第一次ブログ連戦争とは、2005年5月から2007年1月にかけて、主に2chのニュース速報板・ニュース速報VIP板とコピペブログとの間で勃発した抗争である。
1999年に誕生した匿名掲示板「2ちゃんねる」。開設当初は住民も少なく、知名度もパソコンに精通しているオタクぐらいしかなかったのだが、翌2000年に2ちゃんねるの書き込みをまとめたサイト「2ちゃんねる研究」(現在は閉鎖)が登場すると、徐々にではあるが書き込み数が増えていった。中でも、2002年3月に登場した「泣ける2ちゃんねる」(現在は更新停止中)は書籍化されるほど大ヒットし、2ちゃんねるはインターネット上で確固たる地位を築き始めていった。
2004年にニュース速報板から“速報性とは関係のないネタスレ”が分離する形でニュース速報VIP板が誕生すると、その人気に肖ろうと数々のコピペブログが誕生した。中でも、2005年2月に登場した「【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)」の人気は絶大で、一時期2ch管理人ひろゆきのブログにリンクが貼られていたほどであった。
このブログの特徴は、他のコピペブログとは違いブログ管理人自らVIPに現れるということである。そのせいもあってか、VIPPERから妬みや誹謗中傷を受ける羽目になる。当時、管理人は「泣ける2ちゃんねる」や「電車男」同様、将来的な書籍化を熱望する書き込みを行っていた(最終的にその願いは叶わなかった)が、この時のVIP(というより2ちゃんねる)は非常に殺伐としており、VIPPERからの誹謗中傷も「やっかみ」程度のもので特に問題視はされなかった。
しかし、ニュー速VIPブログのある記事を境に状況は一変する。
でも最近はこのブログで紹介したスレの
派生がVIPによく立つようになった
そして良スレでは必ずと言っていいほど
このブログの名前が出てくる
「このスレはニュー速VIPブログに載せる事を許可してません」
「うはwwwwこのスレは絶対にあのブログに載るwwwwww」
どちらかのレスがつく
批判と擁護
どちらにしてもVIP住民はこのブログに注目している
ようやく気付いた
影響を与えていると
厨房流入に関してはたいして気にしていなかったけど
このブログがVIP住民に直接影響を与えてることが
なんか嫌な気持ちになった
たとえそれが良い意味であっても悪い意味であっても
「すべての始まりとすべての終わり」(削除済) http://blog.livedoor.jp/insidears/archives/27435563.html
記事で触れられている「厨房流入」とは、コピペブログの台頭による“厨房”(一般人)のVIPへの侵入を指す。それに伴いVIPのスレ数が急増し、OSのファイルシステムは限界に達していた。そこで、2005年7月21日から導入されたのが「のんびり規制」である。これにより何秒かに1回しかスレが立たなくなったため、VIPPERの間に欲求不満が生じ、その不満の矛先がコピペブログに向けられていった。
この時問題視されたのは、「大手コピペブログ同士の横のつながり」「VIPがコピペブログの影響を受けている」ことである。自分が立てたスレをコピペブログに載せたいがために、コピペブログを意識したスレッドしか立たなくなってしまったことに、業を煮やしたVIPPERが少しずつ怒りの声をあげ始めたのだ。また、アフィリエイトについても様々な噂が流れたが、この件については以下のサイトを参照されたい。
http://d.hatena.ne.jp/kanose/20060205/vipmatomesite
慌てたコピペブログ管理人たちは立て続けにVIPに現れては弁明に終始した。曰く、「面白ければそれでいい」「VIPの魅力をもっとたくさんの人たちに知ってほしい」。そこに、新たな燃料が投下された。大手コピペブログのひとつ「オタク女的らくがきブログ」(通称オタ女)の管理人がアフィリエイトについて「月6万しか儲かっていない」と明言。にも関わらず、上記の噂を信じたVIPPERたちの攻撃に遭いあっけなく撃沈した。この頃、VIPPERたちの間には「ひとつでもいいからコピペブログを潰せば他のブログも潰せるだろう」という意識が芽生え始め、「VIPPERなめたらひどい目にあうお」というキャッチフレーズとともに暴徒化していくのであった。
IT系情報雑誌「ネットランナー」では、毎年12月号にその年話題になったサイトを表彰する「ベスト・オブ・常習者サイト」という企画がある。2005年はニュー速VIPブログが大賞を受賞し、賞金として60万円が贈呈された。この時「金儲け=悪」という図式が誕生したと言ってもいいだろう。この12月号にはコピペブログ管理人同士の座談会形式インタビュー記事が掲載されたが、この中で管理人たちはVIPPERをバカにするような発言を行った。この記事が、後にVIPPER vs コピペブログの勝敗を決定づけるものとなる。
2006年2月、VIPにコピペブログを批判するスレッドが立ち、それをオタ女がブログで取り上げたことから、本格的な抗争が始まった。この時挙げられたオタ女への不評は
