FPS(曖昧さ回避)
- FPS = First-Person Shooterの略称。ゲームジャンルのひとつ。本稿で詳述。
- fps = Frame per second … 動画の1秒あたりの静止画枚数を表す数値。詳しくはこちら⇒60fps
概要
ファーストパーソン・シューター(First-Person Shooter)とは、主人公の視点(一人称視点、主観視点)でゲーム内の世界を任意で移動することができるゲームのこと。
主に銃器を使ったシューティングによる戦闘がこのジャンルの主流であるが、シューティングが中心ではなくても、主観視点による演出を利用したアクションやアドベンチャー主体のゲームも多く、また、ゲームプレイはRPGなど別のジャンルのものでも、単に主観視点であれば同様に呼ばれることもある。車両や航空機の操縦を扱うゲームのコックピット視点も広義ではFPSとも言えるが、一般的にそれらはシミュレーターと呼ばれている。国内では「ファーストパーソン・シューティング」(First-Person Shooting)とよく呼ばれているが、これは和製英語である。
海外のゲームの中では非常にポピュラーなジャンルであるが、国内のゲームの中では主観視点そのものが未だマイナーなジャンルであり、「FPS」という言葉が相手に理解されないことも・・・。そのためか国内の家庭用ゲーム機やアーケードゲーム界隈では「3Dガンアクション」「ミリタリーアクション」と独自の呼び方をされている場合もある。ニンテンドウ64世代の人なら「64のゴールデンアイみたいなゲーム」と説明するとだいたい通じるかもしれない。
ニコニコ動画ではKousonen氏によるプレイ動画「テクテク海底記」と「テクテク従軍記」が特に有名で、他にも様々なタイトルのプレイ動画が投稿されている。(参考:FPSプレイpart1リンク)
歴史
黎明期:1992~1995年
一人称視点のゲームが作られたのは1973年の「Maze War」が最初であり、後の1992年にid softwareが発表した「Wolfenstein 3D」がFPSというジャンルを確立したと言われている。そして1993年、同じ開発チームが発表した「DOOM」が爆発的に人気を博し、売り上げ総数1500万本という記録を叩き出した。これをきっかけに、FPSはゲームジャンルの一つとして定着した。当時は「DOOM系シューティング」とも呼ばれていた。
当時のFPSは擬似3Dアクションでマップこそは3Dで作られていたが、敵やアイテムなどのオブジェクトは2Dのスプライト画像が用いられていて、照準を上下に動かすことはできず、敵がどの高さにいても方向さえあっていれば攻撃が命中するものが多かった(実際にDOOMにはポリゴンは一切使われていない)。
同時期の作品
Marathon
(1994) |
Macintosh用に開発された作品。練りこまれた難解なストーリー、パズル要素やチーム対戦が人気を博した。高さや重力の概念を初めて導入した革新的な作品で、「エレベーターで高い場所に移動する」「水中に潜る」「グレネードは放物線を描いて飛ぶ」など、FPSの基本的なシステムはこの作品でほぼ完成した。続編も製作され、後にWindows版も発売された。リメイク版「Marathon: Durandal」はXbox Live Arcadeで配信されている。この開発チームは後に大ヒット作「HALO」を製作した。 |
System Shock
(1994) |
荒廃した宇宙ステーションを舞台に、自我を持った人工知能”SHODAN”の野望を阻止する。本格的なストーリーが導入されたアドベンチャー要素の強い作品。「Ultima Underworld」を元にしたプレイヤーの動作によって視点が上下に動くシステムなどは当時は非常に革新的なものだった。また音声記録を用いた演出は後世のホラーゲームに大きな影響を与えた。 |
Descent
(1995) |
戦闘機に乗り3D空間を自由に移動することができるフライトシューティング。これが最初の3DのFPSであるとも言われている。1996年にプレイステーション版が国内で発売された。 |
Duke Nukem 3D (1996) |
無名で無言の主人公が多かった中、強い個性を持ったキャラクターを主人公に持ってきた点が斬新だった。ふんだんに盛り込まれたアダルト要素やジョーク要素も本作品の特徴。AV鑑賞してるエイリアンがいたり、トイレの水を飲んで体力回復したり。14年間の開発期間を経て発売された続編の「DUKE NUKEM FOREVER」はいろんな意味で伝説。 |
革命期:1996~1999年
完全な3DのFPSが作られたのは、1996年にid softwareが発表した「Quake」が最初であると言われている。
ゲーム内のほとんどのオブジェクトが3Dで描写されるようになり、「Marathon」よりも進化した高さの概念が導入され、高低差を生かした3Dアクションゲームとなった。また、インターネットを通じたマルチプレイ(対戦モード)も人気となった。この頃に一般的なFPSの操作性、マルチプレイの基礎が築かれた。
