RPGツクール 単語


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アールピージーツクール

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RPGツクールとは、エンターブレイン(旧アスキー)が開発、発売しているRPG制作ソフトである。
名前の由来は「作る」と「ツール」を合わせた造語。

概要

様々な命令・画像・音楽を組み合わせてオリジナルのRPGを制作することができる。画像・音楽はあらかじめ用意されたものの他、自分で作ったものも使用できる。シリーズ初期製品やコンシューマ版を除き、作成したRPGは遊ぶだけなら本ソフトを必要としない(あれば解析が出来る)ため、友人に遊ばせたりインターネットで配布したりする事ができる。

ちなみにSFC版などが発売された当時にはアスキー主催の「RPGツクールコンテスト」が行われていた(最優秀者には賞金1000万円が贈呈された)。

自分でゲームが作れるという夢のようなソフトであるが、シリーズを重ねていくにつれ「一見進化したように見えて、仕様が劣化している」という悲しき運命を背負ったシリーズであり、地雷率が高い。

後述のように完成度の高いツールも存在する。最も有名なのはRPGツクール2000である(が、地雷となった作品は驚くべきほどに酷いので、真面目にゲームをつくろうとしているユーザーは購入前に一応他人の評価に目を通したほうが得策)。

特にコンシューマシリーズは当たり外れが激しいので購入は慎重に(PC版はパッチで対応されるため、外れが出ても後々に舵取りが効く)。

なお『格闘ゲームツクール』などの亜種シリーズもいくつか存在する。

シリーズの推移

PC版

  • 1990年 RPGコンストラクションツール Dante
    シリーズ第一弾、MSX2用RPG制作ツール。
  • 1992年 アクションRPGコンストラクションツール Dante2
    MSX2用。シリーズ中唯一のイース風アクションRPG制作ツール。
    独自の音楽作成ソフトMuSICAでBGMも自作可能になった。
    今作発表直後、第一作Danteの直接の後継ツールになるDante3の発売が発表されたが開発中止。MSX2用のシリーズはこのDante2を最後にDante98以降に引き継がれた。
  • 1992年 RPGツクール Dante98
    DanteをPC9800シリーズに移植したもの。ツクールの名称は他のアスキー系ツール(アドベンチャーツクール等)で既に使われたことがあったが、本シリーズでは今作から採用された。
  • 1996年 RPGツクール Dante98 II
    Dante98の後継製品。
    階層のついたマップ、変数などが追加された。
    ゲームエンジンの再構築による発売延期のせいで下記の95と発売時期が近くなってしまい、あまり売れなかった不遇のソフト。
  • 1997年 RPGツクール95
    ここでPC9800シリーズからWindowsにプラットフォームが変更され、Danteの名称も廃された。
    マウスでも操作できるのが特徴。数多くの名作が出た。有名な作品にムーンホイッスルなど。
  • 2000年 RPGツクール2000
    現在最も多く使われていると思われるソフト。この作品におけるキャラクターのサイズは、XPまで継承された。
    普及率が高いのは、機能性の高さと自由度の高さ、それでいてイベント機能が充実しており、その他ダンジョンなどの制作も比較的楽だという敷居の低さにある。
    変数の概念が始めて登場(フラグ自体は以前より搭載されていた)、これにより複雑なイベントを作る事が可能になった。仕様を少し強化した廉価版が発売されている(通常版もパッチで廉価版仕様に対応)。
    最も盛り上がっていた発売当時、毎月のようにコンテストが制作されていたこともあり、完成度の高い名作がたくさん揃っている。現在もRTPのダウンロードが可能である。
  • 2002年 RPGツクール2003
    2000のマイナーチェンジ的な要素をもった続編。続編ということもあって当然機能は2000以上(職業の概念、ダンジョンの自動生成、各種イベントの強化など)。ただしデフォルト戦闘DQ式からFF式になり、面倒になった。
    自作戦闘、戦闘なしRPGを作るならオススメ。2000の作品をコンバートすることが可能。発表当時はバグや仕様等で評価が低く(2000で十分すぎるためか)、結果さほど普及せず、あまりこれを利用した完成品は見られない。
    なお、デフォルトの顔グラフィックが前作のものよりややリアルな顔つきになっている。
  • 2004年 RPGツクールXP
    おそらく2000の次に普及していると思われる。スクリプト(RGSS、Rubyをベースにゲーム向けクラスライブラリを加えたもの)が登場。
    イベントコマンドの多くが削除され、スクリプトを多少知っていないと基本的な要素の作成すら困難なったため、初心者には敷居が高い。一方でアイデア次第で様々な作品(RPG以外)も作る事が出来たため、上級者にとっては夢のようなツールであった。
    この作品から外国で発売することを意識したデザインに。アクティベーション(定期的なネット認証)が必要になったため、複数のパソコンにインストールすることが不可能になった(2003以前は可能だった)。こちらも廉価版が発売されている。
  • 2007年 RPGツクールVX
    XPのスクリプトを残した上で、イベントコマンドが復活したため、XPよりは敷居は下がっている(しかしイベントコマンドが2003よりも少ないのでやはりスクリプトに頼らざるをえなくなる)。
    キャラのサイズが95のようなサイズになっている。発売してから四年経つがVALUE版がでない。と思いきや2011年に和の素材集付きで改変販売されることに。
  • 2011年 RPGツクールVX ACE
    ついに発表されたVXの続編にあたる新作ツクール。

