あぶくま君 単語

ジショウヒガシニホンダイシンサイデコジニナッタアブクマクンガカイタウソマンガ

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フィクション

この作品はフィクションです。作中の「あぶくま君」は実在しません ですが、作者は(おそらく意図的に)はぐらかしてため、事実と勘違いする人が続出しています。事実として拡散しないでください

あぶくま君とは、Twitterに投稿されている漫画作品『15才の時に東日本大震災で家族を亡くし、天涯孤独の身になり東京でホームレスになった話』の主人公および、その物語を実話と装って投稿している作者である。

直接的な本人は存在しないと作者本人が認めました。

現在までにその75(11話冒頭)までがTwitterに投稿されているが、それ以降は電子書籍配信サイトで閲覧可能。

まずは以下から読んだ方がよい。

一桁話数以内で違和感に気がつけた人は見事です。最後まで違和感を感じなかった人はこの記事とリンク先の検証を読み深めて、今後同様のケースに騙されない教訓としましょう。

概要

15才の時に3.11東日本大震災で家族、親戚を全員失い孤児になりました。その後16才で東京でホームレスを経て現在に至ります。震災の記憶を風化させないために当時の事を漫画で発信していきます。みなさんに当時の様子を知っていただけたらと思います。なお、内容は特定を避けるためにフィクションを入れています。

Twitterプロフィールより 

※太字は2022年4月以降に加筆されたもの

東日本大震災10周年を前にした2021年2月15日より投稿されている体験記。東日本大震災で被災し、過酷な避難所生活の中で心に傷を負い、家族の死を悟り孤児となり、その後半年のホームレス生活を経て、東京で暮らすまでの日々を描いた作品。

震災事情に詳しい人や勘のいい人ならすぐフィクションだとわかる内容であるが、当初はあたかも実体験であるかのように、投稿・拡散されたために、その壮絶な半生に多くの人々が騙され、驚愕し、1万以上のいいねを集める大反響を集めた。

現在75話まで投稿されており、同年10月3日の逃亡休載を挟んで、2022年5月1日に連載を再開、2話投稿の後に再び逃亡休載していた。しかし、同年12月21日にebooks.japanで配信された11話に描き下ろしがあることが確認され、電子書籍配信限定で

話の大まかな以下の通りとなっている。

(編タイトルは記事作成者命名のもの ()内はTwitterの話数、[]はebooks.japan版の話数)

南相馬市被災編(その1~12)[1~2話]

卒業式の最中に大地震に遭遇してから、避難所移転で東京に移動するまでの避難所生活を描く。

地震で壊滅した街並み、混乱で麻痺状態の市役所、劣悪な避難所生活、跡形もなく消え去った自宅、連日避難所に運ばれてくる遺体など、公式記録とは大幅に矛盾する極限状態の避難所生活が描かれている。その中であぶくまは、心身を病み、精神的に追い詰められていく。やがて家族の生存を諦め、もうこの世にいないと決めつける悟る。そして関東への避難所移転の際、当時数多くの自治体が避難所を開設していたにも関わらず、受け入れ先が決まらず、避難生活に嫌気が差したあぶくまは、あてもないまま東京の街へと繰り出した。

東京ホームレス生活編(その13~26)[3~4話]

東京での半年間のホームレス生活を描く。

行くあてもなくガード下で寝た翌日、ホームレスのおじさんと出会う。区役所や警察に頼ることなく、おじさんについて行き、そのままホームレスへと身を落とした。入場料の要る新宿御苑に段ボールハウスを構え、炊き出しや廃棄弁当で食をつなぎ、日給2000円の「タチ」(看板持ちのこと。ゲイカップルの攻めのことではない)の仕事に就くなどしながらホームレスとして生活する。避難所生活よりも充実した生活やホームレスの人々の人情に触れたことにより、心の平衡を取り戻して行く様子が描かれている。半年後、おじさんの紹介で、住み込みの仕事を探している知り合い(後述の反社社長)を紹介してもらったことにより、ホームレス生活に終止符を打つ。

