紅白歌合戦とは、紅白対抗方式の歌番組である。
一般的に紅白歌合戦というと、毎年12月31日の夕方から深夜にかけて放送される、NHK紅白歌合戦を指す。
その年話題になったアーティストが一堂に集まり歌を披露するというものである。
日本最大の歌番組であり、1953年の開始以降、大晦日・年末の風物詩として日本人の誰もが知っている番組である。
開始から現在に至るまで概ね視聴率は高い。
テレビ放送が始まったのは、1953年の第4回(正確には、同年1月に試験放送的に行われた第3回)だったが、この頃はまだテレビと言えば高級品であり、ラジオで聴取する人が圧倒的に多かった。
が、伊藤久男、ペギー葉山、藤山一郎などの当時の国民的スターが一堂に集った歌番組とあって、既に大人気を得ており、自分の家でラジオをいれずとも、近所からきこえてくるほどだった。
視聴率を始めて計測したのは第13回、すなわち1962年だが、このときの平均視聴率は80.2%。翌年の第14回は何と平均視聴率81.4%を記録。これは、日本放送史上最高の記録である(もっとも、当時視聴率を計測していたのは関東圏のみだったが)。
現代よりもテレビ視聴の人気が高かった時代とはいえ、まさに怪物番組である。
流石に80%を超えたのは、この2年を含め3回のみだが、これ以降も70%台を安定して保持。60%台後半に落ちただけで『凋落』と騒がれるほどだった。
本当に凋落が起こったのは、1986年の第37回から。リアルで見ていた人には『加山雄三の仮面ライダー発言事件』と言えば思い出せるだろうか。
この年の平均視聴率は59.7%。番組史上初の50%台である。
実は、前年の第36回大会も、そのさらに前年の第35回の78.1%という視聴率に対して66.4%と急落していた。
これは、民放の裏番組(特に音楽番組)が次第に充実し、紅白の王座を揺るがすほどになっていたからである。
この急落をうけて、NHKは多ジャンル化を推し進め、当時の人気児童番組『にこにこぷん』からの出演者の応援参加など、現在にも通じる様々な工夫を凝らすのだが、翌年第38回の視聴率は55.2%。
凋落が鮮明になると共に、視聴率回復が困難となってきた。
視聴率が最後に60%台に達したのは、前述の第36回。70%台も同じく、前述の第35回である。
現在は、夕方19時あたりから番組が始まり、21時前後に休憩的なNHKニュースを挟み、再び0時直前(年によっては年越し)まで放送される、といういわゆる2部構成が基本だが、これが始まったのは平成元年=1989年、第40回大会から。
このときは、1部を『昭和の紅白』、2部を『平成の紅白』と銘打ち、放送時間も出場する歌手も一気に倍近くに増やした。
また、出場する面々にも大きく変化を見せ、それまで常連とされていた歌手を減らして新しい顔を揃えたほか、聖飢魔Ⅱなど若者に人気な個性的なアーティストも出場させ、番組のさらなる変化・改革を進めた。
が、ここでとうとう平均視聴率(2部)が47.2%を記録。常連が減ったためか放送が長すぎたためか、初の40%台を記録してしまった。
翌年=1990年からは1部の放送時間がレコード大賞とかち合い、出演歌手の奪い合いが激化するものの、DREAMS_COME_TRUE、B.B.クイーンズ、ポール・サイモン、シンディ・ローパー、久保田利伸、長渕剛など、若者に人気のある面子をさらに充実させ、前年までは出場しなかった郷ひろみ、布施明、橋幸夫などの常連組も一気に再出演させたことで、視聴率は51.5%に回復。
以後、レコード大賞との衝突に概ね勝ち続け、90年代は50%台で安定していく。
また、全編ハイビジョンでの製作・放送も、1990年に始まった。
年間での最高視聴率の座を奪われたのは、安室奈美恵が号泣しつつ復帰ステージを披露した1998年第49回。
57.2%という90年代では最高の視聴率だが、日本代表が初出場を果たしたW杯サッカーフランス大会『日本 - クロアチア』が60.9%を記録したためだった。
これはまあ仕方ないにしても、人気低下が決定的になったのは、2000年=第51回。1989年から11年ぶりに40%台に視聴率が低下し、以後、50%に達することはなくなる。
これ以降は、W杯サッカー日韓大会の試合や『千と千尋の神隠し』のテレビ放映に、年間最高視聴率の座を奪われることも珍しくなくなる。
2002年には、それまでの会場審査に加え、BSハイビジョンデジタル放送視聴者によるデータ投票も開始されたが、翌2003年には、4分間ながらついに裏番組に視聴率で追い抜かれる。
2004年には、とうとう平均視聴率が39.3%、30%台を記録。初期の半分以下である。
視聴者からもう一度聞きたい曲を集め、それを出場者に反映させるという『スキウタアンケート』も2005年には実施されたが、トップ50に2曲がランクインした橋幸夫が出場を逃すなど、結局意味があるのかわからないという結果に終わり、視聴率は40%台に達しつつも、NHKの迷走を露呈することになった。
以後、現在に至るまで、40%を超えるか超えないか、というのが一つの成功の基準となっている。
もっとも、テレビ全体の視聴率が低下している現代の日本において、平均視聴率でこの値をたたき出しているあたり、昔と代わらず怪物番組であると言えるかもしれない。
ちなみに、データ放送による投票開始後は勝敗が一定しなくなっている。
2005年までは、紅白組ともに28勝と一定していたのだが、これ以降白組が6連勝している(最多連勝記録)。
第61回を終えた時点の勝敗は、紅組28勝、白組33勝と、かなりバランスが崩れている。
もちろん、その年の日本の音楽シーンを代表するような面々が集められる。
……はずだが、中には話題になったか?と思うアーティストが出ていることがある。特に2000年代後半からその傾向は強い(例:GIRL NEXT DOOR)。
同じく年末の音楽番組である日本レコード大賞などは、受賞アーティストがエイベックス所属のみになるなど、もはや露骨と言って良いレベルに達しているが、それほどではないにしてもネット上を中心に批判が起こることもある。
もちろん、一般的に知られていなかったが、紅白の出場で一躍注目されるアーティストも最近では多い(例:秋川雅史)。
また、紅白歌合戦に出ることはアーティストにとってとても名誉なことであるが、一部アーティストは様々な理由で出演を拒否している。その理由の一例として、拘束時間が長い、曲に優劣をつけたくないなどがあげられる。
有名な例では、GLAYが彼ら自身の年越しライブのために2000年大会出場を辞退したことがある。また、アーティスト単体でなくレコード会社単位での年越しイベント・ライブも最近では増えているため、人気を得たアーティスト全員を集めることは最早難しくなっている。
白組(司会:嵐) | 紅組(司会:井上真央) |
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あまりにも人口に膾炙した番組であり、歌番組の代名詞的存在であるため、対決形式の音楽番組には、同番組のタイトルをひっぱってきたものも多い。
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最終更新:2024/04/25(木) 08:00
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