2年後の1998年、Epic Gamesが発表した「Unreal」は、当時の常識を打ち破る驚異的なグラフィックで話題となった。それまでのゲームの舞台が屋内中心だったのに対し、広大な高地が用意されている点も新しかった。今となってはグラフィック技術は旧世代のものだが、洗練されたビジュアルデザインは現在でも十分通用するものである。
完成度の高い柔軟なゲームエンジン(プログラム)は改良を繰り返し、現在でも多くのゲームで使われている。
ちなみに、プレイヤー同士のコミュニティでよくある「凄すぎて(発売時点での)最高スペックのPCでも快適に遊べない」という話はこれが最初らしい。
同時期の作品
ゴールデンアイ 007
(1997) |
レア社が開発したNINTENDO64用のタイトル。世界で800万本以上を売り上げる大ヒットを記録し、それまではこのジャンルと縁遠かった家庭用ハードに、FPSを浸透させた立役者となった。
現在でも根強い人気があり、中古市場では高値で取引されている。対戦プレイに夢中になった人も多いはず。 |
Thief
(1998) |
初めて全面的にステルス要素を導入した作品。戦闘ではなく機密行動が重視される。そのゲーム性から「First Person Sneaker」「ステルスシューター」とも呼ばれている。中世と産業革命時代の両方を持ち合わせた独特の世界観も本作の特徴。 |
Tom Clancy's Rainbow Six
(1998) |
トム・クランシーの同名の小説が原作。プレイヤーは特殊部隊の隊員となり、テロリストの撲滅、人質の解放を目指す。戦闘そのものよりも戦術面を重視したゲームになっている。「Tactical Shooter」「リアル系」と呼ばれるジャンルの原型となった作品。 |
Starsiege:TRIBES (1998) |
FPSにVehicle(乗り物)の要素を追加した作品。他にもジェットパックを使った空中戦、自動機銃の設置など、それまでにはなかった要素を多く生み出した。(動画は続編の「Tribes 2」)
現在では無料化されている。
http://www.4gamer.net/patch/demo/tribes/tribes.html |
Jurassic Park: Trespasser (1998) |
映画「ジュラシックパーク」を題材にしたFPS。恐竜の生態を再現したAI、右手をシュミレートした独特の操作、物理エンジンを利用したパズル、体力が表示されるおっぱいといった現在でも斬新といえる多くの要素を持っていた。しかし、当時の評価は低く失敗に終わってしまった。時代を先取りしすぎた作品。「Half-Life2」のゲーム性は本作がモデルになっている。 |
Half-Lifeの登場
1998年11月にValve Softwareから発表された「Half-Life」は、ムービーやカットシーンといった客観的な演出を一切使わず、ストーリー展開が全てゲームの中で実際に起こる独自の演出により、それまでは単なる設定でしかなかったストーリーをゲームと融合させ、ゲームの中の世界をプレイヤーに体感させることに成功した。主人公はプレイヤー自身であるという一人称シューティングの最大の魅力を引き出したのだ。FPS界に革命を起こした本作は、多くのプレイヤー、ゲーム開発者に絶賛され、同年度の50種類以上のメディア賞、ゲーム賞を独占した。現代のFPSの原型となった作品といえるだろう。また、今作のMODから派生したビッグタイトルも数多い。
これらの理由から「Quake」「Unreal」「Half-Life」は古典FPSを代表する三大作品と言われることがある。
同時期の作品
Counter-Strike
(1999) |
「Half-Life」のMOD(ユーザーが製作した追加・改造データ)が製品化されたもの。対テロリストチームとテロリストチームに分かれてスコアを競う対戦専用のFPS。それまではステージのあちこちに散らばっている武器を拾うのが主流だったのに対し、スコアによる武器の購入というシステムが新しく特徴あるものだった。2004年にSource Engine移植版「Counter-Strike: Source」、2012年に現代のスタイルに合わせリメイクした「Counter-Strike: Global Offensive」が発表された。本作品のスタイルを模したゲームも多く作られ、それらは「CSクローン」と呼ばれている。 |
Team Fortress Classic
(1999) |
1996年に発表されたQuakeのMOD「Team Fortress」をHalf-Lifeに移植したのが本作品。メディック、エンジニア、スパイ・・・といった異なる性能を持つ9種類のキャラクターからなるクラス制のチーム戦が特徴。このシステムはその後「Return to Castle Wolfenstein」や「Battlefield」シリーズに受け継がれた。 |
System Shock 2
(1999) |