東京反社就業編(その26~39,48~51,61~69)[5~10話前半]

ホームレス生活から脱却し、反社社長の下で住み込みで働く生活を描く。

新宿御苑を去ったあぶくまはどう見ても反社な強面の男の下で24時間住み込みで働くこととなった。窃盗債権の回収や、2chの掲示板を訊きながらやったホームページ制作、研修なしの深夜の警備業など、労基と警察がすっ飛んで来るような違法で多様な業務を経験していく。一方で、被災者なのに今更知った被災地の被害状況や、被災者への差別、慣れない都会の空気や身寄りのいない孤独感に苛まれ、傷心する様子が描かれる。反社社長の下で働くことに一時疑問と不安を抱くものの、結局は現状がいいと納得して働き続けた。

回想編(その40~47,52~60)[7~8話]

震災前日の前震や、家族、友人やガールフレンドと過ごした、震災、ホームレス一切関係ない震災前の他愛もない日常を回想する。

震災前日に南相馬市では観測されなかったはずの大きめの前震があったことが語られる他、家族との日常、友人のヒデくんとガールフレンドのカエデちゃんと打ち込んだ卓球部やカエデちゃんとのデートの思い出など、心底どうでもいい回想が語られる。

それどころか回想する程大切な存在なのに、安否を深追いせずにあっさりと生存を諦める、あぶくまの人でなしぶりが際立っている。

2013年編(その70~75)[10話中盤~11話]

ネタ切れにより唐突に2年経過する。

震災から2年経過しても、反社社長の下で働く日々を続け、故郷の南相馬市には東日本がなくなるというデマを根拠に一度も帰郷しなかった。持ってないと言い訳するために、震災時に持ってた携帯電話を棄て、川口市に引っ越して心機一転するも、突然解雇を言い渡される。

現段階で描かれているのはここまでとなっている。

反響

ひろゆき
非常時はホームレスの方が義務教育より役に立つと紹介。
作中の何を根拠に義務教育が役に立たなかったと言ってるのか意味不明である上、ホームレスのおっさんは行政の支援を受ける機会を奪い、ホームレスに引き込んで余計な負担を強いた存在であるため、ひろゆきが作品をこの作品をよく読んでないことは明白。
朝日新聞Globe+

震災の壮絶体験を漫画化 15歳で家族失い、ホームレス…謎の投稿主あぶくま君に会う:記事リンク

関根和弘記者執筆の記事で特集される。あぶくま本人がインタビューに答え、根拠のない誹謗中傷に晒されている現状を語り、作品で語った南相馬市で被災し、ホームレスになったことは事実であることを強調した。全部嘘だったのだが。

