ザクII(MS-06 Zaku II)とは、アニメ『機動戦士ガンダム』及びその関連作品に登場する架空の人型ロボット兵器 / 人型機動兵器、ジオン公国軍のモビルスーツ(MS:Mobile Suit)である。
又、同作品のシリーズにあたる『機動戦士ガンダムSEED』においても同名・ほぼそっくりの外観で登場する。
概要
ザクという名のモビルスーツは、ザクII以前にMS-05 ザクI(いわゆる『旧ザク』)が存在する。1年戦争の序盤以降は基本的にザクは作業用に使われ、ザクIIが主力モビルスーツとして量産されたために一般的にザクと言えば『MS-06 ザクII』の事を指す。
名前の由来は軍靴の「ザクッザクッ」という足音と「雑魚」を組み合わせた造語からきているという。
アニメ作中のバリエーション機としては≪赤い彗星≫シャア・アズナブルの乗る『シャア専用ザク(MS-06S)』と、一般兵士用の緑のザクが有る。それ以外のバリエーション機はアニメ後に後付された設定である。
初期型、宇宙用(F型)、地上用(J型)などなど様々なバリエーションやオプション装備がある。主な武器はザクマシンガン、ザクバズーカ等の射撃武装と、白兵戦用のヒートホーク。初期型は核バズーカを使用可能で、地上戦用のJ型では、3連装ミサイルポッドやマゼラトップ砲を装備したものも。
様々な環境、用途に適応できる大変優秀な機体でファンも多いが、この機体が優秀すぎた為後継機の開発が遅れたとする説もある。
第一話「ガンダム大地に立つ」で動力パイプを引きちぎられるシーンは当時の子どもたちに衝撃を与えた。
活躍
宇宙世紀0074年、ジオン軍は初の軍用モビルスーツであるザクⅠを誕生させた。ザクⅠを運用しつつ研究を重ねた結果、様々な問題や欠点が浮かび上がってきた。ジオン軍はこれらを改善した後継機の開発に着手し、0077年に本機ザクⅡが誕生する。ザクⅠではミノフスキー・イヨネスコ型核反応炉の排熱が上手く行かず、稼働時間に制約が課せられていたが、ザクⅡでは大胆にも外部に熱伝導パイプを露出させる事でこの問題を解決。稼動時間の制約を取っ払った。他にもジェネレーター出力や白兵戦能力の向上が施されており、ザクⅠから正統進化した後継機として見事デビューを果たした。ザクⅠの生産ラインは全てザクⅡに充てられ、軍備拡張とともに大量生産されていった。
宇宙世紀0079年1月3日、一年戦争が勃発。数こそまだ少なかったが、ジオン軍は積極的にザクⅡを最前線に投入。手始めに各コロニーに駐留している連邦軍を蹴散らした。続くブリティッシュ作戦、ルウム会戦でザクⅡは猛威を振るい、連邦宇宙軍を一掃。制宙権を一気に奪取し、ジオン軍の大勝を支えた。地球連邦と比べて国力が30分の1以下にも関わらず、大戦初期にジオンが快勝し続けたのはザクIIのおかげと言っていい。ザクIIがもたらした大戦果は連邦軍の思想にも影響し、レビル将軍は「モビルスーツ無くして勝利無し」と唱えた。来るべき地球侵攻に備え、ジオン軍は陸戦型ザク(J型)の開発も並行して行っており、1月15日に試作機が完成した。
3月1日、ジオンは第一次降下作戦を開始。万能機ザクは地球の大地に降り立ち、連邦軍を追い散らす。第一次降下作戦では陸戦型ザクの数が足りず、宇宙用のF型を転用して急場を凌いだ。3月11日の第二次降下作戦でようやく充足し、主力として活躍。18mに及ぶ鋼の巨人は敵兵に多大な恐怖を与え、61式戦車ですらザクの前では及び腰だった。対MS特技兵や空からの攻撃には弱かったが、そんな事は瑣末だと思えるほど各地で破竹の快進撃を見せた。しかし地球侵攻に伴って何機かのザクが鹵獲されており、連邦軍は草の根を掻き分けるかのようにザクを研究した。研究が完了したザクは一部の実戦部隊に配備され、対MS戦闘のデータ採集に使われた。
長らくザクは地球の王者であり、8月には連邦軍の欧州方面軍を一掃。ヨーロッパ全土はジオン軍の支配下に収まった。ところがこの天下は大変短いものだった。10月11日、オデッサ作戦のため連邦軍の大部隊がドーバー海峡を渡り、フランスに上陸。一大反攻作戦が開始された。同時に世界各地で陽動作戦が行われ、陸戦型ジム及び陸戦型ガンダムが一斉に出現。ジムはザクより優れた性能を持っており、劣勢を強いられる。MSの運用に関してはジオンに一日の長があるので、ジムを返り討ちにする事もあったが、連邦の物量の前では無力だった。ジオン軍も後継機種として様々なMSを投入するが、前線の多くの部隊は国力差もあり、常にザクを使わざるを得なかった。中には独自に改造を施し、ザクタンクやライノサラスといった派生機も作り上げたが、物量に任せて押し寄せてくる連邦には抗しきれず多くが撃破された。
末期になるとようやく後継機としてリック・ドムやゲルググがそれなりに配備され、ザクIIの役目は終わったかに思われたが、やはりモビルスーツの絶対数不足のため終戦までザクIIが使われた。一説によるとエースパイロットは最新鋭機のゲルググより慣れ親しんだザクIIを選んだというが、それら後継機によるエース部隊も多く存在するため、諸説ある。
一年戦争が地球連邦軍の勝利に終わった後の時代にも、ザクIIは特に残党組織に祭り上げられ、特に困窮の激しい組織などは戦意高揚のためにザクの姿を模したMSを作り上げることすらあるくらいである。連邦軍の方も心理的効果を狙ってハイザックを開発したり、それに怒ったネオ・ジオンが正当後継機ザクIIIを開発したりとザクの名は「新世代の兵器」はたまた「過去の栄光」などの様々な象徴として扱われ、後の時代にも大きく影響を残し続けることとなる。
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