1994年に発売された「System Shock」の続編。独自のゲーム性をさらに進化させた。音声テープを使った演出、限られたアイテム、敵のランダムリスポーン(復活)といった恐怖感を煽る極限のゲームバランスが高く評価された。2007年に発売された「Bioshock」は本作品のゲーム性を受け継いだ精神的続編である。長らく版権の問題で絶版となっていたが、2013年ダウンロード販売限定で復活を遂げた。 |
Medal of Honor
(1999) |
第二次世界大戦を題材にしたFPS。第一作はプレイステーションで発売。その後、様々なプラットフォームで続編が作られた人気シリーズ(動画は2002年に発売された「Medal of Honor: Allied Assault」)。ゲームの開発には元アメリカ海兵隊大尉や映画「プライベート・ライアン」の監督スティーヴン・スピルバーグを監修に迎えている。 |
Unreal Tournament (1999) |
Unrealのエンジンを使用した対戦主体のゲーム。チームに分かれてミッションを攻略するゲームモード「Assault」の追加や、高度なAIを持ったコンピュータープレイヤーが高く評価され、同年のGame of the Yearを受賞した。あのキーボードクラッシャーがプレイしていたのはこのシリーズ。 |
Quake III Arena (1999) |
Quakeのエンジンを使用した対戦主体のゲーム。洗練されたゲームバランスが好評で、多くのプロゲーマーに絶賛されている。スポーツ系FPSを代表する作品。現在では本作をベースに作られたオンラインゲーム「QUAKE LIVE」が公開されている。 |
成長期:2000年~
基本的な操作体系、主観視点を活かしたストーリー演出など、ゲームデザインの基礎が出来上がったFPSはその後、独自の要素、ゲーム性を持ち合わせた個性のある作品が多く作られるようになっていた。2004年に発表された「DOOM 3」と「Half-Life 2」は、ゲームのグラフィック技術を革新的に向上させ、当時は「次世代のグラフィック」や「グラフィック新世代」と呼ばれた。
それまではPCゲームでのタイトルが主流であったが、2000年前後になってからは家庭用ゲーム機でも「HALO」「Killzone」「METROID PRIME」などといったハード専用タイトルやマルチプラットフォームに対応した作品が数多く発表されるようになり、プレイヤー層がより幅広いものとなった。
有名な作品
No One Lives Forever
(2000) |
スパイアドベンチャーFPS。60年代風の世界観に映画007シリーズに出てくるような秘密アイテムが多数登場する。当時はHalf-Lifeを超えるとも言われていた。独特の世界観やシングルプレイの完成度の高さなどがメディアから絶賛され、多くのゲーム賞を受けた。 |
Deus Ex
(2001) |
System Shock シリーズを手がけた作者が開発に加わっている本作は、アドベンチャー色が強くアクションRPGとも言われている。ゲームをクリアする方法はプレイヤーの自由で、ひたすら邪魔な敵を倒すのもよし、密かに潜入するステルスプレイも可能である。この自由な行動性が人気を呼んだ。後に30以上のメディアからGame of the Year を受賞した。 |
HALO: Combat Evolved
(2001) |
Xbox向けに発売され人気シリーズとなった作品。家庭用ゲーム向けのFPSの代表作とも言えるだろう。マスターチーフが中心となる「Halo: Combat Evolved」「Halo2」「Halo3」は「ヘイロー・トリロジー」と呼ばれている。 |
Return to Castle Wolfenstein
(2001) |
Wolfensteinシリーズの続編であり「Wolfenstein 3D」のリメイク的作品。ナチスの人造人間計画を阻止するために戦う。ゾンビやクリーチャー、サイボーグ兵士が登場するため、他の第二次世界大戦を題材にした作品とは違いSFホラー風の作品になっている。クラス制を採用したマルチプレイが大人気となった。拡張パックとして発売される予定だった「Wolfenstein: Enemy Territory」は無償で公開されている。こちらも人気が高い。 |
Operation Flashpoint
(2001) |
リアルな戦場をシミュレーションしたゲーム。一発の銃弾が致命傷となるシビアなゲーム性、広大なフィールドが特徴。リアル系FPSを代表する作品。2006年にはゲーム性を受け継いだ「ArmA: Armed Assault」が発売された。また、派生作品の「Virtual Battlespace」は実際の軍事機関での戦闘シミュレーションに使われている。 |
Serious Sam
(2001) |
爆弾を両手に抱えた首なし男(名前はKAMIKAZE)が襲ってくるゲーム。初代DOOMのようなひたすら敵を倒すというFPSのスタイルを復興させたのがシリアスサムだ!ジーパンがあれば世界が救えるぜ!ahhhhhhhhh!! |
