ATフィールドとは (エーティーフィールドとは) [単語記事]

ATフィールドとは、新世紀エヴァンゲリオンに登場する特殊能力（バリア）である。
正式名称はAbsolute Terror FIELD（絶対恐怖領域）。作中では「A.T.フィールド」と表記されていた。

概要

第三新東京市に侵攻する謎の存在、使徒の有する能力。
展開時には下記の関連商品のように、正八角形の波紋らしきものが発生する事が特徴。
全方位からの攻撃を防御可能なバリアとして機能し、戦略核に相当するN2兵器の被害すら大きく軽減してしまう。
使徒そのものも高い防御能力と自己再生能力を有している為、使徒に対して通常兵器による攻撃は通用しない。

しかし、人類の開発した人造人間エヴァンゲリオンは自らA.T.フィールドを展開可能であるうえに、
使徒の展開するA.T.フィールドを中和（無力化）し、使徒のコア（弱点）を直接攻撃する事が可能。
この為、劇中ではエヴァンゲリオンのみが使徒に対する有効な兵器として機能していた。

（メタフィクション的に言えば、人型機動兵器という存在を物語に登場させる為の万能設定である）

このようにA.T.フィールドは高い防御能力を持つが、極めて大出力のエネルギーならば突破する事が可能。
劇中では日本全土のエネルギーを注ぎ込んだ陽電子砲による狙撃作戦、『ヤシマ作戦』が展開されているほか、
ゲーム作品では、ジェットアローン改がA.T.フィールドを突破して量産型エヴァを撃破している。

変則的な運用も可能で、フィールドで敵を吹き飛ばすなど攻撃手段として利用された事もある。
また、自身を空中へと浮遊させて飛行したり、特殊な波長で放射する事で人間の精神を汚染したり、
更には全てを呑み込む虚数空間『ディラックの海』を形成するなど、様々な形での応用が可能。

渚カヲルの仄めかした言葉によれば、A.T.フィールドの正体は「ヒトの持つ心の壁」であり、
使徒やエヴァ、人類を含む全ての生命体が、他者を拒絶し自己の肉体や精神を保持する為に有する能力である。
その為、地球上にアンチATフィールドが放射された際には、全人類が形象崩壊（液体化）している。

貞本義行の漫画版では、アダムを自らの体内に取り込んだ碇ゲンドウが掌をかざすことで、
渚カヲルのように自分の意志でA.T.フィールドを展開した。碇シンジが戦略自衛隊の襲撃を受ける場面では、
碇ゲンドウがA.T.フィールドで銃撃を跳ね返しながら拳銃で撃ち返して救出している。

また、「他人を拒絶するひきこもりはA.T.フィールドが強く、エヴァ搭乗者に向くのでは」という説があるが、
庵野監督が製作に関わっているゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』には『A.T.』というステータスが存在している。
A.T.はその名の通り、A.T.フィールドの防御力やエヴァの攻撃力に直結しているのだが、
この数値は他者と交友を深める事で上昇していく為、ひきこもりのようなキャラ運用をしていると、
かえってエヴァンゲリオンの戦闘能力が低下し、ゲーム攻略が困難になってしまう。

ロボットアニメにありがちな一設定にも関わらず、劇中において強い存在感を放っていた為か、知名度は高い。
一部の作品に至っては、明確なパロディとしてA.T.フィールドらしきものが登場することもある為、
動画内にバリアなどが登場すると、「ATフィールド」の名を挙げたコメントが書きこまれる事がある。

しかし、エヴァンゲリオンに関係の無い動画でそのようなコメントをすれば、無自覚な荒らし行為となりかねず、
作品やファンに対する悪印象を与えかねないので、慎重にコメントしていただきたい。

ゲームでのATフィールド

スーパーロボット大戦

スーパーロボット大戦F参戦時には庵野監督が「A.T.フィールドは高出力のエネルギーなら破れる」と発言した。
その為、同シリーズでは『一定（3000～4000）以下のダメージを無効化する』バリアと設定された。
エヴァ系のユニットは、A.T.フィールドによって他のユニットに比べて破格の防御力を有する一方、
『A.T.フィールド無効化』属性の武器を併せ持つ為、互いにA.T.フィールドを無視して戦闘可能。
しかし、ゲーム上で使徒とエヴァを戦闘させると、HPや装甲値に優れた使徒側がエヴァを圧倒してしまう為、
スパロボにおけるエヴァは『対ザコ戦や盾役には便利だが、対使徒戦には向かない』ユニットになってしまった。