走れコウタローとは、フォークソンググループ「ソルティー・シュガー」の楽曲である。
概要
作詞・編曲:池田謙吉/作曲:池田謙吉、前田伸夫
発売日:1970年7月5日
受賞歴:第12回日本レコード大賞新人賞
この曲は、当初、遅刻が非常に多かったメンバーの山本コウタローへの当てつけとして作られた曲だったが コウタローという馬が実在した[1]ことで、競馬の曲への完成をみた。
歌詞としては、競馬の風景(出走前・観客席・出走後ゴール直前まで)の描写、早口の実況中継、当時の人気ギャグなどを織り交ぜている。
中でも中盤、競馬を含む公営競技の廃止に取り組んでいた、当時の東京都知事・美濃部亮吉を真似たナレーションと、そんな美濃部に対する風刺として、麻雀の役を馬名に織り込んだ競馬実況が入っている。
競馬の曲だが、プロ野球選手だった愛甲猛がロッテオリオンズ在籍中、この曲が応援歌として採用されていた。
カバー
走れマキバオー
アニメ『みどりのマキバオー』のオープニングテーマ曲として、フジテレビに在籍するアナウンサーの、福井謙二・三宅正治・青嶋達也によるユニット「F・MAP」がカバー。
「コウタロー」を「マキバオー」に差し替えたり、ナレーションの中身を変えたりする程度で、歌詞はほぼ同じ。
差し替えられたナレーションの中身は、アニメ放送当時の東京都知事・青島幸男が、世界都市博覧会中止決定を踏まえ、公営競技も中止してしまおうという中、三宅正治が「レースの実況はアオシマですよ!」と促し、「名前が好きだな!やっぱり開催するか!」と福井謙二が中止を撤回してしまうという内容である。
そして肝心の実況中継は、流暢でかつ非常に早口で有名なアオシマバクシンオーの本気が見て取れる。
この他冒頭には、原曲にすら存在しないオリジナルのセリフ(競馬実況)が入っているほか、サビの「走れ」を歌う回数も一部異なる。具体的には、『走れコウタロー』が1番(走れ×2)→2番(走れ×3)→セリフ(走れ×2)→3番(走れ×2→走れ×5)、『走れマキバオー』がセリフ→1番(走れ×2)→2番(走れ×3)→セリフ(走れ×2→走れ×3)、3番(走れ×2→走れ×3→走れ×5)となっている。
走れウマ娘
ゲーム・アニメ『ウマ娘 プリティーダービー』のCMソングとして、出演声優8名(和氣あず未・高野麻里佳・Machico・上田瞳・大空直美・渡部優衣・藤井ゆきよ・明坂聡美)によりカバー。
(公式表記はそれぞれの役名であるが、長くなる為、割愛する)
歌詞・セリフは作中の世界観(ウマ娘のレースに騎手はいない・ギャンブルではない・ウイニングライブがある等)に合わせて大幅に改変され、残された原曲の歌詞は4割程度である。またマキバオーからもエッセンスが引き継がれており、冒頭の実況はそちらの影響である。
一方で曲調自体に大きな変更点は無いが、ラスサビ部分はコウタロー、マキバオーでは馬のギャロップ走法のリズムに合わせた「はっしれ、はっしれ」と言うリズムだが、ウマ娘は二足歩行なので「はしれー、はしれー」と人間のストライド走法のようなリズムへと変更されている。
2番冒頭の歌詞の「スタートダッシュで出遅れる どこまで行っても離される」の部分は、「ゴールドシップ」役の上田瞳が担当している。(ライブでも同じ) どう考えても120億円事件のアレである
藤井ゆきよ演ずる「駿川たづな」の好物は、ラーメンと餃子である事を明かしているが、これは、ちゃっかり残された伝統の都知事ネタである(ラーメンは、放送当時の東京都知事・小池百合子の好物でもあり、新型コロナウイルスのパンデミックが本格化する前までは毎週1回は食べに行っていた。2017年10月の第48回衆議院議員総選挙でも応援演説の合間にお忍びで食べに行っていたという)。この設定は後にリリースされたアプリ版にもしっかり引き継がれているようで、彼女とラーメン屋に行くイベントが存在する。
大空直美・渡部優衣が起用された理由は、大空直美演ずる「タマモクロス」と渡部優衣演ずる「ウイニングチケット」が、前述の『マキバオー』の主人公・ミドリマキバオーのモデルの一つとなっているからと推測される(身体的特徴・実績・血統等でいくつかの名馬の要素がミックスされている)。また、実況パートでコウタローやマキバオーの立ち位置で名を呼ばれるのはスペシャルウィークだが、何気にタマモクロスの名が呼ばれる機会も多かったりする。
余談だが、アニメ2期でダイユウサクの立ち位置で登場したウマ娘の名が「ダイサンゲン」なのは、走れコウタローで同じ言い換えをしており、そこに1991年有馬記念で雑誌にも載ったフジテレビ堺正幸アナの実況「これはビックリ、ダイユウサク!!」を組み合わせたからではないかと言われている。
関連動画
走れコウタロー
走れマキバオー
走れウマ娘
愛甲猛
缶コーヒーCM
2021年、大手清涼飲料メーカーが製造する缶コーヒーのCMに、本楽曲の替え歌が収録。ナレーションに杉本清を起用。
関連項目
- 競馬
- 愛甲猛
- みどりのマキバオー
- ウマ娘 プリティーダービー
- ゴールドシップ - スタートダッシュで出遅れた奴
- オルフェーヴル - トップにおどり出て、ついでに騎手(池添謙一)まで振り落とした奴(それも2回)
- ダイサンゲン(ウマ娘)
脚注
- *父ヒンドスタン・母グレイベルベットの1960年生の牡馬。通算66戦15勝で阪神3歳ステークス・阪神大賞典など重賞3勝、1964年秋の天皇賞で3着などの実績を持つ。なお肝心のダービーには出走していなかったりする。
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