Battlefield 1942
(2002) |
第二次世界大戦を題材にした対戦主体のゲーム。有名な戦場をモチーフにしたステージで連合国軍と枢軸国軍の戦いを再現している。搭乗兵器の多さも本作品の特徴で、有名な戦車、戦闘機をはじめ、戦艦や潜水艦も使用することができる。また、兵士と搭乗兵器のバランスが(いい意味で)適当なため白兵戦も楽しめる。後にシリーズ化され、多くの続編や派生作品が発表されている。 |
Metroid Prime
(2002) |
ゲームキューブ専用タイトル。任天堂としては初の本格的FPS製作となった。
メトロイドシリーズの外伝にあたる本作は、シューティングがメインではなく、メトロイドの世界観の再現やキャラクターとの一体感を重視して作られており、「First-person adventure」と称している。 |
Call of Duty
(2003) |
Medal of Honorの開発スタッフの一部が独立し、製作されたのが本作品。スクリプトによる映画的演出、高度なAIをもったNPC、個性豊かなキャラクターが高く評価された。演出を重視したため、ゲームの自由性は失われてしまったが、テストプレイを重ねたことで線密な難易度調整がされている。一貫したゲームスタイルもあって人気シリーズとなった。 |
DOOM 3
(2004) |
新たに開発したゲームエンジンを使用し、初代「DOOM」のストーリーをリメイクしたのが本作品。当時は「次世代のグラフィック」と呼ばれていたが同時に異常に重いゲームとも言われていた。ゲームスタイルは初代DOOMとは異なり、暗いマップをライトで照らしながら、突然襲い掛かってくる敵を倒すものとなっている。これは後に「ホラーFPS」というジャンルとして呼ばれるようになった。 |
Half-Life 2
(2004) |
Half-Lifeの続編。こちらも新たに開発された「Source Engine」を使用しており、高度なグラフィック技術と物理演算の動作が話題となった。「重力銃」と物理エンジンを使ったパズル要素が特徴的。ボートはいらない。のちにアーケード版「Half-Life2 サバイバー」も作られた。 |
Far Cry
(2004) |
南国の島を舞台にしたサバイバルFPS。独自に開発されたCryENGINEによって広大なフィールドがロード時間なしで再現される。これによってプレイヤーが自由に行動できるようになった。同時期に発売された「DOOM3」「Half-Life2」によって、やや隠れてしまったが、高度なグラフィック技術もあってプレイヤーの評価は高い。後にゲームエンジンを受け継いだ「Crysis」、別の開発チームによるゲーム性を模した「Farcry2」が作られた。 |
Killzone
(2004) |
プレイステーション2専用タイトル。PS2の性能を極限まで引き出した高度なグラフィックが特徴。当時は「HALOキラー」と呼ばれていた。2009年には続編「Killzone 2」がPS3で発表された。 |
Quake 4
(2005) |
6年ぶりに登場したQuakeシリーズの4作目。ストーリーはQuakeIIの続編となっている。開発は「Soldier of Fortune」を手がけたRaven Software。多彩なステージ、スクリプトを用いた映画的演出、仲間との協力プレイ、巨大なボスとの戦闘など、シングルプレイモードのボリュームが素晴らしい。 |
Brothers in Arms: Road to Hill 30
(2005) |
第二次世界大戦を題材にした本作は、実話を元に製作することがコンセプトになっている。登場人物一人一人の存在が重視され、ステージは大戦体験者の話を元に当時の戦場の様子や地形を細部まで再現している。
動画は続編の「Brothers in Arms: Hell's Highway」 |
Red Orchestra: Ostfront 41-45
(2006) |
東部戦線を題材にしたFPS。弾道の計算が必要なリアル系よりのゲーム性が特徴。もとは「Unreal Tournament 2004」のMODとして開発されたもので、Epic Games社が主宰したコンテストにおいて見事優勝し100万ドルの賞金を得た。優秀なMODが製品化した例の一つ。 |
Call of Duty 4の登場
2007年に発表された「Call of Duty 4: Modern Warfar」は様々なプラットフォームで展開し合計で1400万本以上の売り上げを記録した。それまでFPSがまだマイナーなジャンルであった国内でも日本ゲーム大賞2008の特別賞を受賞した。本作がFPSのコンソール市場を大きく成長させたと言っても過言ではないだろう。