その他、田中圭一氏や加藤マユミ氏等多くの漫画家やインフルエンサーが感想を寄せ、あぶくま君の名はデマとして多くの人々に拡散された。

登場人物

作中の登場人物

あぶくま君
南相馬市第一中学校卒業生 被災当時15歳(連載開始時25,6歳)
作中では眼鏡をかけた、擬人化したシロクマの姿で描かれている。4話のみ「ふみお」と呼ばれているが、これが本名なのか不明。
卒業式の際に震災に遭遇、家族と音信不通になり、震災の大混乱と、劣悪な避難生活の中で精神を病み、感情を失っていった。その中で音信不通となった家族の死を決めつける悟る。その後、東京の避難所へ移転する際に、受け入れ先が決まらないことに嫌気が差し、嘘をついて逃げ出すように東京の街に繰り出した。行く当てもなくガード下で寝た翌朝に後述のホームレスのおじさん出会い、彼の誘いに乗ったことでそのままホームレスとなった。半年のホームレス生活の後、おじさんから後述の反社社長を紹介され、以降は反社社長の下で住み込みで働きながら、2年以上東京で過ごした。南相馬市にはデマを根拠に一度も帰郷することはなかった。
家族を全員亡くして感情を失ったり、東京で疎外感を感じて落ち込んだり、半年経って知った被災地の惨状に涙したりと心に深い傷を負っている。その一方で中学時代を思い出してアヘ顔笑顔になったり、朝食に思いを馳せてよだれを垂らしたりと気持ちの切り替えが早い。成り行き任せで動くも、ホームレス生活をあっさり受け入れて順応してしまう、高い適応力を持ち合わせている。
また、すぐに割り切れる性格であり、家族や親戚、親友、恋人の安否を深追いせず、あっさりと諦めたら、「辛い思いはガラケーと一緒に棄てて」という理由で震災前の数少ない思い出の品である携帯電話を無いと言い訳できるように、苦悩しつつも、あっさりと捨てている。
見ず知らずの人の誘いに安直に乗ったり、バイトの相場や給与明細を知らなかったり、違法な業務に対して罪の意識がなかったり、「飛ぶ」=「行方をくらます」の慣用表現を知らなかったりと、物知らずで一般常識や法律、制度に疎い節がある。
あぶくまの家族
母、姉、実弟(2歳)、甥(姉の息子・4歳)甥より年下の実弟がいるという特殊な家族構成の一家。震災後、音信不通になり、あぶくまに死んだことにされる。父は震災前に事故死した模様。姉は離婚して母子家庭となっている。役所を通じて警察に相談したものの遺体は見つかっておらず、現在も行方不明扱いであることがインタビューで判明した。つまりタイトルの「家族を亡くし」は嘘。
あぶくまの親戚
あぶくまが避難所移動の際に、職員から逃げ出す際の方便に使われたのみで、家族構成や住所等は一切不明。インタビューで何故か音信不通となっており、生死不明だと判明した。つまりプロフィールの「親戚を全員失い」も嘘。
ホームレスのおじさん
区役所、警察署は頼りない(インタビューによると被災地に帰されるから)という理由であぶくまをホームレスに引き入れた極悪人中年の男性。入場料がいるはずの新宿御苑に住み着いており、あぶくまにホームレス生活のノウハウを教え、日給2000円の半分以上ピンハネしているバイトを斡旋した。元は運送会社経営者だったが、ギャンブルにハマり、会社の金を横領したことにより全てを失った。自業自得。ギャンブル依存症を患っているようで、ホームレスになっても稼いだ金をパチンコに費やしている。あぶくまがホームレスになって半年後、「ここにいるべきでない」と引き入れた分際であぶくまを後述の社長に紹介して送り出した。
反社社長
ホームレス生活を終えたあぶくまを引き取ったどう見ても反社な強面の男。あぶくまに仕事と住居を与えた。「喰うか喰われるかの世界」で生きていると自称していることから少なくとも半グレアウトローであると推定される。すぐに怒鳴り散らしたり、暴力を振るったりと短気で粗暴な性格だが、孤独の身であるあぶくまの身を案じて気遣っており、不器用ながらも根は人情深い性格である。また、理不尽な差別は容赦しない性分であり、福島差別を作中に盛り込むためだけに登場した連れの女性があぶくまに対し、「放射能が感染る」趣旨の発言した際は、激昂して彼女を殴打している。本人の普段の仕事内容は不明だが、あぶくまには、窃盗債券の取り立て、ホームページ制作(「2chの質問箱」で訊きながら制作)、深夜の警備業(研修なし、未成年の就業は違法)など違法な多様な仕事を斡旋していた。読書が趣味らしく、時折、偉人の格言を引用した発言をしている。2年程あぶくまを雇い続けるが、違法な仕事に就かせた挙句、就学の機会を奪った分際であぶくまの将来を案じて、遂に解雇を言い渡した。
見た目や言動から読者からニセジマに呼ばれている。
彼とあぶくまを描いたイラストをゲイ向け同人誌作家がTwitterに投稿しており、あぶくまはこのイラストを唯一いいねしている。
ヒデ君
あぶくまの中学入学前からの友人。尺稼ぎのために急遽登場した。あぶくまを卓球部に誘い入れた。震災当日は一緒に帰る予定だったが音信不通になっている。なお、1話であぶくまに話しかけている人物と同一かは不明。あぶくまとの一緒に帰る約束を破ってない限り、ほぼ確実に生存している。
カエデちゃん
1学年上の卓球部の先輩にしてあぶくまのガールフレンド。尺稼ぎとリア充自慢のために急遽登場した。彼女の誘いをきっかけにあぶくまとダブルスを組み、その後交際に発展した。デート中に先輩と呼ばれてキレる。あぶくまに自分と同じ高校に進学するよう提案したが、あぶくまはいわき市の高校に行くと決めていたため、叶わなかった。震災後、ヒデ君と同じく音信不通になる。なお、あぶくまがいわきの高校に行く設定は、無断転載したTwitterのベッダー画像がいわき市のものだったことを有志に指摘されたため、急遽設定した説が濃厚。
運送会社の兄ちゃん
あぶくまと共に、夜逃げした経営者が残した備品や家財道具を窃盗運び出す仕事をしていた人物。珍しく再登場する人物。見た目が地味だったため、読者の殆どが再登場時には存在を忘れていた。本職は長距離トラックのドライバー。元ヤンで、タバコとケンカが原因で高校を中退したらしい。夜勤明けのあぶくまと再会し、モーニングを共したが、その際あまりにも無知なあぶくまを心配して、勤務体系や社長の正体について忠告した。しかし、あぶくまがこれを意に介することはなかった。

