大乱闘スマッシュブラザーズDXとは2001年11月21日に任天堂から発売されたゲームキューブ専用ソフトである。
概要
大乱闘スマッシュブラザーズDX | |
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | 対戦アクションゲーム |
対応機種 | ゲームキューブ |
開発元 | HAL研究所 |
発売元 | 任天堂 |
発売日 | 2001年11月21日 |
対象年齢 | CERO:A |
ゲームソフトテンプレート |
NINTENDO64で発売された大乱闘スマッシュブラザーズの続編。よく「スマブラDX」「スマデラ」と略して呼ばれる。
ファイターとして使えるキャラクターは前作の12体に加えて新たに13体が追加され、総勢25体に。
ハード移行によるグラフィックの美麗化やアイテム・ステージの増加はもちろんのこと、他にもフィギュア等の収集・鑑賞用の新要素、「アドベンチャー」「オールスター」といったやり応えのある新モードも追加され、内容が前作より大幅にボリュームアップした。
対戦システム面では、後述する新アクションの実装やそれを応用した入力難易度の高いテクニックの増加、ゲームスピードの高速化によって、結果的に前作より腕と経験による差が出やすい上級者向けの仕様となった。その為、スマブラ本来の「初心者から熟練者まで誰でも楽しめる」というコンセプトからやや外れた物になってしまった事を、ディレクターの桜井政博が本作に対する反省として過去にファミ通のコラムなどで述べている。
しかしそのようなハードでストイックなゲーム性が対戦格闘ゲームを極める猛者達に受けている事もまた事実であり、今でもアメリカ最大級のゲーム大会であるEVOの競技種目として採用される程の根強い人気を誇る。
ちなみに前作では、ゲーム中に登場するファイターは現実のぬいぐるみ・人形が動いているという設定だったが、本作からはフィギュアに強いイメージが吹き込まれ、それが生き物のように動いているという設定に変更されている(これは以後のシリーズでも共通)。
本作の続編として、Wii向けに『大乱闘スマッシュブラザーズX』が2008年に発売された。
新モード・新乱闘ルール
シンプル
前作での1人用ゲーム。対戦順が決まっていた前作とは異なり、本作では1戦事に使用可能なキャラクターからランダムで選ばれる。チーム戦、軍団戦や巨大化した敵は全員ではなく、一部のみの選出となっている。密かに、ベリーハードでは対戦相手のカラーリングが異なる。
ボーナスステージは「ターゲットをこわせ!」「フィギュアゲット」「つきすすめ!」の3つ。
前作の「台をのりついでいけ!」は廃止。
最終戦は全員共通でマスターハンドだが、条件を満たすと戦闘中にクレイジーハンドが乱入する。
クレイジーハンドは本作が初出。
詳細は「シンプル(スマブラDX)」を参照のこと。
アドベンチャー
クリボーやノコノコ、オクタロックといったザコ敵を倒しつつ、時にはファイターと戦う横スクロールアクションなモード。最終戦はクッパと戦うが、条件を満たすとアドベンチャーモードの真のラスボス、ギガクッパが登場する。ギガクッパは本作が初出。
次作のXでは「亜空の使者」と骨太なモードになった。
詳細は「アドベンチャー(スマブラ)」を参照のこと。
イベント戦
マリオ対クッパといったオーソドックスな対戦やモンスターボールから出現したポケモンの攻撃しか当たらないなど、様々なシチュエーションのお題をクリアしていくモード。
使用可能なファイターが増えるとプレイ可能なお題も増えていく。
とはいえガノンドロフとピチューはイベント戦で解禁した方が早いかも。
X以降では「2人でイベント戦」というモードが登場。
オールスター
隠しファイターを全員出現させると解禁される。ファイター全員を倒すとクリアだがストックは1つのみ。
しかも回復アイテムは対戦中は出現せず、休憩所のハートのうつわ3個のみ。(このハートのうつわは乱闘のルールとは異なり全回復する。ただし回復中に次の対戦へ移行すると途中までしか回復しない)
ルールは「星のカービィスーパーデラックス」の「格闘王への道」そのまんま。
休憩所のBGMはスパデラファン必聴。スマブラSPではスマブラオリジナル出典でBGMが復活した。
後の作品でも採用されているモード。
詳細は「オールスター(スマブラ)」を参照のこと。
トーナメント乱闘
人数を指定してトーナメント形式で大乱闘。後発品と異なり、コントローラーが足りないと遊びにくい。
スペシャル乱闘
体力制乱闘やカメラモード、スーパーサドンデス、小さい乱闘や大きい乱闘など特殊なルールを設けて戦う。後発品と異なり、一つのルールしか指定できない。またカメラモードでのみ写真撮影、及び写真の保存ができる。
コイン制
制限時間内に多くのコインを集めたプレイヤーが勝利するルール。撃墜されると所持コインが半分になってステージに飛び散ってしまう。因みにお札が出るのはX以降で本作では金銀銅のコインのみ。
評価制
本作のみのルールで、制限時間内に対戦中の行動で発生するスペシャルボーナスの合計点で勝敗を競う。制限時間が1分以内だと何もしないプレイヤーが強いかも?