さらに、管理人が自身のmixiでアフィリエイト自慢ともとれる書き込みを行っていたことも判明し、「コピペブログ管理人=金の亡者」というイメージがVIPPERの間に強く印象付けられた。また、このスレにはオタ女本人が登場し、「月3万だけどアフィうめぇwwwww」と書き込んだが、自身のブログにコピペする時になぜか「アフィうめぇwwwww」と改竄した。これ以上の騒ぎを恐れたオタ女は、ついにブログを閉鎖した(後に再開)。しかしその後、何食わぬ顔でVIPに登場し、相変わらずな態度を見せつけた。レス改竄については「スレ編集ブログだからね。仕方ないね」。
2006年5月12日、2ちゃんねるのWeb収入板において「大手コピペブログ・ニャー速の管理人は1日10万アクセスで月300万稼いでいる」との書き込みがなされた。真偽は不明だが、このこともコピペブログ管理人のイメージを下げる要因となった。
一連の騒動は、ついにニュース速報板に飛び火する。ここで問題視されたのは
そして、VIPPER vs コピペブログ史上最大の事件が勃発する。
2006年5月23日、ニュース速報板において「Amazonアフィは一度踏むとCookieが丸一日残ってるからな。その時注文しないでブラウザ閉じても、24時間以内なら何を注文しようが基本3%リンク元に収入が入る。これを意外に分かってない奴が多い」との書き込みがなされた。同じ日にVIPに似たようなスレッドが立ち、この中でオタ女のドメインである「otablog.net」をwhois情報で調べると、オタ女の個人情報が判明したのだ。また、オタ女が住んでいる部屋と同じ部屋に以前住んでいたVIPPERが部屋の写真を公開。ここからVIPPERの怒涛の個人情報検索が始まった。
オタ女は個人情報検索は止めて欲しいと懇願したが、VIPPERの中にはオタ女の自宅にイタズラ電話を掛ける輩まで出現し、ついには警察沙汰に発展。家族会議が行われ、2回目のブログ閉鎖。whois情報も更新された。しかし、VIPPERの攻撃は止まず、オタ女の過去のアフィリエイト自慢発言がきっちり洗い出され、VIPPERの怒りをさらに買う羽目になった。また、今回の騒動を一切取り上げない他のコピペブログに対してもVIPPERの疑念が噴出した。この時、2ch管理人(当時)のひろゆきは「2ちゃんになんらかの貢献をすればいいんじゃない」と発言したが、VIPPERから「空気を読め」と一喝され、すごすごと引っ込んだ。
VIPPERの行動は次第にエスカレートし、流出したwhois情報を元に、オタ女の自宅周辺へ突撃する者が多数発生した。ある者は警察に職務質問され、ある者は堂々と実家を訪問しオタ女の両親に怒られるなど、犯罪ギリギリの突撃訪問がVIPに多数書き込まれた。
そして、月300万を稼ぐと言われるアフィリエイトブログ・ニャー速の管理人を中心とするコピペブログ管理人グループ(通称「ブログ連」)の存在が発覚。脱税疑惑が噴出し、税務署への通報が相次いだ。抗争はやがて「ブログ連潰し」へと傾いていく。
その後もVIPPERの攻勢は続き、ブログ連は弁明や“工作員”の投入に躍起になったが、無敵艦隊と化したVIPPERに手も足も出なかった。そして、VIPが誕生して初めてローカルルール(アフィサイトへの転載は禁止)が導入されることとなり、これを機にVIPPERは各ブログへの突撃を開始する。その甲斐もあってか、大手のコピペブログは相次いで閉鎖に追い込まれた。そんな中、ニャー速管理人の個人情報が流出したとして“祭り”になり、慌てて削除依頼が出されたが、2ch運営陣にあっけなく却下された。
一方で新たな燃料が投下された。ニャー速との繋がりが以前から指摘されてきた老舗ニュースサイト「秒刊SUNDAY」の管理人がVIPPERを挑発したのだ。だがそれは、サイトの下の方に背景と同じ色で「氏ねVIPPERども!!!!」と書き込まれた、あまりにもヘタレすぎるものであった。当然、VIPPERに指摘されて「ごめんなさい」と修正したが、その「ごめんなさい」にAmazonアソシエイトがリンクされていたことが発覚。再び指摘されてリンクが外された。
また、今回の一連の騒動がようやくネットメディアに取り上げられることとなり、「ブログ連戦争」は一躍世間の注目を浴びることとなった。
その後、抗争は「内乱」へと化していった。この抗争をまとめたサイトの運営をどうするかといったものであったが、最終的には2ch運営陣が分担するという形で決着した。しかし、このまとめサイトがMovable Typeのライセンス違反をしていたことが発覚し、結局運営側がバックアップを取って閉鎖となった。
その後、一連の抗争について語る者はほとんどいなくなった。また、2ch運営陣がまとめサイトの不正を巡って訴訟沙汰になったという話も聞かない。ただひとつ言えることは、ひろゆき含む2ch運営陣がコピペブログの脅威を思い知った、ということであろうか。
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最終更新:2025/12/07(日) 07:00
最終更新:2025/12/07(日) 07:00
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