神は細部に宿る
例えばさ、ちょっとした質問されるじゃない。そういうのに「こまけぇこたぁいいんだよ!!」って答えるのも確かにかっこいいんだけどさ。気にしなくていい、安心していいっていうのもわかるんだけどさ。でもそういうふうに答えられた質問した人の気持ちってどうなんだろうね。その人が疑問に思った事ってそんなにくだらないのかな。
例えばさ、みんなが盛り上がってるときでも気になることってあるじゃない。細かい事かもしれないけど自分にとっては大切なことだよね。そういうことがないがしろにされるのって悲しいよね。気づいて欲しいよね。
例えばさ、みんなが盛り上がれる事、細かい事を言わなくても通じるもの。あるけどさ。でもそういうものも実は細かいこだわり、細かい気遣いで成り立っているものなんだよね。そういう気遣いのうえにみんなで乗っからせて盛り上がらせてもらってるんだよね。
例えばさ、自分が何かを作るとき。人からすれば細かいっていわれるところにもこだわりを入れるよね。むしろそういう細かいこだわりの方を見てもらいたいことも多いよね。そういうところに気づいてもらえたらうれしいよね。
細かい事はどうでもいいのかな?たまにはゆっくり細かい事につき合ってみるのもいいんじゃないかな?細かいところの違いがそれぞれの違いなんだよ。細かいところが違っているからそれぞれの個性があるんだよ。そういう細かいところに時間をかけて気づいていくことがお互いをわかりあうっていうことなんじゃないかな?おおざっぱに、無理矢理にひとくくりにしていいのかな?
仕事をする。特にコミュニケーションが重要な仕事をする。そういう時に細かい事を伝えられない、細かいところ、細かい疑問に気づけないと後々苦労をすることになる。疑問に思った事はきちんと質問し、質問されたら細かい事でも確認をしておく。この繰り返しが仕事を成功させるためのひとつの鍵になる。もちろん常識的なことや決まっている事もある。しかしそれは細かいコミュニケーションを重ねた上でお互いの了解が十分なされたあとに形成されるものである。通じていない事、確認がとれていないことがあれば細かい事でも確認をとることが大切である。またそれらの齟齬に敏感になりコミュニケーションが必要である事、確認が必要である事項を察知する能力もまた大切である。「なあなあ」や「細かい事を気にする面倒な奴」ですませようとする人間は大抵の場合は後になってから「どうして確認しないんだ」「普通こうじゃないか」と責任をなすりつけてくるが、なんのことはない。自分の認識が甘いだけのことである。
細かい事を気にすることができる人間は、状況を整理しリスクに対して敏感な人間である。もちろんそれがマイナスに働く事もあるが、マネージャ以外の人間がそれを無自覚に抑制する事は仕事の阻害要因となる。
実は仕事に限ったことではない。細かい事の重要性に気づけない人間は物事をステレオタイプに落とし込み自分の価値観、自分の正義を押し付けるタイプの人間なのである。「細かい事は気にするな」「ノリに任せておけばよい」というのは「お前の疑問や個性なんてどうでも良い」「俺の価値観、俺が気に入っているものに従っておけ」ということと同義である。必ず言う。「周りがそうじゃないか」と。しかし今、あなたと対話しているのは私であり、私とあなたなのである。あなたが言う事はあなたの価値観、あなたの発言はあなたの責任なのだ。無意識とはいえ周りを巻き込み、周りに責任を押し付ける卑怯な人間になる危険はいつも対話の隣にある。
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最終更新:2025/12/10(水) 15:00
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