魔神(とある魔術の禁書目録)とはライトノベル「とある魔術の禁書目録」に登場する用語である。
SS2巻のオッレルス、22巻でのオティヌスという現存する魔神格の存在が露見して注目された言葉だが、実は用語自体は「とある魔術の禁書目録」の第1巻から出ている。
魔族の神や魔界の神ではなく「魔術を極めた末に神様の領域に到達した者」の総称。
とあるシリーズの世界全体に影響を及ぼす程の強大な力を有しており、いとも容易く世界を改変・消滅させたりと、並の魔術師とも一線を画す、色々と規格外な存在。
オティヌスやネフテュスなど、中には神話上の神格と同名の者も居るが、確認出来る限りでは本物である。
魔神になる為には色々と手順を踏む必要があるらしく、オッレルスは魔神になるチャンスを逃している。
魔神達は無限の容量をもつ。世界にはキャパシティつまり容量が設定され、魔神はその世界の容量を超えてしまう程の力を有するらしい(本人たち曰く、魔神とは無限の容量を持つ存在)。
そんな強大な魔神からすれば世界などは砂上の楼閣に過ぎず、さながら薄氷にも例えられるほど脆かった。
その高すぎる容量ゆえ、本人(とても人とは言えないが)が意図せずとも、ただそこに「在る」だけで否応無しに世界に影響を与えてしまう。
それこそ世界に顕現する際には、バタフライ・エフェクト理論のように「自分達が現れた影響で世界の裏側で竜巻でも起こっていないか」などという話を大真面目に危惧しなければならないほどに。
無限の力を保有する魔神がいると「世界の許容量」が限界を迎え、世界の方が粉々になってしまう。だからこそ、魔神は別位相(禁書における異世界)にこもっているらしい。
世の中にはどうしようもない運命というものがある。個人の選択を超えた強大なレールというものが。
じゃが結局はそれも、人間の預かり知らぬ所で『魔神』と『魔神』の意見がぶつかり合っているからに過ぎぬ。いいや、そもそも。儂ら『魔神』には特定の個人を害しようなどという気概はない。というより、ちっぽけな惑星にしがみつく個人など視界に入らん。それでも儂らの行動は常に外界へ影響を与え、世界を大きく動かしてしまう。困った事にな。
新約とある魔術の禁書目録 13巻P55 魔神「僧正」の発言を抜粋
魔神は「運命」のレールを敷くことによって1から世界を創り、望んだ世界を得る事が出来た。
しかし幸福の定義、各々の宗教観、一つ一つの考え方が相容れない魔神たちの内輪揉めの結果、結局は影響を受けるのは世界の方であった。
魔術師なら多かれ少なかれ位相に干渉するものだが、魔神は強力すぎる故に大きく干渉してしまい、その衝突によって生じる「火花、飛沫(不幸な運命)」で知らずのうちに人を死に追いやってしまう。
魔神は世界に必要以上に干渉することを良しとしない。しかし、リソースの奪い合いは発生しており、膨大な世界(キャンバス)をどう塗り替えるか、どう導くかという方向性を決めあぐねた。
そのため、魔神による魔神のための評議会『グレムリン』を結成し、世界を操る評議会の採点者を欲した。
魔神「僧正」の考えでは、それが上条当麻であり、幻想殺しすら彼の付属物に過ぎないのだとか。
上条は自分たちの採点者として在るべき存在だった。幻想殺しの世界の修復点・基準点と言う側面も、魔術師の身勝手な願いが本質に収束された結果に過ぎない。
僧正ら魔神は、上条は魂魄から既に「神浄の討魔」で腕なんてその付属物であったと、そう認識しているらしい。
オティヌス以外は新約13巻で理想送りによって新天地に飛ばされている(厳密に言えばネフテュスも分割状態とはいえ現世に残ってはいる)。
未登場の『真のグレムリン』メンバーの殆どは新約17巻で登場。ゾンビ少女は犠牲になったのだ…。
作中で初めて出た魔神。容姿は金髪隻眼、露出が多い少女。
正体は北欧神話の主神「オーディン」。また新約9巻以降のヒロイン格である。
作中で初めて出た魔神であるこの少女は、それまでのパワーインフレの均衡を置き去りに、世界の創造・破壊・改変を一瞬でなし得るだけの力を行使し、世界でただ一人残した上条にトラウマを植え付けた。
→詳細は「オティヌス」を参照。
老人の魔神。日本仏教の魔神である。容姿はミイラ。
平安の折、唐より帰国した弘法大師・空海によって日本仏教に新たな息吹を吹き込んだ革新的宗派「真言宗」。
厳しい修行の末に、人が一代で悟りを開き、六道を外れ、仏と認められた末に祀られる仏格「即身仏」。
ただし厳密には即身仏の要件を“信仰面以外”全て満たした、成り損ないの仏様らしい。
→詳細は「僧正(とある魔術の禁書目録)」を参照。
古代エジプト・ヘリオポリス創世神話の女神。体に包帯を巻いている。
元ネタでは「ヘリオポリス九柱神」の一柱。アヌビス神の母、セト神の嫁、イシス神の妹である女神。
→詳細は「ネフテュス」を参照。
元ネタ通りなら不倫、NTR、近親相姦と中々アレな神様。というか恰好から既に
ほぼ間違いなく中国・道教の神仙思想を具体化した仙人様。
彼女に関しては「尸解仙」とでも言えば伝わり易いだろうか。by地の文
→詳細は「娘々(とある魔術の禁書目録)」を参照。
新約10巻で名前が判明したブードゥー教の「ゾンビ」。作中での通称はゾンビ少女。
「鏡合わせの分割」という術式を開発したが、新約13巻で木原脳幹の対魔術式駆動鎧にやられてしまう。そのため彼女は新天地には送られていない。禁書伝統の出落ち改め、出落ち未満キャラである。