作品外の関連人物

関根和弘
あぶくまを取材した朝日新聞記者。典型的な出羽守。朝日新聞の関西各地の支局を点々とした後、モスクワ大学ジャーナリズム学部留学[1]、モスクワ支局や北海道報道センター等の勤務を経てハフポスト日本版に出向。2年半の勤務の後、現職の朝日新聞Globe+副編集長となったお察しな輝かしい経歴の持ち主。ハフポスト時代には、取材を「制限」された望月衣塑子氏の支援を呼びかけた中学生や、なでしこ寿司を取材。現職時にも車椅子乗車拒否問題の伊是名夏子氏を取材し、日本をdisる偏向記事社会問題に鋭く切り込む記事を執筆してきた。あぶくまから見せてもらった公的証明書[要出典から、この作品を真実だと主張しており、ネット民にデマと決めつけられ、誹謗中傷に晒されているあぶくまに同情を寄せている。
一方で南相馬市に裏取りをしたか否か質問した人や、あぶくまを否定する被災者を悉くブロックしたり、その際に批判ツイートを晒しあげたり、自作記事の肯定派ツイートと片っ端からリツートする中で「こいつらが流されて死ねばよかったのに」という過激なツイートをリツイートする等ツイカスじみた記者としてあるまじき行動を起こして失笑を買っている。→
しかし後にあぶくまの作者が「直接的な本人はいない」と公言したことにより、記事の内容が全くのデタラメであることが実証されたどころか、意図的にフェイクニュースを執筆した疑惑がかけられることになってしまった。『「裏付け」は欠かさない』とは何だったのだろうか……
2022年8月付で朝日新聞Globe+編集長に昇格した。
あぶくまの友人
関根の取材時にあぶくまに付き添っていた友人。作中に登場した人物であるか不明。インタビューによると、この作品は、酒の力を借りて、彼とアイデアを出し合いながら描いたものらしい。無茶苦茶な内容になるのも納得の理由。
一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)
デジタルマーケティングに関する民間資格「ウェブ解析士」を運営する一般社団法人。代表者は江尻俊章。あぶくまの講演を共催改め、主催したが、収益寄付先を削除したり、講演情報を非公開にしたりと不可解な動きが目立つ。あぶくま曰く、代表の江尻と「ひょんなキッカケで知り合っ」たらしい。
なお、試験費用、受講料、年会費等が高額な割に利用範囲がかなり限定的なため、典型的な士商法であり、役に立たない資格と一刀両断されている。

問題点

インフォメーション

【南相馬市役所等、関連機関への問い合わせを検討している方へ】
多数の問い合わせ対応に追われることで、各機関の通常業務に支障を来す可能性があります。個人での問い合わせは止めましょう。

