腸閉塞症 単語


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チョウヘイソクショウ

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医学記事 【ニコニコ大百科 : 医学記事】
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腸閉塞症(ちょうへいそくしょう)とは、何らかの原因で小腸や大腸が詰まってしまう、または動かなくなる病気である。

別名イレウス。単に腸閉塞と呼ぶこともある。

概要

何らかの原因で小腸や大腸の蠕動運動が妨害され、内容物(消化された食べ物など)がうまく流れなくなる病気のこと。

異物や寄生虫、腸管の激しい炎症、癌(悪性腫瘍)などにより腸管が詰まってしまった状態(機械性イレウス)と、腹部の手術後の後遺症や医薬品の副作用などにより腸管が動かなくなってしまった状態(麻痺性イレウス)に分けられる。

消化管(消化器)の病気としては危険度が高い部類に入り、特に絞扼性イレウスと腸間膜動脈閉塞症では手術を含めた緊急治療が必要となる。

分類

機械性イレウス(機械的イレウス)

単純性イレウス(閉塞性イレウス)

異物(食べ物、大便の塊など)や胆石、寄生虫などが原因となって腸管が詰まってしまう病気。進行した大腸癌(大腸がん)の合併症として起こることもある。

また、重症型の大腸炎によって腸管が狭くなってしまう状態(腸狭窄)も単純性イレウスに含まれる。腸狭窄の主な原因としては潰瘍性大腸炎、クローン病、虚血性大腸炎、大腸憩室炎、偽膜性大腸炎、細菌性大腸炎(腸管出血性大腸菌O157、赤痢菌、カンピロバクター等)、腸結核、アメーバ赤痢などがあげられる。特殊なケースだが、稀に子宮内膜症が腸管に発生し、腸狭窄を起こすこともある。

複雑性イレウス(絞扼性イレウス)

腸閉塞の中でも特に危険なタイプである。

腸管自体の形状が物理的に変形してしまい、それによって腸管だけでなく腸の血管も詰まってしまう(腸に血液が流れなくなる)。そのため緊急で治療しなければ腸が腐ってしまい(腸壊死)、大量出血(下血)や腸穿孔(腸に穴があくこと)、急性腹膜炎、敗血症などの重篤な合併症を起こして死亡することも少なくない。

腸重積症(腸と腸が重なってしまう病気で子供に多い)や腸捻転症(腸が捻れてしまう病気)、鼠径ヘルニア嵌頓などが原因となる。

(子供の腸重積の初期に限り手術せずに治せることもあるが)絞扼性イレウスでは基本的には入院と緊急手術が必要となる。

麻痺性イレウス(機能的イレウス)

何らかの原因で腸管が麻痺して動かなくなり、(腸管が実際に詰まっているわけではないが)擬似的に腸閉塞を起こす病気。特に急性虫垂炎や重症型の潰瘍性大腸炎、卵巣がん(卵巣癌)などで腹部の手術を受けた後に起こることが多い。

また、急性腹膜炎や中毒性巨大結腸症、医薬品の副作用、鉛中毒、代謝の病気(低カリウム血症、高カルシウム血症等)などが原因となることもある。

一般的に麻痺性イレウスは絞扼性イレウスほど危険度は高くないとされているが、例外として腸間膜動脈閉塞症は非常に危険であり緊急手術が必要となるので注意が必要。

腸間膜動脈閉塞症「脳梗塞・心筋梗塞の腸管バージョン」と呼ばれるような非常に重大な病気であり、腸の血管が血栓などで完全に詰まってしまい血液が流れなくなる病気。進行が非常に早く、すぐに治療しなければ小腸が壊死して敗血症などの合併症を起こして死に至ることも少なくない。また、死亡しなかったとしても手術によって小腸の大部分を切除していることが多く、(食事によって水分や栄養分を吸収することができなくなり)一生点滴を受けなければならなくなることもある。

症状

強い腹痛と嘔吐が主な症状である。

腸が詰まってしまうため重度の便秘を伴うことが多い。ただし大腸炎による狭窄では下痢になることも多く、絞扼性イレウス(腸重積症など)や腸間膜動脈閉塞症では進行すると腸管から大量に出血するためトマトケチャップのような粘血便が出ることもある(下血)。

腸閉塞では酷い場合、大便(うんこ)が全く出なくなることもあり、その場合は嘔吐物に胆汁が混じってうんこのような色になることもある(汚い言い方になってしまうが、口からうんこを吐くような状態になる)。また、嘔吐物のにおいもうんこのようなにおいになる。

複雑性イレウス(絞扼性イレウス)と腸間膜動脈閉塞症では非常に激しい腹痛が起こり、発熱、頻脈、血圧低下を伴うこともある(発熱は腸管で炎症が起こっている証拠である)。大至急で治療しなければ敗血症などを併発し非常に危険な状態となる。

麻痺性イレウスは腹痛が比較的軽めで進行が緩やかであるとされるが、逆に言えば早期発見が難しい(軽い腹痛だと思われがち)ので注意が必要である。

治療方法

絞扼性イレウスや腸間膜動脈閉塞症のような(血行障害を伴う)緊急性が高い疾患を除き、基本的には保存的治療(手術なし)で対応する。

入院して絶食し、点滴によって水分や栄養分を補給する。これで治れば良いのだが、状態が改善しない場合や再発するような場合は手術が必要となる。

血行障害を伴うイレウスの場合は緊急手術が必要である。

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