本シリーズは映画的演出を重視し、決められたスクリプトによってゲームプレイが進行するのが特徴で、このようなスタイルは「リニア」、「レールライド」(国内で言うところの一本道に近い)などと呼ばれている。また、HALOで初めて導入されCoD2でも採用された体力の自動回復システムは演出と同様にCoD4のヒット以降一気に広まっていった。これらはゲームの進行をスムーズなものにしたが、一方でゲーム性が失われているという声も決して少なくはない。
S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl
(2007) |
ウクライナ発のFPS。6年もの歳月をかけて開発された。東欧ならではの世界観、細部まで再現されたプリピャチ市内の廃墟、高度なAI、マイナーな銃器、弾道が計算されたリアルな銃の挙動など・・・多くの独自の要素をもった本作品は世界中のプレイヤーに高く評価され、現在でも人気を博している。2009年にはゲームエンジンを強化させた続編「S.T.A.L.K.E.R.: Clear Sky」が発売された。派閥要素が加わり、高度なAI同士の戦闘が再現されている。 |
You Are EMPTY
(2007) |
ロシアのデベロッパーDigital Sprayによって開発された作品。社会主義の暗黒時代、歴史に埋もれたある男の叙事詩を描いている。この「君はいない」という奇妙なタイトルの意味はゲームのラストで明らかになる。国内ではもちろん、欧米でも知名度の低かった作品だが、レビューサイトを中心に口コミで広まっていった。 |
Portal
(2007) |
FPSのスタイルを使ったアクションパズルゲーム。専門学校生が卒業制作に作ったゲームが原型となっている。壁に穴(Portal)を開け空間を繋ぐことで様々な仕掛けを突破していく。重力と物理エンジンをフルに活用した独特のゲームスタイルが高く評価され、多くのGame Of The Yearを受賞した。 |
Team Fortress 2
(2007) |
Team Fortress Classicをカートゥーン調のグラフィックでリメイクした作品。戦闘そのものよりも、キャラクターの特性を生かしたゲームスタイルを重視しており、対戦主体でありながらも初心者でも楽しめる内容になっている。現在は基本無料のタイトルとなっている。 |
Bioshock
(2007) |
System shock 2のゲームスタイルを受け継いだ精神的続編。海底に築かれた都市「Rapture」を探検する。超能力の装備、お金を使いアイテムを購入するシステムなどRPGのような特徴が多い。60年代のレトロフューチャーをモチーフとしたデザインや秀逸したシナリオも高く評価された。 |
Crysis
(2007) |
「Farcry」のシステムを受け継いだ作品。前作から進化した高度なグラフィック技術が大きな特徴。最先端のグラフィックスを実装しているため、最も動作が重いゲームとしても知られている。現在でもゲームのグラフィックを語るときには、よくこのタイトルが使われている。 |
Mirror's Edge
(2008) |
一人称視点で高層ビルを駆け抜けるアクションゲーム。「パルクール」というエクストリームスポーツを題材にしている。FPSのゲーム性にアクション要素を多く取り込み、新たなジャンルを開拓した。エッジの効いた独特のグラフィックも本作の特徴。 |
Left 4 Dead
(2008) |
無数のゾンビが徘徊する都市から脱出するストーリー。本作はCO-OPと呼ばれるインターネットを通じた協力プレイモードを重視して作られていて、単純に敵を倒すだけではなく、仲間の協力が必要なギミックが多数盛り込まれている。 |
Cryostasis
(2009) |
ウクライナ産のFPS。凍てついた遭難船に迷い込んだ主人公が、謎を解明しつつ船から脱出するストーリー。極寒の世界を再現した高度なグラフィックや、過去に起きた出来事を体験することができる能力「Mental Echo」を使った独特のゲーム性が特徴。 |
Borderlands
(2009) |
敵を倒して経験値とより強力なアイテムを手に入れる。RPGにおけるハック・アンド・スラッシュのスタイルを採用したタイトル。ゲーム中で手に入るアイテムは自動で生成されるため、銃器だけでも1600万種類を超える。Co-opが人気。2012年には続編の「Borderlands 2」も発売された。 |
NecroVisioN
(2009) |
これまで現代戦や第二次大戦などが扱われることの多かったFPSにしては珍しく第一次世界大戦が舞台となっており、また悪魔的モンスターと派手な戦闘を繰り広げる昔ながらのFPSを現代のグラフィックスで再現している近年ではある意味個性的な作風。キックと左手に装着したガントレットから繰り出す打撃でコンボを決めることでより激しい戦闘を楽しむことが出来る。 |
Killing Floor
(2009) |
人気MODを独立した製品として発表した作品。ウェーブごとに襲い掛かってくる大量の敵をネットワーク上のプレイヤーと協力して倒すゲーム。季節ごとにアップデートがされイベントがよく行われている。 |
Zeno Clash
(2009) |