ここまで読んでもうお分かりだろうが、この漫画、矛盾点や誤りが多い。また、あぶくまの存在を客観的に証明する資料は、少なくとも現時点でも一切存在しない。そのため、「東日本大震災で被災した元ホームレスの震災孤児」という作中の「事実」は完全に破綻しており、「震災の記憶を風化させない」「当時の様子を知る」資料としては全く役に立たない。

これまでに有志により検証が行われており、自治体、報道機関等の記録・統計と照合したり、南相馬市や関係団体に問い合わせたり、南相馬市で被災した人々の証言を集めたり、現地に赴いたりと様々な調査が行われたが、いずれも漫画の描写と反する結論が得られている。

作中描写の矛盾の例

発生時の状況がおかしい

地震発生当日、南相馬市全ての中学校で卒業式があったのは事実だが、式は午前中で終了しており、どの学校も校内には教職員しか残っていないことが明らかになっている。むしろ沿岸部では、帰宅したために津波に巻き込まれて亡くなった例がある。

被害状況がおかしい

建物が倒壊し、瓦礫が散乱した壊滅状態の市街地が描かれているものの、実際の南相馬市は地盤が強固だったために、瓦礫が散乱するような甚大な建物倒壊の被害は発生しなかった。また、第一中校区内には津波が到達しておらず、あぶくまの家が津波に流されたという設定も無理がある。

また、街が壊滅状態にも関わらず、家族と再開した生徒が帰宅している矛盾した描写もある。

更に、福島第一原発の事故により、屋内退避が広域防災無線で呼びかけられていたものよ、あぶくまは家族探しに外出したり、事故のことを東京に来るまで知らなかったりと、被災者としてあり得ない言動を描いている。

教師の対応がおかしい

中学校は広域避難区域に指定されいたうえ、教職員は生徒の安否確認や避難所の開設に携わっていたため、作中のように指示を仰ぐために市役所に引率することはまず有り得ない。

問い合わせた有志も「絶対にありえない」との回答を得ている。

市役所の対応がおかしい

作中では麻痺状態なうえ、混乱した市民が押しかけていた市役所だったが、市は災害対策本部を15時14分には設置しており、充分に機能していた。因みに作中の校舎の外観が南相馬市のどの学校とも一致しない特徴なのに対し、何故か南相馬市役所の外観のみ忠実に描かれている

避難所が劣悪に描かれている

あぶくまは避難所が劣悪な環境だったことを執拗に掘り返していたが、毛布は震災発生当日に配布された上に、市民によって多数寄付された。震災発生当日夜の写真では、ストーブが炊かれおり、毛布で暖を取る人々の様子が記録されており、あぶくまの描写とはかけ離れている。

また、南相馬市にも災害派遣により自衛隊が来ていたはずだか、作中では一切描かれていない。

遺体に対する処置がおかしい

作中では遺体が避難所に運ばれており、救助隊員と思しき人物が遺体の到着を大声で報告し、避難所の人々に見せびらかしていた。しかし、遺体は丁重に扱われ、洗浄を経て納棺されて安置されたていたことが記録に残っており、このように死者の尊を踏み躙る行為が行われることはありえない。また、遺体安置所は避難者の生活圏内に遺体が目に入ることを避ける目的で、避難所とは別の学校、施設に設置されていた。

ホームレス描写が不自然

新宿御苑は入場料が必要でホームレスが入れるような公園ではない。また、問い合わせた有志は、2011年当時から御苑を管理していた人から、そのようなホームレスはいなかったとの回答を得ている。

また、炊き出しはホームレスの身元把握も兼ねているため、事前に告知される上に、あぶくまのような中高生がいれば、確実に通報・補導されるため、作中の実態と大きく異なる。

段ボールハウス生活について、大雨での苦労話があっさりと描かれている程度で、避難所よりも良い環境のように回想しているが、猛暑や台風など他の要因を考えるとあまりにも無理がある。