コンシューマ版

  • 1995年 RPGツクール SUPER DANTE
    スーパーファミコン。ドラクエ風コマンドウインドウが特徴。
    漢字がほとんど使えない、作れるイベントの量に限度有り、ダメージは計算式の完全固定と制約が多い。
    仕様も独特で、代表として「魔法を10個以上覚えると古い方から順に忘れる」が挙げられる。
    「コンシューマでRPGツクールが出た」と言う点では記念すべき作品だろう。
    サンプルゲーム「FATE」はDante98の移植版。容量ギリギリまで詰めたのか、残り容量がほとんどない。ストーリーに好感を持った者が多く、他のツクールで作り直したり、外伝などの創作を作った者がいる。
  • 1996年 RPGツクール2
    同じくスーパーファミコン。PC版に先駆けてDanteの名称が廃された。
    サテラビュー対応だったためROMは通常より大きかった。
    キャラクターの投身はRPGツクール2000に近い。
    容量が増え、キャラの向きが指定できるようになった。特にBGMに良曲が多く、1ループが長いのも特徴。
    サンプルゲーム「だんきちのバクチン大作戦!!」はツクールの基本ともいうべき学校が舞台。ドタバタコメディながら作者ネタやエロネタがあり、他のサンプルゲームより異彩を放っている。クリアまでのプレイ時間は5~10時間。
    エンカウント設定がきつく、ザコとの戦闘が多くなりがち。
    RPGツクール2の攻略本でも裏話が記載されているので気になる方はチェックすべし。
  • 1997年 RPGツクール3
    初のプレイステーション。これまで固定だったダメージ値に乱数が導入された。
    やりたい事が大幅に増えた今作を最高傑作と評すと同時に、この後のシリーズが大抵あまり良いものではないため、この作品がピークと皮肉られる事も。
    データのセーブは当然メモリーカードで行うが、アニメティカを使用したオリジナルキャラの投入やマップチップを入れると容量が膨れ上がり、規模が大きくなるほど容量も大きくなり、メモリーカードを複数要する場合もある。
    サンプルゲーム「gobli -ゴブリくんの冒険-」はRPGの世界ではザコモンスターであるゴブリくん、影役のポール、ネコの堀田が下剋上を狙う物語で、評価は高い。
  • 2000年 RPGツクール4
    プレイステーション。暗に「脱ドラクエ化」の方針が見える作品で、戦闘画面がファイナルファンタジーなどに代表されるアクティブバトル式サイドビューとなっている。敵に攻撃・ダメージ・待機モーションがあるなどコンシューマとしては面白い要素が増え、自分で戦闘アニメが作れたり、魔法アニメに3DCGムービーが収録されていたり、召喚獣の要素も追加された(こちらも3Dムービー)。
    が、バグが多いのが欠点であり、せっかくいろいろ変えられるのにもかかわらず、それが肝心の画面に反映されないなど悲しい仕様もある。
    容量問題も根深く、自作するとちょっとパーツを増やしただけでとんでもない容量を食うなど、自由度の低さもあっておそろしく不評だった。
    なお、どういうわけか召喚獣の中にはジバクくんが混ざっている。
  • 2002年 RPGツクール5
    初のプレイステーション2ソフト。ツクール初の3D作品。等身がシリーズ随一の低さである。
    メッセージ入力が比較的ラクな反面、イベント機能がデフォルト機能としてほとんど搭載されておらず、制作難度は制作者の技量に左右される。
    そんなわけで自由度があまりにも高すぎるためにとても作成が困難となっており、敷居がおそろしく高い。
    ただし使いこなせば完成度の高い3DRPGを制作することも可能なソフトであり、秘められた可能性はコンシューマシリーズ中においては随一である。評価が分かれる作品。
  • 2004年 RPGツクール(PS2)
    プレイステーション2。キーボード非対応。シリーズでも珍しい8頭身キャラを使える。
    画像がとても綺麗で曲も良い。マップ制作も簡単であり、平たく言えば3DのFFが作れるという、まさに夢のようなソフト……のはずだった。
    が、作成可能な人物が100体(これは主人公・敵・町の人間を含めた脇役を含めた要素)と決まっていたり、ツクールシリーズとして致命的な「製作に大きな制限が加わる」という難点がつきまとう作品。
    もっともキツイ難点は、ロード地獄である。RPGなのに戦闘をなしにでもしないとストレスがどうしてもつきまとうゲームになってしまう。
    これで躓いてしまったことが致命的だったのか、以降据え置き機におけるツクールソフトは発売されていない。
    ニコニコでもこれを題材にした動画は希少中の希少である。

