近畿日本鉄道とは、日本で営業路線距離の最も長い私鉄である。通称は「近鉄」。
名前の通り近畿地方を中心に、愛知・三重・奈良・京都・大阪の2府4県(2007年9月までは岐阜県も走っていた)にまたがって走る鉄道を管理する会社。
もっとも「近畿」とは言っても、北近畿や和歌山にはノータッチである(ただし戦時中は国策で南海と合併させられていたため、和歌山も営業エリアに入っていた)。
総営業距離は508.2kmになり、これは全私鉄の中で最長。同じく近畿圏の大手私鉄である阪神電鉄(相模鉄道を除いては全大手私鉄中最短の営業距離)と比べるとその距離は10倍以上である。
営業収益における鉄道依存率は約65%と、関西私鉄の中ではもっとも高い。
路線の長さゆえか輸送密度は関西私鉄最低で、阪急電鉄の5分の1程度である。
基本的に鉄道事業の運営自体は良好で、路線の多くは、競合路線がないか他社が注力していないエリアであるため、安定して利益を上げている。
特に三重・奈良は、最早近鉄の天下といっても過言ではない。
もっとも、ここまで拡大したことでそれ相応に巨大な負債を負っているため、大阪近鉄バファローズを手放したり何だりといった対策をとらなくてはいけない状況が続いている。
自己資金比率・経常利益率の数字だけで見てみると、関西大手私鉄中どん底の経営状態である。例えば2012年3月期連結決算においては、売上高約9,428億円に対して経常利益は約272億円であり、経常利益率は3%に満たない(売上規模の相違はあるものの、他の在阪大手私鉄は概ね5~10%を計上している)。さらに鉄道の利用客減に歯止めがかからない状況から、2012年3月期のダイヤ改正では計4.8%減となる運転本数の大幅削減を行った。
それでも、近鉄百貨店本店を、横浜ランドマークタワーを抜く日本最高の高層ビルに建て替えるなど、大胆な金遣いを続けている。
略称は今でこそ近鉄が公式となっているが、当初は近鉄(おうてつ)と略される近江鉄道が既に存在していたために、近日を公式な略称としていた。しかし、近鉄という略称が広まっていったことから、新球団設立時に球団名を近鉄パールスとしたり、百貨店を近鉄百貨店としたりしていた。
それでも本業の鉄道については、社名がつく駅名はしばらく近畿日本○○としており、近鉄○○となったのは1970年になってからとかなり遅かった。
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最終更新:2025/12/06(土) 01:00
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