984年)中原誠(vs森安秀光)
  • 第33期(1985年)中原誠(vs谷川浩司)
  • 第34期(1986年)中原誠(vs桐山清澄)
  • 第35期(1987年)塚田泰明
  • 第36期(1988年)中原誠
  • 第37期(1989年)中原誠(vs青野照市)
  • 第38期(1990年)谷川浩司
  • 第39期(1991年)福崎文吾
  • 第40期(1992年)羽生善治
  • 第41期(1993年)羽生善治(vs谷川浩司)
  • 第42期(1994年)羽生善治(vs谷川浩司)
  • 第43期(1995年)羽生善治(vs森雞二)
  • 第44期(1996年)羽生善治(vs島朗)
  • 第45期(1997年)羽生善治(vs島朗)
  • 第46期(1998年)羽生善治(vs谷川浩司)
  • 第47期(1999年)羽生善治(vs丸山忠久)
  • 第48期(2000年)羽生善治(vs藤井猛)
  • 第49期(2001年)羽生善治(vs久保利明)
  • 第50期(2002年)羽生善治(vs佐藤康光)
  • 第51期(2003年)羽生善治(vs渡辺明)
  • 第52期(2004年)羽生善治(vs森内俊之)
  • 第53期(2005年)羽生善治(vs佐藤康光)
  • 第54期(2006年)羽生善治(vs佐藤康光)
  • 第55期(2007年)羽生善治(vs久保利明)
  • 第56期(2008年)羽生善治(vs木村一基)
  • 第57期(2009年)羽生善治(vs山崎隆之)
  • 第58期(2010年)羽生善治(vs藤井猛)
  • 第59期(2011年)渡辺明
  • 第60期(2012年)羽生善治
  • 第61期(2013年)羽生善治(vs中村太地)
  • 第62期(2014年)羽生善治(vs豊島将之)
  • 第63期(2015年)羽生善治(vs佐藤天彦)
  • 第64期(2016年)羽生善治(vs糸谷哲郎)
  • 第65期(2017年)中村太地
  • 第66期(2018年)斎藤慎太郎
  • 第67期(2019年)永瀬拓矢

関連項目

  • 将棋
  • 棋戦
  • 王座戦
  • 王座戦(囲碁)
  • 羽生善治
  • 福崎文吾
  • 香川愛生
八大タイトル
竜王戦 - 名人戦 - 叡王戦 - 王位戦 - 王座戦 - 棋王戦 - 王将戦 - 棋聖戦

[1]辞退して通常の九段ないし八段を名乗ることも可能。しかし「前竜王」「前名人」を名乗った棋士は1995年の佐藤康光(前竜王)以降おらず、高橋道雄によると既に廃止されているとか。

 

 

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