行政に補足されない

南相馬市や教職員らによる被災者の追跡や安否確認が行われていたことは記録に残されている。当然、県外への避難者についても追跡・把握していた。作中に「住民票を"取る"」というセリフが存在するが、住民票は移すものであり、移した場合には、南相馬市に確実に補足されるため放置されるとは考えにくい。実際、統計上にも、あぶくまがホームレスになった期間中に行方不明者が増えたという事実はない。

更に、高校に進学予定だったにも関わらず、高校から一切連絡がない点も不自然。

法を犯している

作中で夜逃げした経営者の資産を持ち出しているが、これは窃盗罪に当たる行為である。更には未成年にも関わらず深夜労働や警備業に就いたりと明らかに違法な就労体系が繰り返し描かれている。ノンフィクションで違法行為が描写されること自体は珍しいことではないが、あぶくまの場合、自省する様子もなく、違法行為をしている認識が皆無のまま物語が進むため、非常に不気味な作品となっている。

本人が知覚できないセリフが描かれている

あぶくまが外出した後の家族の会話や反社社長の心の声が描かれている。「特定を避けるためフィクションを入れている」と主張しているが、この要素は本人の特定にも全く繋がらないものであり、実体験を伝える作品としてはあまりにも不適切。

南相馬市や東京の土地勘が全くない

「東日本から引っ越してきた」「東日本がなくなる」というセリフがあるが、東京も東日本の範囲内であり、一般人の認識とかけ離れている。

……他矛盾点を挙げるとキリがないため、上記以外のものは関連リンクの有志の検証を参照

また、悪意の有無は不明だが、その矛盾が結果として南相馬市の職員や救助隊員など、当時対応に尽力した人々を激しく侮辱、名誉毀損している。特に、南相馬市に対しては、明確な記録が残ってるにもかかわらず、あぶくまがホームレスなるというストーリー上都合よく、徹底して無能として描いている。

前述の朝日新聞Globe+の記事は、これらの誹謗中傷指摘に対して反論を狙ったつもりだったようだが、インタビュー内容は作中の描写が事実だという追認と補足に終始し、矛盾を解消するどころか、補足によって作中描写との新たな矛盾が生じ、逆効果となった。その上、「南相馬市で被災したこと」を事実と主張し、中傷とも取れる数々の記録との齟齬が「実はフィクションだった」と言い訳する逃げ道を自ら封じている。しかし、詳細を後述するが、あぶくまの作者本人がフィクションと明言したことにより、記事の内容が全くのデタラメであることが実証されてしまっている。

その上、漫画としてもクオリティが高いとは言い難く、

  • 狙ったような感傷的な展開が多く、逆の意味でご都合主義な展開の連続となっている
  • そのため、あぶくまの行動原理や感情に一貫性がなく、無機質で不気味な存在となっている
  • 震災やホームレス無関係な話題への脱線して露骨に引き伸ばしている
  • セリフを発する前にいちいちタメのコマを入れて尺稼ぎしている
  • 震災以外にも考証やリアリティに欠けていて現実味がない

と非常に粗の多い作品となっている。

影響

しかしながら、これほど荒が多い作品にも関わらず、多くのバカで情弱な人々がこれを信じてしまった。その原因として、

  • 東日本大震災10周年の節目が迫っており、関心が高まっていた
  • 漫画という取っ付きやすいメディアだった
  • 「孤児」、「ホームレス」、「放射能」といったセンセーショナルな言葉が思考停止を誘った
  • 検証を経ずに拡散されやすいSNSであるTwitterで公開された
  • ニュース等で度々取り上げられた避難所生活や被災者差別など、中途半端に事実っぽい内容を盛り込んでいる
  • 応援のリプに対して、本物の被災者のように返信していた

といったことが考えられる。「南相馬市はホームレスになった孤児を放置している」「終戦直後と何も変わっていない」「日本は震災孤児1人ですら救えない貧しい国」等、南相馬市、ひいては日本全体にあらぬ風評被害を生んでしまっている

