順位戦とは (ジュンイセンとは) [単語記事]

順位戦とは、将棋の棋戦である。

概要

棋士が5つのクラスに分かれ、1年間かけてリーグ戦を戦う。名人とフリークラス(後述)の棋士は参加しない。名人とA級優勝者が名人戦七番勝負を行う。

所属クラスによって給与や対局料、他棋戦のシード権などに大きく影響するため、棋士にとって重要な棋戦である。また、順位戦の昇級による昇段規定が存在する。

前期リーグの成績により所属クラスと順位が決定する。新人棋士は原則C級2組に所属する。

1年に1度しか昇級できないため、棋士になってから名人になるまでに最短でも5年かかる。4年でA級昇級は中原誠十六世名人、加藤一二三九段の2名。5年で名人になった棋士は存在しない。最年少A級は加藤一二三九段の18歳、最年少名人は谷川浩司九段の21歳である。

A級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組の5つのクラスと、順位戦不参加のフリークラスから成る。

各クラスの規定
クラス	定員	リーグ戦	昇級	降級	持ち時間	昇級による昇段
A級	10名	総当り戦	名人挑戦1名	降級2名	6時間 1分未満切り捨て	八段
B級1組	13名	総当り戦	昇級2名	降級2名	6時間 1分未満切り捨て	七段
B級2組	定員なし	10戦		下位2割に降級点 2つで降級	6時間チェスクロック使用	六段
C級1組				下位2割に降級点 2つで降級		五段
C級2組			昇級3名	下位2割に降級点 3つでフリークラス陥落
フリークラス		(不参加)	(後述)

A級の最高成績者が名人への挑戦権を得る。勝数が並んだ場合はパラマス方式によるプレーオフが行われる。

B級2組、C級1組は降級点2つで降級、C級2組は3つで降級する。リーグで勝ち越しまたは2期連続5勝5敗で降級点が1つ消える。ただし、C級2組の1つ目の降級点は昇級または降級しない限り消えない。

毎年4月に全クラスの抽選が行われ、対局者と先手・後手が決まる。

全棋戦で最も持ち時間が長く(タイトル戦の番勝負を除く)、日をまたいで終局することが珍しくない。

フリークラスの棋士は順位戦に参加しない。「宣言によるフリークラス棋士」「その他のフリークラス棋士」の2種類があり、制度上大きく異なる。

B級1組以下の棋士が「フリークラス宣言」して転出する。一度宣言をすると順位戦に復帰することはできない。他の棋戦には参加できる。規定の年数に達すると引退となる。

宣言以外の方法でフリークラスに編入される。C級2組からフリークラスへの陥落、奨励会三段リーグで次点2回によるプロ入り、プロ編入試験によるプロ入りがこれに当たる。

10年以内または60歳までに規定の成績を挙げると次期の順位戦にC級2組から出場できる。