名人戦(めいじんせん)とは、将棋のタイトル戦である。タイトル保持者は“名人”と呼称される。
毎日新聞社と朝日新聞社が主催。毎年4月から6月にかけて、名人と挑戦者(A級順位戦の優勝者)による七番勝負が行なわれる。8つのタイトル戦の中で最も歴史のある棋戦であり、持ち時間はすべての棋戦の中でも最長の9時間(2日制)。名人は竜王と並び将棋界で序列1位として扱われ、免状に署名をしたりと将棋界の代表として活動することになる。八段の棋士が名人位を獲得すると九段に昇段する。なお、A級昇級時点で八段になるので、七段以下の棋士が名人に挑戦することはない。
名人を通算5期獲得すると“永世名人”の資格が与えられ、引退後は“〇世名人”と呼称されることになる。
現在の永世名人は木村義雄、大山康晴、中原誠。永世名人資格者は谷川浩司、森内俊之、羽生善治。
実力制名人が制度として導入されてから、名人位経験者は”第〇期名人”の表記の他、獲得順に“実力制第〇代名人”とも表記される。現在の渡辺明は実力制第十五代名人となる。
また、これとは別に名人を通算3期、または抜群の成績で通算2期獲得した70歳以上の棋士には称号としての“実力制第〇代名人”が与えられる。これは、将棋史上に残る多大な功績を残すも永世称号の獲得はならなかった升田幸三を称えるために作られた称号で、創設時既に同条件を満たしていた塚田正夫にも追贈されている。
この称号は、大棋士と言える人物であってもあくまで条件を満たした棋士にしか与えられない。功績は多大であったが名人獲得は1期にとどまった加藤一二三や米長邦雄には授与されていない。故に加藤は順番としては実力制第六代名人であるが、称号(肩書)としては九段である。また、他の永世称号・名誉称号があれば肩書にはそちらが優先されるようで、塚田正夫の称号は名誉十段となっている。
現在少なくともこの称号を得ることが確定している現役棋士は、永世名人資格者を除くと佐藤天彦(3期)のみ。
他に佐藤康光と丸山忠久も2期獲得しているが、抜群の成績という条件を満たしているかがわからないため、現時点では不明である。なお、佐藤康光は永世棋聖の資格を有するため、仮にこの称号を得たとしても肩書はおそらく永世棋聖となると思われる。
江戸時代の将棋の名人は世襲制だった。その後、明治から昭和初期にかけての名人は名誉称号としての終生名人制となる。しかし、十三世名人の関根金次郎が実力制名人を提案して、1937年から名人戦が始まる。そのため、永世称号は十四世名人(木村義雄)からである。
最初は毎日新聞の主催だったが、1950年から1976年までは朝日新聞が、1978年から2007年までは再び毎日新聞が主催となり、2008年からは毎日・朝日の共催となっている(主に契約金の問題)。1977年は主催の移行問題でゴタゴタしていて開催されず、代わりに“特別名人戦”が開催された(大内延介が優勝)。
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最終更新:2023/03/24(金) 19:00
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