携帯ゲーム版

  • 2000年 RPGツクールGB
    ゲームボーイカラー。
    漢字は使えない。
    サンプルゲーム「NOBLE CAT」はありがちな中世風RPGだが、王女ニーナがベッドで寝る度に元の姿やネコの姿に変わるなど、サンプルゲームとして学ぶべき部分は多い。
  • 2001年 うちゅう人田中太郎で RPGツクールGB2
    同じくゲームボーイカラー。
    当時『月刊コロコロコミック』で連載されていた「うちゅう人 田中太郎」のキャラクターを追加したもの。
    前作RPGツクールGBをベースにしているので前作を周知している者なら違和感無くRPGを作成できる。
  • 2003年 RPGツクール アドバンス
    ゲームボーイアドバンス。テストプレイをしながらゲームを製作できる。
    敷居がシリーズ随一の低さで、作り易いため携帯ゲーム機のツクールシリーズでは評価が高い。
  • 2010年 RPGツクールDS
    ニンテンドーDS。およそ7年ぶりの携帯機での登場。
    DPサイズとFULLサイズのどちらかの形式で作成(途中変更可能)。Wi-Fi通信やDS同士の通信で、作成したデータを送信できる。ソフトを持っていない相手にも、「DPサイズ」でなら送信が可能(その場合セーブ不可能で電源を切るとデータも消える)。
    現在、多くの仕様や不具合、バグで話題を集めている。クソゲーオブザイヤーにもノミネート。
  • 2011年 RPGツクールDS+
    ニンテンドーDS。RPGツクールVX ACEと同時発売となる携帯機ツクール最新作。

亜種

  • ツクールシリーズを参照

ニコニコ動画におけるRPGツクール

ニコニコ動画にもいくつかRPGツクールで自作した作品のプレイ動画がアップロードされているが、実際に遊ぶことより、動画として楽しめる作品の方が人気の出る傾向にある。
いわば、RPGツクールを用いて作られたMADだとも考えることもできる。
ニコニコツクールゲーの項も参照されたし。

関連動画

サンプルゲーム

BGM

作品

関連商品

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関連項目

  • ゲーム
  • RPG
  • エンターブレイン
  • ニコニコツクールゲー
  • 他人ツクールシリーズ
  • ツクラー
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