数多くあるFPSの中でも珍しい格闘を主体とした作品。開発はチリの独立系企業。会話が出来る動物が存在する世界観、ビジュアルだけでなく民話を元にした物語も非常に個性的なものである。2013年には続編の「Zeno Clash II」が発表されている。 |
現在:2010年~
ブロードバンド回線が普及してからはコンソール機でもオンライン対戦が人気を博すようになった。また、オンラインゲームサービスでの対戦専用タイトルや、「BFP4F(play4free)」「Tribes Ascend」「HAWKEN」などの同じく対戦専用の「Free-to-play」と呼ばれる基本無料・課金制のタイトルも多く見られるようになった。
対戦主体のゲームが多く発表されるなか、一方で主観視点によるストーリーテリングと体験を重視した、物語主体の作品も根強く存在している。
有名な作品
Metro 2033
(2010) |
ロシアの同名の小説を題材にした作品。核戦争によって荒廃した世界、地下鉄に住む人間達などの世界観が非常に細かく描かれている。地上にいる間はガスマスクを装着し時計で残り時間を確認する必要があったり、銃弾が通貨の代わりになったりとサバイバルを意識したゲームバランスや重厚なストーリー描写が特徴。2013年に続編「Metro Last Light」が発売された。 |
Amnesia: The Dark Descent
(2010) |
非常に怖いゲームとして話題になった作品。武器は存在せず、プレイヤーは知恵を使って暗闇の中に潜む脅威を回避しなければならない。クトゥルフの呼び声のように精神ゲージを採用していて、正気を失うにつれより恐ろしい現象をプレイヤーは体験することになる。物理演算を取り入れたパズルも特徴。 |
関連動画
参考
オンラインゲームとFree-to-play
※オンラインゲームについては「オンラインFPS」を参照
※Free-to-Playについては「F2P」を参照
操作体系
FPSは視点の移動とプレイヤーの移動を同時に行う独自の操作体系を持っており、一般的にキーボードとマウス、もしくは二つ以上のアナログスティックないし十字キーのあるコントローラーを使用する。基本的にFPSというゲームは前者のキーボードとマウスでプレイするようにデザインされている。というのもFPSの操作体系はPCゲームタイトルの発展とともに作られたからである。
「Wolfenstein 3D」や「DOOM」のような高低差の概念がまだなかった頃は視点移動も同様で、上下の移動はなくプレイヤーを左右に旋回させることで視点を動かしていた。上下左右自由に見渡すことが出来る自由視点は「System Shock」とそのゲームデザインの前身となった「Ultima Underworld」で初めて導入された。ただ、視点の操作はキー入力のみで行うとても複雑なものだった。その後「Marathon」によりマウスを使った視点移動「フリールック(もしくはマウスルック)」が導入され、「Quake」のマルチプレイにおいてキーボードとマウスを使用するその操作方法が一気に広まったと言われており、以降その操作方法を採用しデザインされたゲームが多く製作され、現在ではPCタイトルのほぼ全てがその操作方法を採用している。
※厳密にはFPS、すなわち主観視点のゲームにおける自由視点はプレイヤーの向きの移動である。プレイヤーの向きとは別にさらに視点だけの移動も採用したゲームもあるが、それは稀な例で「Operation Flashpoint」や「ArmA」などのより細かい操作が求められるリアリズムを追求したものに限定される。
参考:Free look http://en.wikipedia.org/wiki/Free_look
一方でコンソール機でのタイトルがまだ少なかった頃は普段コントローラーを使用してゲームをしているユーザーからはキーボードとマウスを使う操作方法が敬遠されてしまうことも多かった。
「HALO」はコントローラーでプレイするように調整がされており、そのゲームデザインも評価され大ヒットし、コンソール機でのFPSの代表作となった。その後「Call of Duty 4」のヒット以降、コントローラーでプレイすることを前提にデザイン、調整がされたゲームも多く作られるようになり、近年ではPCのタイトルでもコントローラーの入力に対応したものも多くなった。
しかし、中にはアシスト機能を初めとする難易度の低下、視点移動を減らすためのFOV(視野)の縮小など、ゲームバランスに悪影響を与えるような設計をしているものも多く存在し、また、マルチプラットフォームで展開しているタイトルでは、対戦プレイにおいて入力機器によって技量の差が出てしまうのではと論争になってしまうことも少なくはない。
参考:マウスほど素敵なデバイスはない http://pub.ne.jp/Seiryu/?entry_id=1034339
珍しい例としてアーケードゲームのタイトルではジョイスティックやペダルなどのタイトルに最適化された専用のコントロールデバイスが用意されるためおおむね快適な操作環境が用意されていると考えてもよい。
