Tウイルス 単語


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ティーウイルス

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Tウイルスとは、バイオハザードシリーズに登場する架空のウイルスである。色は緑色。
Tは暴君(Tyrant)の頭文字から取られている。
「t-ウィルス」などと表記されることもある。

概要

製薬会社のアンブレラ社が極秘裏に開発・研究していたウイルス兵器。物語中で引き起こされるバイオハザード(生物災害)は、大体このTウイルスの漏洩事故が原因。ただし近年の作品では出番が少なくなり、別のウイルスが原因となる事が多い。そしてこのウイルスに感染した者はゾンビと化す。ゾンビと並んで、シリーズの屋台骨を支えてきた陰の主人公と言えるだろう。

漏洩直後は空気感染をするため、吸引した人間はもれなくウイルスに感染する。しかしTウイルスは変異性が高いため、次第に空気感染しなくなる。Tウイルスに感染した生物に噛み付かれたり引っ掻かれる、もしくは汚染された水を摂取する、血液感染等が主な感染経路。またTウイルスには異なる生物間の遺伝子交配を容易にする特性があり、これを使って様々なB.O.W.(生物兵器)が製作された。

ウイルス兵器なので同時にワクチンも存在する。ラクーン大学が独自に製作したワクチン「デイライト」は、生きている人間に注射すると体内のTウイルスを死滅させ、恒久的に感染を防いでくれる優れもの。逆に感染した生物に打ち込むと即死させる事が出来る。

10人に1人の割合で、Tウィルスに完全な抗体を持った人間がいる。彼らは噛まれようが引っかかれようが、感染しない。バイオハザードの主人公が感染しないのはこの抗体のおかげである。しかし体内に直接濃厚なTウイルスを送り込まれた場合は例外のようだ。さらにセルゲイ・ウラジミールのように1千万人に1人の割合でウイルスに完全に適応する者もおり、この場合は脳に障害を及ぼすこと無く肉体を増強し、自身の意志で肉体のリミッターを外すことも可能。このような人物の存在が、アンブレラがタイラントを開発するきっかけとなった。

ゾンビ化

ゾンビは生きている人間がウイルスに冒された存在で、同時に悲惨な被害者でもある。

Tウイルスには死者を蘇らせる力は無いとされる。コードベロニカでは墓石の下から這い出てきたゾンビがいるが、これは混乱の最中、仮死状態のまま埋葬された事に起因する。一方、医学的には死んでいるとされ、安楽死が通用しない。
ちなみに子供のゾンビは存在しない。新陳代謝の発達に耐え切れず、死亡してしまうかららしい。メタ的な事を言うと倫理上の問題。また猫といった適性の無い生物も、ウイルスによる激変に耐えられず死んでしまうようだ。感染した人間がゾンビになるまでの時間は十人十色。数時間でゾンビ化する者もいれば、数週間後にゾンビ化する者もいる。宿主の健康状態に左右されるようだ。

感染から発症まで

感染すると、ウイルスにより新陳代謝が異常発達。死んだ細胞をも蘇らせるが、急激な皮膚の再生に耐え切れず全身に痒みが出始める。同時に大脳新皮質が破壊され、記憶力の低下や理性の欠落が表れる。新陳代謝の異常発達が進むと皮膚が腐り落ち、またその消費エネルギーを補うために食欲が増大する。それに伴って胃酸が凝縮され、何を食べてもすぐに消化されてしまい、常に極度の飢餓感に苛まれる。

感染が進行すると、言葉を発しようとしても全体の一割程度しか発声できなくなる。ゾンビ化が迫ると、意識を乗っ取られるような感覚に襲われる。ガンサバイバー2の看守長の日記では「ウイルスに操作されるだけの肉人形に成り果てる」と形容されている。

やがて食欲を満たすため、本能的に新鮮な肉を摂取する(=生きている人間を襲い始める)。これが所謂ゾンビの状態である。ゾンビ化したあとも人格や記憶と呼べるものが若干残っており、ドアの開閉をしたり自分と関係のある場所を徘徊する傾向にある。だが意思の疎通は完全に不可能で、相手が友人や家族だろうと血肉を貪ろうとする。ラクーンシティでは、ゾンビ化した家族や友人への攻撃を躊躇した事が感染拡大の一因となっている。

大抵のゾンビは膨大なエネルギー消費をまかない切れず餓死するのだが、確保に成功すると体内のウイルスが変異を促し、リッカーに進化する場合も。
ちなみに餓死したゾンビは他のゾンビの餌になるようだ(いわゆる共食い)。