新システム・仕様
スマッシュホールド
各種スマッシュ攻撃がAまたはZボタンを押し続けることで一定時間溜めれるようになった。溜めている間にボタンを離すことで、溜めた時間に対応した威力のスマッシュ攻撃が出せる。溜めなしでは倒せない%でも溜めれば倒せることがある。
スマッシュホールド中のキャラクターは他の操作が出来なくなるので注意。
シールド
L/Rボタンでシールドを張ることが出来るが、ボタンの押し込む深度によって薄く大きいシールドにしたり濃く小さいシールドにできる。シールドの濃さによって削れ方やノックバック、ガード硬直が変わる。
ジャストディフェンス
攻撃が当たる直前に深押しシールドを張ると、ジャストディフェンスとなりシールドが白く光る。ジャストシールドは『シールドが削られない効果』と、『ノックバックが大きくなる効果』と『シールド解除が振り向きを除く任意の行動でキャンセルできる効果』がある。
ちなみに次作『X』以降は「ジャストシールド」に名称が変更されている。
シールドリフレクト
相手の飛び道具を当たる直前で深押しガードすることでその飛び道具を反射して相手に当てる事である。ただし、その威力は半減する。このシステムにより飛び道具の有無がもたらすキャラ格差は比較的少ない。
空中緊急回避
64版とは異なり、本作では空中でL/R+スティックで空中緊急回避が行える。空中緊急回避後は着地するまでキャラクターはしりもち落下になり、操作不能になる。これにより空中戦で取れる選択肢が増えた。空中緊急回避動作中は崖に掴まることが出来なくなる。
ちなみにこれを地上スレスレで使ってキャラを滑らせるように着地させることで、隙の少ない移動・回避の手段として応用する非公式のテクニックが生まれており、プレイヤー間では俗に「絶」と称される。
ベクトル変更
攻撃を受けて吹っ飛ばされる瞬間にスティックを弾くと、吹っ飛ぶ方向をある程度制御できるというもの。本来の吹っ飛び方向に対して垂直方向に入力した時が最大変更となる。真横方向の攻撃を受けた時、斜め上方向に吹っ飛ぶようにベクトル変更を入力して撃墜を回避する、といったように使う。
着キャン、ヒットストップずらしと共に、なぜか説明書で一切触れられていない。
着地キャンセル
空中A攻撃の攻撃動作中に着地すると着地隙が大きくなるが着地する直前にガードボタンかZボタンを押すと着地隙を軽減できるというもの。これにより普通は繋がらないような連携やコンボが組めたりする。
64版の着地キャンセルはどんな空中A攻撃を出していてもすべて通常着地隙(4F)にするという凶悪な性質を持っていたが、DXでは本来の着地隙のおよそ半分の隙に調整された。
メテオ返し
64版で猛威を奮ったメテオワザだが、メテオを食らってから8F以降にジャンプボタンで吹っ飛びをキャンセルして復帰出来るようになった。更にメテオ属性を持つワザは軒並み発生が遅くなったり等調整が図られたため、場外→叩き落とされ低%撃墜という事態はほとんどなくなった。また、技の発生まで少し時間がかかるようになった。
・・・かと思われたのだが・・・
裏メテオ
本作にはファルコの空中下A、マルスの空中下Aなどメテオ属性を持たないにも関わらず斜め下方向へ吹っ飛ばすワザが存在する。これらは通称裏メテオと呼ばれており、メテオ属性を持たないためメテオ返しができず非常に凶悪強力なバースト手段となる。
空中アイテムキャッチ
投げられたりしたアイテムと操作キャラが重なったときにZボタンを入力するとそのアイテムをキャッチできるようになった。投げられた物以外にも、台の下からジャンプして台の上に落ちているアイテムを台に乗らずに取るということも出来る。
三角飛び
空中で壁に触れる瞬間に壁とは逆の方向にスティックをはじき入力すると壁を蹴って跳ぶ。マリオ、ファルコン、シーク、サムス、フォックス、ピチュー、ファルコ、こどもリンクが使用可能。ターゲットを壊せにおいて、一部のキャラクターはこれを使わないと攻略できない。
必殺ワザ(B攻撃)の追加
64版ではB攻撃はNB、上B、下Bの3種類だったが、新たに『横B』が全キャラに追加された。
この追加に伴い、リンクとプリンとネスの前作でのNBは横Bに移され、別の新たなNBを用意されている。
投げワザ、つかみ攻撃の追加
64版でもZボタン、またはガード+Aボタンでつかんだ後、スティック前か後ろで相手を投げることができたが、本作ではスティック上と下でも投げワザを出すことができ、各キャラはそれぞれ4種類の投げワザが出せるようになった。