対戦 / マルチプレイ
FPSは黎明期の頃からネットワークを通じた対戦や協力プレイの人気があり対戦専用のゲームも多く作られてきた。コンソールユーザーやオンラインゲームユーザーからは対戦全般を指して「オン」とも呼ばれている。
おおよそ2000年頃までは試合開始時は基本的な装備のみで、マップのあちこちに散らばった銃器や回復アイテムを回収するスタイルのものが多かった。他にはCounter-Strikeのような試合中のスコアで装備を購入するシステムや、Team Fortress、BF1942などといった専門の技能と装備を持つプレイヤーキャラクターを選択するクラス制を導入したものもあり、現在では試合の前にプレイヤーが使用する武器やアイテムをあらかじめ選択・カスタマイズして、それらを装備した状態で試合を行うというスタイルが多い。
近年ではプレイヤーに数値化された経験値とレベルアップの概念が導入されたタイトルも数多く見られるようになってきた。ここでいう経験値やレベルアップは一般的なコンピューターRPGにおける能力の強化とは違うもので、あくまで単なる称号だったり、使用できるアイテムのアンロックなど、直接ゲームバランスに影響するものではない。また、プレイヤーの技量を示すといった役割も持っている。
技量の格差
FPSはプレイヤー自身の技量が求められるゲームであり、それこそが魅力の一つではあるが、初心者と熟練者との差が顕著に現れてしまうと、試合内容が一方的なものになってしまったりと、ゲームバランスが崩壊してしまう問題も存在している。
プレイヤーの技量に合わせた相手を見つけてくれるマッチングシステムや、チームメンバーを技量によって平均化したり、メンバーをシャッフルするオートバランスシステム、それらのゲームシステムだけではなく、コミュニティによって初心者専用、ハードコア専用サーバーなどとプレイする場所を分けることによってバランスを保とうとする活動は多くあるが、最終的には個々のプレイヤーに求められるものであるため、全てが解決したわけではないのが現状である。
技量の格差は個人戦や少人数でのチーム戦では顕著に現れてしまうが、大人数でプレイするルールを採用したものや、専門技能を持ったクラス制を導入し役割分担が可能なものなど、単なる戦闘だけではなく味方へのサポートにも焦点を当てたゲームであれば個人の格差は目立たなくなるだろう。個人同士の戦闘が苦手と感じるプレイヤーはそういったゲームをプレイしてみるといいかもしれない。
参考:責任のあいまいな対象 http://pub.ne.jp/Seiryu/?entry_id=1613216
FPSに限らず対戦ゲーム全般で見られることだが、プレイヤー同士での暴言といったいざこざを見かけることは決して珍しくない。そのような行為はコミュニティの評判だけではなく、ゲームそのものの評価を下げることに繋がってしまう。ゲームバランスに不平を感じた場合は開発チームが設けたフォーラムでシステム改善の要望を出したり、コミュニティ内でローカルルールを築いていくことが望ましいだろう。
対戦でよく使用される略語・用語
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Aim[エイム]
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Auto Aim、Aim Assist
- 自動的に狙いをあわせてくれる補助機能。Aimingが難しい家庭用ゲーム機向けのソフトに備え付けられていることが多い。
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Ban[バン]
- サーバへのアクセス制限を設け、特定のプレイヤーがログインできないようする。
-
Bot[ボット]
- CPUプレイヤー。オンラインゲームで使われる「クラインアントBOT」とは意味が異なる。
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Camp[キャンプ]
- 同じ場所に留まり相手を待ち続けること。ルールによっては進行を遅らせてしまうこともあるので注意。またcampを行う人をcamperと呼ぶ。
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Cheat[チート]
- 詳しくは該当記事を参照。対人対戦時に行うと不正行為になる。またcheatを行う人をcheaterと呼ぶ。
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Clan[クラン]
- 仲間同士で結成した組織。MMORPGで主に使用されるギルドと同義語である。
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CO-OP
- Co-operative(共同体)の略。CPUを相手にした協力プレイ。
