曖昧さ回避
概要
斬首などが原因で胴体から切り離された人間の頭部のこと。あるいは、砂浜に胴体が埋められ首だけを出している状態などを指して生首ということもある。
戦勝の証・見せしめとしての生首
歴史上、戦場において倒した敵の首を切り落とす行為は、古今東西を問わずに広く行われてきた。これは勝った者の武勲を示す証拠を得るための行為とされ、長く戦う者の誉れと考えられてきたからである。また単に首を落とすだけでなく、得た首そのものに関しても、首実検によって戦功を計る材料としたり、何らかの技法で腐らないようにしたのち家に飾ったり、時には呪術的な実験の材料とされるなど、様々な用途に使用された。
日本の武士社会において死罪を与えられた場合、たいていは切腹することとなるが、その際実際には腹に刀を当てたとほぼ同時に介錯されて首を落とされることが多い[1]。
戦勝の証にしろ、重罪人の見せしめにせよ、どちらも共通しているのは「さらされた人物は死んでいる」という絶対的な事実を突きつけることである。本能寺の変などでは織田信長の首印を得ることができなかったことが、明智光秀のその後の天下掌握の失敗の一因となったとも言われている。
前述した戦場の件も含めて、武士とは、このような生首と斬っても切れない側面を持つ文化を持っていたと言える。しかしそうした側面は武士以外の階層文化においても見られ、刑が執行された後に重罪人の生首を衆目にさらす「さらし首」(獄門)という刑は、平安時代の以後、幅広く行われた。
海外に目を向けると、フランス革命期のフランスではギロチンで毎日生首が量産された。
もともとギロチンは、それまでの斬首方では上手く首を切り落とし損ねることが多かったことから、死体が無残に損壊することを防いだり、首切り役人が良心の呵責に耐えられなくなる事を防ぐ目的も兼ねて開発されたものだった。そのため当時は「一瞬で終わり、苦痛を与えない人道的な処刑法」として珍重され、主に貴族を対象として盛んに使用された。
また古代のイギリスでは、ムラ同士の争いが起きるたびに、倒した相手の首を切り落としては、それを大勢で足蹴にして辱めを加える行為が盛んに行われていた。後に、これが多人数で奪い合いながら蹴り合う形に発展したのが、現在のサッカーの原型であると言われる。
偶然にも、これとそっくりな競技がメソアメリカ文明においても広く行われていたが、こちらはその後ヨーロッパ人の侵略によってほぼ跡形も無く滅ぼされてしまったため、現在までその詳しい内容は伝わっていない。
生首に関する怪異・伝説
- 平将門 - 平安時代に関東で反乱を起した平将門は京都でさらし首になった後も生首の状態で空を飛び、やがて関東に飛び戻ったとも言われている。
- 下斗米秀之進 - 江戸時代の後期に起きた相馬大作事件の首謀者。捉えられて獄門にかけられたが、刑場に晒された首が数日に渡って大きな声で唸り続けたと言われる。
- 猫神様 - 伝説に出てくる守り神。妖怪と怪しまれて首をはねられた猫の首が、空中を飛んで家人を狙っていた魔物に挑みかかり退治したとされる。首を刎ねた贖罪も含め、現在は厚く祭られている。
- ろくろ首 - 日本の妖怪であるろくろ首は、一般に首が繋がったまま伸びるものとされている。しかし小泉八雲の小説など、中国の飛頭蛮と同じように胴から離れて頭だけが飛び回るもののことをこの名で呼ぶ例も多い。
- 飛頭蛮 - 中国の妖怪である飛頭蛮は生首の妖怪。三国志は呉国の武将、朱桓の家に下女として使えていたことでも知られる。
- メデューサ - ギリシア神話の怪物メデューサは英雄ペルセウスに首を落とされ、その生首はペルセウスに持ち帰られた。しかし、生首になってもメデューサの呪いの力は衰えず、見たものを石化したといわれている。
- ミーミル - 北欧神話に登場する神。巨人とも言われている。斬首されて生首になった後も主神オーディンに生かされ続け、知恵を与えたといわれている。
- デュラハン - ケルト文化圏に伝わる伝説の中の怪物。片手に自分自身の生首を持ち、もう片手で手綱を操りながら馬車に乗るが、その馬車を引く馬には頭部が無いなど、異様な姿をしている。
創作の中の生首
現代において生首はやはり残酷な表現であり、使用される場所は限定される。その一方で見た目がかわいいのに生首表現を入れることでよりギャップをつけた残酷描写にされる場合もある。漫画「デビルマン」ではヒロインが生首になってしまうという衝撃の展開が多くのトラウマを生んだ。