その上、数多くの指摘や検証がなされているにもかかわらず、未だにあぶくま本人のツイート、肯定派がまとめたtogetter、朝日新聞Globe+の記事を事実と認識して拡散する頭の悪い人々が後を絶たない。

自治体の対応

これに対して南相馬市は、現在まで特に表立った対応は行っていないものの、有志の問い合わせに対して、「そのような事実は認識していない」と一貫して回答している。また、朝日新聞Globe+記事公開の2日後に『東日本大震災記録誌-100年後へ届ける記録-』をPDFで無償公開した。この動きは先の記事を意識したものに見えるが真相は不明。どのみち、震災当時の様子を正確かつ克明に知り、記憶を風化させない資料としてはあぶくまの漫画よりも遥かに優れている。

ハッシュタグに注目 「#デマ」

その後の展開

失踪

こうした問題を抱えているものの、あぶくま本人は2021年10月16日に、朝日新聞Globe+の公式アカウントにリプライした否定派に逆ギレ反論して以降、半年以上沈黙し続けた。一方の関根記者は記事の調査不足疑惑や、風評被害の加担に対して何の釈明もないまま、今も日本をdisる記事を書き続けている。2022年に入ってからは、ウクライナ情勢に関して、ロシアのプロパガンダを間に受けた内容を記事にしたことを名指しで批判されている。

あぶくまによる沈黙直前のツイート

復活&再逃亡

2022年4月8日、突如としてプロフィールに「なお、内容は特定を避けるためにフィクションを入れています。」の文言を書き加えたことにより、生存が確認された。同時に有志による検証がまとめられたtogetterが非公開となった。

そして同年5月1日に74話、3日には75話が立て続けに投稿された。実に7ヶ月ぶりの投稿となった。更には連載初期のように、未だに騙されている信者の応援のリプに対して返信をしている。

これにより、検証togetter非公開は、あぶくま本人または関係者による要請によるものであることが濃厚となった。更には、疑問や苦言を呈した否定派を悉くブロックし、否定派を露骨に排除する姿勢を隠さなくなっていた。こうして、事実との齟齬をフィクションと言い訳しつつ、連載を続けるものと思われていたが、この2話を投稿した後再び失踪した。

講演開催&虚偽を自白

6月中旬、事態は急展開を迎えた。なんとあぶくまが講師として登壇するセミナーが開催されることが発表された。その名も「私があぶくまである理由 コロナ禍に始めた無謀な無謀な挑戦 -5万人以上を巻き込んだ震災アンチテーゼの動機-」というもの。アンチテーゼの正しい意味わかってる?

その講演概要の中であぶくまの作者が衝撃の事実を自白をしている。

このキャラクターには、着ぐるみのような中身がありません
また、直接的な本人はいません。複合的な震災体験を追体験していく物語です。

つまりこれは、「東日本大震災で孤児、ホームレスを経験したあぶくま君」なる存在が実在しないことを作者本人が認めた瞬間となった。一方で、

直接的本人がいませんが、作品の骨組みを作っているのは作者本人の震災体験にあります。

と、あくまで実体験がベースであると主張しているものの、これまでの有志の検証で実証されたように、事実とかけ離れた内容であることは変わりなく、この主張も無理がある。

どのみち、あぶくまの作者が架空の人物を騙って東日本大震災のデマを流布したこと朝日新聞Globe+が裏付けも取らずに、実在しない人物を題材にした全くのデタラメ記事を掲載したことがほぼ確定した。

しかもこのセミナー、あぶくま本人に違わず怪しい動きを見せている。

  • タイトル先頭の【Fukushimafrogs寄付講座】が【収益全額寄付】へと改変され、寄付先を意図的に隠匿したように見える
  • 主催のSpread From Fukushimaが削除され、共催のウェブ解析士協会が主催に変更される
  • このSpread From FukushimaとFukushimafrogsの連絡先は同じ
  • 寄せられた(?)質問の内容、日本語が不自然(例:「パソコンとか使ってるのですが、その年齢の人で福島の人は普通PC詳しくないと思います。」)福島県民に対する熱いヘイトスピーチ
  • セミナーのページが突然非公開になる
  • 寄付先が江尻が代表を務めるをEO North Japanだとあぶくま本人が明かす(つまり主催のポケットに金が入るだけで寄付とは言い難い)