-
CTF
- Capture The Flag、旗取り合戦のこと。
-
Dedicated Server
- 専用サーバー。ネットワーク対戦用のサーバーを立てる際、負荷を下げるためサーバー専用モードでゲームを起動すること。または、この設定で運用されているサーバーのことをいう。
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DM
- デスマッチ。同義語としてFFA(Free For All)がある。
-
Engine[エンジン]
- ゲームの基礎となるプログラムのこと。同じエンジンを元に違うゲームが作られることも多い。
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FF
- Friendly Fire、味方を攻撃する行為や、味方に対するダメージ設定のこと。
- 純粋な誤射やそれを恐れない単なるぶっぱのこともある。
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gg
- Good Game。緊迫したよいゲームであった場合に使用される挨拶。「お疲れ様」の意味で使用される事も多い。
-
HS, Head Shot[ヘッドショット]
- 高ダメージ(または即死)を与える頭部を攻撃すること。FPSの代名詞。
-
HUD
- Head-Up Displayの略称。画面に表示される体力などのパラメーターのこと。
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Kick[キック]
-
Lag[ラグ]
- 通信時間が原因で発生する延滞でプレイヤーの姿やあたり判定にずれが生じること。処理落ちとは異なる。全世界対象のサーバであればまず避けられない。
-
Lean[リーン]
-
Level[レベル]
- ゲームのマップ、ステージのこと。プレイヤーの基準値の意味とは異なる。
-
Multiplay[マルチプレイ]
- 対戦モード。家庭用ゲーム、オンラインゲームユーザーからは「オンライン」「オン」とも呼ばれている。
-
noob[ヌーブ]
- 初心者(newbie)のスラング。一般的には役に立たない迷惑なプレイヤーを指す為、初心者に対してはnewbieを使用する事が望ましい。「それなり以上の経験があるのに初心者並みの動きしかできないヘタクソ」と言う意味。パチスロ用語「オヤジ打ち」のオヤジに相当する。日本でいう「厨房」に近い。
-
np
- No problemの略。気にするなという意味。謝罪やお礼の返事によく使う。
-
PB
-
Recoil[リコイル]
- 発砲時の反動で照準が元の位置からずれること。反動に対応して照準をあわせ直すことを「リコイルコントロール」と呼ぶ。
-
Reticle[レティクル]
-
Respawn kill[リスポーンキル]
- 復活した直後の無防備な常態を襲う迷惑行為。大抵のゲームでは行えないように設定されている。
-
Singleplay[シングルプレイ]
- 一人用モード。ストーリーモード、キャンペーンともいう。オンラインゲームユーザーからは「オフライン」「オフ」とも呼ばれている。
-
Spect[スペクト]
- 他人のプレイをその人の視点や客観視点で観戦すること。Spectorともいう。CoD4にあるKillCameraはこの一種。
-
sry
- Sorryの略。謝罪の言葉。誤って味方を攻撃してしまったときに使おう。
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thx
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TDM
- チームデスマッチ。チーム事に分かれてスコアを競うゲームルール。
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TK
- Team Killの略称。味方を攻撃して倒してしまう行為。故意にTKをする人をTKerと呼ぶ。
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Vote[ボート]
- 投票。迷惑なプレイヤーを排除するときや、マップの変更するときに行われる。
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芋虫[いもむし]
- 狙撃銃を持った状態で動かない迷惑プレイヤーのこと。単純にCamperのこともいう。「Battlefield1942」というゲームで伏せの状態から動かないプレイヤーが芋虫のように見えたのが由来。略して単に「芋」とも。
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ハハ、ハッサクゥート!
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