プロヴィデンスガンダムとは、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』に登場するザフト軍のモビルスーツである。形式番号はZGMF-X13A。プロヴィデンスには「神意」、「摂理」、「天帝」といった意味がある。
概要
ラウ・ル・クルーゼ最後の専用機で、『ガンダムSEED』におけるラスボス機体。
フリーダムガンダム、ジャスティスガンダムとともに製造されたザフトの最新鋭機。兄弟機のフリーダムやジャスティス同様にニュートロンジャマーキャンセラーが搭載され、無限の稼働時間を誇る。加えて、地球軍から強奪したGAT-Xシリーズの技術もふんだんに盛り込まれ、ザフト及び連合の技術の集大成とも言うべき高い完成度を持つ。本体はフェイズシフト装甲で覆われているため実体弾は通用せず、フリーダムが使用するルプスビームライフルを更に強化したユーディキウムビームライフル、そして他の兄弟機には無いドラグーンシステム(他のガンダム作品で言うファンネル)を装備しており、武装面・稼働面・防御面において従来機を遥かに上回る最強のモビルスーツとなった。
しかしドラグーンシステムは卓越した空間認識能力を持つ人間にしか扱えない代物であり、当然、その素養が運用に不可欠な機体となってしまった。ザフト軍で空間認識能力を持つのはクルーゼのみなので、実質クルーゼ専用機となる。そもそもドラグーンシステムは、当初の予定では装備されない予定であった。急遽ドラグーンシステムを備え付ける事になったため、“ドラグーンシステムの通信ケーブル”という非装甲部分、すなわちある種の弱点を外部に露出している形となってしまっている(実際はケーブル部分までPS装甲化しているため、いうほどの弱点ではない)。さらにドラグーンシステムを装備したことで、兄弟機と比べて運動性が少し劣ってしまっている。
もっとも、それらの欠点を差し引いても、ドラグーンシステムがもたらした攻撃力は破格のものだった。死角から無数に放たれるビームの驟雨は一般兵に避けられるものではなかった。一瞬のうちに数機のモビルスーツを葬る事が出来、中には自分が撃破された事を理解する前に戦死したパイロットも居たという。ビームで光の網を形成してプロヴィデンスに向かってくるミサイルを打ち落とす使い方も可能。格闘戦もこなせるが、ビームサーベルが内蔵されている盾は取り回しを優先したため小型化されており盾として使用するには難しい。そのためか劇中でクルーゼがこの盾を使用したのは一回だけであった。
なお、プロヴィデンスの後継機としてレジェンドガンダムが製造された。
劇中での活躍
フリーダムやジャスティスと同時期に開発がスタートしたが、急遽ドラグーンシステムを装備したため他の兄弟機と比べて遅れが生じていた。設定上ではC.E.71年5月5日にロールアウト。ちなみに、この日にフリーダム強奪事件が発生した。
本格的な登場は第48話「怒りの日」終盤。ヤキン・ドゥーエ内部に格納されており、出撃するクルーゼに引き渡された。クルーゼとプロヴィデンスの対面は今回が初めてで、ぶっつけ本番での出撃となっている。9月27日、ジェネシス発射とともにヤキン・ドゥーエより出撃した。
クルーゼの専用機として第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦に参加。初めて搭乗したにも関わらず、それを感じさせない動きを見せ、ストライクダガー3機をドラグーンで瞬殺して視聴者に衝撃を与えた。続いてムウ・ラ・フラガ駆るエールストライクガンダムと交戦。ドラグーンシステムの攻撃を回避されながらも損傷を与え、撃退している。その後ストライクダガー数機を葬り、次なる標的をアークエンジェルに定める。アークエンジェルを守ろうとバスターガンダムが撃ちかけてきたが容易く回避し、反撃のドラグーンで瞬時に中破させた。
そこへフリーダムガンダムが駆けつけ、ついに一対一の最終決戦が始まった。プロヴィデンスは圧倒的な戦闘能力を発揮し、ミーティアの攻撃を悉く無効化。ドラグーンシステムを巧みに操ってミーティアを全損させた他、フレイの乗った脱出艇を撃ち抜いている。脱出艇の爆発に巻き込まれたフリーダムを見て、クルーゼは戦域を離脱。次なる獲物を求めて飛び去っていった。
クルーゼは次にエターナルとクサナギに狙いをつける。ドラグーンを展開し、網目状にビームの弾幕を形成。護衛のM1アストレイをまとめて葬り、エターナルとクサナギにも損傷を与えた。エターナルにこれ程の損傷を与えたのは後にも先にもクルーゼだけである。エターナルにトドメを刺そうと接近するも、フレイの死により種割れを起こしたキラの妨害に遭い激戦と舌戦を繰り広げた。まさにラスボスに相応しき強さを振るい、ビームライフルを腕ごと貫いたり右脚を破壊するなどフリーダムを満身創痍に追い込んでいったが、キラの超人じみた反応速度でドラグーンを次々に落とされ、プロヴィデンスも左腕を吹き飛ばされる。最期はジェネシス発射口前でラケルタビームサーベルによってコクピットを貫かれた。直後にジェネシスが発射されプロヴィデンスとクルーゼは爆散した。
ちなみにジェネシスが地球に向けて発射され、フリーダムを撃破した後、クルーゼはプロヴィデンスでプラントを破壊して回るつもりだったらしい。
漫画では
高山瑞穂版ガンダムSEEDでは、少し結末が異なる。瑞穂版では一貫してプロビデンスと呼ばれていた。
原作同様にフリーダムと一騎打ちし、満身創痍へと追い込むプロヴィデンス。あと一歩というところまで追い詰めたが、思わぬ横槍が入る。なんとメビウス・ゼロで出撃してきたムウが介入し、ガンバレルを展開。クルーゼは旧式だと侮るが、ムウの執念で有線ガンバレルに絡め取られ、身動きが取れなくなる。ムウは自分ごとクルーゼを撃てとキラに言うが、キラは躊躇する。ためらうキラに、クルーゼは「とんだ甘ちゃんだな」と微笑み、残っていたドラグーンを使ってフリーダムを攻撃する。しかしムウに叱咤され、覚悟を決めたキラはバラエーナでムウごとクルーゼを撃ちぬき、プロヴィデンスを撃墜した。
武装
- MA-M221 ユーディキウム・ビームライフル
ラテン語で「審判」を意味する大型ビームライフル。フリーダムやジャスティスが持つルプス・ビームライフルより威力が増大しているが、大型ゆえに取り回しが難しい。
- MMI-GAU ピクウス76mm近接防御用機関砲
頭部と両肩部分に備え付けられた対空迎撃用機関砲。ピクウスはラテン語で「キツツキ」を意味する。
- MA-V05 複合兵装防盾システム
左手にはめ込む形で装備された、大型ビームサーベルと2門のビーム砲を持つ小型の盾。地球軍から強奪したブリッツガンダムのトリケロスを参考にして造られた。ビームコーティングが施されているが盾の部分が小さく、防御として使うには心もとない。
- ドラグーン・システム
プロヴィデンスを代表する主兵装。量子通信とマルチロックオンシステムの併用によりコントロールされ、敵機の死角から撃ちぬいたり、四方八方よりビームの雨を降らせる事が出来る。その火力は凄まじく、たった1機で十数機分に匹敵する。エネルギーが尽きても母機へ戻った時に補充される仕組みになっていて、実質無限の稼働時間を持つ。しかしこのドラグーンを扱うには卓越した空間認識能力が必要であり、使用者は限られる。
関連項目
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