ナマコ(海鼠)とは、棘皮動物の一群のことである。
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概要
細長い身体とヌメヌメした体表を持つ、ヒトデやウニ、ウミユリの遠い親戚である。日本近海だけでも200種類以上が存在するが、そのうち食用になるのはマナマコなどごく一部である。ほとんどのナマコは海底を這って行動しており、そこにたまった有機物を摂取している。その活動は非常に不活発で、1分間に数cmほどしか進まないが、深海に棲息するユメナマコなど遊泳性のものもいる。
クロナマコ科に分類される種の多くは、外敵に襲われると肛門から白い細管状の内臓の束を噴出し、ネバネバした謎の白い液体それを敵に絡ませるという防御策をとる。この内臓はキュヴィエ器官(フランスの博物学者ジョルジュ・キュヴィエに由来)と呼ばれる気管支束、つまり肺の中身のようなものであり、一つを放出してももう一つが体内に残っているので生存に支障は無い。また再生力が高く、キュヴィエ器官を吐き出したり身体の一部が切り取られたりしても、1~3ヶ月ほどでトカゲの尻尾のように元通りに再生する。逞しい。
ナマコはほとんど移動しないため(穴を掘らない種は)捕獲が容易である。日本では古くから一部の種が食用として用いられており、特に酢の物として食べるのが一般的。強い磯の香りとコリコリとした食感が特徴で、好みの分かれる所。
通好みのするものには「くちこ」と「このわた」がある。
「くちこ」はナマコの卵巣のことで、生で食しても、乾燥させたものを炙って食べても、吸い物に入れても、とにかく美味しい。「このわた」はナマコの腸を塩辛にした料理で、聞こえはグロテスクだが、豊かな風味とほのかな甘みがあり、酒のつまみとして人気。
どちらも、美食家として知られた北大路魯山人の好物であった。
……そのはらわたはこのわたであって、これは大概の人がご承知のとおり、初見おか惚れという美人ではないが、トロトロと長く糸を引くやつを、一筋舌の上に乗せ、無上の味覚に陶酔し、顔面筋肉は、心の愉悦を表現して、やや弛緩する。そのころ、燗酒ひと口、ぐっと呑み干す。味覚、味覚……、その快味は真に言うべからざるものがある。しかも、その酒杯が古染ネジなどであり、このわたの容器が朝鮮斑唐津などの珍器であったとしたら、まったくもってたまらない。人生の楽事亦多なる哉だ。
漢字で書くと「海鼠」。「鼠」の字が使われているのは、上から見た姿がネズミに似ていることや、夜になると動き回る類似点からきているといわれている。日本語の「ナマコ」は「生のコ(ナマコの古称)」という意味で、古くから広く食用とされたことが覗える。欧米ではその外観から「海キュウリ」系の呼称が一般的だが、「海の管」「海のソーセージ」「海のち○ち○」といった身も蓋も無い(管だけに)呼称もあったりする。
ニコニコ大百科に記事のあるナマコ
ナマコモチーフのキャラクター
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