新約10巻で名前が判明したギリシャ神話の怪物「キメラ」。本人は新約17巻で登場。
美を追求するあまり肉体改造に手を出しており、合成獣のような姿で描かれるのもこれが原因である。人間はその姿を見ようとしても脳が理解することを拒み、視界が点滅する。
また、同じように魔神以外は言葉を理解することも叶わず、人間には不安定な金属音に聞こえる。声は思い浮かべるだけで吐き気がするらしい。
娘々が言うには「徳の低い人間は見ただけで魂を焼かれる」とのこと。
新約13巻で左腕のみ登場したケルト神話の軍神「ヌアダ・アガートラーム」。
新約15巻で外見だけ似せた偽物、新約17巻で本人が登場し『ダルヴ=ダオル』を披露。何億何兆にも及ぶ「神(ヌアダ)の銀の義手の隙間から、肩の傷に潜り込んで血肉を喰らった蟲」のことである。
「不遜にも神の血肉を喰らった蟲だ。無罪放免するほど私の天秤は甘くない。口にした分だけ働かせねば等価交換に反するだろう」
放たれた蟲達はヌアダが操り、ビルよりでかいサイコロやスタジアム球場よりでかいコインや巨大カードなど、様々な形状に寄り集まる。それらの破壊力も凄まじく、ビルを潰したり切り裂いたり、空から降り注いだ隕石じみたコイン(蟲)が学区全体をクレーターにしかねないほど。
形状がヌアダに由来しないギャンブル関係なのは、娘々いわくヌアダ本人がギャンブル感覚の遊びで攻撃しているからなんだとか。
ローマ神話の豊穣神。名称のみ新約13巻、外見を似せた偽物が新約15巻、本人は新約17巻で登場。
新約17巻にて惑星規模の神罰を使用。太陽を覆い隠し、世界全土をマイナス六十度の極寒の地にするという。一言で言えば人口氷河期発生魔術である。
ギリシャ神話とローマ神話の習合(彼女の場合ペルセポネーとの同一視)から、彼女が冥王に連れ去られた時、母である豊穣神が怒り、地上を「冬」にしたことに由来する。ちなみに神話上では、禁書におけるプロセルピナが地上に戻った際に母の喜びが地上に満ちた。これが「春」という季節である。
新約13巻で名前のみ、新約15巻で外見だけ似せた偽物、新約17巻で本人が登場。
アステカ神話の太陽神だが、彼は神話に語られる本物ではない。元は大航海時代、神話に謳われるケツァルコアトルと認識されたスペイン人に対抗するために、アステカ人が作り上げたテスカトリポカ。
ただし、性質は本物と同じで世界創造を実行に移すだけの力も持っており、人類抹殺に走ったという。故に、彼は本物と同じように太陽神・死神と呼ばれた。
これ以前、新約10巻でマリアン=スリンゲナイヤーがダインスレーブを使用し、アステカ神話の位相から食人獣オセロット(テスカトリポカが化身した姿)を請来している。
新約17巻で登場。元ネタはクトゥルフ神話。
クトゥルフの創始者である「ハワード・フィリップス・ラヴクラフト」が小説執筆の際に原典としていた資料に登場するが、フィクションとノンフィクションがごっちゃになりすぎた結果、もはやどこからどこまでがラヴクラフトなのかわからないという変な魔神。
人間では正しく意識できず、上里からは黒いクレヨンで描かれた人形のように見えたという。その攻撃も同様、魔神以外では認識すらできない「何か」を操る。
オティヌスは魔神達から「失敗」だったと言われている。
まず、彼女達とオティヌスの違いとして以下のような事が挙がった。
娘々:でもさー「僧正」。「ゾンビちゃん」が持ってきた理屈って、ようは合わせ鏡でしょ?わたし達の「力」を無限に分割する事で意図して弱体化を促し、手足を振り回しても世界ってヤツが壊れないようにする。
娘々:いやあ、∞って記号をいくつ分割しようが本当にきちんと弱体化出来るのかねってハナシ。やだよー、一歩踏み出した途端にステンドグラスみたいに世界が粉々になるだなんて。わたし達はさ、「オティヌス」なんかとは違うんだから。
新約とある魔術の禁書目録12巻「世界の許容その限界」より一部抜粋
つまり、オティヌスは彼女が言う「無限」の容量を持つ存在ではないのである。
魔神に至るためには文字通り魔術を究める事が前提条件である。
自身の弛まぬ努力・研究を昇華させ、膨大な知識を頭に叩き込んでおく必要がある。または禁書目録の【10万3千冊の魔導書】をフル活用し、魔神の力を手に入れるというのが近しい道とされてきたのだが…。
ただ、それには読んだだけで廃人となる魔導書の『原典(オリジン)』を何万冊分も頭に入れる事になる。故に自動書記モードのインデックスこそが魔神に近かったらしい。
それが「本物の魔神」かどうかはともかくとして、理論上インデックスは自身の10万3000冊をフルに使用すれば、世界の理を捻じ曲げる存在にもなれた(新約8巻、魔神オティヌス編に入ってもこの設定は健在)。
そういう意味で、作中の世界における魔神とはキリストや仏陀のような分かりやすい「神」というわけではない。
10万3000冊の魔導書を全て理解し、世界の理を歪めるほどに魔術を追究し、遂には人間の範疇を超えて神の領域にまで脚を突っ込んでしまった存在。それこそを『魔神』と呼称する。
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最終更新:2025/12/14(日) 22:00
最終更新:2025/12/14(日) 22:00
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