また、人型ロボット/アンドロイドを題材にした作品においてはロボットは修理できるが故に生首になってもギャグ描写で済まされる。首と胴体部分が離れて生首になってもそのまましゃべり続ける場合もあり、この場合では残酷描写にはならない。
隣国である韓国の恋愛シミュレーションゲームには生首育成ゲームと呼ばれる「tomak」が存在している。また、日本でも修羅の国ゆえに生首フェラという事態が発生したこともある。
また一般なイメージとは逆に、非常に苦しいにもかかわらず、何らかの事情で死ぬ事が出来ない存在として生首が登場する例もごく稀に見られる。
ニコニコ動画の生首
東方Projectの二次創作キャラである「ゆっくりしていってね!!!」が大多数を占めていると思われる。また、まれにVOCALOID派生キャラである「たこルカ」に対しても形容として使われることがある。
また、アニメ版「School Days」の最終回もやはり生首が重要な存在となっており、当時のニコニコ動画ではNice Boat.の声があふれた。
鉄道スラングとしての生首
鉄道スラングとしての「生首」とは、車両保存するか否かに於いて、1両丸ごと静態保存するほどでもないが資料としての価値は十分にある場合、若しくは展示スペースの関係で1両丸ごと保存が不可能な場合の苦肉の策として行われる。
いわゆる、カットボディのことで、運転台(+α)の部分のみが残っている状態を『生首』と呼ぶ。
有名な生首状態の保存車両
- 0系新幹線
- 103系
- 167系修学旅行専用車
- EF58形電気機関車
- EF15形電気機関車
- EF66形電気機関車
- EF63形電気機関車
- EF60形電気機関車
- 113系
- 叡山電鉄デナ21形
- D51形蒸気機関車
- 新京成電鉄800形
- 新京成電鉄8000形
- 札幌市営地下鉄6000形
- キハ56形
- 近鉄3000系
- 京急1000形
- 485系
- ED76形電気機関車
- EF30形電気機関車
- 811系
- 西武鉄道5000系
- 阪急5200系
- 名鉄5500系
- 名鉄8800系
関連動画
関連商品
関連項目
- 首 / ネック
- 斬首 / 頭 / 髑髏 / 首桶
- ゆっくりしていってね!!! / たこルカ
- エルフェンリート / 如月(エルフェンリート)
- 機動戦士Vガンダム
- 銀河鉄道999
- 新世紀エヴァンゲリオン / 渚カヲル
- School Days(アニメ版) / 伊藤誠
- 千と千尋の神隠し
- Dr.スランプ
- tomak
- ロリポップチェーンソー
- ドリフターズ(漫画) / 妖怪首おいてけ
- ヒストリエ
- サッカー
- 首がもげたキャラクターの一覧
ゆっくり実況プレイ
概要
ゆっくり霊夢などと同様の生物であり、その姿はまさに生首であるという噂もある。
そのゆっくりボイスで魔導物語をあんまりゆっくりじゃないペースで実況している。
魔導物語への情熱は激しく、コンパイルが倒産し入手困難になっててしまった現在でも、関連商品を買い集めている模様。
キャラクターのボイスに声が被らないように気を付けるなど、視聴者への配慮が心地よい。
過去にPC98版魔導物語2のゆっくりと実況プレイ(同一人物ではなく別人)やPC98やMSX版の魔導物語やプレイ動画でわくぷよダンジョンを投稿していたが、現在は削除され、PCEの魔導物語炎の卒園児・GG版魔導物語の2シリーズのみとなっている。
ゆっくり実況プレイ以外にもMADなどの動画投稿も行っている。
関連動画
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関連コミュニティ
関連項目
脚注
- *ただし切腹における介錯(首切り)は、一種のサービスとして行われていたとされる。これは人間の腹部には直ちに死につながるような大きな血管は通っていないため、腹を切っただけでは失血死するまでのかなり長時間にわたって無意味に苦しみ続けることとなるからである。これが江戸期も後半になると、例え切腹の場合でも扇子を刀に見立てて形式的に腹を切るだけとなり、介錯により斬首してもらって死ぬのが一般的な絶命方法となった。
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