来歴

アンブレラ創立よりも前(1960年頃?)、オズウェル・E・スペンサーやジェームス・マーカスたちがアフリカの奥地で原型となる始祖ウイルスを発見。これを研究すべくスペンサーらはアンブレラ社を立ち上げ、不死身のスーパーソルジャーを作り出すウイルス兵器に改造しようと試みた。始祖ウイルスに様々なウイルスの遺伝子を組み込むなど実験を繰り返した結果、Tウイルスが誕生した。

しかしTウイルスは人間をゾンビに変えてしまう恐るべき作用を持っていた。だがそこはアンブレラ社、その作用を逆に利用して生物兵器B.O.W.を開発に着手。顧客に売りつけて金儲けを目論んだ。1978年2月頃、ジェームスはヒルにTウイルスを投与。これは見事成功し研究は次の段階に進んだが、成果を横取りしようとしたウィリアム・バーキンとアルバート・ウェスカーによってジェームスは暗殺。研究を引き継いだ二人はTウイルスを量産、アンブレラの各研究所でB.O.W.開発が進められた。

アンブレラ倒産後は世界各国に流出し、テロ組織によってバイオテロに利用される事になる。

映画版では

映画版バイオハザードでは少々設定が異なる。映画版では色が青色になり、ワクチンが緑色。

アンブレラ社の責任者、チャールズ・アシュフォード博士(アレクシア・アシュフォードとは関係ない)が、娘のアンジェラを苦しめる筋ジストロフィーを治療するために開発したのがTウイルスだった。原作同様、感染すればゾンビと化すやべーやつで、アンブレラ社は生物兵器の開発に利用した。
しかし抗ウイルス剤(ワクチン)を定期的に摂取すれば、理性を保ったまま死んだ細胞を蘇らせる事が出来る、つまり筋ジストロフィーの治療が可能だった。本来は筋ジストロフィーの治療薬だったのである。
実際、アンジェラはTウイルスのおかげで歩けるようになっていた。

だがTウイルスは治療薬としてではなく、ウイルス兵器として利用された。アンブレラ社はラクーンシティの地下にある研究施設ハイブで、その研究を行った。うさぎを使った動物実験や、生物兵器リッカーの育成が秘密裏になされた。

一作品目の「バイオハザード」では転売して金儲けを考えたスペンスによって盗み出され、証拠隠滅のため研究施設ハイブにウイルスを漏洩させた(小説版では誤ってアンプルを割ってしまった事になっている)。ワクチンも同時に盗まれたため、ハイブを司る人工AI・レッドクイーンはやむなく職員498名を閉じ込めた上でハロンガスを充満させ、窒息死に追いやった。原作ではTウイルスに死者を蘇らせる力は無かったが、映画版では殺害された職員がゾンビ化している。
二作品目「バイオハザードⅡ アポカリプス」では、調査隊がハイブの隔離シャッターを開けたせいで蠢いていたゾンビが放たれ、ラクーンシティ全域にウイルスが流出。最終的には核弾頭による滅菌作戦で街そのものが滅んだ。原作では子供ゾンビはいなかったが、二作品目のみ小学生ゾンビが登場する。レポーターのテリー・モラレスを食い殺すその様はホラー映画そのもの。
三作品目では、滅菌作戦を以ってしてもウイルスの流出は止まらず、全世界に拡大。大半の人間がゾンビ化(劇中ではアンデッドと呼称)し、地球を砂漠化させた。わずかに生き残った人々は終わりの無い逃避行を強いられ、アンブレラ社の幹部は地下へと退避した。

主人公のアリスは、三作品目にてアイザックス博士からTウイルスを投与されたが、なんと適合に成功。理性や感情を保ったまま超人的な身体能力と超能力を獲得し、チートじみた活躍を見せた。
ところが原作との乖離が激しすぎたためか批判が相次ぎ、次回作のアフターライフでは冒頭でアルバート・ウェスカーに抗ウイルス剤を打ち込まれ、無力化されている。

余談だが、小説版によるとゾンビ同士では共食いしないらしい。Tウイルスに冒された細胞は腐らないので消化できないとの事。また、活動期間も膨大であり年単位でゾンビが動いている描写がある。

関連項目

  • バイオハザード
  • バイオハザード(映画)
  • G-ウィルス

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