この追加に伴い、カービィ、ピカチュウ、キャプテン・ファルコン、プリンといった前作の投げワザが残っているキャラは、それらがそれぞれ別方向の投げワザに変更されている。
また、つかみ中にAボタンで少量のダメージを与えるつかみ攻撃が行える。
反対に、本作からつかまれている側は時間経過やレバガチャなどでつかみから抜け出せるようになった。(前作ではドンキーコングのリフティング中など、一部の動作でのみ抜け出せた)
ワイヤー復帰
DXではリンク、こどもリンク、サムスが可能。フックショットやグラップリングビームを壁に突き刺す事でぶら下がり、攻撃ボタン入力でたぐり寄せてジャンプする復帰。以降の作品でもワイヤーは壁から崖に刺さるようになったり、復帰距離が伸びたりと調整、また使用可能なキャラクターが増加されている。
ルーペ状態
本作以降は画面の外の領域に入り、ルーペ状態になると150%まで徐々にダメージを受けるようになった(バーストはしない)。
自滅点
追加ルールで自滅点を-1点から-2点や無しに変更できるようになった。
制限時間
ストック制の乱闘にも制限時間を設ける事ができるようになった。制限時間で決着が着く際には残りストックで勝敗が決する。
プレイヤーキャラクター
太字は本作から参戦するファイター。
- マリオ(スーパーマリオシリーズ)
- ドンキーコング(ドンキーコングシリーズ)
- リンク(ゼルダの伝説シリーズ)
- サムス(メトロイドシリーズ)
- ヨッシー(ヨッシーアイランドシリーズ)
- カービィ(星のカービィシリーズ)
- フォックス(スターフォックスシリーズ)
- ピカチュウ(ポケットモンスターシリーズ)
- ネス(MOTHER2)
- キャプテン・ファルコン(F-ZEROシリーズ)
- クッパ(スーパーマリオシリーズ)
- ピーチ(スーパーマリオシリーズ)
- アイスクライマー(アイスクライマー)
- ゼルダ/シーク(ゼルダの伝説 時のオカリナ)
- ルイージ(スーパーマリオシリーズ)
- プリン(ポケットモンスターシリーズ)
- ミュウツー(ポケットモンスターシリーズ)
- マルス(ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣/紋章の謎)
- Mr.ゲーム&ウォッチ(ゲーム&ウオッチシリーズ)
- ドクターマリオ(ドクターマリオ)
- ガノンドロフ(ゼルダの伝説 時のオカリナ)
- ファルコ(スターフォックスシリーズ)
- こどもリンク(ゼルダの伝説 時のオカリナ/ムジュラの仮面)
- ピチュー(ポケットモンスターシリーズ)
- ロイ(ファイアーエムブレム 封印の剣)
このうち、ドクターマリオ、ガノンドロフ、こどもリンク、ファルコ、ピチュー、ロイは別のキャラクターの骨格や動きを流用、ワザのダメージや吹っ飛ばし力や体重などを調整され、制作されたモデル替えキャラ(所謂コンパチ)。
ニコニコ動画におけるスマブラ
ゲームキューブ本体のシェアがあまり伸びていない中での発売だった為か
初代の大乱闘スマッシュブラザーズやWiiの大乱闘スマッシュブラザーズXの動画よりは少ない。
かといってスマブラDXの人気がないわけではなく、Xが発売された後も中古では比較的高値で売ってたりする。(Wiiでもプレイできる為)
アレンジの多くを酒井省吾氏が担当しているためか、秘かにBGMも秀逸だったりする。
また、動画のタグとしては大乱闘スマッシュブラザーズDX、スマデラ、スマブラDXなどがあるが
普及率から考えてスマブラDXが望ましい。
イベント用ディスク
本作の発売日前後に、一部の地域で「イベント用ディスク」なる正体不明のディスクが目撃されている(試遊台のGCに放り込まれていた)。
このディスクは以下の特徴を持つ。
- 対戦モードのみの収録
- 隠しキャラ・隠しステージの大部分が解放されている(通常の体験版ディスクの場合、隠しキャラ・ステージの出現条件を達成する前にゲームが終了してしまう。つまり通常の体験版ディスクでは隠しキャラ・ステージの解放は不可能)
- 起動時に「このディスクはイベント用のため、対戦モードのみの収録です」の旨の注意書きが画面に表示される
このため、目撃者によっては「誰かが隠しキャラを出してしまった、これではネタバレだ」と受け取られることもあったようだ。
(なお、通常の体験版では上記の通り隠し要素の解放は仕様として不可能となっている)
ちなみに本項目を追加した編集者も某所でイベント用ディスクを目撃している。
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