ミル姉さんとは、『笑う犬の生活 -YARANEVA-』『笑う犬の冒険 -SILLY GO LUCKY-』に登場した雌牛である。
他局で登場する白いオカマとは顔が白い以外関係ない。
概要
笑う犬の生活
初登場は1998年11月11日。笑う犬の生活が始まって5回目の放送日2つ目のコント作品だった。
演じているのはウッチャンナンチャンの内村光良。人物像のモデルは桃井かおり。実際に両者が共演したこともある。
第一回放送では、3人の部下に対して乳搾りを受ける牝牛の嘆きをボヤき、最後に森永さん(森永乳業?)から指名があり終わる、という後のスタイルとはかなり異なった内容だった。しかし、この回の時点で自作の歌を歌いながら退場するスタイルは確立されていた。
以後、ほぼ毎週登場するようになり、時事ネタを踏まえたボヤキと漫談を披露して最後に何処からの指名で歌いながら客の下へ向かう、という内村一人コントになった。
生活最終回では、「ラストの歌を全部見せてくれ」というマニアックなリクエストが届いて実際にOAされているあたり、なかなか好評だったらしい。
また、この時代の舞台は横須賀市にあるスナック(牛舎?)という設定で、バックには大量の干草と「乳」と書かれた達筆な書が飾られてあった。
このほか、日テレから指名が入った回では「ポケビで爺さんの役やんなきゃ」なるメタ発言もしていた。
笑う犬の冒険
ゴールデン進出とあって、スナックという水商売では不味かったのか、舞台が『Milkey Video Channel』というケーブルテレビ局に変更となった。田舎のテレビ局で持った番組を全国向けにオンエアしている、という設定である。
ただし、セットの造りはあまり変わっておらず、バックの「乳」の文字も健在だった。
基本的なキャラクター設定はそれほど大きく変わらないが、"Video Channel"とあるように、この時代ではミル姉さんオススメの映画を一本紹介し、最後に「映画一口メモ」と称した映画の見所を解説したり、名場面を真似る、という部分が大きく生活時代と異なる。
特に、「ルパン三世 カリオストロの城」では、かつて内村自身が実際に挑戦した「塔から塔へ飛び移るシーン」やラストの名台詞を含め完璧なまでに再現して見せた(相方からも「しっかり頼む」と言われていたらしい)。しかも、この回では最後に「昔やってたマモー、あれまんまルパンからパクッたの」と呟いた。
コントとは思えない本格的な映画解説だったので、雑誌や映画番組から解説者としての依頼が殺到したらしいが、当時の内村は「いつ寝て、いつ起きて、どこで台詞を覚えているのか?」とまで言われる超が付く売れっ子だったため、コント内でも断ってしまったことを詫びていた。
2001年4月7日のゴールデン洋画劇場では、ほぼ何の前触れも無く高島忠夫の代打として登場し、映画『スピード』の解説を実際に行っている(なお、高島はこの放送の5ヵ月後にうつ病再発に伴い、降板している)。
おおよそ2、3週間に1度は登場していたため、ニコニコユーザーの最も親しみのある形態がこの冒険時代の映画解説スタイルかもしれない。
しかし、リニューアルに伴い、番組の顔とも言えた彼女の姿は表舞台から消えてしまった。
その後
復活スペシャル『2008』『2010寿』『2010新たなる旅立ち』では全て出演。
その間に2008年6月25日に『THE THREE THEATER』の番組宣伝目的で『爆笑レッドカーペット』内でも復帰。
レッドカーペット出演は「ネタやりに来たんじゃなかったわ」といいつつ、僅か数分の番宣の間でその日の幾多の若手を差し置いて会場中の笑いを掻っ攫って行った。もちろん、バックには「乳」の文字があった。
そして、テレビに最後に出てから8年後となる2018年の第69回紅白歌合戦において、いきものがかりの「じょいふる」の曲中に現れる形で復活。
この年に集牧宣言と称して1年ぶりに活動を再開した同グループにかけたものとみられ、さらにこの年の紅白でグループを卒業する指原莉乃に放牧とエールを送った。
なお、この年の紅白の総合司会は内村だった。
後に、LIFE!のTwitterにて動画を投稿し、以下のようにコメント。
お久しぶり。ミル姉さんよぉ〜。びっくりしたぁ?
紅白出ちゃった、私。フジテレビのね、えらい人たちが『出ていい』って言ってくれたの!
だから出たの私。でも、会場行ったらね。若い子、私のこと知らなかった。
ちょっと悲しかったわ。おいたわしいね〜。
またどこかで会いましょう。もぉ〜いっぱい、いっぱい!
これで、ミル姉さんは内村キャラとしては別系列や別番組への出演回数でマモー、ホワイティと並び、最多タイとなっている。(マモーは誰かがやらねば(CX)→やるならやらねば(CX)→LIFE!(NHK)、ホワイティはウリナリ(AX)→紅白(NHK)→笑う犬(CX)、ミル姉さんは笑う犬(CX)→レッドカーペット(CX)→紅白(NHK))
その他
- よく、設定をオカマと勘違いされることが多いが、ミル『姉さん』とあるように、れっきとした女性である。
このため、コントのネタも時事ネタに加えて自慢のおっぱいに関連した乳ネタがかなり多かったほか、「あたしは干草次第でいくらでも脱ぐ女」などと語っていたこともある。
- 上記のような勘違いもあって、よく放映中にウッチャンナンチャンのウリナリで登場した『ホワイティ』とキャラが被っている、などと突っ込まれていたが、実際のところホワイティがアッパー系の甲高い声を主体とした明るい作風だったのに対し、ミル姉さんはモデルの桃井かおりと同じくダウナー系の落ち着いた雰囲気で終始コントが進んだ。
- なお、内村はこの時期ゲイ、オカマ役がかなり多かった模様で、このミル姉さんとホワイティのほかに笑う犬ファーストコントにして長寿シリーズとなった『てるとたいぞう』の「てる」も演じている。てるもこの二人とは全く異なるキャラクターで、「いけないこととわかりつつ男性を愛してしまう同性愛者の自覚があるが、それに苦悩する青年」という役柄だった。憑依芸人と称される内村ならではの芸達者ぶりといえるだろう。
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関連項目
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