このセミナーにはSpread From Fukushima、Fukushimafrogs、ウェブ解析士協会といった団体が絡んでいるものの、いずれの団体のTwitterアカウントもあぶくまと相互フォローになっておらず、どうやって連絡を取ったか不明[2]

セミナーページは開催日の7月16日に非公開のまま開催時刻を経過したことから、結局この日にセミナーは開催されなかったとみられる。その後、当該ページは再公開され、開催日が8月13日に変更となったことが発表された。あぶくま含め、関係者が誰も告知していない不自然な状態が続いていたが、7月24日、ついに本人から告知された。なんか」、「なんとなく」といった舐め腐ったような言葉が鼻につく。

また、この時追加された画像には3DCGと思しき姿のあぶくまが、インタビューを受けている様子が写っている。Vtuberとして紹介されているが本当にデビューを目論んでいるのだろうか?

電子書籍化&連載再開

そして8月3日、一連の作品が「ebookjapanコミックス」にて有料配信された。

タイトルはTwitterと同様『15才の時に東日本大震災で家族を亡くし、天涯孤独の身になり東京でホームレスになった話』となり、1話80円で配信されているが、第1話は無料で読める他、アプリをインストールすれば、ポイント半額でレンタルまたは最新話以外を無料チケットで3日間閲覧可能。

描き下ろしの表紙に加えて、一部誤字等が修正された。が、「ふみお」の修正が一字漏れていたり、謎の「おーい」の文字が入っていたりと詰めが甘い様子が見られる。

なお、売上の一部はebookjapanを通じて寄付するらしい。が、これだけ嘘を重ねておいて今更信用できるわけない。

なお、レビューは想像通り低評価なものの、不自然な文章の高評価レビューが多い一方、低評価レビューが次々と削除されており、サクラによる工作が横行している疑いがある。

タイトルや詳細情報、プレスリリースではあくまで実話を基にした作品という触れ込みであるが、奥付には次のように記載されている。

この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件等は一切関係ありません。

知ってた。

なお出版を報告した際、余程嬉しかったのか、否定派に対して挑発的な引用ツイートを行っている。

総括

あぶくまの作品は、デマを多く含み、東日本大震災を語り継ぐには全く相応しくない作品だった。にもかかわらず、漫画という取っ付きやすい表現だったことに加え、孤児、ホームレスという衝撃的な文言で注目を集め、Twitter上に投稿されたことにより、碌に検証されないまま、拡散されてしまった。その結果、南相馬市を始め、多くの人に風評被害をもたらした。

本件に限らず、デマ・偽情報に騙されないためにも、信用できる情報筋から調査・吟味し、情報の真偽を見極める能力である、メディアリテラシーを身につけることが重要である。

この作品は震災を語り継ぐ資料ではなく、SNSを通じて、デマが流布する過程ともたらす悪影響の実例を知り、デマに流されない、メディアリテラシーを身に着ける教材として閲覧すべきである。

関連動画

関連リンク

関連項目

  • 東日本大震災
  • ホームレス
  • 朝日新聞
    • アサヒる
    • ハフポスト
  • フェイクニュース
  • デマ
  • 白ハゲ漫画
  • 嘘松
  • うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい
  • コンコルド効果 - 関係者たちがこの状態に陥っているのではないかと推測されている
  • 100日後に死ぬワニ - ステマ疑惑・主人公が擬人化した動物という共通点から連想する人多数。

脚注

  1. *なおロシアの報道の自由度ランキングは150位(2021年)北朝鮮で学んだ民主主義並に胡散臭い
  2. *あぶくまのアカウントは相互フォローでないとDMを送れない設定となっている。取材()した関根和弘はあぶくまと相互フォローの関係

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